コンビニエンスストア業界で第3位の店舗数を誇る株式会社ローソン(以下、ローソン)は、三菱商事の子会社として全国約14,000店舗を展開する大手企業です。「からあげクン」や「Lチキ」などのホットスナックで親しまれ、近年は成城石井の買収や金融事業への参入など、多角化戦略を積極的に推進しています。転職を検討している方にとって気になるのが年収水準ですが、ローソンの平均年収は682万円(2024年2月期)となっており、コンビニ業界ではトップクラスの水準を誇ります。この記事では、ローソンの年収について役職別・年齢別の詳細データをもとに詳しく解説していきます。
ローソンの会社概要
ローソンは1975年に設立された日本のコンビニエンスストア業界の大手企業で、現在は三菱商事とKDDIが共同出資する企業として運営されています。セブンイレブン、ファミリーマートに次ぐ国内第3位の店舗数を誇り、1997年には業界で初めて47都道府県すべてに出店を達成しました。従来のコンビニ事業に加え、成城石井などの高付加価値事業や金融事業、エンタテインメント事業も展開する総合リテール企業として成長を続けています。
ローソンの基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 株式会社ローソン |
本社所在地 | 東京都品川区大崎一丁目11番2号 |
設立年 | 1975年4月15日 |
業種 | 小売業(コンビニエンスストア) |
事業内容 | コンビニエンスストア事業、成城石井事業、金融関連事業 |
上場市場 | 非上場(2020年に上場廃止) |
ローソンの主力事業はコンビニエンスストア「ローソン」の運営で、一般的な「ローソン」に加えて健康志向の「ナチュラルローソン」、生鮮食品を扱う「ローソンプラス」、100円商品中心の「ローソンストア100」など多様な業態を展開しています。また、高級スーパーマーケット「成城石井」の運営、ローソン銀行による金融サービス、ローソンエンタテインメントによるチケット販売事業なども手掛けており、単なるコンビニ企業を超えた総合リテール企業として事業領域を拡大しています。海外では中国、タイ、フィリピン、ハワイなどにも進出し、グローバル展開も推進しています。
ローソンの平均年収はどのぐらい?
年度別の平均年収推移
年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2024年2月期 | 682万円 | 42.7歳 | 15.8年 | 4,361名 |
2023年2月期 | 652万円 | 42.1歳 | 15.2年 | 4,454名 |
2022年2月期 | 633万円 | 41.3歳 | 14.3年 | 4,617名 |
2021年2月期 | 620万円 | 40.7歳 | 13.6年 | 4,752名 |
2020年2月期 | 653万円 | 40.3歳 | 13.1年 | 4,599名 |
2019年2月期 | 638万円 | 40.2歳 | 12.8年 | 4,551名 |
出典:株式会社ローソン 有価証券報告書(各年2月期)
ローソンの最新の平均年収は682万円(2024年2月期)で、前年から29万円の増加となりました。この数値は平均年齢42.7歳、平均勤続年数15.8年の従業員4,361名を対象としたデータです。過去6年間の推移を見ると、コロナ禍の影響で2021年2月期に一時的に620万円まで落ち込みましたが、その後は着実に回復し、直近では過去最高水準に達しています。特に2023年から2024年にかけては29万円という大幅な増加を記録しており、業績回復とともに従業員への還元が強化されていることがわかります。
他企業との比較データ
企業名 | 平均年収 | 業界ランキング |
---|---|---|
セブン&アイ・ホールディングス | 776万円 | 1位 |
ローソン | 682万円 | 2位 |
ファミリーマート(上場時) | 642万円 | 3位 |
小売業界平均 | 約450万円 | – |
コンビニエンスストア運営企業の平均年収ランキングでは、ローソンは682万円で業界第2位の水準となっています。第1位のセブン&アイ・ホールディングスの776万円には及ばないものの、第3位のファミリーマート(642万円、上場時データ)を40万円上回っており、業界内では高い水準を維持しています。また、小売業界全体の平均年収が450万円程度であることを考えると、ローソンの682万円は業界平均を大きく上回る魅力的な待遇といえるでしょう。
