株式会社メニコン(以下、メニコン)は、日本初のコンタクトレンズを開発したパイオニア企業として知られ、国内トップクラスのシェアを誇るコンタクトレンズメーカーです。転職や就職を検討されている方にとって、同社の年収水準は重要な判断材料となるでしょう。本記事では、メニコンの最新の平均年収データをもとに、年度別推移、他企業との比較、役職別・年齢別の詳細な年収データ、福利厚生、そして転職難易度まで詳しく解説します。
メニコンの会社概要
メニコンは1951年に創業者である田中恭一氏が日本初の角膜コンタクトレンズを開発して以来、常に新素材・新デザインの開発、製造技術の向上を進め、コンタクトレンズ業界をリードし続けています。現在では東証プライム市場に上場し、ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズに加え、成長カテゴリーであるディスポーザブルコンタクトレンズまで幅広く製造・販売しています。また、2001年に業界初の定額制会員システム「メルスプラン」を導入し、134万人の会員を有するなど、独自のサービス展開でも注目を集めています。
メニコンの基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 株式会社メニコン |
本社所在地 | 愛知県名古屋市中区葵三丁目21番19号 |
設立年 | 1957年7月 |
業種 | 精密機器 |
事業内容 | コンタクトレンズ・ケア用品事業他 |
上場市場 | 東証プライム市場 |
メニコンの事業は主にビジョンケア事業を中心として展開されており、コンタクトレンズ分野とケア用品分野の2つに大別されます。コンタクトレンズ分野では、ハードコンタクトレンズから1日使い捨て、2週間交換、1ヵ月交換タイプまで全てのカテゴリーの製品を製造・販売しています。また、独自の特徴として「メルスプラン」という定額制会員システムを提供し、全国1,663の加盟施設でサービスを実施しています。さらに近年では、動物医療分野や環境・バイオ事業、ライフサイエンス事業にも事業領域を拡大し、コンタクトレンズで培った技術を応用して多角的に事業を展開しています。
メニコンの平均年収はどのぐらい
メニコンの2024年度における平均年収は555万円となっています。2023年度の全国の平均年収は460万円であることを考えると、全国平均を95万円上回る水準です。東証プライム上場企業の平均年収は742万円のため、プライム内ではやや低い給与水準となっていますが、安定した収入基盤を提供していると言えるでしょう。
年度別の平均年収推移
年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2024年 | 555万円 | 38.2歳 | 12.1年 | 1,638名 |
2023年 | 549万円 | 38.1歳 | 12.0年 | 1,547名 |
2022年 | 542万円 | 38.4歳 | 12.6年 | 1,577名 |
2021年 | 551万円 | 38.2歳 | 12.5年 | 1,545名 |
2020年 | 565万円 | 37.9歳 | 12.3年 | 1,498名 |
2019年 | 575万円 | 37.5歳 | 12.1年 | 1,448名 |
出典:株式会社メニコン 有価証券報告書(2020年3月期~2024年3月期)
過去7年間の平均年収推移を見ると、2022年度は平均年収が前年度よりも9万円低く、5年前と比較して33万円減少していることが分かります。これは業界全体の動向と比較すると対照的で、精密機器全体では平均年収が5年間で10.7%上昇し、業界全体の平均年収が近年上がっている傾向にあります。しかし、2024年度には再び上昇に転じており、経営環境の改善が見られます。
他企業との比較データ
企業名 | 平均年収 | 業界 |
---|---|---|
メニコン | 555万円 | 精密機器 |
HOYA | 825万円 | 精密機器 |
シード | 635万円 | 医療機器 |
精密機器業界平均 | 648万円 | - |
全上場企業平均 | 614万円 | - |
東証プライムの電機・精密業界の平均年収は753万円のため、業界内でも比較的年収の低い企業となっています。同じコンタクトレンズ業界の競合他社と比較すると、メニコンの平均年収は中程度の水準に位置しています。ただし、福利厚生や働きやすさを総合的に考慮した場合の魅力は高く評価されています。
メニコンの役職別年収データ
メニコンの役職別年収について、有価証券報告書や公式情報では詳細な役職別データは非開示となっています。しかし、総合職の平均年収は645万円、管理職級の平均年収は857万円前後という推定データがあります。
役職 | 推定年収(万円) |
---|---|
係長・主任クラス | 非開示 |
課長クラス | 非開示 |
部長クラス | 非開示 |
総合職平均 | 645万円 |
管理職級平均 | 857万円 |
メニコンでは等級とJGなるもので給与が決まり、役職手当はなく、JGに相当の金額が支給される制度となっています。また、基本的には年功序列制度で、いくら実績に貢献しても給与に反映されにくいという特徴があります。昇進に関しては昇格要件が難しく、都度試験を受けなければならないという声もあり、実力主義よりも年功序列の色合いが強い給与体系となっています。
メニコンの年齢別年収推移
