株式会社ジャパンディスプレイ(以下、ジャパンディスプレイ)は、ソニー、東芝、日立製作所の液晶ディスプレイ事業を統合し2012年に設立された日本を代表する中小型液晶ディスプレイメーカーです。スマートフォンやタブレット、車載ディスプレイから医療機器用ディスプレイまで幅広い製品を手がけており、独自技術「eLEAP」や「HMO」などで世界市場で競争力を保持しています。この記事では、ジャパンディスプレイの最新年収データから福利厚生、転職難易度まで、転職を検討される方に役立つ情報を詳しく解説いたします。
ジャパンディスプレイの会社概要
ジャパンディスプレイは、2012年に産業革新機構の主導でソニー、東芝、日立製作所の液晶ディスプレイ事業を統合して誕生した日本の液晶ディスプレイメーカーです。中小型液晶ディスプレイ分野で世界トップクラスの技術力を持ち、低温ポリシリコンLCDやIPS液晶技術、タッチパネル内蔵技術など、それぞれの前身企業が培った世界最先端の技術を結集しています。現在は車載ディスプレイ事業に注力しており、透明ディスプレイやVR・AR向けディスプレイなど次世代製品の開発にも積極的に取り組んでいます。
ジャパンディスプレイの基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 株式会社ジャパンディスプレイ |
本社所在地 | 東京都港区西新橋三丁目7番1号 |
設立年 | 2012年4月 |
業種 | 電気機器(液晶ディスプレイ製造) |
事業内容 | 中小型液晶ディスプレイの開発・製造・販売 |
上場市場 | 東京証券取引所プライム市場(証券コード:6740) |
ジャパンディスプレイの主力事業は、スマートフォンやタブレット向けモバイルディスプレイ、カーナビゲーションやインパネ向け車載ディスプレイ、デジタルカメラ用ディスプレイ、PACS(画像管理システム)や超音波診断装置向け医療機器用ディスプレイの4つの分野に大別されます。特に車載ディスプレイ事業では、高精細・高輝度・広視野角を実現するIPS液晶技術と低温ポリシリコン技術を活用し、自動車メーカーから高い評価を受けています。また、同社独自の「eLEAP」技術により、従来比で大幅な低消費電力化を実現し、電気自動車時代に対応した製品開発を進めています。
ジャパンディスプレイの平均年収はどのぐらい?
年度別の平均年収推移
年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2025年3月期 | 758万円 | 49.3歳 | 22.4年 | 2,639名 |
2024年3月期 | 749万円 | 48.9歳 | 22.3年 | 2,701名 |
2023年3月期 | 725万円 | 47.8歳 | 21.5年 | 2,834名 |
2022年3月期 | 618万円 | 47.0歳 | 20.4年 | 2,900名 |
2021年3月期 | 725万円 | 45.8歳 | 19.9年 | 2,967名 |
2020年3月期 | 702万円 | 44.7歳 | 16.8年 | 3,023名 |
出典:株式会社ジャパンディスプレイ 有価証券報告書(2025年3月期)
ジャパンディスプレイの最新の平均年収は758万円(2025年3月期)となっており、前年度から9万5千円の増加となりました。過去6年間の推移を見ると、2022年3月期に一時的に618万円まで下落しましたが、その後は回復傾向にあり、直近では758万円と過去最高水準に達しています。平均年齢は49.3歳、平均勤続年数は22.4年となっており、長期勤続の社員が多いことが特徴です。
他企業との比較データ
企業名 | 平均年収 | 業界 |
---|---|---|
ソニーグループ | 1,113万円 | 総合電機 |
日立製作所 | 935万円 | 総合電機 |
三菱電機 | 829万円 | 電機・電子機器 |
ジャパンディスプレイ | 758万円 | 電子部品・デバイス |
シャープ | 753万円 | 電気機器 |
同業他社との比較では、ジャパンディスプレイの平均年収758万円は、元親会社であるソニーグループの1,113万円や日立製作所の935万円と比較すると低い水準となっています。しかし、同じく液晶ディスプレイ事業を手がけるシャープの753万円とはほぼ同水準であり、電子部品・デバイス業界の中では標準的な年収レベルといえます。また、平均年収758万円は日本の平均年収(約430万円)を大幅に上回る高水準です。
ジャパンディスプレイの役職別年収データ
役職 | 推定年収(万円) |
---|---|
係長・主任クラス | 非開示 |
課長クラス | 非開示 |
部長クラス | 非開示 |
