30代に入り、ふと「今の会社でこのままでいいのだろうか」と立ち止まる瞬間がある方は少なくないはずです。キャリアを積み重ねてきた一方で、年収・働き方・将来性への不満も積もってきて、転職を考えはじめたものの「どのエージェントを選べばいいのか」「30代でも年収は上がるのか」と迷ってしまう——そんな悩みを抱えている方に向けてこの記事は書いています。実は、30代は転職によって年収を大幅に引き上げられる可能性がある時期です。正しいエージェント選びさえできれば、キャリアの転換点を前向きに乗り越えることができます。この記事では、転職市場の最新データをもとに、30代に特化したエージェントの選び方・おすすめサービスの特徴・複数社を賢く使う戦略まで、具体的にお伝えします。ぜひ最後まで読んで、あなたの転職活動の第一歩に役立ててください。
30代の転職市場は今どうなっているのか
30代の転職は、かつてよりもずっと身近な選択肢になっています。
総務省の労働力調査では、2024年平均の転職者数は331万人と、前年から0.9%増(3年連続の増加)となっており、転職はますます身近な存在となっています。
なかでも30代は転職市場において特に注目される年代です。
マイナビキャリアリサーチLabが実施した調査では、転職者の性年代比率をみると男性30代(23.3%)がもっとも多く、2021年以降、30〜50代のミドル世代の男性が転職した比率が高まっています。
転職にともなう年収の変化についても、30代は有利な傾向があります。
マイナビの「転職動向調査2025年版」によると、転職後に「年収が上がった」のは全体で39.4%、特に30代男性は49.5%と高い割合を示しています。転職後の平均年収は509.3万円で転職前よりも22.0万円高く、転職による年収増加額は30代男性で32.7万円となっています。
こうしたデータが示すように、30代は「転職によって年収を上げやすい」時期のひとつであり、適切なエージェントを使うことでその恩恵を受けられる可能性があります。
30代が転職を考える主な理由
各調査では、30代の転職理由として給与・昇給への不満が継続的に上位に挙げられています。キャリアアップへの意欲や他の仕事への挑戦を理由とする回答も多く、報酬面だけでなくキャリア成長への意欲も強く表れています。
また、30代以降では結婚や出産、育児、介護といったライフイベントを経験する人が増えるため、労働時間の柔軟性や安定性がより重視される傾向にあります。
給与・キャリア・働き方のバランスを見直すために転職を検討する方が多い年代、それが30代なのです。
30代がエージェントを選ぶときに意識したいポイント
転職エージェントは無料で利用できる求職者の強い味方ですが、サービスによって得意とする業界・職種・年収帯が大きく異なります。30代ならではの視点でエージェントを選ぶにはいくつかの観点があります。
求人の幅と非公開求人の充実度
転職活動で出会える求人の量と質は、エージェントによって大きく差があります。30代は即戦力として評価されやすい分、非公開求人(一般には公開されていないポジション)に優れた案件が集まりやすいため、非公開求人の保有数も重要な選択基準になります。
キャリアアドバイザーの専門性
企業は30代の求職者に即戦力やマネジメント補佐としての役割を求める傾向があり、年収アップ・キャリアアップを達成するには、あなたの強み・市場価値を正しく評価してくれる転職エージェントが不可欠です。
単に求人を紹介するだけでなく、キャリアの棚卸しを一緒に行い、強みを言語化してくれるアドバイザーがいるかどうかは大切なポイントです。
目的に合ったタイプを選ぶ
総合型エージェントは幅広い業界・職種を網羅し、ハイクラス特化型エージェントは管理職・年収600万円以上などの上位ポジションに強みを持ちます。
JACリクルートメントはアドバイザーの質が高くハイクラス向け、ビズリーチはスカウト機能が優秀でハイクラス向けとされており、30代でもITスキル・マネジメント経験などアピールできる経験がないと、求人を紹介されにくい可能性があります。
自分のキャリアステージに合ったタイプを選ぶことが重要です。
複数のエージェントを使い分ける
各転職エージェントごとに扱っている求人やキャリアアドバイザーからのアドバイスが違うため、2〜3社に登録するのがよいとされています。ただし4社以上は連絡が多くなるため推奨されません。
目的に応じた2〜3社を使い分けることが、30代の転職成功への近道です。
