くら寿司株式会社（以下、くら寿司）は、全国に551店舗を展開する大手回転寿司チェーンとして知られています。無添加にこだわった「無添くら寿司」ブランドで業界第2位の売上を誇る同社への転職を検討する方にとって、年収水準は重要な判断材料となるでしょう。本記事では、くら寿司の最新の平均年収データをはじめ、役職別・年齢別の収入推移、福利厚生、転職難易度まで詳しく解説します。転職検討者の皆様が適切な判断を下せるよう、公式データに基づいた正確な情報をお届けします。

くら寿司の会社概要

くら寿司は関西発祥の回転寿司チェーンで、現在は回転寿司業界において売上第2位、店舗数第3位の地位を確立している大手企業です。同社最大の特徴は「四大添加物無添加」へのこだわりで、化学調味料・人工甘味料・合成着色料・人工保存料を一切使用しない独自路線を貫いています。国内551店舗に加え、海外展開も積極的に進めており、台湾59店舗、アメリカ76店舗を運営し、グローバル企業としての成長を続けています。

くら寿司の基本情報

項目	詳細
会社名	くら寿司株式会社
本社所在地	大阪府堺市中区深阪1丁2番2号
設立年	1995年11月（創業1977年5月）
業種	小売業（外食産業）
事業内容	回転寿司チェーン「無添くら寿司」の運営
上場市場	東証プライム市場（証券コード：2695）

くら寿司の事業内容は主に回転寿司チェーン「無添くら寿司」の運営です。同社は寿司にとどまらず、ラーメンやデザートまで全商品で四大添加物を排除した独自の商品開発を行っています。また、近年は「ビッくらポン」などのエンターテイメント要素や、セルフレジシステム「スマートくら寿司」などのDX化にも力を入れ、従来の回転寿司の概念を変革する取り組みを続けています。海外事業では台湾とアメリカに子会社を設立し、現地での店舗展開を通じてグローバル展開を加速させています。

くら寿司の平均年収はどのぐらい？

くら寿司の2024年10月期有価証券報告書によると、平均年収は499万円となっています。これは全国平均年収460万円を上回る水準で、外食業界では標準的な年収レベルといえます。ただし、東証プライム市場上場企業の平均年収742万円と比較すると、やや低めの水準となっています。

年度別の平均年収推移

年度	平均年収	平均年齢	勤続年数	従業員数
2024年10月期	499万円	31.8歳	6.7年	2,824名
2023年10月期	454万円	30.4歳	6.4年	2,267名
2022年10月期	435万円	29.8歳	6.2年	–
2021年10月期	425万円	29.5歳	6.0年	–
2020年10月期	418万円	29.2歳	5.8年	–
2019年10月期	408万円	28.9歳	5.5年	–

過去6年間の推移を見ると、くら寿司の平均年収は着実に上昇傾向にあります。2019年の408万円から2024年の499万円まで、91万円の増加を記録しており、年平均成長率は約9.8％と非常に高い伸び率を示しています。これは会社の業績向上と人材への投資拡大が反映された結果といえるでしょう。

出典：くら寿司株式会社 有価証券報告書（2024年10月期）

他企業との比較データ

企業名	平均年収	平均年齢	業界内順位
くら寿司	499万円	31.8歳	2位
スシロー（FOOD & LIFE COMPANIES）	約530万円	32.5歳	1位
ゼンショーホールディングス（はま寿司）	約480万円	30.8歳	3位
東証プライム小売業界平均	616万円	–	–
全国平均年収	460万円	–	–

回転寿司業界大手3社の年収比較では、くら寿司は業界第2位の水準となっています。最大手のスシローより約30万円低い一方で、はま寿司より約20万円高い年収を実現しています。東証プライム市場の小売業界平均616万円には届かないものの、外食業界全体の中では競争力のある水準を維持しています。年齢層が比較的若いことを考慮すると、将来的な年収上昇の余地も期待できるでしょう。

くら寿司の役職別年収データ

くら寿司の役職別年収について、公式データとしては詳細な開示がされていないのが現状です。ただし、転職サイトや求人情報から推定される年収水準をご紹介します。

役職	推定年収（万円）
一般社員	300～400
セクションリーダー	350～450
統括リーダー	400～500
店長	500～650
スーパーバイザー	600～750
エリアマネージャー	700～900

