株式会社FUJI(以下、FUJI)は、愛知県知立市に本社を置く電子部品実装ロボットや工作機械の製造・販売を手掛ける大手産業機械メーカーです。電子部品組立機(チップマウンター)では世界トップシェア30%を維持し、スマートフォンやタブレットPCなど身近な製品の製造にも同社の技術が活用されています。この記事では、FUJIの平均年収や福利厚生、転職難易度について詳しく解説します。転職を検討されている方にとって有益な情報をお届けしますので、ぜひ参考にしてください。
FUJIの会社概要
FUJIは1959年に富士機械製造株式会社として創業し、2018年に現在の社名に変更した独立系の産業機械メーカーです。主力製品である電子部品実装ロボット(チップマウンター)では世界トップシェアを誇り、自動車、スマートフォン、半導体業界の大手企業と取引を行っています。世界100か所以上の海外拠点を有し、海外売上比率は8割を超えるグローバル企業として成長を続けています。
FUJIの基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 株式会社FUJI |
本社所在地 | 愛知県知立市山町茶碓山19番地 |
設立年 | 1959年4月 |
業種 | 産業機械製造業 |
事業内容 | 電子部品実装ロボット、工作機械の開発・製造・販売 |
上場市場 | 東京証券取引所プライム市場(証券コード:6134) |
FUJIの事業は大きく2つの柱で構成されています。電子部品実装事業では、スマートフォンやタブレット、自動車の電子機器に使用される電子部品を基板に実装するロボットを製造しており、世界最速レベルの装着スピードと世界最高レベルの装着精度により業界トップシェアを獲得しています。工作機械事業では、自動車部品加工用の旋盤を中心とした工作機械の開発・製造を行っており、トヨタ自動車をはじめとする大手自動車メーカーとの取引実績があります。また、近年は小型多関節ロボットやプラズマ装置、3Dプリンターなど、次世代を見据えた新規事業分野への展開も積極的に進めています。
FUJIの平均年収はどのぐらい?
FUJIの平均年収は724万円と、製造業界の中でも高い水準にあります。同社は電子部品実装ロボット分野で世界トップシェアを誇る技術力の高い企業であり、その専門性の高さが給与水準にも反映されています。また、業績に連動した賞与制度により、会社の成長とともに従業員の処遇も向上する仕組みが整備されています。
年度別の平均年収推移
年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2025年3月期 | 724万円 | 43.3歳 | 18.3年 | 1,765名 |
2024年3月期 | 719万円 | 43.1歳 | 18.1年 | 1,710名 |
2023年3月期 | 715万円 | 42.8歳 | 17.9年 | 1,690名 |
2022年3月期 | 708万円 | 42.5歳 | 17.6年 | 1,650名 |
2021年3月期 | 701万円 | 42.2歳 | 17.3年 | 1,620名 |
2020年3月期 | 695万円 | 41.9歳 | 17.0年 | 1,580名 |
出典:株式会社FUJI 有価証券報告書(2025年3月期)
過去6年間の推移を見ると、FUJIの平均年収は一貫して上昇傾向にあります。2020年3月期の695万円から2025年3月期の724万円まで、年平均約5万円のペースで増加しており、安定した成長を続けています。この背景には、主力製品である電子部品実装ロボットの市場拡大と、同社の技術革新による競争優位性の維持があります。従業員数も着実に増加しており、事業拡大に伴う積極的な人材採用が行われています。
他企業との比較データ
企業名 | 平均年収 | 業種 | 従業員数 |
---|---|---|---|
FUJI | 724万円 | 産業機械 | 1,765名 |
ヤマハ発動機 | 758万円 | 輸送用機器 | 10,519名 |
JUKI | 685万円 | 産業機械 | 1,203名 |
パナソニック(産業機器部門) | 798万円 | 電機 | 約5,000名 |
機械業界平均 | 約630万円 | 機械 | – |
FUJIの平均年収724万円は、機械業界平均の約630万円を大きく上回っており、同業他社と比較しても競争力のある水準にあります。同じ産業機械分野のJUKIと比較すると約40万円高く、FUJIの技術力と市場でのポジションの高さが給与水準に反映されています。一方、ヤマハ発動機やパナソニックなど、より規模の大きい企業と比較すると若干下回るものの、独立系メーカーとしては非常に高い水準を維持しています。
FUJIの役職別年収データ
FUJIでは年功序列要素を残しつつ、成果主義も取り入れた給与体系を採用しています。役職に応じて基本給が設定され、これに諸手当と賞与が加算される仕組みになっています。役職が上がるにつれて年収も大幅に増加し、管理職クラスでは1000万円を超える年収を得ることも可能です。
役職 | 推定年収(万円) |
---|---|
新入社員・一般職 | 400-500 |
係長・主任クラス | 600-750 |
課長クラス | 800-1,000 |
部長クラス | 1,100-1,400 |
執行役員クラス | 1,500-2,000 |
※上記は口コミサイトや転職サイトの情報を基にした推定値です。
FUJIの給与制度では、入社後の昇進スピードが比較的安定しており、年功序列的な要素が強く残っています。新入社員の初任給は大学卒で約32万円と設定されており、年間賞与約5-6か月分を含めると初年度から400-500万円程度の年収が期待できます。係長・主任クラスになると基本給が大幅に上昇し、課長職に昇進すると管理職手当が加算されるため年収800万円以上が一般的です。技術系職種では専門性が高く評価され、課長クラスでも1000万円を超える年収を得る社員もいます。
FUJIの年齢別年収推移
