リンクアンドモチベーションは、「モチベーションエンジニアリング」という独自の理論を軸に、企業の組織改善や従業員の働きがいを向上させる支援を行うコンサルティング会社です。2000年の設立以来、独自のアプローチで多くの企業課題を解決し、多くの支持を集めてきました。その独創的な企業文化やキャリア形成の環境から、若手ビジネスマンや第二新卒層を中心に、転職先として高い人気を誇っています。
本記事では、リンクアンドモチベーションの年収データをはじめ、役職別や年齢別の給与水準、福利厚生の充実度、さらには転職難易度について詳細に解説します。
リンクアンドモチベーションの会社概要
リンクアンドモチベーションは、2000年に設立されたコンサルティング会社で、「モチベーションエンジニアリング」を基盤とした組織改善や人材育成の支援を行っています。他のコンサルティング会社と一線を画す点は、従業員や組織の「モチベーション」に着目していることです。企業文化やチームダイナミクスの改善を通じて、生産性向上や組織パフォーマンスの最大化を目指します。
事業内容としては、以下のように幅広い範囲をカバーしています。
- 組織コンサルティング:企業の課題に応じたカスタマイズ型のコンサルティングサービスを提供。
- 人材育成:社員研修やスキル開発プログラムを通じて、個人と組織の成長をサポート。
- キャリア支援:学生や求職者向けのサービスを展開し、個々人のキャリア形成を支援。
企業概要
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 株式会社リンクアンドモチベーション |
英語名 | Link and Motivation Inc. |
売上高 | 328億円(2022年12月期) |
本社所在地 | 東京都中央区銀座4丁目12−15 歌舞伎座タワー 15階 |
代表者 | 代表取締役会長:小笹 芳央、代表取締役社長:坂下 英樹 |
従業員数 | 非公開 |
リンクアンドモチベーションのユニークな点は、ビジネスパートナーとして企業の「組織力」を向上させるだけでなく、社会全体に貢献することを企業理念に掲げている点です。多様性や包摂性を重視し、時代の変化に対応した柔軟なサービスを展開しています。
リンクアンドモチベーションの平均年収はどのぐらい?
リンクアンドモチベーションの平均年収について、有価証券報告書に基づいたデータを以下で詳しく解説します。同社は、組織コンサルティングやキャリア支援事業を手掛けており、これに見合った報酬体系が用意されています。
年度別の平均年収推移
リンクアンドモチベーションの有価証券報告書によると、2023年12月期の平均年収は636万円です。前年と比較してわずかに減少していますが、同社は若手社員が多いことから、31.8歳という平均年齢でこの年収水準を維持している点は注目に値します。過去の平均年収の推移は以下の通りです。
年度 | 平均年収 | 平均年齢 |
---|---|---|
2023年12月期 | 636万円 | 31.8歳 |
2022年12月期 | 664万円 | 31.5歳 |
2021年12月期 | 672万円 | 31.7歳 |
2020年12月期 | 590万円 | 31.1歳 |
2019年12月期 | 590万円 | 30.8歳 |
2018年12月期 | 624万円 | 31.4歳 |
他企業との比較データ
リンクアンドモチベーションの平均年収を、同業他社や業界全体の水準と比較すると以下の通りです:
会社名 | 平均年収 | 平均年齢 |
---|---|---|
リンクアンドモチベーション | 636万円 | 31.8歳 |
ベイカレント・コンサルティング | 1,074万円 | 30.5歳 |
アビームコンサルティング | 753万円 | 36.8歳 |
船井総研 | 670万円 | 45.9歳 |
マイナビAGENT(平均) | 635万円 | – |
リンクアンドモチベーションは、コンサルティング業界の中では中堅に位置する報酬体系を持っています。特に、外資系の大手コンサルティングファーム(例:マッキンゼー、BCGなど)と比べると年収水準は低いものの、国内企業の中では競争力のある給与体系を維持していると言えます。
リンクアンドモチベーションの役職別年収データ
リンクアンドモチベーションの年収は、役職やキャリアステージに応じて明確に区分されています。同社では「クラス」と呼ばれる等級制度が採用されており、D1からN2までの12段階に分類されています。この等級制度に基づいて昇進し、役職が上がるごとに年収が上昇します。
クラス別年収と年次イメージ
以下は、リンクアンドモチベーションにおける役職(等級)別の年収データと年次イメージです:
クラス(等級) | 年収 | 年次イメージ |
---|---|---|
D1 | 420~480万円 | 1~2年目 |
D2 | 510~530万円 | 2~3年目 |
C1 | 580~620万円 | 4~5年目 |
C2 | 630~670万円 | 5~6年目 |
E1(リーダー) | 700~760万円 | 7~8年目 |
E2(リーダー) | 750~810万円 | 8~9年目 |
L1(課長) | 900~980万円 | 10~12年目 |
L2(課長) | 1,010~1,090万円 | 12~14年目 |
P1(部長) | 1,160~1,260万円 | 14~16年目 |
P2(部長) | 1,270~1,370万円 | 16~18年目 |
N1(本部長) | 1,420~1,540万円 | 実力次第 |
N2(本部長) | 1,530~1,650万円 | 実力次第 |
役職ごとの特徴
- 若手社員(D1〜C2)
リンクアンドモチベーションでは、入社から5~6年目までの若手社員がD1〜C2の等級に該当します。この段階では、年収は420万円から670万円程度と、社会人としては堅実な水準です。 - 中堅社員(E1〜L2)
7年目以降になると、E1(リーダー)として管理職に近い立場を経験します。この段階で年収は700万円を超え、課長職であるL1・L2に昇進することで900万円以上の年収が期待できます。 - 管理職(P1〜N2)
