マヨネーズやドレッシングでおなじみのキユーピー株式会社(以下、キユーピー)は、創業100年を超える老舗食品メーカーです。この記事では、キユーピーの最新平均年収データから役職別・年齢別の年収推移、さらには福利厚生や転職難易度まで、転職を検討されている方が知りたい情報を詳しく解説します。有価証券報告書に基づく正確なデータをもとに、キユーピーの年収水準を他社と比較しながらご紹介します。
キユーピーの会社概要
キユーピーは1919年(大正8年)に設立され、1925年に日本初のマヨネーズを発売して以来、約100年にわたり日本の食文化を支えてきた大手食品メーカーです。連結売上高は4,839億円(2024年度)を誇り、マヨネーズ・ドレッシング分野では国内トップシェアを維持しています。東証プライム市場に上場しており、連結従業員数は10,517人(2024年11月末現在)の大企業です。市販用事業だけでなく業務用事業、海外事業、フルーツソリューション事業、ファインケミカル事業など多角的な事業展開を行っており、食の分野で幅広く展開している企業として知られています。
キユーピーの基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | キユーピー株式会社 |
本社所在地 | 東京都渋谷区渋谷1-4-13 |
設立年 | 1919年(大正8年)11月 |
業種 | 食料品 |
事業内容 | マヨネーズ・ドレッシング等調味料の製造販売 |
上場市場 | 東証プライム市場 |
キユーピーの事業は大きく6つの領域に分かれています。主力となる市販用事業では、一般消費者向けのマヨネーズやドレッシング、サラダ、総菜などを展開しています。業務用事業では、レストランや食品メーカー向けに調味料や卵製品を供給し、外食・中食産業を支えています。海外事業では中国・東南アジア・北米でマヨネーズやドレッシングを展開し、グローバル市場での成長を目指しています。また、ジャムやフルーツ加工品を手がけるフルーツソリューション事業、ヒアルロン酸や卵黄レシチンなどの機能性素材を扱うファインケミカル事業、食品製造機械の販売などを行う共通事業も展開しています。特に創業者の「食を通じて社会に貢献する」という理念のもと、食の安全・安心を追求し続けている企業です。
キユーピーの平均年収はどのぐらい?
キユーピーの2024年度の平均年収は687万円です。これは全国の平均年収460万円(出典:国税庁)と比較すると、227万円高い水準となっており、給与水準の高い企業であることがわかります。また、直近においてもキユーピーの平均年収は17.07%の上昇トレンドにあり、安定した成長を続けている企業です。
年度別の平均年収推移
年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 従業員数 |
---|---|---|---|
2024年度 | 687万円 | 41.7歳 | 2,327人 |
2023年度 | 639万円 | 41.6歳 | 2,408人 |
2022年度 | 613万円 | 41.6歳 | 2,408人 |
2021年度 | 601万円 | 41.2歳 | 2,540人 |
2020年度 | 585万円 | 40.8歳 | 2,549人 |
2019年度 | 579万円 | 40.5歳 | 2,576人 |
出典:キユーピー株式会社 有価証券報告書(2024年度ほか各年度)
過去6年間の推移を見ると、キユーピーの平均年収は着実に上昇しており、2019年度の579万円から2024年度の687万円まで、108万円(約18.7%)の増加となっています。特に2023年度から2024年度にかけては48万円の大幅な増加を記録しており、企業の業績向上と従業員への還元が行われていることがうかがえます。平均年齢は40代前半で安定しており、平均勤続年数は16.2年と、長期勤続を前提とした安定した雇用環境が提供されています。
他企業との比較データ
企業名 | 平均年収 | 業界内順位 |
---|---|---|
キユーピー | 687万円 | 42位/74社 |
東証プライム食品業界平均 | 718万円 | – |
アサヒグループホールディングス | 1,232万円 | 1位 |
明治ホールディングス | 992万円 | 上位 |
味の素 | 938万円 | 上位 |
出典:各社有価証券報告書、転職回廊
東証プライム上場企業の食品業界の平均年収は718万円であることから、キユーピーの687万円は業界平均よりも31万円低い水準となっています。業界内順位は42位(全74社中)という結果です。ただし、東証プライム上場企業全体の平均年収は742万円であることを考慮すると、全体では平均的な給与水準と言えます。食品業界の特性として、持株会社である大手総合食品メーカーが上位を占める傾向があり、事業会社としてのキユーピーは堅実な水準を維持していると評価できます。
キユーピーの役職別年収データ
役職 | 推定年収(万円) |
---|---|
一般職 | 400~600万円 |
係長・主任クラス | 550~700万円 |
課長クラス | 700~900万円 |
部長クラス | 900~1,200万円 |
役員クラス | 約4,567万円(取締役平均) |
出典:キユーピー株式会社 有価証券報告書(2024年度)、転職回廊
キユーピーでは年功序列を基本とした給与体系が採用されており、役職に応じて段階的に年収が上がる仕組みになっています。一般職から係長・主任クラスまでは比較的緩やかな上昇ですが、課長以上の管理職になると大幅な年収アップが期待できます。特に総合職の平均年収は798万円、管理職級の平均年収は1,060万円前後となっており、管理職への昇進が年収向上の重要なポイントとなります。2024年度の取締役の平均報酬は約4,567万円(取締役6名で総額2億7,400万円)となっています。社内での昇進を重視する企業文化があり、長期的なキャリア形成を通じて着実な年収向上が見込める環境です。
