株式会社ミスミグループ本社(以下、ミスミグループ本社)は、FA(ファクトリーオートメーション)事業、金型部品事業、VONA事業の3つの領域で事業を展開する日本を代表する専門商社です。製造業向けの間接材を中心に取り扱い、工場の生産自動化に関する部品から自動車や電子・電気機器向けの金型用部品まで幅広く供給しています。世界32万社を超える顧客基盤を持ち、ECサイトでは3,000社を超えるメーカーの製品を扱う大手企業として知られています。転職を検討している方にとって、同社の年収水準や企業情報は重要な判断材料となるでしょう。この記事では、ミスミグループ本社の平均年収データから役職別・年齢別の推移、福利厚生、転職難易度まで詳しく解説していきます。
ミスミグループ本社の会社概要
ミスミグループ本社は、製造業向けの間接材を取り扱う専門商社として業界をリードしている企業です。1963年に設立され、現在は東証プライム市場に上場しています。同社は持株会社制を採用しており、連結子会社51社、非連結子会社1社、関連会社2社で構成される企業グループの中核として機能しています。業界内での地位は非常に高く、特にFA事業では順調な成長を続けており、デジタル施策による既存事業の強化にも積極的に取り組んでいます。
ミスミグループ本社の基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 株式会社ミスミグループ本社 |
本社所在地 | 東京都千代田区九段南1-6-5 九段会館テラス |
設立年 | 1963年 |
業種 | 卸売業 |
事業内容 | FA・金型部品等を扱う商社事業の持株会社 |
上場市場 | 東証プライム市場 |
ミスミグループ本社の事業は、FA事業、金型部品事業、VONA事業の3つの主要領域に分かれています。FA事業では、工場の自動化に必要な精密機器部品やコンベアローラー、ベアリングなどを製造・販売しており、製造業の生産効率向上に貢献しています。金型部品事業では、自動車や電子・電気機器の製造に不可欠なプレス金型部品を取り扱っています。VONA事業では、ECプラットフォームを通じて多様なメーカーの製品を一括して提供するサービスを展開しており、取り扱いメーカーは3,000社を超えています。これらの事業により、同社は製造業界における重要なサプライチェーンの一翼を担っています。
ミスミグループ本社の平均年収はどのぐらい?
ミスミグループ本社の2024年3月期における平均年収は854万円(平均年齢39.8歳)となっています。この水準は、国税庁が発表している日本の平均年収461万円を大幅に上回る高い数値です。また、専門商社全体の平均年収423万円と比較しても、2倍以上の高水準を維持していることが分かります。
年度別の平均年収推移
年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 従業員数 | 平均勤続年数 |
---|---|---|---|---|
2024年3月期 | 854万円 | 39.8歳 | 579人 | 7.1年 |
2023年3月期 | 779万円 | 38.7歳 | 1,509人 | 5.8年 |
2022年3月期 | 701万円 | 38.7歳 | 1,509人 | 5.8年 |
2021年3月期 | 663万円 | 37.5歳 | 1,471人 | 5.5年 |
2020年3月期 | 729万円 | 38.2歳 | 1,442人 | 5.3年 |
2019年3月期 | 720万円 | 37.8歳 | 1,398人 | 5.1年 |
出典:株式会社ミスミグループ本社 有価証券報告書(2024年3月期)
過去6年間の推移を見ると、ミスミグループ本社の平均年収は663万円から854万円の範囲で推移しており、近年は上昇傾向にあります。特に2023年から2024年にかけては75万円の大幅な増加を記録しており、従業員の処遇改善と企業業績の好調さが反映されています。
他企業との比較データ
企業名 | 平均年収 | 業種 |
---|---|---|
ミスミグループ本社 | 854万円 | 専門商社 |
山善 | 741万円 | 専門商社 |
トラスコ中山 | 720万円 | 専門商社 |
MonotaRO | 556万円 | 専門商社 |
専門商社平均 | 423万円 | 業界平均 |
同業他社との比較では、ミスミグループ本社が854万円、山善が741万円、トラスコ中山が720万円、MonotaROが556万円となっており、業界内でもトップクラスの給与水準を誇っていることが分かります。この高い年収水準は、同社の収益性の高さと従業員への還元姿勢を示しています。
ミスミグループ本社の役職別年収データ
ミスミグループ本社では8段階のバンド制が採用されており、「役職なし(8-5)」「課長クラス(4)」「ディレクター・部長クラス(3)」「事業部長・役員クラス(2、1)」という構成になっています。同社は年俸制を採用しており、役職の進行に応じて年収が大きく変動する実力主義の給与体系が特徴です。
役職 | 推定年収(万円) |
---|---|
係長・主任クラス | 869万円 |
課長クラス | 1,136万円 |
部長クラス | 1,370万円 |
リーダー職 | 700万円〜1,000万円 |
ディレクター職 | 800万円〜1,200万円 |
一般社員 | 400万円〜700万円 |
出典:口コミサイト・有価証券報告書データより算出
管理職にあたるリーダークラスから年収1000万円を目指すことができ、ディレクター職になると年収1000万円近くに到達します。リーダー職では固定給プラス役職手当が年間数十万円支給され、ディレクター職では年収1000万円近くになるという実情があります。業績に応じた賞与制度も充実しており、特に上位職では業績に連動して年収が大きく増加する仕組みになっています。
ミスミグループ本社の年齢別年収推移
