株式会社上組(以下、上組)は1867年創業の港湾運送業最大手として、日本の物流インフラを150年以上にわたって支えてきた企業です。神戸港をはじめとする全国の主要港湾での事業展開により、国内外の貿易に欠かせない存在となっています。本記事では、上組への転職を検討している方向けに、最新の平均年収データから役職別・年齢別推移まで詳しく解説します。転職活動における年収交渉や企業選びの参考として、ぜひ最後までご覧ください。
上組の会社概要
上組は、兵庫県神戸市中央区に本社を置く港湾運送業界最大手企業です。1867年に神戸運上所出入りの貨物運搬を行う「神戸浜仲」として創業し、1873年に「上組浜仲」と改称された歴史ある企業で、現在の社名の由来となっています。東証プライム市場に上場しており、港湾運送業界では圧倒的な規模と実績を誇ります。国内6大港(東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、関門)におけるコンテナ取扱量はトップクラスの数を誇り、業界のリーディングカンパニーとして位置づけられています。
上組の基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 株式会社上組 |
本社所在地 | 兵庫県神戸市中央区浜辺通四丁目1番11号 |
設立年 | 1867年(創業) |
業種 | 港湾運送業・倉庫業・重量物運搬業 |
事業内容 | 港湾運送事業、倉庫業、自動車運送事業、国際物流事業 |
上場市場 | 東証プライム市場 |
上組の事業内容は多岐にわたり、港湾運送事業を軸として、全国各港湾での貨物の保管や荷捌きを行う倉庫業、陸上輸送のための自動車運送事業、さらには数千トンクラスの貨物を運ぶ超重量物輸送まで、あらゆる物流技術を駆使した総合物流事業を展開しています。特に同社は業界初の取り組みを多数実現しており、神戸・東京港でのコンテナターミナルの単独運営や、ブルーカラー業務が多い物流業界への「テクノロジー導入」など、常に革新的な挑戦を続けています。保有倉庫の延床面積は甲子園球場の約40個分に相当し、250棟を超える物流拠点を各地域性に合わせて配置することで、国内シェアトップクラスの地位を確立しています。
上組の平均年収はどのぐらい?
年度別の平均年収推移
上組の最新平均年収は637万円となっています。これは全国平均の年収614万円を上回る水準で、安定した給与体系を示しています。以下の表は、過去6年間の平均年収推移を示したデータです。
年度 | 平均年収 | 平均年齢 |
---|---|---|
2024年度 | 637万円 | 39.7歳 |
2023年度 | 630万円 | 39.5歳 |
2022年度 | 600万円 | 39.3歳 |
2021年度 | 590万円 | 39.1歳 |
2020年度 | 583万円 | 38.9歳 |
2019年度 | 575万円 | 38.7歳 |
出典:株式会社上組 有価証券報告書(2024年3月期)
上組の平均年収は直近7年間で11.7%増加と上昇トレンドとなっており、平均年収が増加していることが分かります。従業員数は3,719人で、平均勤続年数は15.7年と、一度上組に就職した人が比較的長い期間働いている、定着率の高い職場と言えます。
他企業との比較データ
物流・運輸業界における上組の年収水準を他社と比較してみましょう。以下の表は、同業他社との年収比較データです。
企業名 | 平均年収 | 業界での位置づけ |
---|---|---|
日本郵船 | 1,052万円 | 海運業大手 |
商船三井 | 985万円 | 海運業大手 |
川崎汽船 | 875万円 | 海運業大手 |
日本通運 | 720万円 | 総合物流大手 |
上組 | 637万円 | 港湾運送業最大手 |
ヤマトホールディングス | 610万円 | 宅配業界大手 |
運輸・物流業の平均年収は679万円となっており、上組の637万円は業界平均をやや下回る水準です。ただし、海運業大手3社(日本郵船、商船三井、川崎汽船)が1,000万円前後の高年収である一方、港湾運送業や宅配業界では600万円台が相場となっており、同業種内では競争力のある年収水準と言えるでしょう。
上組の役職別年収データ
上組の役職別年収について、公式データとしては非開示となっています。ただし、一般的な物流業界や類似規模企業の役職別年収相場から推定すると、以下のような水準が考えられます。
役職 | 推定年収(万円) |
---|---|
係長・主任クラス | 非開示 |
課長クラス | 非開示 |
部長クラス | 非開示 |
一般的な日本企業の役職別年収は、係長級が617万円程度、課長級が819万円程度、部長級が1,003万円程度となっていますが、上組については具体的な役職別年収データが公表されていません。転職を検討される際は、面接時に直接確認されることをお勧めします。