ジャパンディスプレイの役職別年収に関する詳細データは、公式データとしては非開示となっています。ただし、転職口コミサイトの情報によると、同社では5つの等級制度を採用しており、管理職以外の一般社員は等級ごとに評価ランクが設定されています。元ソニー、東芝、日立製作所出身の社員が在籍していることから、各社の給与体系を引き継いでおり、業界平均以上の給与水準を維持している傾向にあります。昇格については実力主義的な要素もありつつ、勤続年数による年功序列的な側面も残っているとの情報があります。
ジャパンディスプレイの年齢別年収推移
年代 | 推定年収範囲(万円) |
---|---|
20代 | 非開示 |
30代 | 非開示 |
40代 | 非開示 |
50代以上 | 非開示 |
年齢別の詳細な年収データも公式データとしては非開示となっています。しかし、転職・採用関連の口コミサイトの情報を総合すると、新卒初任給は大卒で22万円から30万円程度、ボーナスは基本的に年5ヶ月分程度が支給されているとの情報があります。年功序列的な要素が残っているため、勤続年数に応じて基本給が段階的に上昇し、各等級内での上限に達すると次の等級への昇格が検討される仕組みとなっているようです。平均年齢49.3歳で平均年収758万円という数値から逆算すると、中堅層以上では相応の年収水準にあることが推測されます。
ジャパンディスプレイの福利厚生
制度・手当 | 内容 |
---|---|
住宅手当 | 借上社宅制度あり(家賃の70%補助、上限4万円、7年間) |
交通費 | 通勤手当支給(出勤回数による変動制) |
退職金制度 | 確定拠出年金制度・確定給付企業年金制度あり |
その他手当 | 扶養手当、単身赴任手当、次世代手当、食事手当 |
ジャパンディスプレイの福利厚生は業界標準以上の充実した内容となっています。住宅支援では、新卒は入社から7年間、中途採用者は30歳まで借上社宅制度を利用でき、家賃の70%(上限月4万円)の補助を受けることができます。転勤時にはさらに7年間の延長も可能です。交通費は出勤回数に応じた変動制を採用しており、テレワーク推進に対応した制度設計となっています。退職金制度は確定拠出年金と確定給付企業年金の併用制で、長期勤続に対するメリットがあります。また、ベネフィットステーション(カフェテリアプラン)も導入されており、年間約2万円相当のポイントを様々な福利厚生サービスに利用できます。
ジャパンディスプレイの転職難易度は?
項目 | 内容 |
---|---|
中途採用実績 | 技術職・事務職ともに積極的に実施 |
求める人材像 | 新しいテクノロジー実現への熱意、多様な部署との交流を好む人材 |
応募条件 | 職種により異なる(技術職は関連分野の経験、事務職は業務経験) |
選考プロセス | 書類選考→複数回面接→内定(職種により技術試験あり) |
求められる人材像
ジャパンディスプレイが求める人材は、「熱い気持ちを持って新しいテクノロジーの実現に取り組む」人材です。同社は車載ディスプレイや透明ディスプレイなど次世代技術の開発に注力しているため、従来の枠にとらわれない発想力と技術革新への情熱を重視しています。また、様々な部署が交流しながら仕事を進める企業風土があるため、チームワークを大切にし、多様な人材と協働できるコミュニケーション能力も重要視されています。
転職成功のポイント
ジャパンディスプレイへの転職を成功させるには、まず同社の技術領域(液晶ディスプレイ、車載技術、光学技術など)に関連する実務経験やスキルを身につけることが重要です。技術職の場合は、電気・電子工学、材料工学、光学、ソフトウェア開発などの専門知識が求められます。事務職では、製造業での経験や国際的な事業展開に対応できる語学力があると有利です。また、現在同社は事業変革期にあるため、変化に対応できる柔軟性と前向きな姿勢をアピールすることも重要なポイントとなります。転職エージェントを活用し、同社の最新の事業戦略や求人動向を把握した上で応募することをおすすめします。
まとめ
ジャパンディスプレイの平均年収758万円は、電子部品・デバイス業界では標準的な水準であり、日本の平均年収を大幅に上回る高い給与レベルです。住宅補助や退職金制度などの福利厚生も充実しており、長期的なキャリア形成にも適した環境が整っています。現在同社は車載ディスプレイ事業に注力し、透明ディスプレイやVR・AR向けディスプレイなど次世代技術の開発を進めており、技術革新の最前線で働きたい方にとって魅力的な職場といえるでしょう。転職を検討される方は、同社の事業戦略と求める人材像を十分に理解し、自身のスキルや経験がどのように活かせるかを明確にした上で応募することが成功のカギとなります。福利厚生の充実度と将来性を考慮すると、中長期的なキャリア形成を目指す方にはおすすめの転職先です。