30代におすすめの転職エージェント|主要サービスの特徴
主要な転職エージェントについて、それぞれの特徴を整理しました。特定サービスへの入社を促すものではなく、あくまで各社の公開情報・利用者の声をもとにした情報整理です。求職者ご自身の状況に照らして参考にしてください。
リクルートエージェント|圧倒的な求人数を誇る最大手
リクルートエージェントは業界最大手の転職エージェントで、長年の実績から蓄積されたノウハウで転職をサポートしています。採用側から見ても採用成功実績が高く、積極的に採用を受け入れたい企業の求人が豊富に集まるとされています。
職務経歴書の添削や面接対策、面接力診断ツールなど、転職成功に向けたサポートもすべて無料で受けられます。
30代ではじめてエージェントを使う方にも、すでに転職経験がある方にも、まず登録しておきたいサービスのひとつです。求人の量が多い分、比較検討の軸としても機能します。
doda|総合型でバランスがよく年収アップ実績も豊富
dodaは、リクルートエージェントと並んで転職者から支持を集める総合型のエージェントです。
30代の転職においては、まず求人が豊富な大手総合型であるdodaへの登録が有力な選択肢のひとつとされており、さまざまな条件で絞り込みができるため、30代向けの求人や希望年収に沿ったものがヒットしやすく、想定外の業界や職種を見つけられる可能性があります。
dodaエージェントでは、転職後に年収アップを果たした事例が多く報告されています。年収アップの具体的な数値は時期・条件によって異なるため、最新の実績はdoda公式サイトでご確認ください。
JACリクルートメント|ハイクラス・管理職志向の30代に
JACリクルートメントに登録すると非公開求人を複数紹介してもらえ、公開求人よりも待遇が良い案件が多く、管理職や高収入ポジションの求人が充実しているとの口コミが見られます。
管理職候補・年収600万円以上のキャリアアップを目指す30代には特に相性のよいエージェントです。コンサルタントが両面型(求職者・企業の双方を担当)であるため、企業の内部情報や求める人物像を詳しく把握していることが多く、面接対策の精度も高いとされています。
マイナビエージェント|サポートの丁寧さを重視する方に
マイナビエージェントは株式会社マイナビが運営する総合型の転職エージェントで、特に20〜30代の若手層や第二新卒の転職活動におすすめできます。求人の多くが非公開求人となっており、マイナビにしかない優良求人が豊富です。IT・営業・医療・金融などの分野ごとに専任のアドバイザーが担当するため、専門性の高い提案が受けられる点も強みです。
はじめての転職で右も左もわからない方や、じっくり丁寧にサポートを受けたい方に向いています。
ビズリーチ|スカウト型でハイクラス求人を探す30代に
ビズリーチは年収1,000万円以上の求人も多数保有するハイクラス向けのスカウト型サービスです。
職務経歴書を登録しておくと、企業や登録ヘッドハンターからスカウトが届く仕組みになっており、自分の市場価値を客観的に測るツールとしても活用できます。管理職経験・専門スキルを持つ30代中盤〜後半の方に特に向いています。
エンエージェント|強みを言語化したい30代に
30代の転職で「自分に合う仕事がわからない」「強みを言語化できない」という方には、エンエージェントがおすすめです。独自の適性診断テストによって性格・思考タイプ・強みを可視化し、求人とのマッチング精度を高めてくれます。顧客満足度の評価が高く、強みの言語化やキャリア相談を重視したい30代に向いているとされています。
30代前半と30代後半でエージェント戦略は変わる
30代といっても30歳と39歳では、転職市場での立ち位置が異なります。エージェント選びの戦略も、前半・後半で意識的に変えると効果的です。
30代前半(30〜34歳)の戦略
30代前半はポテンシャルと即戦力の両方が評価される時期です。
厚生労働省「令和5年雇用動向調査」によると、2023年の転職入職率は30〜34歳で男性9.2%・女性13.4%となっており、経験値が評価されるため即戦力ポストの選択肢は依然として豊富です。
この年代では、総合型エージェント(リクルートエージェント・doda)で幅広く求人を探しながら、希望業界が決まっている場合はマイナビエージェントのような専門特化アドバイザーを持つサービスと組み合わせるのが有効です。
30代後半(35〜39歳)の戦略
30代後半になると、企業が求める即戦力性はさらに高まります。
