キオクシアは、スマートフォンやデータセンターなどで広く使われるNAND型フラッシュメモリを製造している大手半導体メーカーです。東芝のメモリ事業を前身とし、外資系ファンドの出資を受けて2019年に現在の社名へと改称しました。平均年収が約770万円と高水準なことでも注目を集めており、将来性と安定性を兼ね備えた企業として、20代や第二新卒のビジネスパーソンから大きな関心を集めています。

キオクシアの会社概要

キオクシアはNAND型フラッシュメモリを主力製品とする日本の半導体メーカーです。もとは東芝の半導体部門を分社化して設立された背景を持ち、外資系ファンドのベインキャピタルをはじめとする企業連合の出資を受けて成長を続けています。東芝の一部門であった頃の技術力や大企業としての基盤に加え、外資系資本の影響により成果主義が強まっている点が特徴です。

項目	内容
会社名	キオクシア株式会社
英語名	Kioxia Corporation
資本金	100億円
本社所在地	東京都港区芝浦3-1-21 田町ステーションタワーS
事業内容	NAND型フラッシュメモリ、SSD、SDカードなどの開発・製造・販売
設立背景	東芝メモリホールディングス（旧：東芝メモリ）を改称し設立

キオクシアはスマートフォンからデータセンター、各種家電に搭載されるメモリソリューションを提供しており、世界的にも高いシェアを持つ企業です。特にNAND型フラッシュメモリの需要はスマートデバイスやAI分野の成長に伴って急速に拡大しているため、20代や第二新卒のビジネスパーソンにとっても長期的なキャリアアップが期待できる環境だと言えます。

キオクシアの平均年収はどのぐらい？

キオクシアは上場企業ではないため、有価証券報告書による完全な詳細データは公表されていませんが、転職サイトのデータ等によると、平均年収は約770万円（平均年齢39歳）とされています。国税庁の公表する日本人平均年収（約461万円）と比較すると高い水準であり、半導体・半導体製造機器メーカー全体の平均（約530万円）と比べても優位に立っていることがわかります。

こうした給与水準の背景には、半導体メモリ市場の旺盛な需要や、旧東芝から受け継いだ大企業としての基盤の存在が挙げられます。さらに外資系ファンドの影響で成果主義が進み、技術力や英語力、マネジメント力を発揮できる人材には報酬面で優遇があるため、若手のうちから高い給与レンジを狙える点も魅力です。

年度別の平均年収推移

以下の表は、有価証券報告書による公式発表が限定的であるため、外部の転職サイトや調査レポートを踏まえた参考値です。東芝の一部門として稼働していた時期からみても、大きく年収が下がることはなく、むしろ独立後の業績拡大や外資資本注入によって報酬体系がよりダイナミックになったとの見方があります。

年度	推定平均年収	データ出所	備考
2022年頃	730万〜750万円	一部転職サイトの独自調査	東芝メモリからキオクシアへ移行途中
2023年頃	750万〜770万円	求人情報およびエージェントの集計	好調な市況でメモリ事業の収益が拡大

一般の上場企業のように、毎期の有価証券報告書がないため正確な数値の変遷は公表されていませんが、ほぼ同水準かやや上昇基調で推移しているとみられています。20代後半から30代にかけての年収レンジが高いことは魅力的であり、第二新卒層からも人気の理由となっています。

他企業との比較データ

半導体業界は全体的に高い年収水準が特徴で、特に製造装置メーカーや検査装置メーカーは際立った数値を示しています。一方、メモリを主力とする企業の中では、キオクシアの報酬はそこまで突出してはいないものの、安定感と将来性が高く評価されています。

企業名	平均年収	出所
ディスコ	1,507万円	24年3月期決算
東京エレクトロン	1,273万円	24年3月期決算
アドバンテスト	1,005万円	24年3月期決算
ルネサスエレクトロニクス	889万円	23年12月期決算
ローム	879万円	24年3月期決算
日立ハイテク	834万円	19年3月期決算
浜松ホトニクス	772万円	23年9月期決算
キオクシア	770万円	転職サイト情報

上記の装置メーカー（ディスコ、東京エレクトロン）と比較するとやや劣るように見えますが、メモリ分野を主軸とする企業では非常に高い方に属します。市況によって業績が大きく左右されるため、今後の景気動向によってはさらに年収水準がアップする可能性も指摘されています。

キオクシアの役職別年収データ

キオクシアでは、若手が担当する「主事」や中堅クラスの「主務」を経て、管理職にあたる「参事（課長クラス）」や「部長クラス」へと昇格していきます。年功序列の要素が残っているとはいえ、外資系資本の影響で成果が認められれば早期に昇進するチャンスもあります。特に30代で参事相当の役職につくと、年収1,000万円近くまで到達する例も珍しくありません。

役職	年次	年収イメージ
主事	1〜5年目	400〜600万円
主務	6〜14年目	600〜900万円
参事（課長クラス）	15年目以降	1,000〜1,100万円
部長クラス	20年目以降	1,100万円以上

若手のうちは横一列で評価されがちとの声もありますが、外資色が濃くなるにつれ30代以降での昇格スピードに差が出るようになっています。評価制度が変化しつつある過渡期にあるため、技術スキルや英語力に加えて、社内外の調整能力を発揮できる人材はさらに上位ポジションを狙いやすい状況です。

