さくらインターネット株式会社(以下、さくらインターネット)は、レンタルサーバーやクラウドサービス、データセンター運営を手がける国内有数のインターネットインフラ企業です。近年は政府クラウドの提供事業者に日本企業として初めて選定されるなど、官民双方からの注目が高まっています。就職・転職を検討するうえで、気になるのはやはり年収水準ではないでしょうか。
本記事では、さくらインターネットが有価証券報告書で開示している一次情報をもとに、平均年収の推移・役職別・年齢別の年収データを詳しく解説します。転職・就活に役立つ情報をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。
さくらインターネットの会社概要
さくらインターネットは大阪府大阪市北区に本社を置き、ホスティングサーバーを中心とするデータセンター事業およびインターネットサービス事業を行う企業です。日本のインターネット黎明期よりホスティングサーバーの提供を行っています。 2005年に東証マザーズへ上場し、2015年には東京証券取引所市場第一部へ市場変更を果たしました。 その後、東証プライム市場へ移行し、現在は国内クラウド・データセンター業界を代表する上場企業のひとつです。
2023年11月には、政府クラウドの提供事業者に日本企業として初めて選定されました。 個人ユーザー向けの低価格レンタルサーバーから、法人・官公庁向けのクラウドサービスまで幅広いラインナップを持つことが同社の大きな強みです。 最新年度の売上高は218億円、純利益は6億円で、過去5年間でマイナス年度は0回と安定した黒字経営が続いています。
さくらインターネットの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | さくらインターネット株式会社 |
| 英語表記 | SAKURA internet Inc. |
| 設立 | 1999年(創業1996年12月) |
| 本社所在地 | 大阪府大阪市北区大深町6-38 グラングリーン大阪北館JAMBASE3F |
| 代表取締役社長 | 田中 邦裕 |
| 証券コード | 3778(東証プライム) |
| 資本金 | 22億5,692万円 |
| 売上高 | 218億2,600万円(2024年12月期) |
| 従業員数(連結) | 956名(2024年12月末) |
| 事業内容 | クラウドサービス・データセンター事業・ホスティング事業・インターネットサービス事業 |
出典:さくらインターネット株式会社 会社概要、マイナビ2027掲載情報(2024年12月末時点)
さくらインターネットの事業は大きく「クラウドサービス」「専用サーバー・VPS」「共有レンタルサーバー」「データセンター」の4領域に分けられます。 個人・法人・官公庁まで幅広く利用されており、国内最大級のバックボーン回線を持つことが同社の信頼性の根拠となっています。 近年はクラウド部門が高成長を維持しており、設備投資負担を吸収しながら増収増益基調を続けています。
さくらインターネットの平均年収はどのぐらい?
直近の有価証券報告書データによると、さくらインターネットの平均年収は700万円(前回報告比+86万円)、平均年齢39.63歳、平均勤続年数7.1年となっています。 これは前年の614万円から大幅に上昇した水準であり、近年の業績拡大や政府クラウド関連需要の取り込みを背景に、給与水準の引き上げが進んでいると見られます。
年度別の平均年収推移
以下の表は、さくらインターネット株式会社の有価証券報告書に記載された従業員の状況をもとにまとめた年度別推移です。同社は2024年3月期を最終として決算期を12月期へ変更しており、2024年12月期が新決算体制での初年度となります。
| 年度 | 平均年収(万円) | 平均年齢(歳) | 勤続年数(年) | 従業員数(名) |
|---|---|---|---|---|
| 2022年3月期 | 561 | 38.5 | 7.5 | 473 |
| 2023年3月期 | 571 | 38.9 | 7.6 | 544 |
| 2024年3月期 | 614 | 39.49 | 7.7 | 590 |
| 2024年12月期 | 700 | 39.63 | 7.1 | 非開示 |
出典:さくらインターネット株式会社 有価証券報告書(各期)、IRバンク掲載データ
直近においてさくらインターネットの平均年収は7.41%の上昇トレンドにあり、平均年収が継続的に上昇している企業です。 2022年3月期から2024年12月期にかけて、561万円から700万円へと139万円増加しており、特に直近1期での上昇幅が際立っています。従業員数の増加と賃上げが同時に進んでいる点は、成長フェーズにある企業の特徴といえます。
他企業との比較データ
さくらインターネットの平均年収が業界内でどのような位置にあるか、同じクラウド・データセンター・ホスティング領域で競合する上場企業と比較します。各社数値は直近の有価証券報告書に基づくものです。
| 企業名 | 平均年収(万円) | 平均年齢(歳) | 従業員数(名) |
|---|---|---|---|
| さくらインターネット(3778) | 700 | 39.63 | 590(単体) |
| GMOインターネットグループ(9449) | 非開示 | 非開示 | 非開示 |
| エックスサーバー(非上場) | 非開示 | 非開示 | 非開示 |
| IDCフロンティア(ソフトバンクグループ子会社・非上場) | 非開示 | 非開示 | 非開示 |
出典:各社有価証券報告書(直近期)
さくらインターネットが属する情報・通信業界の上場企業の平均年収は613.7万円であるため、さくらインターネットの最新年収700万円は業界平均を86万円以上上回る水準となっています。 同じホスティング・クラウド業界の直接競合他社については、GMOインターネットグループのように持株会社構造をとっている企業は個別事業会社の開示が限られるケースがあり、単純比較が難しい部分もあります。さくらインターネット単体での年収水準は、業界平均を超える水準まで上昇してきたといえるでしょう。
さくらインターネットの役職別年収データ
