神奈川県横浜市に本社を置く音響機器・カメラ・カー用品を中心とした総合電機メーカーの株式会社JVCケンウッド(以下、JVCケンウッド)は、2008年にJVCとケンウッドが経営統合して誕生した企業です。転職や就職を検討する際、年収や待遇は重要な判断材料の一つでしょう。この記事では、JVCケンウッドの最新の平均年収データや役職別年収、福利厚生について詳しく解説します。有価証券報告書に基づく正確な情報をもとに、転職検討者が知りたい年収の実態を明らかにしていきます。
JVCケンウッドの会社概要
JVCケンウッドは、日本を代表する音響機器メーカーであるJVCと高品質なオーディオ機器で知られるケンウッドが2008年に経営統合して設立された総合電機メーカーです。東証プライム市場に上場しており、モビリティ&テレマティクスサービス、セーフティ&セキュリティ、エンタテインメント ソリューションズの3つの事業分野で展開しています。従業員数は連結で約15,000人を超える規模の大きな企業として、国内外で幅広い事業を展開している点が特徴です。
JVCケンウッドの基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 株式会社JVCケンウッド |
本社所在地 | 神奈川県横浜市神奈川区守屋町三丁目12番地 |
設立年 | 2008年 |
業種 | 電気機器(総合電機メーカー) |
事業内容 | モビリティ&テレマティクスサービス、セーフティ&セキュリティ、エンタテインメント ソリューションズ |
上場市場 | 東証プライム市場(証券コード:6632) |
JVCケンウッドの事業は大きく3つの分野に分かれています。モビリティ&テレマティクスサービス分野では、カーナビゲーションシステムやカーオーディオ、ドライブレコーダーなどの車載機器を開発・製造しており、自動車業界において高いシェアを誇っています。セーフティ&セキュリティ分野では、業務用無線機器や監視カメラシステム、医療用ディスプレイなどを手がけ、公共安全や医療分野に貢献しています。エンタテインメント ソリューションズ分野では、プロ用映像機器やオーディオ機器、ヘッドホンなどの民生用機器の開発・製造を行っており、長年培った音響技術と映像技術のノウハウを活かした高品質な製品を提供しています。
JVCケンウッドの平均年収はどのぐらい?
JVCケンウッドの平均年収について、有価証券報告書に基づく最新のデータを詳しく見ていきましょう。同社の年収は、電機メーカー業界の中でも比較的高い水準にあることが特徴です。
年度別の平均年収推移
JVCケンウッドの平均年収は、過去数年間で上昇傾向を示しています。最新の2024年3月期では前年比87万円増となる大幅な年収アップを実現しており、従業員の処遇改善に積極的に取り組んでいることがうかがえます。
年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2024年3月期 | 784万円 | 50.9歳 | 24.7年 | 3,089人 |
2023年3月期 | 697万円 | 50.9歳 | 24.6年 | 3,130人 |
2022年3月期 | 697万円 | 50.3歳 | 24.3年 | 3,179人 |
2021年3月期 | 687万円 | 49.5歳 | 23.8年 | 3,290人 |
2020年3月期 | 742万円 | 49.0歳 | 23.5年 | 3,450人 |
2019年3月期 | 757万円 | 48.3歳 | 23.2年 | 3,520人 |
出典:株式会社JVCケンウッド 有価証券報告書(2024年3月期他)
過去6年間の推移を見ると、2019年3月期の757万円をピークに一時的に下がったものの、2024年3月期には784万円と過去最高を更新しています。平均年齢は50歳前後で安定しており、平均勤続年数も24年超と非常に高い水準を維持していることから、従業員の定着率の高さがうかがえます。
他企業との比較データ
JVCケンウッドの平均年収784万円を同業他社と比較すると、電機メーカー業界の中では中堅から上位クラスの水準にあります。東証プライム市場の電機・精密業界の平均年収753万円を31万円上回っており、業界平均を超えた競争力のある給与水準を実現しています。
企業名 | 平均年収 | 業界内順位 |
---|---|---|
JVCケンウッド | 784万円 | 51位/156社 |
電機・精密業界平均 | 753万円 | – |
東証プライム平均 | 742万円 | – |
全国平均 | 460万円 | – |
全国平均の460万円と比較すると324万円も高く、年収水準としては上位16.6%前後の位置にあたる高水準の待遇を提供していることがわかります。同社の年収は業界内でも競争力があり、転職を検討する際の魅力的なポイントの一つといえるでしょう。
JVCケンウッドの役職別年収データ
JVCケンウッドの役職別年収について詳しく見ていきましょう。同社では一般的な日本企業と同様に、職位が上がるにつれて年収も段階的に上昇する仕組みが整備されています。
役職 | 推定年収(万円) |
---|---|
係長・主任クラス | 864万円 |
課長クラス | 1,130万円 |
部長クラス | 1,362万円 |
総合職平均 | 910万円 |
管理職級平均 | 1,210万円 |
出典:有価証券報告書および各種統計調査を元に算出した推定値
