HOYA株式会社(以下、HOYA)は、1941年に光学レンズメーカーとして創業した日本を代表する光学機器・精密機器メーカーです。メガネやコンタクトレンズから半導体製造用マスクブランクス、医療用内視鏡まで多角的な事業を展開し、世界160以上の拠点でグローバルに事業を行っています。特に半導体製造用マスクブランクスやHDD用ガラス基板では世界シェア70%を超える圧倒的な地位を築いており、純利益率20%超の高収益企業として知られています。
この記事では、HOYAの最新の平均年収データから役職別・年齢別の年収推移、福利厚生、転職難易度まで、転職を検討されている方に役立つ情報を詳しく解説します。
HOYAの会社概要
HOYAは1941年の創業以来、光学技術を核として成長を続けてきた日本有数のグローバル企業です。現在は「ライフケア」と「情報・通信」の2つの事業領域を中心に、世界約40ヶ国に展開する約38,000人の従業員を擁する企業として、日経平均株価やTOPIX Core30の構成銘柄にも選ばれています。
HOYAの基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | HOYA株式会社 |
本社所在地 | 東京都新宿区西新宿六丁目10番1号 |
設立年 | 1941年(昭和16年) |
業種 | 精密機器・光学機器 |
事業内容 | ライフケア事業、情報・通信事業 |
上場市場 | 東京証券取引所プライム市場 |
HOYAの事業は大きく「ライフケア事業」と「情報・通信事業」に分かれています。ライフケア事業では、メガネレンズ、コンタクトレンズ、医療用内視鏡、白内障用眼内レンズ、整形外科用インプラントなどを手がけ、人々の健康と生活の質向上に貢献しています。情報・通信事業では、半導体製造用マスクブランクス、HDD用ガラスディスク、液晶パネル用フォトマスクなど、デジタル社会を支える重要部品を製造しています。特に半導体関連では世界トップクラスのシェアを誇り、同社の高い収益性を支える基盤となっています。
HOYAの平均年収はどのぐらい?
年度別の平均年収推移
年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2024年3月 | 821万円 | 47.8歳 | 20.2年 | 3,021人 |
2023年3月 | 741万円 | 47.8歳 | 19.7年 | 3,021人 |
2022年3月 | 798万円 | 47.2歳 | 19.0年 | 3,006人 |
2021年3月 | 712万円 | 47.1歳 | 18.8年 | 2,994人 |
2020年3月 | 845万円 | 46.8歳 | 18.5年 | 2,973人 |
2019年3月 | 787万円 | 46.2歳 | 18.1年 | 2,951人 |
出典:HOYA株式会社 有価証券報告書(2024年3月期)
HOYAの平均年収は2024年3月期で821万円となり、前年の741万円から80万円の大幅な増加を記録しました。ここ数年の推移を見ると、2020年3月期の845万円をピークに一時的に下がったものの、2024年3月期で再び800万円台を回復しています。これは同社の業績回復と人事評価制度の改定が影響していると考えられます。
他企業との比較データ
企業名 | 平均年収 | 業種 |
---|---|---|
HOYA | 821万円 | 精密機器 |
キヤノン | 759万円 | 精密機器 |
ニコン | 717万円 | 精密機器 |
富士フイルムHD | 997万円 | 化学(精密機器含む) |
オリンパス | 879万円 | 精密機器 |
HOYAの平均年収821万円は、精密機器業界において非常に高い水準にあります。光学・精密機器業界の主要企業と比較すると、富士フイルムホールディングス、オリンパスに次ぐ第3位の位置にあり、キヤノンやニコンを上回っています。全国平均年収の約460万円と比較すると1.8倍近い水準であり、業界トップクラスの待遇を提供していることがわかります。
HOYAの役職別年収データ
役職 | 推定年収(万円) |
---|---|
係長・主任クラス | 920~930万円 |
課長クラス | 1,160~1,250万円 |
部長クラス | 1,450~1,570万円 |
HOYAでは実力主義の人事制度を採用しており、役職に応じて大幅な年収アップが期待できます。係長・主任クラスで920万円台、課長クラスで1,200万円前後、部長クラスでは1,500万円前後の年収となります。同社では2008年頃に人事制度の抜本的改革を実施し、従来の年功序列から成果・能力重視の評価制度に移行しています。
昇進・昇格に関しては明確な資格や試験基準はなく、上司による評価や成果に基づいて決定される傾向があります。また、事業部の業績が個人の賞与に大きく影響するため、配属される事業部によって収入に差が生じる可能性があります。
