大和冷機工業株式会社(以下、大和冷機工業)は、業務用冷蔵庫や製氷機などの冷熱機器を製造・販売する東証プライム上場企業です。飲食店をはじめとする幅広い業界で使用される冷熱機器のトップメーカーとして、60年以上にわたり業界をリードしています。本記事では、同社への転職を検討されている方に向けて、最新の平均年収データや役職別・年齢別の年収推移、福利厚生、転職難易度について詳しく解説します。企業の財務状況や業界での位置づけも含めて、転職の判断材料となる情報を包括的にお伝えします。
大和冷機工業の会社概要
大和冷機工業は1958年に創業された業務用冷熱機器の総合メーカーです。業務用冷蔵庫・冷凍庫、ショーケース、製氷機を主力製品として、全国約200の営業所ネットワークを通じて販売・サービスを展開しています。同社は業界内では大手3社の一角を占めており、特に地域密着型の営業スタイルと24時間365日のアフターサービス体制で顧客からの信頼を獲得しています。東証プライム市場に上場し、堅実な財務基盤と安定した収益性を誇る企業です。
大和冷機工業の基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 大和冷機工業株式会社(DAIWA INDUSTRIES LTD.) |
本社所在地 | 大阪府大阪市天王寺区小橋町3番13号(大阪本社) 東京都台東区台東2丁目4番3号(東京本社) |
設立年 | 1962年11月28日(創業:1958年2月1日) |
業種 | 機械(冷熱機器製造業) |
事業内容 | 業務用冷凍・冷蔵庫、ショーケース、製氷機等の製造販売 |
上場市場 | 東京証券取引所プライム市場(証券コード:6459) |
資本金 | 99億7百万円 |
売上高 | 479億3千8百万円(2024年12月期) |
従業員数 | 2,372名(2024年12月現在) |
大和冷機工業の事業は、業務用冷凍・冷蔵庫の製造販売を中核として、ショーケース、製氷機、厨房機器など300を超えるアイテムを展開しています。主要な顧客は飲食店、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、花屋など多岐にわたり、食品の安全・安心を支える重要な役割を担っています。製造拠点は大分県佐伯市の2工場を中心とし、省エネ技術「エコ蔵くん」シリーズや鮮度保持技術「鮮度くん」シリーズなど、技術革新にも積極的に取り組んでいます。全国に20営業部、203営業所を展開し、迅速なサービス提供体制を構築している点も同社の大きな強みです。
大和冷機工業の平均年収はどのぐらい?
大和冷機工業の最新の平均年収は477万円となっています。これは全国平均の460万円を上回る水準ですが、東証プライム上場企業の平均742万円と比較するとやや低い水準となります。ただし、同社の平均年収は近年上昇傾向にあり、安定した成長を続けている点は評価できます。
年度別の平均年収推移
年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2019年12月期 | 459万円 | 36.0歳 | 9.0年 | 2,372人 |
2020年12月期 | 442万円 | 35.6歳 | 8.8年 | 2,345人 |
2021年12月期 | 463万円 | 36.5歳 | 9.2年 | 2,378人 |
2022年12月期 | 463万円 | 36.8歳 | 9.5年 | 2,384人 |
2023年12月期 | 477万円 | 37.2歳 | 10.3年 | 2,391人 |
出典:大和冷機工業株式会社 有価証券報告書(各年度)
過去5年間の推移を見ると、2020年にコロナ禍の影響で一時的に下落したものの、2021年以降は回復傾向にあります。2023年度には477万円まで上昇し、2019年度を上回る水準に達しています。平均年齢も37.2歳と若干上昇しており、従業員の定着率向上と経験の蓄積が年収上昇に寄与していると考えられます。
他企業との比較データ
企業名 | 平均年収 | 業種 | 上場市場 |
---|---|---|---|
ホシザキ | 716万円 | 業務用厨房機器 | 東証プライム |
フクシマガリレイ | 603万円 | 業務用冷凍冷蔵機器 | 東証プライム |
大和冷機工業 | 477万円 | 業務用冷熱機器 | 東証プライム |
機械業界平均 | 726万円 | – | 東証プライム |
全国平均 | 460万円 | – | – |
業務用冷熱機器業界の主要3社で比較すると、大和冷機工業の平均年収は業界内では最も低い水準となっています。業界首位のホシザキとは約240万円の差があり、2位のフクシマガリレイとも約125万円の差があります。これは企業規模や収益性の違いが反映されていると考えられます。ただし、全国平均と比較すると17万円上回っており、決して低い水準ではありません。
大和冷機工業の役職別年収データ
役職 | 推定年収範囲 |
---|---|
一般社員 | 公式データとしては非開示 |
係長・主任クラス | 公式データとしては非開示 |
課長クラス | 公式データとしては非開示 |
部長クラス | 公式データとしては非開示 |
取締役 | 公式データとしては非開示 |
