ハンバーガーチェーン「モスバーガー」で知られる株式会社モスフードサービス（以下、モスフードサービス）は、1972年に設立された外食業界の老舗企業です。「作り置きしない」アフターオーダー方式や高品質な素材へのこだわりで知られ、国内外に店舗展開しています。

この記事では、モスフードサービスの平均年収について、有価証券報告書をもとにした正確な数値や年度別推移、同業他社との比較、福利厚生制度、転職難易度まで詳しく解説します。転職を検討している方や就職活動中の学生の方に、意思決定に役立つ情報をお届けします。

モスフードサービスの会社概要

モスフードサービスは、日本発祥のハンバーガーチェーン「モスバーガー」を展開する外食業界の大手企業です。1972年の設立以来、「作り置きしない」アフターオーダー方式や厳選した素材へのこだわりを貫き、ファストフードとは一線を画したファストカジュアルスタイルを確立してきました。

国内では約1,300店舗、海外では主に台湾を中心に400店舗超を展開し、フランチャイズチェーンシステムを中心とした事業運営を行っています。台湾ではマクドナルドに次ぐ第2位のハンバーガーチェーンとしてブランド力を確立しており、海外事業も重要な収益源となっています。

モスフードサービスの基本情報

項目	詳細
会社名	株式会社モスフードサービス
本社所在地	東京都品川区大崎2-1-1 ThinkPark Tower 4階
設立年	1972年7月21日
業種	外食・レストラン業
事業内容	フランチャイズチェーンによるハンバーガー専門店「モスバーガー」の国内および海外での展開、その他飲食事業
上場市場	東京証券取引所プライム市場（証券コード：8153）

モスフードサービスは4つの主要セグメントで事業を展開しています。国内モスバーガー事業が売上の中核を占め、フランチャイズ店舗への商品供給とロイヤルティ収入が主要な収益源となっています。海外事業では台湾を中心に展開し、その他飲食事業では「マザーリーフ」などの紅茶専門店も運営しています。また、グループ会社を通じて衛生管理や金融サービスなどの事業支援も行っており、総合的なフードサービス企業として成長を続けています。

モスフードサービスの平均年収はどのぐらい？

モスフードサービスの最新の平均年収は635万円となっています（2024年3月期）。この数値は有価証券報告書に基づく正式な数値であり、外食業界においては高水準の待遇となっています。同じハンバーガーチェーンを展開する企業と比較しても、競争力のある年収水準を実現しています。

年度別の平均年収推移

モスフードサービスの過去6年間の年度別平均年収推移を表にまとめました。平均年齢や勤続年数の推移と合わせてご確認ください。

年度	平均年収	平均年齢	勤続年数
2024年3月期	635万円	41.9歳	15.0年
2023年3月期	637万円	42.5歳	16.1年
2022年3月期	636万円	42.2歳	16.0年
2021年3月期	643万円	42.3歳	16.7年
2020年3月期	646万円	42.0歳	16.3年
2019年3月期	612万円	41.9歳	16.2年

出典：株式会社モスフードサービス 有価証券報告書（各年3月期）

過去6年間の平均年収は612万円から646万円の範囲で推移しており、比較的安定した水準を維持しています。2019年から2020年にかけて上昇した後、2024年にかけて若干の調整が見られますが、600万円台を維持している点が特徴的です。

他企業との比較データ

外食業界における同業他社との平均年収比較を以下の表にまとめました。

企業名	平均年収	業態
モスフードサービス	635万円	ハンバーガーチェーン
日本マクドナルドHD	約750万円	ハンバーガーチェーン
吉野家HD	約580万円	牛丼チェーン
松屋フーズHD	約520万円	牛丼チェーン
ゼンショーHD	約600万円	牛丼・その他外食

モスフードサービスの平均年収635万円は外食業界においてトップ級の待遇となっており、業界平均を大きく上回る水準です。同じハンバーガー業界のマクドナルドには及ばないものの、牛丼チェーンなどの他の外食企業と比較すると高い年収水準を実現していることがわかります。

モスフードサービスの役職別年収データ

モスフードサービスの役職別年収については、有価証券報告書等で詳細な公式データは開示されていません。しかし、社員の口コミ情報によると、総合職30歳で年収470万円～550万円程度、課長職レベルで年収700万円を超えるとされています。