キオクシアの年齢別年収推移

キオクシアでは、若手社員であってもベースの給与水準が比較的高めに設定されている一方、30代以降になると個人の成果や専門スキル、リーダーシップなどによって大きく差がつきはじめる傾向があります。もともと東芝の一部門として培った技術力や市場での高いシェアを背景に、業績好調な年には賞与や昇給幅が大きくなるという特徴も見られます。特に研究開発やエンジニアリングなどのコア領域で実績を上げれば、20代後半から大きく年収を伸ばせる可能性があります。

下記の表は、キオクシアにおけるおおまかな年齢別年収のイメージをまとめたものです。昇進スピードや配属部門、残業時間、そして個人の評価によって最終的な年収は変動しますが、あくまで一つの目安として参照することで、将来的なキャリアビジョンを考える手がかりになるでしょう。

年齢	推定年収レンジ
25歳	450〜500万円
30歳	650〜700万円
35歳	850〜900万円
40歳	1,000万円以上（評価次第）
45歳	1,100万円以上（評価次第）
50歳	1,200万円以上（評価次第）

半導体メモリ市場は需要の波が大きく、業績によって賞与や各種手当の支給額が変わるため、景気サイクルに左右される面があるのも事実です。とはいえ、世界的にもデータ領域への投資は拡大の一途をたどっており、キオクシアが担うNAND型フラッシュメモリの需要も長期的には堅調が見込まれます。技術力や英語力、マネジメントスキルがあれば、より上位の役職にステップアップし、キャリアを大きく飛躍させるチャンスを得られるでしょう。

キオクシアの福利厚生

キオクシアはもともと東芝の一部門だったこともあり、大手メーカーらしい福利厚生の充実度が魅力です。近年は外資系ファンドの影響を受けて制度面の再編が進んでいるものの、住宅サポートや育児支援、研修制度などは依然として手厚い水準を保っています。公式ページや関係者の声を参考に、主な福利厚生を以下の表に整理しました。

項目	詳細
住宅サポート	独身寮や社宅が用意され、本人負担は家賃のおよそ3割程度になるケースが多いです。勤務地によって費用は変わりますが、四日市工場勤務の場合は月1万5千円〜2万円程度とされています。賃貸や持ち家への住宅手当もあり、生活コストを軽減できます。
育休制度	お子さんが満3歳に達する月末まで育休を取得できる制度を整備しており、小学校6年生までの子どもがいる場合は時短勤務も可能です。近年は男性社員による育休取得の事例も増えてきています。
残業・有給休暇	毎週ノー残業デーを設け、有給休暇の取得促進にも積極的です。各部門で年間の目標取得日数を設定するなど、ワークライフバランスを重視した取り組みを行っています。
通勤手当	四日市工場で働く社員の約9割が車通勤をしており、距離に応じた通勤手当が支給されます。公共交通機関を利用する方には最寄り駅から工場までのバスを活用できるため、通勤負荷を抑えられます。
勉強会・研修	入社後の共通研修や部門ごとの専門技術研修のほか、海外出張や英語を使うプロジェクトが多い部門向けに語学研修を実施しています。中途入社の場合でも受講可能な機会があり、キャリアアップを支援する環境が整っています。

こうした制度は、若手社員がスキルを磨きつつ長期的にキャリア形成を図るうえで大きな後押しになるでしょう。とりわけ半導体業界では、短期間で大きな成果を求められるプロジェクトが多いため、ワークライフバランスを保てる福利厚生は社員にとって重要な要素です。育児や介護などのライフイベントと仕事を両立しやすい環境が整っている点は、転職先としてのキオクシアを選ぶうえでの大きなメリットといえます。

キオクシアの転職難易度は？

キオクシアは、給与水準の高さや半導体市場の成長性、そして外資系ファンドの影響によって変革が進められている魅力的な企業として転職市場でも人気を集めています。装置メーカーほどではないとはいえ、メモリ分野における技術力は世界的に評価が高く、特に四日市工場や北上工場などの生産拠点を中心に、活発な人材募集が行われているタイミングもあります。

近年では中途採用も積極的に行われるようになり、実際に20代後半〜30代前半の社員が入社後に大幅な年収アップを実現した事例も見受けられます。ただし、課長クラス以上の管理職採用枠や専門性の高い研究開発ポジションは競争率が高く、英語力や半導体関連の専門知識が求められるケースが多いです。自分の市場価値を事前に把握したい場合は、ビズリーチなどのハイクラス向け転職サイトに登録する、あるいはキャリアアドバイザーに相談する方法が効果的といえます。

面接対策としては、東芝時代の文化と外資色の強い新しい経営スタイルが交錯する組織風土を理解し、自分の強みをどのように生かせるかをアピールすることが鍵になります。製造現場であれば品質管理やプロセス改善、研究開発であれば独自の技術や特許戦略にどう貢献できるかなど、具体的な実績を提示できると選考を有利に進めやすいでしょう。

まとめ

キオクシアは、NAND型フラッシュメモリの需要拡大という追い風を受けて成長を続ける半導体メーカーです。旧東芝の時代から受け継がれる大企業としての安定感に加え、外資系ファンドの導入による成果主義やグローバル化の推進といった新しい風が吹き込んだことで、給与水準や福利厚生の充実度といった面でも魅力的な要素を兼ね備えています。

転職難易度は相応に高いものの、近年は中途採用の門戸が広がっています。自分の専門性や英語スキル、リーダーシップなどをしっかりとアピールできれば、20代や第二新卒であっても管理職候補として評価されるケースも増えてきました。今後も半導体メモリの需要は拡大が見込まれるため、キオクシアでの経験は業界全体におけるキャリアの選択肢をさらに広げる可能性があります。