住友ベークライト株式会社(以下、住友ベークライト)は、1911年に日本で初めてフェノール樹脂の生産を開始したプラスチック工業のパイオニア企業です。半導体封止材では世界シェア約3割を占めるリーディングカンパニーで、自動車部品や建材など幅広い分野で事業を展開しています。本記事では、住友ベークライトの最新平均年収データから役職別・年齢別の年収推移、福利厚生、転職難易度まで、転職を検討されている方に役立つ情報を詳しく解説いたします。
住友ベークライトの会社概要
住友ベークライトは、1911年(明治44年)に日本で初めてフェノール樹脂(ベークライト)の生産を開始したプラスチック工業の草分け的存在です。住友化学の持分法適用関連会社として位置づけられ、JPX日経インデックス400の構成銘柄の一つとなっています。主力の半導体封止材では世界シェア約3割を占め業界トップクラスの地位を築いており、フェノール樹脂でも世界トップシェアを持つなど、プラスチック業界において確固たる地位を確立している企業です。
住友ベークライトの基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 住友ベークライト株式会社 |
本社所在地 | 東京都品川区東品川2-5-8 |
設立年 | 1932年(昭和7年) |
業種 | 化学(プラスチック製品製造業) |
事業内容 | 半導体関連材料、高機能プラスチック、クオリティオブライフ製品の製造・販売 |
上場市場 | 東京証券取引所プライム市場(証券コード:4203) |
住友ベークライトは3つの主要事業セグメントを展開しています。「半導体関連材料」では、IC用途半導体封止材市場でリーディングカンパニーとして世界シェア約3割を占め、半導体製造の前行程から後行程まで幅広いマテリアルを提供しています。「高機能プラスチック」では、自動車用部品や航空機部品などに使用されるフェノール樹脂コンポジット材料を供給し、軽量化ニーズに対応しています。「クオリティオブライフ」では、医療機器、理化学器具、各種ディスプレイ分野、インテリア、建築分野など、私たちの暮らしに密着した製品を開発・製造しています。これらの事業により、情報通信、自動車、医療、食品、建築分野など広範囲にわたって社会に貢献しています。
住友ベークライトの平均年収はどのぐらい?
住友ベークライトの2024年3月期の平均年収は798万円となっています。この数値は有価証券報告書に基づく公式データで、平均年齢47.3歳、平均勤続年数23.3年となっています。国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収は458万円のため、住友ベークライトの平均年収は全国平均を340万円上回る高い水準となっています。
年度別の平均年収推移
年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2024年3月期 | 798万円 | 47.3歳 | 23.3年 | 1,633人 |
2023年3月期 | 801万円 | 47.0歳 | 23.2年 | 1,625人 |
2022年3月期 | 795万円 | 46.8歳 | 23.1年 | 1,612人 |
2021年3月期 | 754万円 | 46.5歳 | 22.0年 | 1,612人 |
2020年3月期 | 779万円 | 46.0歳 | 22.2年 | 1,582人 |
2019年3月期 | 796万円 | 45.6歳 | 21.9年 | 1,568人 |
出典:住友ベークライト株式会社 有価証券報告書(2019年3月期〜2024年3月期)
住友ベークライトの平均年収は、過去6年間で754万円から801万円の間で推移しています。2021年3月期に一時的に754万円まで下がりましたが、その後回復傾向にあり、2023年3月期には801万円のピークを記録しました。2024年3月期は前年比3万円減の798万円となっていますが、全体的には安定した水準を維持していることがわかります。
他企業との比較データ
企業名 | 平均年収 | 業界 |
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住友ベークライト | 798万円 | 化学 |
東証プライム平均 | 742万円 | 全業種 |
化学業界平均 | 710万円 | 化学 |
富士フイルムホールディングス | 1,074万円 | 化学 |
東レ | 765万円 | 繊維・化学 |
住友ベークライトの平均年収798万円は、東証プライム上場企業の平均年収742万円を56万円上回っています。また、化学業界の平均年収710万円と比較すると88万円高く、業界内でも上位の給与水準であることがわかります。化学業界内では富士フイルムホールディングスの1,074万円には及びませんが、東レの765万円を上回るなど、業界内での競争力のある年収水準を維持しています。
住友ベークライトの役職別年収データ
住友ベークライトの役職別年収について、公式データとしては非開示となっています。有価証券報告書や企業公式ホームページ、採用サイトにおいても、具体的な役職別年収の詳細は公表されていません。ただし、平均年収798万円、平均年齢47.3歳というデータから、年功序列的な昇進・昇格制度を採用していることが推測されます。
役職 | 推定年収 |
---|---|
係長・主任クラス | 非開示 |
課長クラス | 非開示 |
部長クラス | 非開示 |
住友ベークライトでは、昇進・昇格に関してもほぼ年功序列制度を採用しており、同期入社の社員間での大幅な年収差は生じにくい仕組みとなっています。特許取得や社内褒賞といった特別な成果を除き、同期間での年収格差は限定的であることが特徴です。
