株式会社あらた(以下、あらた)は、東証プライム市場に上場する日用品・化粧品専門の卸売商社です。ドラッグストアやスーパーマーケットなど小売業のバックヤードを支える「縁の下の力持ち」的存在であるため、一般消費者にはなじみが薄い企業かもしれません。しかし証券コード2733、売上高9,000億円超を誇る大手卸売企業として、業界内では確固たる地位を占めています。
就職・転職を検討する際、気になるのはやはり年収水準です。あらたの有価証券報告書によると、2024年3月期(2023年度)の平均年収は597万円でした。国税庁が発表する民間給与実態統計調査の全国平均年収460万円(2023年分)と比べると、100万円以上高い水準となっています。一方で、東証プライム上場企業全体の平均値と比較すると、どのような位置づけになるのかも気になるところでしょう。
この記事では、あらたの有価証券報告書および公式IR資料をもとに、年度別の平均年収推移・同業他社との比較・役職別・年齢別のデータを整理して解説します。数値はすべて公式開示に基づいており、推定・推算値は使用していません。非開示の項目については、その旨を明確に記載しています。
あらたの会社概要
あらたは、日用雑貨・化粧品・家庭用品・ペット用品などを取り扱う日本有数の専門卸売商社です。全国各地の有力卸企業が結集して設立されたという背景を持ち、メーカーと小売業のあいだに立って商品の流通を支えています。東証プライム市場に上場し(証券コード2733)、連結従業員数は2,900名超の規模を誇ります。卸売業という業種の特性上、売上規模は9,000億円超と非常に大きい一方、利益率は薄く、こうした構造が給与水準にも影響を与えています。
あらたの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式社名 | 株式会社あらた |
| 証券コード | 2733(東証プライム) |
| 本社所在地 | 東京都江東区 |
| 設立 | 2002年(平成14年) |
| 主な事業 | 化粧品・日用品・家庭用品・ペット用品等の卸売 |
| 売上高(2025年3月期) | 約9,441億円(有価証券報告書より) |
| 連結従業員数 | 約2,923名(有価証券報告書より) |
| IR情報 | 株式会社あらた IR・投資家情報 |
あらたの事業の核心は、メーカーから大量に商品を仕入れ、全国の物流センターで仕分けを行い、ドラッグストア・スーパーマーケット・ホームセンターなどの小売業へ届けるという卸売機能にあります。単に商品を運ぶだけでなく、売場提案・販促企画・カテゴリーマネジメントといった付加価値サービスも提供しており、小売業のビジネスパートナーとしての役割を担っています。また、2019年にはコスメ事業本部を設立し、化粧品・化粧雑貨分野での専門性を強化しました。独自開発のピッキングシステム「AiMAS(アイマス)」に代表されるように、物流テクノロジーへの投資も積極的です。
あらたの平均年収はどのぐらい?
年度別の平均年収推移
下表は、あらたの有価証券報告書に開示されている直近3期分の平均年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数(単体)です。いずれも単体(あらた単体の正規従業員)の数値であり、連結グループ全体の数値ではありません。
| 年度(期末) | 平均年収(万円) | 平均年齢(歳) | 平均勤続年数(年) | 従業員数(名) |
|---|---|---|---|---|
| 2022年3月期 | 540 | 42.4 | 18.6 | 2,060 |
| 2023年3月期 | 559 | 42.4 | 18.6 | 2,060 |
| 2024年3月期 | 597 | 42.9 | 18.9 | 1,965 |
出典:株式会社あらた 有価証券報告書(各年3月期)単体。数値は金融庁EDINET提出資料の記載に基づく(参考:IRBANK EDINETコード E02947 集計)。
2022年3月期から2024年3月期にかけて、平均年収は540万円から597万円へと3期間で57万円(約10.6%)上昇しています。近年の賃上げトレンドや、業績拡大にともなう処遇改善が数値に表れていると見られます。平均年齢は40代前半で安定しており、平均勤続年数が18年を超えていることから、定着率が高く長期就業者が多い職場環境であることが読み取れます。
他企業との比較データ
あらたの平均年収597万円が業界内でどのような位置にあるか、同じ日用品・化粧品卸売・消費財卸売の上場企業と比較してみます。以下の数値はそれぞれの企業が公開している有価証券報告書の直近開示値に基づきます。
| 企業名 | 平均年収(万円) | 業種 | 出典(期) |
|---|---|---|---|
| 株式会社あらた | 597 | 日用品・化粧品卸 | 有価証券報告書(2024年3月期) |