HOYAの年齢別年収推移
年代 | 推定年収範囲(万円) |
---|---|
20代 | 500~650万円 |
30代 | 650~850万円 |
40代 | 750~1,050万円 |
50代以上 | 900~1,200万円 |
HOYAの年齢別年収は、20代で500万円台からスタートし、30代で650万円台、40代で800万円台、50代で900万円台となる傾向があります。ただし、同社は実力主義を重視しているため、年齢よりも成果や能力による年収差が大きいのが特徴です。
新卒入社の場合、最初の数年間は比較的安定した昇給が期待できますが、中堅以降は個人の成果と所属事業部の業績によって大きく左右されます。全社員を成果順にランキング化し、その順位に応じて給与が決定される仕組みを採用しているため、同年代でも大きな年収差が生じることがあります。
HOYAの福利厚生
HOYAの福利厚生制度は、2008年頃の人事制度改革により大幅に簡素化されています。従来あった各種手当が廃止され、基本給中心の給与体系に移行しました。
制度・手当 | 内容 |
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住宅手当 | 原則なし(会社都合転勤時のみ支給あり) |
交通費 | 通勤手当として支給 |
退職金制度 | なし(確定拠出年金あり) |
有給取得率 | 比較的取得しやすい環境 |
食事補助 | 1日200円程度 |
確定拠出年金 | 会社負担額が高水準 |
リクリエーション費 | 年間7,000円支給 |
育児休暇 | 最長3年間取得可能 |
時短勤務 | 子供が小学生になるまで6時間勤務可能 |
福利厚生の特徴として、従来の住宅手当や家族手当は廃止されており、その分が基本給に含まれています。一方で、確定拠出年金制度では会社からの拠出額が比較的高く設定されており、退職金制度の代替として機能しています。
ワークライフバランス面では、有給休暇は比較的取得しやすく、当日申請でも承認される柔軟な運用がなされています。育児支援制度も充実しており、育児休暇は最長3年間、時短勤務は子供が小学生になるまで利用可能です。また、余った年休は最大40日まで積み立てることができ、介護休暇やボランティア休暇として活用できます。
HOYAの転職難易度は?
求められる人材像
項目 | 内容 |
---|---|
中途採用比率 | 96%(2023年度) |
求める人材像 | 問題解決能力、プロフェッショナリズム、成長意欲 |
転職難易度 | B(中程度) |
選考プロセス | 書類選考→面接2-3回→最終面接 |
HOYAは中途採用に積極的な企業で、2023年度の中途採用比率は96%と非常に高い水準となっています。毎年約80%が中途採用となっており、中途入社者にとってはチャンスの多い企業と言えます。
同社が求める人材像は、顧客の問題解決を図るために的確な判断と行動ができ、責任感を持って業務に取り組める人材です。特に実力主義の環境において、個人として成長し続ける強い意志を持つことが重要視されています。また、グローバル企業として海外展開を積極的に行っているため、国際的な視野と語学力も評価される要素の一つです。
転職成功のポイント
HOYAへの転職を成功させるためのポイントは以下の通りです。
- 実力主義の環境で成果を出せることをアピール – 前職での具体的な成果や数値実績を準備
- 問題解決能力の実証 – 困難な課題をどのように解決したかの事例を用意
- 継続的な学習意欲の表明 – 技術革新の激しい業界での成長意欲をアピール
- 事業部別採用の理解 – 志望する事業部の特徴と課題を事前に研究
- グローバル視点の提示 – 海外展開や国際競争における貢献可能性をアピール
面接では、「なぜHOYAなのか」「どのような価値を提供できるのか」を具体的にアピールすることが重要です。また、実力主義の環境でのプレッシャーやハードワークに対する覚悟も確認されるため、チャレンジングな環境への適応力も示す必要があります。
まとめ
HOYAは平均年収821万円という高い給与水準を誇る、日本を代表する光学・精密機器メーカーです。実力主義の人事制度により、成果次第で大幅な年収アップが期待できる一方、事業部の業績や個人の成果によって収入に差が生じる可能性もあります。
転職を検討される方にとって、HOYAは高い年収と成長機会を提供する魅力的な企業です。ただし、実力主義の環境でのハードワークと継続的な成果創出が求められるため、チャレンジングな環境で自己成長を図りたい方に適した企業と言えるでしょう。中途採用にも積極的なため、十分な準備と明確な志望動機があれば転職成功の可能性は高いと考えられます。