住友ベークライトの年齢別年収推移
住友ベークライトの年齢別年収推移についても、公式データとしては非開示となっています。有価証券報告書には平均年齢47.3歳、平均年収798万円の情報のみが記載されており、詳細な年齢別年収データは公表されていません。
年代 | 推定年収範囲 |
---|---|
20代 | 非開示 |
30代 | 非開示 |
40代 | 非開示 |
50代以上 | 非開示 |
初任給については、2026年3月卒業予定者の募集要項で確認することができます。学部卒で228,500円、修士修了で253,500円、博士修了で302,500円、高等専門学校卒で204,500円となっています。これらの初任給は基本給のみの金額で、別途時間外労働手当や通勤交通費等の諸手当が支給されます。昇給は年1回(4月)、賞与は年2回(6月、12月)となっています。
住友ベークライトの福利厚生
住友ベークライトは福利厚生が充実している企業として知られています。特に住宅関連の手当や施設面での充実ぶりが特徴的で、従業員の生活をしっかりとサポートする体制が整っています。
住宅・生活支援
- 社有寮・社宅の完備(事業所ごとに設置)
- 住宅手当の支給
- 通勤交通費支給
保険・年金制度
- 各種社会保険完備(雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険)
- 企業年金制度
休暇・働き方制度
- 週休2日制(土曜日・日曜日)、祝日
- 年間休日122日
- 年次有給休暇(初年度10日、2年目以降20日)
- 産前産後休暇・育児休業
- 小学校終了年次まで利用可能な短時間勤務制度
- フレックスタイム制度(一部適用)
教育・研修制度
- 新入社員研修
- 階層別研修
- 専門技術研修
- 海外派遣制度
その他の制度
- クラブ活動(野球、フットサル、テニス、バスケなど)
- 食堂・売店
出典:住友ベークライト株式会社 採用サイト 募集要項
特に社有寮・社宅の完備は、住友ベークライトの大きな魅力の一つです。事業所ごとに寮が設置されており、先輩社員との交流も図れるため、仕事に対する疑問や悩みを相談できる環境が整っています。また、子育て支援制度も充実しており、産休・育児休業に加えて小学校終了年次まで利用可能な短時間勤務制度が導入されているなど、ワークライフバランスを重視する姿勢が伺えます。
住友ベークライトの転職難易度は?
住友ベークライトは安定した事業基盤と良好な福利厚生を背景に、転職市場でも人気の高い企業です。プラスチック工業のパイオニアとして100年以上の歴史を持ち、半導体封止材で世界シェア約3割を占めるなど、業界での確固たる地位を築いているため、中途採用においても一定の競争率が予想されます。
求められる人材像
住友ベークライトの選考では人物重視で行われており、加えて筆記試験やこれまでの取り組み内容が評価対象となります。技術系については、機械・電気の高度な知識を修めた技術者や、化学工学系の専門性を持つ人材を求めています。事務系においても、営業・マーケティング、経理、人事など各分野での専門性と、プラスチック業界への理解や関心が重要視されます。
項目 | 内容 |
---|---|
採用方針 | 人物重視の選考 |
求める専門性 | 機械・電気・化学工学系の知識(技術系)、各分野での専門性(事務系) |
選考方法 | 面接、適性検査、筆記試験 |
重視する経験 | これまでの取り組み内容、専門分野での実績 |
転職成功のポイント
住友ベークライトへの転職を成功させるためには、以下のポイントが重要です。まず、プラスチック業界や住友ベークライトの事業領域に対する深い理解と関心を示すことが必要です。同社は半導体関連材料、高機能プラスチック、クオリティオブライフという3つの事業セグメントを展開しているため、自身の専門性がどの分野に活かせるかを明確にアピールする必要があります。
技術系であれば、材料開発、生産技術、品質管理などの専門知識と実務経験が評価されます。特に、フェノール樹脂や半導体封止材といった住友ベークライトの主力製品に関連する経験や知識があると有利です。事務系の場合は、メーカーでの営業経験、海外事業展開の経験、化学業界での実務経験などが重要視されます。
また、住友ベークライトは住友グループの一員として「信用を重んじ確実を旨とし、事業を通じて社会の進運および民生の向上に貢献する」という基本方針を掲げています。面接では、この企業理念に共感し、長期的に同社で活躍したいという意欲を伝えることが重要です。年功序列的な企業文化を理解し、チームワークを重視する姿勢をアピールすることも成功のカギとなります。
まとめ
住友ベークライトの平均年収798万円は、全国平均を大幅に上回る魅力的な水準となっています。日本のプラスチック工業のパイオニアとして100年以上の歴史を持ち、半導体封止材では世界シェア約3割を占めるなど、安定した事業基盤を築いている企業です。
福利厚生面では社有寮・社宅の完備や充実した子育て支援制度など、従業員の生活を手厚くサポートする体制が整っています。年間休日122日、フレックスタイム制度の導入など、ワークライフバランスを重視した働き方も可能です。
転職を検討される方は、プラスチック業界への深い理解と専門性を身につけ、住友ベークライトの企業理念に共感する姿勢を示すことが重要です。技術系・事務系ともに専門性が重視されるため、これまでの経験をどのように同社の事業に活かせるかを明確にアピールすることが成功のポイントとなります。安定した経営基盤と良好な待遇を背景に、長期的なキャリア形成を目指す方にとって魅力的な選択肢といえるでしょう。