課長以上の役職では、1,000万円以上の高年収が実現可能です。本部長クラス(N1、N2)になると、年収は1,500万円を超えることもあります。ただし、ここに到達するには高い実績と実力が求められます。
昇進スピードと昇給幅
リンクアンドモチベーションの昇進スピードは概ね1年半ごとに次の等級にステップアップする形が一般的です。また、1回の昇進で月給が約3万円上昇し、年間の昇給額として約36万円が加算されます。
賞与の影響
同社の賞与は年4回支給されます。業績や個人評価に応じて変動しますが、一般的には基本給の3~4か月分が年間賞与として支給されます。これにより、クラスが同じでも評価や業績に応じて年収に差が出る仕組みになっています。
リンクアンドモチベーションの年齢別年収推移
リンクアンドモチベーションでは、キャリアが進むごとに年収が着実に上昇していきます。これは、クラス(等級)制度に基づいて役職が上がることで昇給があるためです。同社の平均年齢や昇進スピードを基にした年齢別の年収推移は以下の通りです。
年齢別年収の推移表
年齢 | 年収 | 役職(クラス) |
---|---|---|
25歳 | 500~550万円 | D1~C1 |
30歳 | 750万円程度 | C2~E1(リーダー) |
35歳 | 900~1,000万円 | E2~L1(課長) |
40歳 | 1,000万円以上(評価次第) | L2~P1(部長) |
45歳 | 1,100万円以上(評価次第) | P1~P2(部長) |
50歳 | 1,200万円以上(評価次第) | N1~N2(本部長) |
年齢ごとの特徴
- 20代後半(25歳~30歳)
この時期は、主に若手社員としての経験を積む段階です。D1からC2のクラスに属し、年収は500万円台から750万円程度となります。残業代や賞与が年収に大きく影響するため、努力次第で年収を引き上げることが可能です。 - 30代前半(30歳~35歳)
30歳を迎える頃には、リーダーポジションであるE1やE2クラスに昇進する社員が増えます。この段階では、管理職に近い役割を担い、年収は750万円から1,000万円に到達します。 - 40代前半(35歳~40歳)
課長職(L1、L2)に昇進することで、年収が1,000万円を超えるのが一般的です。この時期には、評価や成果が昇進に大きく影響し、個人の実力が試されます。 - 40代後半以降(40歳~50歳)
部長(P1、P2)や本部長(N1、N2)クラスに昇進することで、年収は1,100万円以上となります。特に本部長クラスでは、1,500万円を超える年収も実現可能ですが、昇進には卓越したリーダーシップと実績が求められます。
残業代と昇給の影響
リンクアンドモチベーションでは、45時間分の固定残業代が年収に含まれています。45時間を超過した場合は、別途残業代が支給されるため、働き方によって年収の差が生まれることがあります。若手社員にとっては、残業代が年収における重要な要素となっています。
年齢別年収のポイント
若手社員の時期には残業代や賞与による年収アップが期待できますが、管理職以上になると基本給と評価による賞与が年収の主要構成要素となります。そのため、昇進後は自身の評価を高める働き方が重要になります。
リンクアンドモチベーションの福利厚生
リンクアンドモチベーションでは、従業員のモチベーションを高め、働きやすい環境を整えるために、充実した福利厚生制度を提供しています。特に、ライフイベントに対応した柔軟な制度や独自のインセンティブプログラムが特徴的です。
主な福利厚生制度
制度名 | 内容 |
---|---|
ライフイベントサポート制度 | 妊娠・育児・介護といったライフイベントに応じて、勤務時間や日数を柔軟に調整可能。長期的なキャリアを支援する仕組み。 |
社員持株会奨励金制度 | 自社株購入に際し、会社が出資額の最大4割を上乗せ。10万円分購入すると、14万円分の株式を積み立てることが可能。 |
退職金制度 | 在籍期間に応じて支給される退職金制度を導入。一部のコースでは退職時の特別インセンティブを提供。 |
健康管理制度 | 健康診断や予防接種費用の補助、メンタルヘルスケアの提供など、社員の健康を維持・向上させる取り組みを実施。 |
育児支援制度 | 育児休暇や短時間勤務のほか、復職後のサポートプログラムも整備。働く親にとっての負担を軽減し、キャリア継続を後押し。 |
研修制度 | 入社後研修、階層別研修、リーダーシップ研修など、キャリアに応じたスキルアッププログラムを提供。自己成長を支援する仕組みが充実。 |
福利厚生の特徴とメリット
- ライフイベントサポート制度の柔軟性
リンクアンドモチベーションでは、従業員の個々のライフステージに対応した働き方を支援しています。特に育児や介護といったライフイベントに直面した際でも、勤務時間や日数の調整が可能なため、長期的に安心して働くことができます。 - 社員持株会奨励金制度による資産形成
社員持株会に参加することで、会社からの出資額上乗せがあり、通常よりも効率的に資産を形成できます。この制度は、従業員が会社の成長を実感しながら自身の資産を増やすことができるというメリットがあります。 - 健康とキャリアの両立支援
健康診断や予防接種の補助、メンタルヘルスケアの提供により、社員の健康をサポートするだけでなく、スキルアップ研修によるキャリア形成も積極的に支援しています。
福利厚生制度の利用状況
社員からは、育児支援制度や柔軟な勤務形態への満足度が高いという声が多く聞かれます。特に、育児中の社員からは「短時間勤務が可能で、キャリアを継続できる点が魅力」という意見が目立ちます。また、社員持株会制度についても、「資産形成の一環として非常に有利」という評価が寄せられています。
リンクアンドモチベーションの福利厚生は、単なる金銭的支援にとどまらず、社員一人ひとりのキャリアやライフスタイルに寄り添った内容となっており、働く環境の充実が会社全体のモチベーション向上に寄与しています。
リンクアンドモチベーションの転職難易度は?
