「コンサルって年収高いって聞くけど、実際のところどのくらいなんだろう」と気になっている方は多いのではないでしょうか。転職先としてコンサル業界を検討しているものの、戦略系・総合系・IT系と種類が多すぎて、どの数字を自分のキャリアの参考にすればいいかわからない、そんな悩みを抱えていませんか。実はコンサルの年収は職種・ファームの種類・役職によって数百万円単位で変わるため、「平均年収」だけを見ると実態と大きくズレてしまうことがあります。この記事では、公的データや業界データをもとにコンサル業界の年収相場を職種別・役職別・ファーム別に整理し、転職を検討するうえで本当に使える情報をお届けします。
コンサルの年収相場|まず全体像をつかもう
コンサル業界の年収水準は、一般的な日本企業と比べてかなり高い傾向にあります。
国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の正社員(正職員)の平均年収は545万円とされています。
一方、コンサル業界の水準はどのくらいでしょうか。
口コミサービス「OpenWork」に投稿された全年収データをもとに算出したコンサルタントの平均年収は804万円とされています(2024年5月末時点)。
また、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」をもとにした経済産業省の提示データによれば、コンサルタント(その他の経営・金融・保険専門職業従事者)の平均年収は781万円(平均年齢40.5歳)とされています。
ただし、この数字はすべての種類のコンサルタントを含む平均値です。
コンサルタントの年収は、正社員やフリーランスなどの就業形態、外資系・日系・戦略系・総合系・FAS系・IT系などのコンサルティングファームの種類、職位や等級制度によっても大きく異なるため、単純な平均年収だけを見ると実態と乖離してしまう可能性があります。
以下では、ファームの種類と職種ごとに年収相場を詳しく確認していきます。
職種別に見るコンサルの年収相場
コンサル業界には、戦略・総合・IT・FAS(財務アドバイザリー)・人事組織など複数の専門領域があります。それぞれの年収水準を整理します。
コンサルティング業界は戦略、IT、人事、財務、業務改善など多岐にわたる専門分野に分かれており、種類によってコンサルタントの平均年収は大きく変動します。
戦略コンサルタントの年収相場
戦略コンサルタントは、経営課題を解決するために、戦略立案や新規事業サポートなどをメインに担当する職種です。年収上位企業は、軒並み1,000万円を超えています。
年齢・性別に関係なく評価される完全実力主義の評価体系であり、年収はベース給とボーナスで構成されています。第二新卒クラスのアナリストとして転職した場合、入社時のベース給は600万円程度ですが、コンサルタントに昇格すると年収は一気に1,200万円程度に跳ね上がり、ボーナス次第では2,000万円近くに達することもあるとされています。マネージャーになると年収は2,000万円を超えるとも言われています。中途採用のメイン層である30歳前後でコンサルタントとして転職した場合、年収は900万円〜1,300万円程度が見込まれるとされています。
戦略コンサルは業界内でも最も年収水準が高いカテゴリーです。
特に外資系戦略コンサルファームでは、新卒でも1,000万円を超える年収が珍しくないとされています。
総合コンサルタントの年収相場
総合コンサルタントの平均年収は700万〜900万円程度とされ、コンサル業界の中では高水準かつ安定しています。新卒入社時は500万〜700万円前後が一般的で、マネージャーに昇格すると1,000万円を超えるケースもあるとされています。
BIG4系コンサルや総合コンサルでは年齢・性別に関係なく実力により役職・給与が決定され、年収はベース給とボーナスで構成されています。昇格に伴って急激にアップするというよりは、なだらかに上がっていく傾向があるとされています。マネージャーになると最大で年収は1,500万円〜1,800万円程度になることもあり、中途採用のメイン層である30歳前後でコンサルタントやシニアコンサルタントとして転職した場合、ベース給は500万円〜900万円位が見込まれるとされています。
Big4以外の総合コンサルファームにおいても、アクセンチュアやアビームコンサルティングなどは800万円から900万円程度の平均年収となっているとされています。
ITコンサルタントの年収相場
ITコンサルタントの平均年収は約600万〜900万円程度とされており、IT関連職の中ではトップクラスです。ERPやSAPといった特定の領域に強みを持つと、年収1,000万円を超えるケースも報告されています。
また、転職サービスdodaの「平均年収ランキング(平均年収/生涯賃金)【最新版】」によると、2024年のITコンサルタント職の平均年収は598万円とされています。
求人ベースのデータでは約600万円程度が一つの目安になりますが、経験・スキルによって大きく上振れするのがITコンサルタントの特徴です。
