ＮＩＳＳＨＡ株式会社（以下、ＮＩＳＳＨＡ）は、印刷技術をベースとした加飾フィルムやタッチセンサーなどで世界トップレベルのシェアを誇る京都の企業です。この記事では、転職検討者の方にとって重要なNISSHAの年収情報を、最新の有価証券報告書データに基づいて詳しく解説します。平均年収はもちろん、年度別推移、他社との比較、役職別・年齢別データ、福利厚生、転職難易度まで網羅的にお伝えします。
NISSHAの会社概要
NISSHAは1929年創業、1946年設立の総合印刷会社から発展し、現在では高度な印刷技術を活用した加飾フィルムやタッチセンサーでグローバル展開している企業です。特にタッチセンサーでは世界トップレベルのシェアを持ち、近年のタッチパネル需要拡大に伴い成長が著しい企業として知られています。印刷業界が構造不況に陥る中、技術力を活かした事業転換により好調な業績を維持している特徴的な企業です。
NISSHAの基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 会社名 | NISSHA株式会社 |
| 本社所在地 | 〒604-8551 京都市中京区壬生花井町3 |
| 設立年 | 1946年12月 |
| 業種 | その他製品（印刷業） |
| 事業内容 | 産業資材、ディバイス、メディカルテクノロジー |
| 上場市場 | 東証プライム（証券コード：7915） |
NISSHAの事業は大きく3つのセグメントに分かれています。産業資材事業では、スマートフォンやタブレット向けの加飾フィルムや成形品を製造し、世界中のデバイスメーカーに供給しています。ディバイス事業では、タッチセンサーやタッチパネルモジュールの開発・製造を行い、特にスマートフォンやタブレット、車載機器向けで高いシェアを誇ります。メディカルテクノロジー事業では、医療機器の受託開発・製造や薬事サポートを提供し、近年注力している成長分野です。創業以来培ってきた印刷技術をベースに、時代のニーズに合わせて事業領域を拡張し、グローバル市場で競争力を維持している企業といえます。
NISSHAの平均年収はどのぐらい？
有価証券報告書によると、NISSHAの平均年収は712万円（2023年12月期）と高い水準にあります。全国平均の460万円と比較すると252万円も上回っており、同社の技術力の高さと市場競争力が年収水準にも反映されていることがわかります。平均年齢は42.9歳、平均勤続年数は15.6年と、安定して長期間働ける職場環境が整っていることも特徴的です。
年度別の平均年収推移
| 年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
|---|---|---|---|---|
| 2023年12月期 | 712万円 | 42.9歳 | 15.6年 | 720人 |
| 2022年12月期 | 665万円 | 42.4歳 | 15.1年 | 708人 |
| 2021年12月期 | 671万円 | 42.0歳 | 15.0年 | 701人 |
| 2020年12月期 | 656万円 | 41.7歳 | 14.8年 | 695人 |
| 2019年12月期 | 642万円 | 41.3歳 | 14.5年 | 689人 |
出典：NISSHA株式会社 有価証券報告書（2020年3月期～2024年3月期）
過去5年間の年収推移を見ると、2019年の642万円から2023年の712万円まで右肩上がりで成長しており、約7.09%の上昇トレンドを示しています。特に2022年から2023年にかけては47万円の大幅な上昇を記録しており、事業の好調さが社員の待遇改善にも反映されていることがうかがえます。
他企業との比較データ
| 企業名 | 平均年収 | 業界内順位 |
|---|---|---|
| 大日本印刷 | 830万円 | 1位 |
| 凸版印刷 | 756万円 | 2位 |
| NISSHA | 712万円 | 3位 |
| 共同印刷 | 約600万円 | 4位 |
| 業界平均 | 約550万円 | – |
印刷業界内での比較では、NISSHAは業界大手の大日本印刷、凸版印刷に次ぐ第3位の年収水準を維持しています。業界平均を約162万円上回っており、高い技術力とグローバル展開による収益性の高さが年収水準にも反映されています。特に、従来の印刷業界から脱却し、エレクトロニクス分野で成功を収めている点が他社との差別化要因となっています。
NISSHAの役職別年収データ
NISSHAの役職別年収については、公式データとしては非開示となっています。ただし、業界水準や企業規模を考慮した推定では、以下のような年収レンジが想定されます。
| 役職 | 推定年収（万円） |
|---|---|
| 係長・主任クラス | 非開示 |
| 課長クラス | 非開示 |
| 部長クラス | 非開示 |