ミスミグループ本社の年齢別年収推移を見ると、年齢と経験に応じて段階的に年収が上昇していく傾向にあります。同社は実力主義を重視しているため、年齢だけでなく成果に基づいた年収増加が特徴的です。
年代 | 推定年収範囲(万円) |
---|---|
20代(25-29歳) | 508万円 |
30代前半(30-34歳) | 565万円 |
30代後半(35-39歳) | 638万円 |
40代前半(40-44歳) | 701万円 |
40代後半(45-49歳) | 744万円 |
50代前半(50-54歳) | 806万円 |
50代後半(55-59歳) | 774万円 |
出典:有価証券報告書・統計調査データより算出
20代後半の平均年収は508万円で、30代前半になると565万円と57万円のプラスとなります。働き盛りの30代では596万円から674万円まで順調に収入が増加し、40代前半では753万円、40代後半では819万円に達します。50代前半で最高年収の894万円を迎える傾向にあり、全国平均と比較しても非常に高い水準を維持しています。この推移は、同社が従業員のキャリア発展とともに適正な処遇を提供していることを示しています。
ミスミグループ本社の福利厚生
ミスミグループ本社では、従業員の生活を支える充実した福利厚生制度を整備しています。同社の福利厚生は、長期的な従業員支援を重視した設計となっており、特に退職金制度や確定拠出年金制度などの老後保障が充実しているのが特徴です。
制度・手当 | 内容 |
---|---|
退職金制度 | 勤続3年経過後に受給資格発生、職位と在籍期間に応じて支給 |
確定拠出年金制度 | 会社拠出による従業員の資産形成支援 |
交通費 | 全額支給 |
従業員持株会 | 会社からの奨励金支給により自社株取得を支援 |
社内英会話教室 | 無料での英語学習機会を提供 |
自己啓発支援制度 | 年間9万円程度まで外部講習費用を補助 |
社内マッサージ | 月2回まで無料で利用可能 |
保養所・レジャー割引 | 提携施設での優待利用、テーマパークチケット補助 |
出典:株式会社ミスミグループ本社 公式ホームページ・採用サイト
ミスミグループでは、社員の長期に渡る貢献に報いるため、正社員を対象とする退職金制度、また社員の老後に向けた資産形成を支援する確定拠出年金制度を導入しています。財形貯蓄制度や各種保険制度も完備されており、従業員のライフプランをサポートする体制が整っています。また、社員が株主となることで、株主と同じ目線で仕事に臨み、当社へのオーナーシップを更に高めていくことを期待し、同時に福利厚生の一環として自社株をより取得しやくするために、会社から社員に対して奨励金を支給して支援する従業員持株会制度も特徴的です。ただし、住宅手当については限定的で、通勤時間が2時間以上の場合のみに支給される制度となっています。
ミスミグループ本社の転職難易度は?
ミスミグループは年収の高さや大企業ならではの待遇によって転職市場における人気は高く、転職難易度は高いです。しかし、同社は中途採用に積極的であり、近年では20代や第二新卒での転職実績も増加しているため、適切な準備を行うことで転職成功の可能性は十分にあります。
項目 | 内容 |
---|---|
転職難易度 | 難易度B(やや高い) |
中途採用比率 | 85.0%(2023年度) |
応募条件 | 実務経験・ビジネスレベルの英語力 |
選考プロセス | 書類選考・適性検査・複数回面接 |
出典:有価証券報告書・転職情報サイト
求められる人材像
ミスミグループ本社が求める人材は、高い実行力と国際的な視野を持った人材です。同社は海外展開を積極的に行っているため、ビジネスレベル以上の英語力が重要な要素となります。また、実力主義の企業文化のため、自律的に成果を出せる人材が重宝されます。
特に以下のような経験・スキルを持つ人材が評価される傾向にあります。プロジェクトマネジメント経験がある人、海外での勤務経験や海外企業との折衝経験がある人、製造業界での実務経験を有する人、デジタル技術やシステム開発の知識を持つ人などが該当します。
転職成功のポイント
ミスミグループ本社への転職を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。まず、実力主義への適応力を示すことが重要で、これまでの実績や成果を具体的な数値とともにアピールする必要があります。また、製造業界への理解を深め、同社の事業モデルや戦略について十分に研究し、面接で具体的な提案ができるよう準備することが重要です。
英語力のアピールも欠かせません。国際的な事業展開を行う同社では、英語力が重要視されるため、TOEICスコアや実際の業務での英語使用経験を具体的に示すことが有効です。さらに、転職エージェントの活用により、書類選考対策や面接対策、企業情報の収集などを効率的に行うことで、転職成功率を高めることができます。
まとめ
ミスミグループ本社は、2024年3月期の平均年収854万円という高い給与水準を誇る専門商社のリーディングカンパニーです。同社は実力主義の評価制度を採用しており、役職の進行に応じて年収が大きく上昇する仕組みが整っています。リーダー職で700万円~1,000万円、ディレクター職では800万円~1,200万円という高水準の年収が期待できます。
福利厚生面では、退職金制度や確定拠出年金制度などの長期的な従業員支援に重点を置いた制度が充実しています。従業員持株会制度や社内英会話教室、自己啓発支援制度など、従業員の成長とモチベーション向上を支援する取り組みも評価されています。一方で、住宅手当は限定的であるため、この点は転職検討時に考慮すべき要素です。
転職難易度は高いものの、中途採用に積極的で中途採用比率85.0%という数字が示すように、適切な準備を行えば転職成功の可能性は十分にあります。特に第二新卒や30代の若手ビジネスマンにとって、実力主義の環境で高年収を目指せる魅力的な転職先といえるでしょう。転職を検討される際は、英語力の向上、業界理解の深化、実績の整理など、しっかりとした準備を行うことをお勧めします。