大和冷機工業では、役職別の詳細な年収データは有価証券報告書や公式な採用情報において非開示となっています。ただし、転職口コミサイトの情報によると、営業職の平均年収が約439万円、事務・アシスタント系が約355万円、エンジニア・技術系が約362万円程度となっています。同社は成果主義的な要素もあり、営業成績によってボーナスが大きく変動する仕組みとなっているため、個人の実績によって年収に差が生じる傾向があります。
大和冷機工業の年齢別年収推移
年代 | 推定年収範囲 |
---|---|
20代 | 公式データとしては非開示 |
30代 | 公式データとしては非開示 |
40代 | 公式データとしては非開示 |
50代以上 | 公式データとしては非開示 |
大和冷機工業では年齢別の年収データも公式には非開示となっています。ただし、同社の平均年齢が37.2歳で平均年収が477万円であることから、30代後半で平均年収に到達すると推測されます。転職口コミサイトの情報では、20代の月収が20万円前後、50代で33万円前後という情報もありますが、これらは推定値であり、個人の職種や成績によって大きく異なる可能性があります。同社は営業成績によるボーナス変動が大きいため、年功序列よりも成果による差が年収に反映される傾向があります。
大和冷機工業の福利厚生
大和冷機工業は東証プライム上場企業として、充実した福利厚生制度を整備しています。以下に主な制度をカテゴリ別にご紹介します。
【休暇制度】
年間休日120日以上を確保しており、夏期休暇以外は土日祝日が休みとなります。有給休暇制度も完備されていますが、営業所によって取得しやすさに差があるという声もあります。
【手当・保険制度】
住宅手当、交通費、時間外労働手当などの各種手当が支給されます。社会保険(健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険)は完備されており、退職金制度も設けられています。
【研修・教育制度】
新入社員に対しては先輩社員がインストラクターとして1年間サポートする制度があります。営業未経験者でも安心して働けるよう、充実した研修体制が整えられています。また、営業職では一人でお客様のもとへ訪問する前に、必ず先輩や所長が同行する仕組みが確立されています。
【その他の制度】
転勤を伴わない地域密着型の働き方が基本となっており、ワークライフバランスを重視した職場環境づくりに取り組んでいます。ISO14001を取得するなど環境問題への取り組みも積極的で、持続可能な企業経営を目指しています。
大和冷機工業の転職難易度は?
大和冷機工業の転職難易度は中程度と考えられます。東証プライム上場企業としての安定性と成長性を備えている一方で、業界経験や営業スキルを重視する傾向があります。
求められる人材像
大和冷機工業では、以下のような人材を求めています。まず、顧客との長期的な関係構築を重視するため、コミュニケーション能力が高く、信頼関係を築くことができる人材です。同社の営業スタイルは地域密着型で、お客様から情報をいただき、それに基づいてソリューションを提案する本質的な営業を目指しています。そのため、相手の立場に立って考え、課題解決に向けて主体的に取り組める人材が重宝されます。
技術職においては、冷熱機器に関する専門知識と技術力が求められます。ただし、営業職では業界未経験者でも歓迎しており、入社後の研修制度が充実しているため、意欲的に学ぶ姿勢があれば十分にチャレンジ可能です。また、全国に営業所を展開しているため、地域に根ざして働きたいという志向性も重要な要素となります。
転職成功のポイント
大和冷機工業への転職を成功させるためには、いくつかのポイントを押さえることが重要です。まず、面接ではフランクな雰囲気で一般的な質問が多いとされているため、基本的な面接対策をしっかりと行うことが大切です。自己PRでは、顧客との関係構築能力や課題解決に向けた取り組み経験を具体的にアピールすることが効果的です。
同社の事業内容や企業理念を深く理解し、なぜ大和冷機工業で働きたいのかを明確に説明できるよう準備しましょう。特に「食の安心・安全を守る」という使命感や、地域密着型のサービス提供に共感を示すことが重要です。また、成果主義的な要素があるため、目標達成に向けた具体的な行動力や、結果を出すための工夫について話せるとよいでしょう。
転職活動では、同社の求人情報をハローワークや転職エージェント経由で確認し、募集状況や応募条件を事前に把握することが大切です。中途採用では即戦力としての期待もあるため、これまでの経験をどのように活かせるかを具体的に示すことで、採用担当者に好印象を与えることができます。
まとめ
大和冷機工業の平均年収は477万円で、全国平均を上回る水準にあります。業界内では低めの水準ですが、安定した財務基盤と成長性を持つ東証プライム上場企業として魅力的な転職先といえます。年収は営業成績によって大きく変動する成果主義的な要素があるため、実力次第でより高い収入を目指すことも可能です。
転職を検討される方には、業界未経験者でも充実した研修制度があること、地域密着型で転勤が少ないこと、食の安心・安全という社会的意義のある事業に携われることなどがメリットとして挙げられます。一方で、営業職では飛び込み営業が多く、メンタル面での強さが求められる点も理解しておく必要があります。同社への転職を成功させるためには、顧客との関係構築能力と成果を出すための行動力をアピールし、企業理念への共感を示すことが重要です。安定した企業で地域に根ざした働き方を希望する方にとって、大和冷機工業は検討に値する転職先といえるでしょう。