30代は「まだ若手のフットワーク」と「中堅としての責任感」の両方が求められる年代であり、ハイクラス層の求人では即戦力性と成果へのコミットが前提条件になることが多いとされています。
この年代では、JACリクルートメントやビズリーチのようなハイクラス特化型を中心に据えつつ、dodaやリクルートエージェントで選択肢の幅を確保する組み合わせが現実的です。
昨今の賃上げなどで年収帯が上昇していることや、若い年齢層で「管理職になりたくない」という人が増えていることから、30代リーダー層の採用難易度は高まりつつあるとされています。
だからこそ、複数のエージェントを活用して自分の市場価値を多角的に把握することが重要になります。
転職エージェントを最大限に活用するための進め方
エージェントに登録したあと、どう動けば成果につながるのかを整理します。
キャリアの棚卸しを最初に行う
エージェントとの初回面談の前に、これまでの職歴・スキル・実績を整理しておきましょう。
転職エージェントでは、スキルの整理により自分の強みや市場価値がわかるキャリアの棚卸し、一般には出回っていない非公開求人の紹介、ハイクラス層に求められるPR方法をプロと一緒に構築するための書類添削・面接対策などのサポートが受けられます。
自分の言葉で職歴を説明できるように準備しておくと、より精度の高い求人紹介につながります。
複数エージェントを同時並行で使う
1社だけに絞るのは機会損失につながります。
30代の転職では1社に絞らず、複数のサービスを併用することで多くの求人に効率よく出会えるとされています。
登録時の入力内容は初回にメモしておくと、2社目以降の登録がスムーズになります。
応募数は積極的に確保する
転職活動では、複数社に応募して条件を比較することが一般的とされています。応募数が多いほど比較できる選択肢も増え、最終的に納得のいく転職先を選びやすくなります。具体的な平均応募社数は調査時期・調査主体によって異なるため、参考数値はご利用のエージェントに確認することをおすすめします。
年収交渉はエージェントに任せる
転職エージェントを使う大きなメリットのひとつが、年収交渉の代行です。
30代は年収アップの狙い目の時期とされており、プロの視点で応募企業の紹介・選考対策をしてくれるキャリアアドバイザーのサポートを受けることが推奨されています。
自分では交渉しにくい年収の話も、エージェントが間に入ることでスムーズに進みやすくなります。
30代の転職活動でよくある疑問
在職中でも転職活動はできる?
転職エージェントはすべて無料で利用でき、在職しながら活動する方のサポートも得意としています。面談はオンラインで行えるサービスがほとんどであり、平日夜や土日の利用も可能です。まず登録だけして、カウンセリングを受けてから本格化するかどうかを判断する方も多くいます。
未経験職種への転職は30代でも可能?
年齢があがるほど未経験転職の難易度は上がる傾向はありますが、30代ならではのマネジメントスキルや業界知識・社会人経験が評価されるケースも少なくありません。
未経験転職を検討している場合は、まずエージェントに相談してみることを検討してください。求人紹介・面接対策など、さまざまな面でサポートを受けられます。
登録後すぐに転職しなければならない?
登録したからといって即座に転職しなければならないルールはありません。まずは情報収集・キャリアの棚卸し・市場価値の確認だけを目的として相談するだけでも問題ありません。転職の判断は最終的にご自身がするものです。
まとめ|30代のエージェント選びで大切なこと
30代の転職は、これまでのキャリアを正当に評価してもらいながら、次のステップに向かう絶好の機会です。エージェント選びの要点を改めて整理すると、次の3点に集約されます。
まず、総合型エージェント(リクルートエージェント・doda)への登録を起点に、自分の強みや希望年収帯・業界によってJACリクルートメントやビズリーチ、マイナビエージェントなどを組み合わせることが基本の戦略です。次に、30代前半と30代後半でアプローチを変え、後半になるほどハイクラス特化型を中心に据えることが効果的です。そして、面談前のキャリアの棚卸しと、複数社への積極的な応募によって、比較検討の余地を広げることが転職成功率を高めます。
転職エージェントはあくまで求職者の情報収集・活動支援のためのサービスです。焦らず自分のペースで情報を集め、納得のいく判断をするための一歩として活用してみてください。