| 株式会社パルタックコーポレーション | 非開示 | 日用品卸 | 公式データとしては非開示です |
| 株式会社トモシアホールディングス | 非開示 | 日用品卸 | 公式データとしては非開示です |
同業他社については、有価証券報告書において「平均年間給与」として単体従業員の数値を開示している企業が限られており、比較可能な一次データの取得が難しい状況です。東証プライム上場企業全体の平均年収が約742万円、東証プライムの商社・卸売業界の平均年収が約818万円(いずれも各社有報の集計値)とされる中、あらたの597万円は業界平均を下回る水準に位置しています。卸売業は利益率が低く、売上規模の割に給与水準が抑えられる傾向があることを踏まえておく必要があります。
あらたの役職別年収データ
有価証券報告書には、全従業員の平均年間給与(597万円)のみが開示されており、役職ごとの年収(係長・課長・部長・執行役員など)については公式データとしては非開示となっています。
| 区分 | 公式開示の内容 |
|---|---|
| 全従業員平均年収 | 597万円(2024年3月期 有価証券報告書) |
| 係長相当 | 非開示 |
| 課長相当 | 非開示 |
| 部長相当 | 非開示 |
| 役員報酬総額 | 有価証券報告書「役員の報酬等」欄に総額記載あり(個別役員別の金額は一部のみ開示) |
なお、インターネット上の転職・年収情報サイトには「係長674万円」「課長882万円」「部長1,063万円」といった数値が掲載されているケースもありますが、これらは有価証券報告書と厚生労働省・国税庁の統計データを組み合わせた第三者による独自試算値であり、あらたが公式に開示した数値ではありません。一次ソースに基づく役職別年収の公式データは現時点で開示されていないため、本記事では記載を控えています。正確な水準を把握したい方は、あらたの採用担当者への直接問い合わせや、OB・OG訪問での確認をおすすめします。
あらたの年齢別年収推移
役職別と同様、年齢別の年収についても有価証券報告書には掲載がなく、公式データとしては非開示となっています。有価証券報告書で開示されているのは「全従業員の平均年齢(42.8歳)」と「平均年間給与(597万円)」のみです。
| 年齢帯 | 平均年収(万円) | 備考 |
|---|---|---|
| 20代 | 非開示 | 有価証券報告書に年齢別開示なし |
| 30代 | 非開示 | 有価証券報告書に年齢別開示なし |
| 40代 | 非開示 | 有価証券報告書に年齢別開示なし |
| 50代 | 非開示 | 有価証券報告書に年齢別開示なし |
| 全年齢平均 | 597 | 2024年3月期 有価証券報告書 |
あらたの平均年齢は42.8歳、平均勤続年数は18.6年(2022年3月期開示値)と、長期在籍者が多い職場です。一般的な年功序列型の賃金体系を持つ日本企業では、勤続年数や年齢に応じて緩やかに給与が上昇するケースが多く、あらたも同様の傾向があると考えられますが、年齢帯別の具体的な数値は公式には開示されていません。転職活動において詳細な年齢別年収の参考情報が必要な場合は、あらたの公式IRページ掲載の有価証券報告書を直接確認するか、採用担当部門への問い合わせを推奨します。
あらたの福利厚生
あらたの福利厚生については、公式採用サイト(募集要項・採用Q&A)にて主な制度が開示されています。以下は同ページ記載の情報をもとに整理したものです。
公式採用サイトの募集要項には、各種社会保険(雇用・労災・健康・厚生年金)、借上社宅制度、財形貯蓄、社員持株会、退職金、企業年金(確定給付年金・確定拠出年金)、会員制福利厚生サービス、がん検診料会社負担制度、資格取得奨励制度などが記載されています。
| カテゴリ | 主な制度・内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 社会保険 | 雇用保険・労災保険・健康保険・厚生年金 | 株式会社あらた 採用サイト 募集要項 |
| 住宅支援 | 借上社宅制度 | 同上 |
| 資産形成 | 財形貯蓄・社員持株会 | 同上 |
| 退職・年金 | 退職金・確定給付年金・確定拠出年金 | 同上 |
| 健康・医療 | がん検診料会社負担制度・会員制福利厚生サービス | 同上 |
| スキルアップ | 資格取得奨励制度 | 同上 |
住宅支援として借上社宅制度が整備されている点は、転勤や上京を伴う入社を検討する方にとって大きな判断材料になるでしょう。また、確定給付年金と確定拠出年金の両方を設けている点は、退職後の資産形成を手厚くサポートする仕組みとして評価できます。なお、各制度の詳細な利用条件や金額については公式採用サイトでは非開示となっており、選考プロセスや採用担当者への問い合わせで確認することをおすすめします。出典は株式会社あらた 採用サイト 募集要項・採用Q&Aです。
あらたの転職難易度は?