FUJIでは年功序列的な給与体系が維持されており、年齢とともに着実に年収が上昇する傾向にあります。特に30代後半から40代にかけて大幅な年収アップが期待でき、技術系職種では専門性の向上に伴い、より高い処遇を受けることができます。
年代 | 推定年収範囲(万円) |
---|---|
20代 | 400-600 |
30代 | 600-850 |
40代 | 750-1,100 |
50代以上 | 900-1,500 |
※上記は口コミサイトや転職サイトの情報を基にした推定値です。
FUJIの年齢別年収推移を見ると、20代では新入社員から主任クラスまでの昇進に伴い400-600万円程度の年収レンジとなっています。30代に入ると係長から課長代理レベルまで昇進する社員が多く、600-850万円程度まで年収が上昇します。40代では管理職に就く社員が増え、750-1,100万円と高い年収水準に達します。50代以降は部長クラス以上の役職に就く社員が多く、900-1,500万円の年収レンジとなり、役員クラスになるとさらに高い処遇を受けることができます。技術系職種では、年齢に関係なく専門性や成果に応じた処遇を受けることができるため、若い世代でも高い年収を得る可能性があります。
FUJIの福利厚生
FUJIでは大企業並みの充実した福利厚生制度を整備しており、従業員のワークライフバランスと働きやすさの向上に力を入れています。特に独身寮の完備や有給取得率の高さなど、従業員の生活面をサポートする制度が充実しています。
制度・手当 | 内容 |
---|---|
住宅手当 | 独身寮完備(詳細金額は非公開) |
交通費 | 基本的に満額支給(一部条件あり) |
退職金制度 | あり(企業年金制度も併用) |
有給取得率 | 約86%(業界平均を大きく上回る) |
育児休業 | 男性社員も取得可能 |
その他 | 財形貯蓄、社員持株会、契約保養所等 |
出典:株式会社FUJI 採用サイト、転職口コミサイト
FUJIの福利厚生の特徴として、住宅面での手厚いサポートが挙げられます。独身寮が完備されており、遠方から入社する新入社員でも安心して働き始めることができます。また、交通費は基本的に満額支給され、マイカー通勤者への高速代補助も一定の条件下で実施されています。ワークライフバランスの面では、有給取得率が約86%と非常に高く、ノー残業デーの設定など働き方改革にも積極的に取り組んでいます。男性社員の育児休業取得も推奨されており、多様な働き方を支援する環境が整っています。財務面では、財形貯蓄制度や社員持株会など、従業員の資産形成をサポートする制度も充実しており、長期的なキャリア形成を支援しています。
FUJIの転職難易度は?
FUJIは電子部品実装ロボット分野で世界トップシェアを誇る技術力の高い企業であり、転職難易度は比較的高いレベルにあります。同社では技術系職種を中心に継続的な中途採用を実施していますが、専門性の高い技術者や経験豊富な管理職候補を求めており、応募者には相応のスキルと経験が求められます。
項目 | 内容 |
---|---|
中途採用実績 | 年間約8名程度(技術系中心) |
求める人材像 | 技術革新に挑戦し続ける人材、グローバル志向の人材 |
応募条件 | 大学卒以上、関連分野での実務経験3年以上 |
選考プロセス | 書類選考→一次面接→最終面接(計2-3回) |
出典:株式会社FUJI 採用サイト、転職サイト情報
求められる人材像
FUJIでは「innovative spirit」をコーポレートメッセージとして掲げており、革新的な技術創造に挑戦する人材を求めています。特に技術系職種では、機械設計、電気回路設計、ソフトウェア開発などの専門知識に加え、ロボット開発への情熱と創造性を重視しています。同社の採用サイトでは、学生時代にロボコンに出場した経験者や、メカ・回路・ソフトの垣根を超えてロボット開発に取り組める人材を歓迎しており、チャレンジ精神旺盛な人材を求めています。また、海外売上比率が8割を超えるグローバル企業であるため、英語力や海外志向も重要な要素となっています。営業系職種では、技術的な背景知識を持ちながら顧客との関係構築ができる人材が求められており、エンジニア出身者の技術営業への転身も積極的に支援しています。
転職成功のポイント
FUJIへの転職を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。まず、同社の主力事業である電子部品実装ロボットや工作機械に関連する技術的な知識と経験を身につけることが重要です。特に機械設計、制御システム、画像処理技術などの分野での実務経験は高く評価されます。また、同社が重視する「顧客密着」の姿勢を理解し、技術者としてだけでなく顧客課題を解決できる人材であることをアピールすることが効果的です。面接では、自身の技術的な専門性に加え、チームワークやコミュニケーション能力も重視されるため、これまでのプロジェクト経験を具体的に説明できるよう準備しておくことが大切です。さらに、同社のグローバル展開を理解し、海外市場への関心や語学力をアピールすることで、より高い評価を得ることができます。転職エージェントを活用することで、非公開求人へのアクセスや企業特化型の選考対策を受けることができるため、転職成功の確率を高めることができます。
まとめ
株式会社FUJIは、電子部品実装ロボット分野で世界トップシェアを誇る技術力の高い企業であり、平均年収724万円と製造業界でも高い水準の処遇を提供しています。年功序列的な安定した昇進制度と充実した福利厚生により、長期的なキャリア形成に適した環境が整っています。技術系職種を中心とした専門性の高い人材を求めており、転職難易度は比較的高いものの、適切な経験とスキルを持つ候補者には魅力的な転職先といえるでしょう。
FUJIへの転職を検討される方は、同社の事業内容と求める人材像を十分に理解し、自身の専門性がどのように貢献できるかを明確にすることが重要です。また、グローバル企業としての成長性と安定性を兼ね備えた同社では、技術革新への挑戦意欲と顧客志向を持つ人材が活躍できる環境が用意されています。転職を成功させるためには、転職エージェントの活用も含めて戦略的にアプローチすることをおすすめします。