NISSHAでは、総合職の平均年収は約827万円、管理職級の平均年収は約1,098万円前後と推定されています。また、2024年度の役員報酬は、役員全体で平均4,685万円となっています。同社は技術系人材を重視しており、専門性の高いポジションでは年収が高く設定される傾向にあります。
NISSHAの年齢別年収推移
NISSHAの年齢別年収についても、詳細な公式データは非開示となっています。ただし、業界標準や企業規模から推定される年収レンジは以下の通りです。
| 年代 | 推定年収範囲（万円） |
|---|---|
| 20代 | 非開示 |
| 30代 | 非開示 |
| 40代 | 非開示 |
| 50代以上 | 非開示 |
一般的な推定では、20代で約500万円台、30代で約700万円台、40代以降で約800万円以上の年収レンジが想定されます。NISSHAは技術力を重視する企業であり、専門性の高い人材ほど年収水準が高くなる傾向があります。月々の平均手取りについては、20代では29万円前後、最高年収となる50代では47万円前後と推定されています。
NISSHAの福利厚生
NISSHAでは充実した福利厚生制度を提供しており、社員が長期的に安心して働ける環境を整備しています。以下が主な福利厚生制度です。
| 制度・手当 | 内容 |
|---|---|
| 住宅手当 | 借り上げ社宅（要件に合致する場合のみ） |
| 交通費 | 通勤手当支給 |
| 退職金制度 | 退職金制度、確定拠出年金制度 |
| 有給取得率 | 年間127日の休日（2025年度予定） |
| 各種手当 | 家族手当、通勤手当など |
特徴的な制度として、会員制福利厚生サービスの利用、社員持株会、会社公認クラブ活動などがあります。教育研修制度も充実しており、階層別研修、選抜研修、資格取得支援、自己啓発補助などを通じて社員のスキルアップをサポートしています。休暇制度では完全週休2日制に加え、有給休暇、夏季休暇、特別休暇、リフレッシュ休暇制度を設けており、ワークライフバランスの向上にも配慮しています。育児・介護休業制度も完備されており、長期的なキャリア形成を支援する体制が整っています。
NISSHAの転職難易度は？
NISSHAは技術力の高さと安定した業績により、転職市場でも人気の高い企業です。特に印刷業界から電子デバイス分野への事業転換に成功している点が評価され、多くの転職希望者が注目しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 中途採用実績 | 技術系・事務系ともに積極的に実施 |
| 求める人材像 | 技術系：電気・電子、機械、情報、化学、材料、物理 事務系：全学部・全学科対象 |
| 応募条件 | 新卒および既卒者（就業経験のない方） |
| 選考プロセス | 書類選考→面接（複数回） |
求められる人材像
NISSHAが求める人材像は、技術系では電気・電子、機械、情報、化学、材料、物理分野の専門知識を持つ人材です。特に、同社の主力事業であるタッチセンサーや加飾フィルム技術に関連する経験があると評価が高くなります。事務系では営業、管理（人事・財務）、海外事業展開に対応できるグローバル人材を重視しています。同社は多様な技術や人材能力の結集・融合により、メディカル・モビリティ・環境に関わるグローバルな社会課題の解決に貢献することを目指しており、この理念に共感し、積極的に新しい分野にチャレンジできる人材を求めています。
転職成功のポイント
NISSHA転職成功のためには、まず同社の事業領域の理解が重要です。従来の印刷業界のイメージとは異なり、エレクトロニクス分野やメディカル分野で高い技術力を持つ企業であることを理解し、志望動機に反映させることが必要です。技術系の場合、具体的な技術経験や成果を示すことで差別化を図れます。事務系の場合、グローバル展開している企業であるため、語学力や海外経験があると有利になります。また、同社は長期的なキャリア形成を重視する企業文化があるため、安定志向よりも成長意欲や学習意欲をアピールすることが効果的です。面接では、印刷技術をベースとした事業多角化の成功事例について理解を深め、自身がどのような貢献ができるかを具体的に説明できることが重要なポイントとなります。
まとめ
NISSHAの平均年収は712万円と業界内でも高い水準にあり、印刷業界から電子デバイス分野への事業転換を成功させた企業として注目されています。過去5年間で約70万円の年収上昇を実現しており、今後も成長が期待できる企業です。技術系人材を重視する企業文化があり、専門性の高い人材ほど高い年収を期待できます。
転職を検討される方にとって、NISSHAは安定した業績と成長性、充実した福利厚生制度を兼ね備えた魅力的な転職先といえます。ただし、技術力重視の企業であるため、自身の専門性を活かせる分野での経験や実績をしっかりとアピールすることが転職成功の鍵となるでしょう。グローバル展開も積極的に行っている企業であるため、語学力や国際感覚も重要な要素として評価される可能性があります。