ローソンの役職別年収データ
役職 | 推定年収(万円) |
---|---|
係長・主任クラス | 非開示 |
課長クラス | 非開示 |
部長クラス | 非開示 |
ローソンでは役職別の詳細な年収データは公式には開示されていません。ただし、同社の平均年収682万円(平均年齢42.7歳)という水準から推測すると、一般的な小売業界の昇進パターンに沿って、主任・係長クラスで600万円台前半、課長クラスで700万円台後半、部長クラスで900万円台から1,000万円台の年収水準になると考えられます。また、ローソンは三菱商事グループ企業として、商社系の人事制度を一部採用しており、成果に応じた賞与制度や昇進制度が整備されているとされています。
ローソンの年齢別年収推移
年代 | 推定年収範囲(万円) |
---|---|
20代 | 非開示 |
30代 | 非開示 |
40代 | 非開示 |
50代以上 | 非開示 |
ローソンの年齢別年収データは公式データとしては非開示となっています。ただし、平均年収682万円、平均年齢42.7歳、平均勤続年数15.8年というデータから、同社では長期勤続による安定的な昇給制度が整備されていることが読み取れます。一般的な小売業界の傾向を踏まえると、新卒入社から順調に昇進した場合、30代で500万円台後半、40代で600万円台後半から700万円台、50代以上では800万円台以上の年収が期待できると推測されます。特に平均勤続年数が15.8年と長いことから、従業員の定着率が高く、長期的なキャリア形成が可能な環境が整っていることがうかがえます。
ローソンの福利厚生
制度・手当 | 内容 |
---|---|
住宅手当 | 公式データとしては非開示 |
交通費 | 公式データとしては非開示 |
退職金制度 | 公式データとしては非開示 |
有給取得率 | 公式データとしては非開示 |
ローソンの福利厚生に関する詳細な公式データは限定的ですが、三菱商事グループ企業として充実した福利厚生制度が整備されていると考えられます。一般的な大手小売業の水準として、通勤交通費の全額支給、社会保険完備、退職金制度、有給休暇制度などの基本的な福利厚生に加え、社員割引制度、研修制度、健康管理支援などが提供されているものと推測されます。また、同社は従業員の健康維持向上やダイバーシティ&インクルージョン(DEI)を経営戦略として位置づけており、働きやすい職場環境の整備に力を入れています。
ローソンの転職難易度は?
求められる人材像
ローソンでは、従来のコンビニ事業に加えて成城石井、金融、エンタテインメントなど多角化事業を推進しているため、多様な専門性を持った人材を求めています。特に重視されるのは、変化の激しい小売業界で新しいビジネスモデルを創造できる企画力と実行力です。また、三菱商事グループ企業として、商社的な視点でビジネスを捉えられる人材や、デジタル技術を活用した業務効率化や顧客体験向上に貢献できる人材が高く評価されます。
転職成功のポイント
ローソンへの転職を成功させるためには、小売業界の経験はもちろん、同社が力を入れている新規事業領域での経験が強みになります。例えば、EC事業、金融サービス、エンタテインメント業界での経験や、DX推進に関わった実績などが評価される傾向にあります。また、フランチャイズビジネスの理解や、店舗運営の効率化に関する知見も重要な要素となります。面接では、単なる業務経験だけでなく、変化に対応する柔軟性と新しいアイデアを実現する行動力をアピールすることが重要です。
まとめ
ローソンの平均年収は682万円と、コンビニ業界では高水準の待遇を実現しています。過去6年間の推移を見ても安定的な成長を続けており、特に直近では29万円の大幅な増加を記録するなど、従業員への還元が強化されています。三菱商事グループ企業として充実した福利厚生制度も期待でき、平均勤続年数15.8年という数字からも働きやすい環境が整っていることがうかがえます。
転職を検討している方にとって、ローソンは小売業界でありながら総合商社的なビジネス感覚を学べる魅力的な企業といえるでしょう。コンビニ事業だけでなく、成城石井、金融、エンタテインメントなど多角化事業を通じて幅広いキャリアを積むことができ、将来的なキャリアアップの機会も豊富です。業界トップクラスの年収水準と安定した経営基盤を持つローソンは、長期的なキャリア形成を考える転職者にとって検討価値の高い企業といえるでしょう。