キユーピーの年齢別年収推移
年代 | 推定年収範囲(万円) |
---|---|
20代 | 400~550万円 |
30代 | 550~750万円 |
40代 | 650~850万円 |
50代以上 | 700~900万円 |
出典:転職回廊、年収ガイド(賃金構造基本統計調査業種別賃金カーブデータからの推計値)
キユーピーの年齢別年収推移を見ると、新卒入社時から着実に年収が上昇し、50代前半でピークを迎える典型的な日本企業の給与カーブを描いています。20代では400万円台から始まり、30代で600万円台、40代で700万円台と順調に上昇します。最高年収となる50代前半では900万円台に達しますが、その後は定年に向けて緩やかに減少していく傾向です。月々の平均手取りについては、20代では28万円前後、最高年収となる50代では46万円前後となります。食品業界の特性として安定した雇用が保障されており、長期的なライフプランを立てやすい年収推移となっています。ただし、昇進のスピードや評価によって個人差があることも考慮する必要があります。すべて有価証券報告書またはIR資料、企業公式ホームページ・採用サイトに基づくデータですが、詳細な年代別データについては公式データとしては非開示となっている部分もあります。
キユーピーの福利厚生
キユーピーでは従業員の働きやすさを重視した充実した福利厚生制度が整備されています。特に住宅関連の支援が手厚く、住宅手当や社宅制度、持ち家支援などが用意されています。
- 住宅関連手当:地域や役職に応じて住宅手当を支給、持ち家でも年額100万円程度の支援事例があります
- 交通費:全額支給(会社規定内)で通勤費の負担がありません
- 退職金制度:確定給付企業年金制度が整備されており、将来の安心につながります
- 健康保険:キユーピー健康保険組合による手厚い医療サポートがあります
- 賞与:年2回(春・冬)の賞与で、年間4~5ヶ月分程度が支給されます
- 有給取得:有給取得率については公式データとしては非開示となっています
出典:キユーピー株式会社公式サイト、OpenWork口コミ情報
その他の福利厚生として、食品メーカーならではの自社製品の社員割引制度、充実した研修制度、育児・介護支援制度なども整備されています。特に住宅補助については地域差があるものの、東京都内勤務者には手厚い支援があることが特徴です。健康管理面では定期健康診断はもちろん、人間ドックの費用補助なども行われており、従業員の健康維持をサポートしています。また、長期勤続者に対する特別休暇制度や、社員食堂の利用、厚生施設の利用なども含まれており、総合的に見て大手食品メーカーとして標準的かそれ以上の福利厚生が提供されています。
キユーピーの転職難易度は?
キユーピーへの転職難易度は中程度から高めと考えられます。食品業界大手として知名度が高く、安定した経営基盤を持つことから、転職希望者からの人気は高い企業です。
求められる人材像
キユーピーが求める人材は、まず食品業界での実務経験を持つ即戦力となる人材です。特に営業職では、食品関連の法人営業経験や小売業界での営業経験が評価されます。技術系職種では、食品工学、化学工学、農学系の専門知識を持つ人材が重宝されます。また、海外事業の拡大に伴い、英語力や海外駐在経験を持つ人材のニーズも高まっています。企業文化として「食を通じて社会に貢献する」という理念に共感し、長期的なキャリア形成を志向する人材が歓迎されます。品質管理や食品安全に関する専門知識、消費者ニーズを理解したマーケティング経験なども高く評価される要素です。
転職成功のポイント
キユーピーへの転職を成功させるためには、まず食品業界への深い理解と情熱をアピールすることが重要です。同社の歴史や企業理念、事業戦略について十分に研究し、面接では具体的なビジョンを語れるよう準備しましょう。実務経験では、単なる業務遂行だけでなく、課題解決や改善提案といった主体的な取り組み経験を具体的なエピソードとして準備することが効果的です。また、キユーピーは「2030ビジョン」として世界の食と健康への貢献を掲げているため、グローバル視点での経験や語学力もアピールポイントになります。転職エージェントを活用する場合は、食品業界に特化したエージェントを選び、企業の内情や求人の詳細情報を把握することも転職成功の鍵となります。中途採用実績、応募条件、選考プロセスなどの詳細については、公式データとしては非開示となっているため、転職エージェントや企業の採用担当者に直接確認することをお勧めします。
まとめ
キユーピーの平均年収は687万円と、全国平均を大きく上回る水準にあります。食品業界内では中位の位置づけですが、安定した経営基盤と着実な年収上昇トレンドが特徴的です。年功序列を基本とした給与体系により、長期勤続を通じて段階的な年収向上が期待でき、管理職昇進時には大幅な年収アップが見込めます。福利厚生も充実しており、特に住宅関連の支援が手厚く、働きやすい環境が整備されています。
転職を検討される方には、食品業界での実務経験と企業理念への共感が重要な要素となります。即戦力として活躍できる専門性を持ちながら、長期的な視点でキャリアを積みたい方にとって、キユーピーは魅力的な転職先と言えるでしょう。ただし、競争の激しい人気企業でもあるため、十分な準備と戦略的なアプローチが転職成功の鍵となります。年収だけでなく、企業文化や将来性も含めて総合的に判断することをお勧めします。