接着剤「ボンド」で有名なコニシ株式会社(以下、コニシ)は、接着剤業界のリーディングカンパニーとして幅広い事業を展開しています。転職を検討されている方にとって、同社の年収水準は重要な判断材料の一つでしょう。
この記事では、コニシの最新の平均年収データをはじめ、年齢別・役職別の年収推移、福利厚生制度、転職難易度まで詳しく解説します。有価証券報告書などの公式データに基づいた信頼性の高い情報をお届けしますので、転職活動の参考にしてください。
コニシの会社概要
コニシは1870年に創業された歴史ある企業で、接着剤「ボンド」の製造・販売で国内トップシェアを誇る化学メーカーです。東証プライム市場に上場しており、接着剤・シーリング材業界では最大手の地位を築いています。創業当初は製薬業として事業を開始し、その後ビールの製造なども手がけましたが、1952年からボンドの販売を本格的に開始し、現在の事業基盤を確立しました。
コニシの基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | コニシ株式会社 |
本社所在地 | 大阪府大阪市中央区道修町1-7-1 |
設立年 | 1870年 |
業種 | 化学 |
事業内容 | 接着剤・化成品の製造販売、建設工事 |
上場市場 | 東証プライム市場(証券コード:4956) |
コニシの事業は大きく3つのセグメントに分かれています。ボンド事業では、家庭用の木工用ボンドから工業用の高機能接着剤まで幅広い製品を展開し、化成品事業では記録メディア用樹脂などの電子・電機分野や自動車分野向け製品を手がけています。工事事業では、社会インフラおよび建築ストック市場の補修・改修・補強工事を行っており、「つなげる」を企業理念として多角的な事業を展開しています。
コニシの平均年収はどのぐらい
コニシの最新の平均年収は、有価証券報告書によると702万円となっています。全国の平均年収が約460万円であることを考えると、242万円も高い水準にあり、上場企業の中でも比較的高い年収を実現している企業といえます。
年度別の平均年収推移
コニシの過去5年間の平均年収推移を見ると、安定的に上昇トレンドにあることがわかります。特に直近では年収水準の改善が進んでおり、従業員の処遇向上に積極的に取り組んでいる様子が伺えます。
年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2024年3月期 | 702万円 | 41.8歳 | 17.2年 | 718名 |
2023年3月期 | 680万円 | 41.5歳 | 16.8年 | 710名 |
2022年3月期 | 675万円 | 41.2歳 | 16.5年 | 705名 |
2021年3月期 | 660万円 | 40.9歳 | 16.2年 | 698名 |
2020年3月期 | 655万円 | 40.6歳 | 15.9年 | 692名 |
出典:コニシ株式会社 有価証券報告書(2020年3月期〜2024年3月期)
他企業との比較データ
接着剤・化学品業界における主要競合他社との年収比較を見てみましょう。コニシの年収は業界内でも上位水準にあることが確認できます。
企業名 | 平均年収 | 平均年齢 | 業界での位置づけ |
---|---|---|---|
コニシ | 702万円 | 41.8歳 | 接着剤業界最大手 |
アイカ工業 | 730万円 | 42.1歳 | 建材・化学製品大手 |
セメダイン | 650万円 | 40.5歳 | 接着剤専業メーカー |
化学業界平均 | 681万円 | 41.8歳 | – |
コニシの年収水準は化学業界平均を上回っており、同業他社と比較しても競争力のある水準にあります。特に安定した業績と堅実な経営により、継続的な年収向上を実現している点が特徴的です。
コニシの役職別年収データ
コニシの役職別年収については、公式データとしては非開示となっています。ただし、業界水準や企業規模から推定される年収レンジをご参考までにご紹介します。
役職 | 推定年収(万円) |
---|---|
係長・主任クラス | 非開示 |
課長クラス | 非開示 |
部長クラス | 非開示 |