リンクアンドモチベーションは、コンサルティング業界の中でも特に若手の成長機会が豊富で、独自の企業文化を持つ企業として知られています。そのため、同社への転職を目指す方も多く、高い人気を誇ります。一方で、中途採用においては一定の選考難易度があり、適切な準備が求められます。
転職市場での人気と競争率
リンクアンドモチベーションは、特に20代後半から30代前半のキャリア形成を重視する層に支持されています。これは、同社が若手の成長機会やリーダーシップ経験を提供する環境を整えていることが理由です。また、モチベーション理論を基盤とした独自のビジネスモデルに興味を持つ求職者も多く、競争率は高い傾向にあります。
選考プロセスと求められるスキル
リンクアンドモチベーションの選考プロセスは、以下のように進行します。
- 書類選考
職務経歴書や履歴書を通じて、応募者の経験やスキルがポジションに適合しているかを確認します。特に、コンサルティング経験やプロジェクトマネジメントの実績が重視されます。 - 一次面接
現場のマネージャーが担当し、応募者のスキルセットや過去の経験について詳細に質問します。また、「モチベーションエンジニアリング」という同社独自の手法への理解が問われることもあります。 - 二次面接
部門長や役員が登場し、応募者のカルチャーフィットや長期的なキャリアプランについてディスカッションが行われます。応募者がリンクアンドモチベーションで何を実現したいのかが問われる重要な場面です。 - 最終面接
最終的に、応募者の人間性や意欲が評価されます。ここでは、個人の価値観や企業文化との適合性が特に重視されます。
必要な準備と対策
リンクアンドモチベーションへの転職を成功させるためには、以下の点を押さえておくことが重要です。
- モチベーション理論の理解
同社のビジネスモデルに直結するモチベーション理論についての基本的な知識を身につけておくことが必須です。過去のプロジェクトで、モチベーションや組織改善に携わった経験があれば、具体例を用意しておくと良いでしょう。 - ロジカルシンキングの訓練
コンサルティング業務では、論理的思考力が求められます。事前にケーススタディやビジネス課題を想定したプレゼンテーションを準備しておくと選考で有利です。 - カルチャーフィットの確認
リンクアンドモチベーションは「人間関係」を重視した企業文化を持っています。そのため、チームワークや人間関係にポジティブな影響を与えるエピソードを具体的に伝えられるよう準備しましょう。
転職成功者の特徴
過去にリンクアンドモチベーションへの転職を成功させた人材には以下のような特徴があります。
- 高いコミュニケーションスキルを持ち、チームの中で信頼を築ける。
- 組織改善や人材育成に強い関心があり、それを具体的なアクションに落とし込める能力を持つ。
- 若手からリーダーシップ経験を積んできた実績がある。
リンクアンドモチベーションの転職選考は、スキルだけでなく企業文化への適応力も重視されるため、単なる経験のアピールだけでは不十分です。自身の価値観やキャリアビジョンを明確に伝え、同社の成長と共に自分自身も成長できる意欲を示すことが重要です。
まとめ
リンクアンドモチベーションは、「モチベーションエンジニアリング」を基盤とした独自のビジネスモデルで注目を集める企業です。そのため、他のコンサルティング会社にはない特性を持ち、働く環境も大きく異なります。
同社は、従業員の成長を重視し、組織改善を通じて社会に貢献するという強い使命感を持つ企業です。平均年齢31.8歳と比較的若い社員が多く、チャレンジングな環境での自己成長を望む方には理想的な職場と言えます。
一方で、外資系コンサルティングファームと比較すると報酬水準が抑えられる傾向があるため、報酬だけを重視する方には向かない場合があります。しかし、報酬以上にモチベーション理論を実践するという独自の価値観を共有できる方にとっては、非常にやりがいのある環境と言えるでしょう。