人事コンサルタントの年収相場
厚生労働省のjobtagによると、人事コンサルタントの平均年収は約600万円とされています。20代では400万〜600万円、30代で600万〜800万円、40代では800万〜1,000万円と、年代が上がるにつれて着実に年収が伸びる傾向があるとされています。
M&Aコンサルタントの年収相場
M&Aコンサル(仲介・アドバイザリー)は業界全体の中でも飛び抜けた高年収で知られています。
有価証券報告書等をもとにした調査では、M&Aキャピタルパートナーズが平均年収3,000万円を超える水準で上位にランクインするとの報告があります。
ただしこれは主に成果報酬型のインセンティブが大きく影響しており、業績連動幅が非常に大きい点には注意が必要です。
ファーム別に見るコンサルの年収相場
外資系ファームが高い理由
外資系コンサルティングファームの平均年収は日系コンサルティングファームより高い水準にあります。手数料の水準が高いこと、本国の高い年収水準をベースに年収が決められること、少数精鋭により一人当たりの能力やそれに見合う対価が高いことが主な理由とされています。
口コミデータをもとにした情報では、コンサルタント部門の平均年収が高い企業ランキングの1位はボストン・コンサルティング・グループ合同会社で平均年収1,725万円、2位はマッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社とされています。
これらはあくまでも口コミデータをもとにした参考値です。
マッキンゼー・アンド・カンパニーは、新卒初年度に年収500万円〜600万円が支給され、20代のうちに1,000万円を超えるケースが大半とされています。
戦略ファーム各社の年収水準の参考値については、ボストン・コンサルティング・グループ(1,483万円)、カーニー(1,385万円)、ローランドベルガー(1,283万円)、ベイン・アンド・カンパニー(1,254万円)、マッキンゼー・アンド・カンパニー(1,245万円)などがランクインしているとの調査もあります(調査時期は2023年11月)。
これらは公開データと口コミデータを組み合わせた参考値であり、入社時・役職・個人の評価によって大きく変わる点はご留意ください。
日系大手ファームの年収相場
日系コンサルティングファームにおいても最も年収が高い分野は戦略系ファームです。外資系では戦略系ファームが上位を占めますが、日系ファームでは戦略系・シンクタンク系・総合系・IT系など様々な分野のファームがTOP10に入っており、上位6位までのコンサルティングファームでは1,000万円を超えるとされています。
シンクタンク系では野村総合研究所(NRI)の平均年収は約1,271万円、三菱総合研究所は約1,080万円と報告されています。これらの企業では年功序列の要素も残っているため、長期的なキャリアを築くことで安定した高収入を得られる傾向があるとされています。
外資系との年収差が気になる方もいると思いますが、外資系コンサルティングファームには「Up or Out」という風潮があり、昇進が滞った場合などに会社を退職せざるを得ない場合があるなど、実力がないと評価された際のリスクが大きいという実情もあります。
日系ファームにはその分、安定したキャリアパスを描きやすいというメリットもあります。
役職別に見るコンサルの年収相場
コンサル業界の大きな特徴のひとつが、役職(タイトル)によって年収が飛躍的に変わる点です。
役職が上がることによってさらに高い年収を得られ、マネージャー以上では1,000万円以上、ディレクター以上になると2,000万円以上の年収を得られる可能性があるとされています。コンサルティングファームは成果主義であることが多く、成績によってさらに高い報酬を得ることも可能です。
コンサルタントは非常に責任が大きく難易度の高い職種ですが、昇進とともに年収が大幅に上がります。パートナーであれば最終的に年収数千万円にもなる可能性があり、高額の年収を期待できる職業です。ただしパートナークラスまで昇格するには、仕事で実績を残した上で社内でのキャリア形成を上手にこなす必要があり、一握りの人しかたどり着けないキャリアでもあります。
また、初任給でも500万円を超える水準となっており、役職ランクが1つ上がった段階で賞与も含めて年収1,000万円に到達することができるとされています。
役職の呼称はファームによって異なりますが、一般的には「アナリスト→コンサルタント→シニアコンサルタント→マネージャー→シニアマネージャー→ディレクター→パートナー」という流れで昇進していきます。
役職の名称や職位の段階分けは企業によって異なり、例えばPwCコンサルティングの場合はアナリスト・コンサルタント・シニアコンサルタントの3段階ではなく、アソシエイトとシニアアソシエイトの2段階となっています。
外資系と日系|年収以外で比較するポイント
年収の高さだけで転職先を選ぶと、入社後に「思っていた働き方と違う」と感じることがあります。外資系と日系の違いをもう少し詳しく見てみましょう。