役職別の年収データを見ると、係長・主任クラスで864万円、課長クラスで1,130万円、部長クラスでは1,362万円と、管理職になることで大幅な年収アップが期待できることがわかります。総合職の平均年収は910万円、管理職級全体の平均年収は1,210万円となっており、昇進による年収上昇幅が大きいことが特徴です。ただし、これらの数値は推定値であり、実際の役職別年収は非公開となっています。
JVCケンウッドの年齢別年収推移
JVCケンウッドの年齢別年収推移について、統計データと有価証券報告書を元に分析した結果をご紹介します。同社の年収は年齢とともに着実に上昇する傾向があり、長期勤続による安定したキャリア形成が可能な環境が整っています。
年代 | 推定年収範囲(万円) |
---|---|
20代 | 430~500万円 |
30代 | 530~705万円 |
40代 | 624~744万円 |
50代以上 | 696~845万円 |
出典:有価証券報告書および各種統計調査を元に算出した推定値
年齢別の年収推移を見ると、20代では430万円から500万円程度でスタートし、30代で530万円から705万円へと大幅に上昇します。40代では624万円から744万円、50代以上では696万円から845万円となっており、経験とスキルの蓄積に応じて着実に年収が向上していく傾向が見られます。平均勤続年数が24.7年と長く、平均年齢が50.9歳と高めであることからも、長期的なキャリア形成を重視する企業文化があることがうかがえます。なお、これらの年収レンジは推定値であり、個人の実績や評価によって実際の年収は変動する可能性があります。
JVCケンウッドの福利厚生
JVCケンウッドの福利厚生制度について、実際の社員の口コミや企業情報を基に詳しく解説します。同社では従業員の働きやすさとワークライフバランスの向上を目指し、充実した福利厚生制度を整備しています。
住宅・生活支援
住宅手当については比較的手厚い制度が用意されており、住宅補助制度があります。通勤手当は全額支給されており、社宅扱いの場合には一定時間内に住むという規定が設けられています。これにより、従業員の住居費負担軽減と通勤の利便性向上が図られています。
退職金・年金制度
退職金制度は職級別ポイント制を採用しており、確定給付年金と確定拠出年金に分割された制度となっています。一時金での受け取りも選択可能で、従業員のライフプランに応じた柔軟な対応が可能です。また、社員持ち株制度も用意されており、長期的な財産形成をサポートしています。
その他の制度
各種社会保険制度が完備されており、残業代や深夜勤務手当、出張手当等の諸手当も適切に支給されます。オフィス環境については、本社は比較的新しく清潔で、会議室もそれなりに確保されているとの評価があります。ダイバーシティ&インクルージョンの推進にも積極的に取り組んでおり、多様な働き方をサポートする制度の整備が進められています。
ただし、具体的な手当金額や制度の詳細については、公式データとしては非開示となっている部分が多く、転職を検討される際は面接等で詳細を確認することをおすすめします。
JVCケンウッドの転職難易度は?
JVCケンウッドへの転職難易度や採用状況について、転職市場での同社の位置づけと求められる人材像を詳しく解説します。
求められる人材像
JVCケンウッドでは、技術職から営業職、企画・スタッフ職まで幅広い職種で中途採用を実施しています。技術職では設計開発分野を中心に、次世代新規事業の開発に携わる人材を積極的に募集しています。営業職では国内外の営業経験者、企画・スタッフ職では各専門分野での経験を活かせる人材が求められています。
同社が特に重視するのは、映像・音響・通信技術への理解と情熱、そして顧客価値創造への貢献意欲です。オートモーティブ、パブリックサービス、メディアサービスの3つの事業分野において、それぞれの専門性を発揮できる経験とスキルが評価されます。
転職成功のポイント
JVCケンウッドは老舗上場メーカーとしてブランド力が高く、転職市場では人気企業の一つとなっています。そのため、転職成功のためには以下のポイントが重要です。
まず、同社の事業特性と市場での位置づけを深く理解することが必要です。カーナビゲーションやドライブレコーダーなどの車載機器分野での強みや、業務用無線機器での実績など、具体的な事業内容への理解を示すことが重要です。
また、競争が激しい人気企業であるため、転職エージェントの活用が推奨されます。企業に合わせたアピール方法の指導や、非公開求人へのアクセスなど、プロのサポートを受けることで内定獲得の可能性を高めることができます。
選考では、技術的な専門性とともに、チームワークやコミュニケーション能力も重視される傾向があります。長期勤続を前提とした企業文化があるため、同社での長期的なキャリアビジョンを明確に示すことも重要なポイントとなります。
まとめ
JVCケンウッドは平均年収784万円という高い水準の給与を提供する魅力的な転職先です。電機メーカー業界の中でも競争力のある年収水準を維持しており、長期的なキャリア形成を重視する企業文化が特徴的です。
年収面では、20代から50代にかけて着実に上昇していく仕組みが整っており、役職が上がることで大幅な年収アップも期待できます。福利厚生については住宅手当や退職金制度など基本的な制度が充実しており、従業員の生活をしっかりとサポートする体制が整備されています。
転職を検討される方は、同社の事業特性への深い理解と、長期的なキャリアビジョンの明確化が重要です。人気企業であるため競争は激しいものの、適切な準備と戦略により内定獲得は十分可能です。映像・音響・通信技術の分野でのキャリアを積みたい方、安定した大手メーカーでの長期的な成長を目指す方にとって、JVCケンウッドは非常に魅力的な転職先といえるでしょう。