役職	推定年収（万円）
係長・主任クラス	公式データとしては非開示
課長クラス	公式データとしては非開示
部長クラス	公式データとしては非開示

社員の評価によると、給与は等級制度に基づいて決定され、店舗勤務の場合は店長手当や家賃補助などの各種手当が充実していることが特徴です。また、賞与は年2回支給され、基本的には年間2か月分がベースとなっているとの情報があります。

モスフードサービスの年齢別年収推移

モスフードサービスの年齢別年収については、公式な年齢別データは開示されていません。ただし、業界水準や企業規模から推定される年収推移をご参考までに示します。

年代	推定年収範囲（万円）
20代	公式データとしては非開示
30代	公式データとしては非開示
40代	公式データとしては非開示
50代以上	公式データとしては非開示

モスフードサービスの初任給は21万円（大卒・院卒）となっており、外食業界としては標準的な水準からスタートします。長期勤続による昇進・昇格により年収アップが期待でき、平均勤続年数は14.6年と比較的長く、安定したキャリア形成が可能な環境といえます。

モスフードサービスの福利厚生

モスフードサービスの福利厚生は外食業界トップクラスに手厚いことで知られています。特に住宅関連の制度が充実しており、働きやすい環境づくりに力を入れています。

住宅・生活支援

• 借上げ社宅制度では家賃の半分が支給されるほか、家賃補助制度も完備されています
• 店舗勤務者には社宅制度が提供され、住居費負担を大幅に軽減できます

働き方支援制度

• 育児のための休業・時短勤務制度が整備されており、通勤ラッシュを避けるためだけに30分の勤務時間短縮が可能という柔軟な制度があります
• 年次有給休暇の取得促進や、働き方改革に対応した制度改善が継続的に行われています

その他の制度

• 退職金制度や各種社会保険完備
• 従業員割引制度によりモスバーガー商品を社員価格で利用可能
• 研修制度や資格取得支援など人材育成制度も充実

モスフードサービスの転職難易度は？

モスフードサービスへの転職難易度は職種により異なりますが、外食業界でありながら転職もしやすい環境が整っているとされています。店舗運営だけでなく、商品開発やマーケティングなど幅広い経験を積むことができる点が特徴です。

求められる人材像

モスフードサービスが求める人材の特徴として、以下の要素が重視されます。

• 食に対する関心と品質へのこだわり：モスバーガーの品質重視の理念に共感できる方
• チームワークとコミュニケーション能力：店舗運営やフランチャイズ支援において重要なスキル
• 変化への対応力：市場環境の変化に柔軟に対応できる適応力
• 継続的な学習意欲：新しい取り組みや制度改善に積極的に参加できる姿勢

転職成功のポイント

モスフードサービスへの転職を成功させるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

• 企業理念への理解を深める：「食を通じて人を幸せにしたい」という理念に対する共感を具体的に示す
• 外食業界での経験をアピール：店舗運営や接客サービス、品質管理などの経験は高く評価される
• マーケティングや商品開発の知識：本社部門への転職を目指す場合は、関連する知識や経験が重要
• 海外事業への関心：台湾をはじめとした海外展開に関心がある場合は、語学力や国際経験も評価要素となる

入社後は直営店に配属されるが、数年後には本社部門へ異動して商品開発・マーケティング・フランチャイズ店舗支援・新規事業開発などに携わるのがロールモデルとされており、幅広いキャリアパスが用意されています。

まとめ

モスフードサービスの平均年収は635万円と、外食業界においてトップクラスの待遇を実現しています。安定した年収水準に加え、住宅手当や働き方支援制度など充実した福利厚生も大きな魅力となっています。

転職を検討する際のポイントとして、同社の品質重視の理念への共感や、外食業界での経験、継続的な学習意欲が重要な評価要素となります。店舗運営から本社部門まで幅広いキャリアパスが用意されており、長期的な成長を望む方には適した環境といえるでしょう。

外食業界での転職を検討されている方は、モスフードサービスの安定した収益基盤と成長性、そして働きやすい制度を総合的に評価し、自身のキャリアプランとの適合性をじっくりと検討することをおすすめします。