外資系コンサルティングファームは少数精鋭なためコンサルタント一人当たりの収益性が高い傾向にあることが、高年収の主な理由のひとつとされています。
一方で成果に対する期待水準も高く、ハードワークを前提とした環境であることが多いです。
日系コンサルティングファームで実力をつけてから外資系コンサルに転職するという方も多数いるとされています。
まずは日系ファームでコンサルタントとしての土台を作り、経験値を積んだうえで外資への挑戦を検討するというキャリアパスも有効な選択肢のひとつです。
また、日系コンサルティングファームのシニアコンサルタントは、初級のコンサルタントに比べて平均年収は150万円〜300万円ほど高く、外資系の戦略コンサルファームではマネージャークラスになると年収1,500万円〜2,000万円と高額とされています。
どちらの系統のファームを選ぶかは、自分の志向・リスク許容度・将来のキャリアビジョンによって大きく変わります。
転職でコンサルの年収相場を活かすには
コンサル業界の年収相場を把握したところで、次のステップはどう動くかです。年収交渉や転職活動において注意すべきポイントを整理します。
コンサルタントの年収を決める仕組みとしては年俸制が多く、ボーナスは成績によって大きく変動するケースが一般的です。未経験からの転職でも高年収が可能であり、前職と親和性の高い職種に就くことや保有資格をアピールすることが有効とされています。
自分の経験・スキルがコンサル業界でどう評価されるかを事前に把握することが重要です。そのためには、コンサル業界に精通した転職エージェントに相談するのが近道です。
効率的に希望する年収での転職を成功させたい場合は転職エージェントに相談することで、好条件の非公開求人にアクセスでき、年収交渉のサポートを受けられる可能性があるとされています。
コンサル転職に特化したエージェントの選び方や各社の特徴については、以下の記事も参考にしてください。

コンサル業界の中でもIT領域への転職を考えている方は、必要なスキルや選考対策を詳しくまとめた記事もあわせてご覧ください。
コンサル年収アップのために意識したいこと
単にコンサル業界に入るだけでなく、入社後に年収を上げていくための視点も重要です。
コンサルタントの年収はクライアントから受け取るコンサルフィー(報酬)相場に比例していきます。専門分野ごとのコンサル単価は需要と供給のバランスによって決まります。例えば昨今では生成AIやLLMを活用できるコンサルタントへの需要が高まっているため、需要が供給を上回っており、生成AIコンサルタントの単価は高騰傾向にあるとされています。
自分の専門領域を市場ニーズの高い方向へ意識的に育てることが、年収を高める大きなカギになります。
新卒入社後3年程度でコンサルタントに昇格し年収は800万円から1,000万円に上昇し、優秀な人材であれば入社5年目には年収1,000万円を超えるとも言われています。
こうした成長スピードを実現するためには、特定のドメイン(業種や機能)に深い専門性を持つことが重要です。
また、コンサル業界で幅広いキャリアを描くうえでは、バックオフィスや事務系のポジションからコンサルファームに入るルートもあります。
コンサル業界の事務職への転職|仕事内容・求められるスキルと成功のポイント
コンサルファームの全体像を知ることで、自分に合ったポジションや入り口を見つけやすくなります。
コンサルの年収相場まとめに向けて|転職の次の一歩
コンサル業界への転職を具体的に検討しているなら、エージェントへの相談が有効な手段です。コンサル業界は非公開求人が多く、エージェント経由でしか応募できないポジションも少なくありません。コンサル業界に特化したエージェントを活用することで、非公開求人への応募・書類対策・ケース面接対策・年収交渉まで一貫したサポートを受けることができます。まずは無料で相談してみるところから始めてみてください。
まとめ|コンサルの年収相場は職種・ファーム・役職で大きく変わる
この記事で解説したコンサルの年収相場を整理すると、以下のようなポイントに集約されます。
- コンサル業界の平均年収は780万〜800万円程度とされており、日本の正社員平均(545万円)と比べて大幅に高い水準にある(国税庁・厚生労働省等のデータをもとにした複数の参考情報による)
- 職種別では戦略系が最高水準(中途でコンサルタント職なら900万〜1,300万円程度)、IT系・総合系は600万〜900万円程度、人事系は600万円前後が目安とされている
- 外資系ファームは総じて日系ファームより年収水準が高いが、高い成果が求められる環境でもあり、リスクとのトレードオフがある
- 役職が上がるにつれて年収は急増し、マネージャー以上で1,000万円超、ディレクター以上で2,000万円以上を狙えるケースもある
- 転職で年収を最大化するには、コンサル業界に精通したエージェントを活用し、非公開求人へのアクセスや年収交渉のサポートを受けることが有効
年収相場はあくまでも目安です。自分のスキルセットやキャリアゴールと照らし合わせながら、じっくり情報収集を進めてみてください。