あらたへの転職を検討するうえで、選考の特徴や求められるスキル・素養を把握しておくことは重要です。以下では、公式採用サイトや一般に公開されている採用情報をもとに整理します。なお、転職難易度の数値的な公式データは公式データとしては非開示です。
求められる人材像
あらたは卸売業という事業特性上、メーカー・小売業の双方と連携し、複数のステークホルダーと長期的な信頼関係を構築することが業務の根幹にあります。そのため、コミュニケーション能力やリレーション構築力は営業・企画・物流いずれの職種においても共通して重視されます。
また、あらたは売場提案・カテゴリーマネジメント・物流テクノロジー(独自開発のピッキングシステム「AiMAS」など)といった付加価値領域にも注力しており、単なる「商品を運ぶ」役割を超えたビジネスパートナーとしての視点が求められます。データ分析や販売動向の読み取りに強い人材、あるいは小売業・消費財メーカーでの実務経験を持つ人材は中途採用においても歓迎される傾向があります。
さらに、平均勤続年数が18年を超える(2022年3月期有価証券報告書開示値)ことが示すとおり、長期在籍を前提とした定着志向の強い組織文化がうかがえます。腰を据えて特定業界・取引先に深く関わりたいという志向性は、選考においてプラスに評価されやすいと言えるでしょう。
転職成功のポイント
中途採用においては、自身の経験とあらたの事業領域(日用品・化粧品・家庭用品・ペット用品の卸売)との接点を具体的に言語化することが重要です。前職での取引先との折衝経験、カテゴリーマネジメントや在庫・物流管理に関わった実績などは、即戦力性を示すうえで有効なアピール材料になります。
志望動機の面では、「大手メーカーブランドを扱う」という点だけでなく、卸売という川中の立場から小売業の成長を支えるビジネスモデルへの理解と共感を示すことが選考通過につながりやすいポイントです。消費財流通の全体像を俯瞰した視座を持ち、あらたがどのような役割を担っているかを自分の言葉で語れるように準備しておきましょう。
また、あらたは全国各地に物流センターを展開しており、転居を伴う転勤が生じるケースもあります。採用条件や勤務地の柔軟性については、選考の早い段階で採用担当者に確認しておくことをおすすめします。
あらたのまとめ
本記事では、株式会社あらたの平均年収・年度別推移・同業他社比較・役職別・年齢別データ・福利厚生・転職難易度について、有価証券報告書および公式採用サイトの開示情報をもとに解説しました。
有価証券報告書(2024年3月期)に基づく平均年収は597万円で、2022年3月期の540万円から3期間で約10.6%上昇しています。国税庁が発表する全国平均(460万円・2023年分)を大きく上回る水準である一方、東証プライム上場企業全体や卸売業界の平均と比べると相対的に低い位置にあります。これは卸売業特有の低利益率構造が反映されたものであり、売上規模9,000億円超の大企業であっても、給与水準の評価には業種特性を考慮することが不可欠です。
役職別・年齢別の年収については、有価証券報告書において公式データとしては非開示となっています。正確な水準を把握したい場合は、株式会社あらた IR・投資家情報掲載の有価証券報告書を直接確認するか、採用担当部門への問い合わせ・OB・OG訪問での確認を推奨します。
就職・転職の検討にあたっては、年収水準だけでなく、借上社宅制度・企業年金・財形貯蓄といった福利厚生の充実度や、平均勤続年数18年超という定着率の高さも総合的に評価材料に加えることをおすすめします。卸売業界特有の安定した事業基盤のもとで長期的にキャリアを積みたい方にとって、あらたは検討に値する選択肢の一つです。