くら寿司では実力主義を採用しており、年齢に関係なく優秀な人材は積極的に昇進できる環境が整っています。中途採用者の場合、平均1年で店長に昇格できるとされており、早期のキャリアアップが期待できます。店長昇格後は月給31万円以上が保証されており、店舗の業績に応じて更なる昇給も見込まれます。

くら寿司の年齢別年収推移

くら寿司の年齢別年収については、公式データとしては非開示となっていますが、平均年齢が31.8歳で平均年収499万円であることから、比較的若い従業員層が多いことが分かります。

年代	推定年収範囲（万円）
20代	300～450
30代	450～650
40代	550～800
50代以上	650～950

くら寿司では新卒入社から2～3年で店長候補となり、実績を積めば20代後半で店長になることも珍しくありません。外食業界では比較的早い段階で管理職としての経験を積める環境が用意されており、キャリア形成には有利な企業といえるでしょう。ただし、役職に就かない場合の昇給幅は限定的であるため、積極的なキャリアアップが収入向上の鍵となります。

くら寿司の福利厚生

くら寿司の福利厚生制度は外食業界として標準的なレベルですが、一部特徴的な制度もあります。以下、カテゴリ別に詳しく見ていきましょう。

制度・手当	内容
住宅手当	支給あり（金額は限定的）
交通費	全額支給
退職金制度	なし（持株制度で代替）
賞与	なし
社員割引	全店舗で10％割引
有給取得率	比較的取得しやすい環境
健康保険	完備
厚生年金	完備

くら寿司の福利厚生で特徴的なのは、退職金制度がない代わりに持株制度が用意されている点です。また、社員割引として全国のくら寿司店舗で10％割引が適用されます。住宅手当については支給されますが、金額は限定的との声もあります。有給休暇については比較的取得しやすい環境が整っており、店長以上の役職者には年2回の長期休暇制度も用意されています。ただし、賞与制度がないため、年収は基本給に依存する構造となっています。

くら寿司の転職難易度は？

くら寿司への転職難易度は職種により異なりますが、全体的には中程度といえるでしょう。同社は積極的に中途採用を行っており、未経験者でも挑戦しやすい環境が整っています。

求められる人材像

くら寿司が求める人材像は明確で、「人を育てる人」が最も評価される企業文化があります。具体的には以下のような特徴を持つ人材が歓迎されます。人と関わることが好きで、チームワークを重視する方、向上心があり実力主義の環境で成長したい方、そして新しいことに挑戦することを楽しめる方です。同社では社員の主な仕事を「お寿司を作ること」ではなく「人材育成」と位置づけており、マネジメントスキルやコミュニケーション能力が重視されます。

転職成功のポイント

くら寿司への転職を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。まず、同社の企業理念である「食の戦前回帰」と四大添加物無添加へのこだわりを理解し、共感できることを明確に伝えることが大切です。また、実力主義の環境で早期キャリアアップを目指す意欲を示すことも重要です。店舗マネジメント経験や人材育成経験がある場合は積極的にアピールし、未経験の場合でも学習意欲と成長への意欲を具体的に示すことが求められます。面接では、同社の革新的な取り組み（ビッくらポンやDX化など）への興味関心を示すことで、企業文化への適応力をアピールできるでしょう。

まとめ

くら寿司の平均年収は499万円で、回転寿司業界では第2位の水準を維持しています。同社の最大の魅力は実力主義による早期キャリアアップの機会で、中途採用者でも平均1年で店長昇格が可能という点です。一方で、退職金制度や賞与がないため、長期的な資産形成を考える際は持株制度の活用が重要となります。

転職を検討される方は、同社の「人を育てる」企業文化に共感でき、実力主義の環境で積極的に成長したい意欲のある方に特におすすめです。外食業界でのマネジメント経験を早期に積みたい方や、全国展開・海外展開企業での経験を求める方にとって、くら寿司は魅力的な選択肢となるでしょう。ただし、ワークライフバランスや福利厚生面では改善の余地もあるため、自身のキャリアプランと照らし合わせて慎重に検討することをお勧めします。