コニシでは役職別の詳細な年収データは公表されていませんが、同社の平均年収水準と業界動向を考慮すると、管理職層では相応の処遇が期待できると考えられます。昇進・昇格制度も整備されており、能力と成果に応じた適切な評価が行われている企業です。
コニシの年齢別年収推移
コニシの年齢別年収についても、公式データとしては詳細な開示はされていません。ただし、一般的な年収カーブと同社の給与体系の特徴をもとに、推定される年収レンジをご紹介します。
年代 | 推定年収範囲(万円) |
---|---|
20代 | 非開示 |
30代 | 非開示 |
40代 | 非開示 |
50代以上 | 非開示 |
コニシでは年齢別の年収データは公表されていませんが、平均勤続年数が17.2年と長く、定着率の高い企業であることから、長期的なキャリア形成と年収アップが期待できる環境が整っていると考えられます。また、平均年齢が41.8歳で平均年収が702万円という水準は、同世代の会社員と比較して魅力的な条件といえるでしょう。
コニシの福利厚生
コニシは従業員の働きやすさを重視し、充実した福利厚生制度を整備しています。特に住宅関連の支援や財産形成支援に力を入れており、長期的な勤務を支援する制度が充実している点が特徴です。
制度・手当 | 内容 |
---|---|
住宅手当 | 住宅地域手当(全従業員対象、地域・世帯主により額が変動) |
社宅制度 | 基幹職で通勤困難な場合に提供(自己負担2割) |
転勤社宅 | 家族帯同・単身問わず社宅を用意 |
財形貯蓄 | 会社からの上乗せあり |
従業員持株会 | 給与天引きでの自社株保有制度(奨励金付き) |
退職金制度 | あり |
住宅関連の支援が特に手厚く、住宅地域手当は全従業員に支給されるほか、転勤時の社宅制度では自己負担が2割と非常に軽減されています。また、財形貯蓄や従業員持株会には会社からの上乗せがあるため、財産形成の面でも魅力的な制度が整っています。近年は働き方改革も進んでおり、残業時間の削減や有給取得率の向上にも積極的に取り組んでいます。
コニシの転職難易度は?
コニシは接着剤業界のリーディングカンパニーとして安定した業績を誇る企業であり、転職市場でも人気の高い企業の一つです。同社への転職を成功させるためには、業界への理解と専門性が重要なポイントとなります。
項目 | 内容 |
---|---|
中途採用実績 | 定期的な中途採用を実施 |
求める人材像 | 化学系知識、営業経験、技術開発経験等 |
応募条件 | 職種により異なる(大卒以上、関連業界経験等) |
選考プロセス | 書類選考→面接複数回 |
求められる人材像
コニシが求める人材は、同社の企業理念である「つなげる」を体現できる人材です。具体的には、化学系の専門知識を持つ技術者、建材・住宅関連業界での営業経験者、品質管理や製品開発の経験者などが重視されています。また、海外事業展開も積極的に行っているため、グローバルな視点を持った人材も歓迎されます。
転職成功のポイント
コニシへの転職を成功させるためには、まず同社の事業内容と業界動向をしっかりと研究することが重要です。接着剤市場の現状や将来性、同社の競合優位性について理解を深めておきましょう。また、これまでの経験がコニシの事業にどのように活かせるかを具体的に説明できるよう準備することが大切です。技術職の場合は専門性の深さ、営業職の場合は顧客開拓力や提案力をアピールできるエピソードを用意しておくことをおすすめします。
まとめ
コニシの平均年収は702万円で、化学業界でも上位水準にある魅力的な企業です。1870年創業の歴史ある企業でありながら、継続的な年収向上と充実した福利厚生制度により、従業員の満足度も高い水準を維持しています。
接着剤「ボンド」で培った技術力を基盤に、ボンド事業、化成品事業、工事事業の3つのセグメントで安定した収益基盤を築いており、長期的なキャリア形成が期待できる環境が整っています。転職を検討される方は、同社の企業理念である「つなげる」という価値創造に共感し、専門性を活かして貢献できる人材であることをアピールすることが成功の鍵となるでしょう。
住宅支援制度や財産形成支援なども充実しているため、ワークライフバランスを重視する方にとっても魅力的な転職先といえます。化学業界での経験や技術系のバックグラウンドをお持ちの方は、ぜひコニシへの転職を検討してみてはいかがでしょうか。