さくらインターネットの有価証券報告書では、役職ごとの年収帯は個別に開示されていません。役職別の具体的な年収レンジは公式データとしては非開示となっています。ただし、有価証券報告書に記載の役員報酬データおよび総合的な給与制度の情報は一部開示されています。
| 区分 | 公式開示の内容 |
|---|---|
| 役員報酬(平均) | 約3,198万円(2024年度、役員全体の平均) |
| 全従業員平均年収 | 700万円(2024年12月期、有価証券報告書) |
| 一般職・総合職別 | 非開示 |
| 管理職別 | 非開示 |
出典:さくらインターネット株式会社 有価証券報告書(2024年12月期)
役職別の参考として、転職情報サービス等が有報データをもとに算出した試算によれば、総合職の平均年収は712万円、管理職級の平均年収は947万円前後とされています。また、2024年度の役員報酬は役員全体で平均3,198万円とされています。 これらのうち役員報酬以外は有報への直接記載ではなく試算値であるため、参考程度にご確認ください。なお、さくらインターネットは職種・グレード別の給与テーブルを採用ページ等で公開しておらず、個別の役職年収については採用選考を通じて確認することをおすすめします。
さくらインターネットの年齢別年収推移
さくらインターネットの有価証券報告書では、年齢層別の年収は個別に開示されていません。年齢別の年収レンジは公式データとしては非開示となっています。有報の記載は全従業員の「平均年収・平均年齢・平均勤続年数」の3指標にとどまります。
| 年代 | 公式開示状況 |
|---|---|
| 20代 | 非開示(有価証券報告書に個別記載なし) |
| 30代 | 非開示(有価証券報告書に個別記載なし) |
| 40代 | 非開示(有価証券報告書に個別記載なし) |
| 50代 | 非開示(有価証券報告書に個別記載なし) |
| 全年齢平均 | 700万円(2024年12月期)/平均年齢39.63歳 |
出典:さくらインターネット株式会社 有価証券報告書(2024年12月期)
年齢別の年収データは有価証券報告書に記載がなく、公式データとしては非開示です。一般的にIT・インターネット企業では、入社後のスキル習熟と職務グレードの上昇に伴い年収が上昇するモデルが多く、さくらインターネットも同様の傾向にあると考えられます。 有報ベースの平均年齢は39.49歳(2024年3月期)であり、プライム市場の情報通信・サービス業界の平均年齢39歳と同水準となっています。 また、平均勤続年数は7.7年で、プライム全体平均の13.7年や業界平均の9.4年と比べると短く、一定の人材流動性がある職場といえます。 年齢別の詳細な年収レンジを知りたい場合は、転職エージェントへの相談や採用選考を通じて個別に確認されることをおすすめします。
【中途採用】さくらインターネットのような優良企業への転職おすすめサービス
さくらインターネットのような企業への転職を目指す方には、専門の転職サイトやエージェントの活用が効果的です。第二新卒エージェントneo、MyVisionなど、20代からキャリアアップを目指す方まで幅広くサポートするサービスが揃っています。自分のキャリアや希望条件に合ったサービスを選び、プロのアドバイスを受けながら転職活動を進めましょう。
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さくらインターネットの福利厚生
さくらインターネットは、独自の福利厚生・働き方支援制度を「さぶりこ(Sakura Business and Life Co-Creation)」として体系化しています。 さぶりこは、会社に縛られず広いキャリアを形成しながら、プライベートも充実させ、その両方で得た知識・経験を共創につなげることを目指した制度の総称です。 以下に主要な制度をカテゴリ別に紹介します。
休暇制度について、 入社時に有給休暇が20日付与され(アルバイトを除く)、1日・半日・1時間単位での取得が可能です。また、有給休暇とは別に家族の誕生日等の指定記念日に特別有給休暇を取得できる記念日休暇もあります。さらに、有給休暇取得促進のため、2日以上連続で有給休暇を取得した場合には1日につき5,000円、5日連続取得の場合は25,000円が支給されます(試用期間終了後)。 このような連続有給取得インセンティブは業界内でも珍しい制度です。 そのほか、バカンス休暇(有給とは別に毎年度3日を任意の時期に付与)、年間休日125日(2025年度)が設けられており、結婚・出産・配偶者の出産・永年勤続の際などに特別有給休暇も取得できます。
勤務スタイルについては、 フレックスタイム制(その日の勤務時間を10分単位でスライド調整可能)を導入しており、2024年3月時点でのテレワーク(リモートワーク)利用率は89.9%に達しています。 また、業務を早く終えた場合は定時の30分前(18時)に退社することができ、早退による給与の減額は発生しません。 副業・兼業制度も整備されており、社員のキャリア形成を幅広く支援する姿勢が特徴です。
住宅・交通手当については、 住宅補助は月25,000円から通勤交通費を引いた額が支給される仕組みとなっています。 なお、住宅補助と交通費が合算で支給される形のため、勤務地と自宅が近いほど住宅補助の受取額が増える設計となっています。
保険・賞与については、 各種社会保険(雇用・労災・健康・厚生年金)が完備されています。 賞与は年2回(6月・12月)で、業績および人事制度による査定により決定されます(2024年度実績)。
子育て支援については、 2023年10月に子育てサポート企業として厚生労働大臣が認定する「くるみん認定」を取得しており、2020年4月から2023年3月の期間における女性社員の育児休業取得率は100%、男性社員は66%と「くるみん」基準の約6倍以上の水準を達成しています。また、時間外労働時間の平均は各月10時間以下に抑えられています。
また、 2023年11月には、一般財団法人日本次世代企業普及機構が実施するホワイト企業認定にて「ゴールド」を取得しており、人事戦略の「5つの柱」を定めた取り組みが評価されました。
出典:さくらインターネット株式会社 採用情報(働く環境)、さくらインターネット株式会社 新卒採用募集要項(2024年9月末時点)
さくらインターネットの転職難易度は?