メニコンの年齢別年収データについても、公式データとしては非開示となっています。ただし、新卒直後の20代では年収350万円からスタートし、働き盛りの30代では年収507万円、管理職割合が増えだす40代では年収564万円、最高年収に到達する50代では、年収595万円に到達するという推定データがあります。
年代 | 推定年収範囲(万円) |
---|---|
20代 | 350万円~450万円 |
30代 | 450万円~550万円 |
40代 | 500万円~650万円 |
50代以上 | 550万円~700万円 |
メニコンに勤める20代の平均年収は386万円で、全国の平均年収と比べると10万円プラスとなっています。30代になると476万円で、20代の時よりも90万円プラスとなり、年功序列制度による安定的な昇給が期待できます。ただし、1年に1回定期昇給があり5000円前後ほど昇給が見込める程度で、昇給幅はそれほど大きくないのが実情です。
メニコンの福利厚生
メニコンの福利厚生制度は、大手上場企業として一定の水準を保っており、特に住宅関連の手当が充実していることが特徴です。
住宅・生活関連
- 住宅手当:住宅手当ては家賃の大半をカバーできるためかなり助かるとの評価があり、転勤者には特に手厚い支給がされます。
- 帰省旅費:単身者は年に2回分の帰省旅費も出るため、遠方に実家がある人は特に負担が少なくてよい制度となっています。
- 寒冷地手当:北の地方に配属されている社員には冬の期間暖房費が支給されるユニークな制度もあります。
- 通勤手当:全額支給されます。
退職金・保険制度
- 退職金制度:退職金に関しては確定拠出年金を採用しており、退職一時金と併用の制度となっています。
- 各種保険:健康保険、厚生年金保険等の社会保険完備。
- インフルエンザワクチン:インフルエンザのワクチンも会社持ちで提供されます。
休暇・働き方関連
- 年間休日:年間休日は120日程度あり、休日出勤はほぼ無く、あったとしても必ず代休が取れる制度となっています。
- 有給取得:有給休暇が取りやすく、最近はワークライフバランスにも気を使いはじめているため36協定を守ろうとする動きがみられると評価されています。
- 育児・介護休業制度:育児・介護休養制度が整備されています。
その他の制度
- 自己啓発支援:自己啓発は年に1回でるので資格やらを習得したい方には良い制度で、通信教育・英会話教室等の補助があります。
- 社割制度:コンタクトレンズが社割で安く買える制度があります。
- 福利厚生俱楽部:福利厚生俱楽部加入により、各種レジャー施設等の割引が利用できます。
メニコンの転職難易度は
メニコンは競争率が高いため、転職難易度は高い企業として知られています。コンタクトレンズメーカーの日本最大手の企業で、会社の雰囲気や平均年収の高さ、ワークライフバランスの調整のしやすさが好評であることから、必然的に応募者数が多くなる傾向があります。
求められる人材像
メニコンは、サービスや価値を創造し、常に新しい”ワクワク感”を生み出していく人を求めていると公表しています。具体的には以下のような人材が求められます。
- 同業種経験者:メニコンは即戦力を求めており、同業種の実務経験が重要視される傾向があります。
- 実務経験保有者:多くの職種において3〜5年以上の実務経験や専門スキルが求められる傾向があります。
- 変化を楽しめる人材:常に新しいアイデアや価値創造に挑戦できる柔軟性と積極性を持った人材が歓迎されます。
- チームワークを重視する人材:和気藹々とした雰囲気を重視する企業文化があり、協調性のある人材が求められます。
転職成功のポイント
メニコンへの転職を成功させるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
- 業界知識の習得:コンタクトレンズ業界や医療機器業界の動向、トレンドについて深く理解し、面接で具体的な知識を示すことが重要です。
- 実務経験のアピール:同業種での経験がある場合は、具体的な成果や実績を数字で示すことが効果的です。
- 企業理念への共感:「より良い視力の提供を通じて、広く社会に貢献する」という企業スローガンへの理解と共感を示すことが大切です。
- 転職エージェントの活用:人気企業のため多くの求人が非公開求人として転職エージェントに共有されており、大手エージェントへの相談が有効です。
項目 | 内容 |
---|---|
中途採用実績 | 積極的採用(年間変動幅約5.2%) |
求める人材像 | 即戦力・同業種経験・価値創造志向 |
応募条件 | 3~5年以上の実務経験 |
選考プロセス | 書類選考→面接複数回 |
まとめ
メニコンの平均年収は555万円(2024年度)で、全国平均を上回る安定した水準にあります。精密機器業界内では中程度の年収水準ですが、住宅手当をはじめとする充実した福利厚生制度、年間休日120日程度の働きやすい環境、そして有給取得のしやすさなど、総合的な待遇面での魅力は高く評価されています。
転職を検討されている方へのアドバイスとしては、メニコンは競争率の高い人気企業であるため、同業種での実務経験や専門スキルをしっかりと身につけた上で、企業理念への深い理解を示すことが重要です。また、非公開求人が多いため、転職エージェントを活用することで内定獲得の可能性を高めることができるでしょう。コンタクトレンズ業界のリーディングカンパニーで安定したキャリアを築きたい方にとって、メニコンは魅力的な転職先の一つと言えるでしょう。