上組の年齢別年収推移
上組の年齢別年収についても、公式データとしては非開示となっています。ただし、有価証券報告書のデータと業界相場から推定される年収水準は以下の通りです。
年代 | 推定年収範囲(万円) |
---|---|
20代 | 非開示 |
30代 | 非開示 |
40代 | 非開示 |
50代以上 | 非開示 |
年代別の平均年収推移では、25~29歳の平均年収は494万円で、30~34歳になると545万円と平均年収が51万円プラスとなります。さらに、35~39歳になると584万円で、40~45歳になると600万円、40~45歳になると615万円となります。そして、50~54歳になると610万円、55~59歳になると607万円との推定データがありますが、これは厚生労働省が発表している賃金構造基本統計調査を元に試算された数値です。実際の年収については企業の採用担当者に直接確認することが重要です。
上組の福利厚生
上組の福利厚生制度について、社員の口コミや企業情報から把握できる内容をカテゴリ別にご紹介します。
制度・手当 | 内容 |
---|---|
住宅手当 | 総合職のみ支給 |
交通費 | 通勤手当支給 |
退職金制度 | 有り(長年勤めるほど増額) |
社員持株会 | 有り |
労働組合 | 有り |
ベネフィット | 有り |
住宅手当は総合職のみ支給対象となっており、退職金は長年勤めるほどもらえる制度となっています。通勤手当、社員持株会、労働組合、ベネフィット制度など、一般的な福利厚生は整備されていることが確認できます。ただし、ターミナルなどは通うのが大変なため、女性には不人気で、車通勤可能な男性よりの条件がターミナルは有利との声もあり、勤務地によって働きやすさに差があることも考慮すべき点です。
上組の転職難易度は?
上組の就職難易度はさほど高くないと言えます。同社は各社が発表している企業入社難易度ランキングには企業名が入っておらず、早慶などハイレベルな大学から地方大学、日東駒専・産近甲龍レベルまで幅広く採用しています。
求められる人材像
上組が求める人材像については、以下のような特徴が重視されます。港湾運送業界最大手として、安定した事業基盤を持つ同社では、継続的に成長し続ける意欲を持った人材が求められています。特に物流業界は社会インフラを支える重要な役割を担っているため、責任感を持って業務に取り組める人材が重視されます。また、同社は業界初の取り組みを多数実現している革新的な企業でもあるため、現状に満足せず常に進化を目指す気概のある人材が歓迎されます。チームワークを重視する社風もあり、社員全員が連携しあってアイデアを出し、目標を達成していける協調性も重要な要素となります。
転職成功のポイント
上組への転職を成功させるためのポイントをいくつかご紹介します。まず、物流業界への理解を深めることが重要です。特に港湾運送業の役割や社会的意義について十分な知識を持ち、面接時に的確に説明できるよう準備しましょう。同社の150年以上の歴史と業界初の取り組みについても理解を深め、なぜ上組を選ぶのかを明確に説明できることが大切です。実務経験については、物流・運送業界での経験があれば有利ですが、未経験者でも意欲と学習能力をアピールすることで採用の可能性があります。また、長期的なキャリアビジョンを持っていることも重要で、同社の平均勤続年数が15.7年と長いことから、腰を据えて働く意思があることを伝えることが効果的です。面接では、チームワークを重視する社風に合わせて、協調性や コミュニケーション能力をアピールすることも忘れずに行いましょう。
まとめ
上組の平均年収は637万円で、物流・運輸業界では競争力のある水準にあります。1867年創業の歴史ある企業として、港湾運送業界最大手の地位を確立しており、安定した経営基盤を持つ企業です。平均勤続年数15.7年という数字が示すように、長期的なキャリア形成を図りたい方には適した環境と言えるでしょう。
役職別・年齢別の詳細な年収データは非開示となっていますが、年功序列の要素も残る安定した昇給制度があります。福利厚生については住宅手当(総合職のみ)、退職金制度、社員持株会など基本的な制度が整備されています。転職難易度は比較的高くなく、幅広い学歴層から採用を行っているため、物流業界でのキャリアを積みたい方にとってはチャレンジしやすい企業です。
転職を検討される際は、同社の社会インフラを支える重要な役割と、常に進化を続ける企業風土に共感できるかどうかが重要なポイントとなります。長期的な視点でキャリアを築きたい方、チームワークを重視した働き方を求める方には、魅力的な選択肢となるでしょう。詳細な条件については、転職エージェントや企業の採用担当者に直接確認されることをお勧めします。