さくらインターネットへの転職は、ポジションによって難易度に幅があります。エンジニア職・インフラ職を中心に中途採用を継続的に行っており、スキルと志向がマッチすれば挑戦しやすい環境といえます。以下に、求められる人材像と転職成功のポイントを整理します。
さくらインターネットで求められる人材像
エンジニア職では、 先進的な技術・従来の技術を駆使し、価値の高いサービスを提供するため、既存の規則やルールに縛られず、能動的に取り組んでいただける方を求めています。 具体的には、社内外の関係者とコミュニケーションを取り課題を解決することに興味がある方、アプリケーションだけでなくハードウェアを含めたシステム全体の設計・開発に関心のある方、チームで協力してシステムを開発した経験がある方が歓迎されています。
ビジネス職・企画職においては、 サービスの拡大とともに多様な人材が求められており、希望すれば社内異動も可能です。インフラエンジニアとして入社しながらもフロントエンドに関心を持ち異動する人もいれば、その逆のケースもあり、意欲次第でさまざまな領域の経験を積める環境が整っています。
採用の方針として、 「やりたいこと」があること、つまり未来の自分や夢を明確に描けるかどうか、大切にしている価値観があるかどうかを重視しています。 技術力の高さに加え、自分のキャリアビジョンを持ち、インターネットインフラという領域に本気で向き合える人物が歓迎されます。直近では生成AI・クラウド領域の強化に向けた採用が活発であり、生成AIや大規模計算を支える強固な国内基盤の構築に向け、インフラ開発エンジニアの募集を積極的に行っています。
さくらインターネットへの転職成功のポイント
まず、技術スタックへの親和性を示すことが重要です。 さくらインターネットはソフトウェアからインフラ開発、そして運用までを自社で行っており、一気通貫の社内体制が強みです。 そのため、インフラとアプリケーションの両方に関心を持ち、幅広い技術領域に取り組める姿勢があると強みになります。
次に、ユーザー視点の経験・思考を伝えることも効果的です。 社員の中には元々さくらインターネットのユーザーだったという人も多く、ユーザーとして親しみを持っていたところに募集を知り入社した例も少なくありません。 自社サービスを実際に利用した経験や、そこから感じた改善点・提案を具体的に語れると、選考での印象が強くなります。
また、フルリモートワーク・フレックス制度が整っている一方で、ポジションによってはシフト勤務や石狩データセンターなどへの配属が発生することもあります。勤務条件については募集要項を事前に確認し、志望ポジションに合わせた準備を行うことが転職活動を進めるうえで大切です。中途採用の最新求人は、さくらインターネット採用情報(経験者採用)で確認できます。
さくらインターネットのまとめ
本記事では、さくらインターネットの平均年収・役職別・年齢別データ、福利厚生、転職難易度について解説しました。最後に要点を整理します。
有価証券報告書に基づく最新の平均年収は2024年12月期時点で700万円であり、2022年3月期の561万円と比較して3期間で139万円増加しています。情報・通信業界の上場企業平均(613.7万円)を大きく上回る水準であり、2024年10月に実施したベースアップ(社員1名あたり年間約23万円の年収増が見込まれる給与改定)の効果も反映されています。平均年齢は39.63歳、平均勤続年数は7.1年です。
福利厚生面では、連続有給取得インセンティブや入社時20日の有給付与、リモートワーク利用率89.9%など、働きやすさを重視した独自の「さぶりこ」制度が充実しています。くるみん認定・ホワイト企業認定ゴールドの取得など、外部機関からの評価も高い水準にあります。
転職・就活の観点では、エンジニア職を中心に中途採用が活発であり、生成AI・クラウド分野の強化に向けた採用ニーズが高まっています。自らのキャリアビジョンを明確に持ち、インターネットインフラ領域に対する熱意を具体的に伝えることが選考突破のカギになります。最新の求人情報や詳細な給与条件は、公式採用ページおよびIR情報で必ずご確認ください。


