物流業界で長い歴史と実績を持つ株式会社日新(以下、日新)は、国際物流を中心とした総合物流企業として業界内で確固たる地位を築いています。
この記事では、日新の平均年収や福利厚生制度、転職難易度について、有価証券報告書などの公式データに基づいて詳しく解説します。日新への転職を検討している方や、物流業界の年収水準について知りたい方にとって、貴重な参考情報となるでしょう。
日新の会社概要
日新は1938年に設立された総合物流企業で、国際物流事業を中心に80年以上の実績を積み重ねてきました。東京証券取引所プライム市場に上場する大手企業として、海陸空を一貫した国際輸送サービスを提供し、業界内でも高い評価を得ています。
日新の基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 株式会社日新(NISSIN CORPORATION) |
本社所在地 | 神奈川県横浜市中区尾上町六丁目81番地 ニッセイ横浜尾上町ビル |
設立年 | 1938年(昭和13年)12月14日 |
業種 | 陸運業・総合物流業 |
事業内容 | 国際輸送、国内輸送、倉庫、港湾運送、通関、船舶代理店、引越、旅行事業、不動産事業 |
上場市場 | 東京証券取引所プライム市場(証券コード: 9066) |
日新の事業内容は多岐にわたり、主力となる国際物流事業では全売上高の約60%を占めています。具体的には、航空貨物・海上貨物の国際輸送、通関業務、倉庫保管などを一貫して提供しており、グローバルに21の国と地域に拠点を展開しています。国内物流事業では約20%、旅行事業とその他事業で約20%の売上構成となっており、バランスの取れた事業ポートフォリオを構築しています。近年では、脱炭素社会への対応やDX推進にも積極的に取り組み、持続可能な物流サービスの提供に力を注いでいます。
日新の平均年収はどのぐらい?
日新の最新の平均年収は705万円(2024年3月期)となっています。これは全国平均年収の460万円と比較して、245万円も高い水準にあり、物流業界の中でも競争力のある給与水準を維持していることがわかります。
年度別の平均年収推移
年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 従業員数 | 平均勤続年数 |
---|---|---|---|---|
2024年3月 | 705万円 | 39.7歳 | 1,685名 | 13.3年 |
2023年3月 | 717万円 | 39.7歳 | 1,675名 | 13.3年 |
2022年3月 | 684万円 | 39.7歳 | 1,663名 | |
2021年3月 | 650万円 | 39.3歳 | 1,645名 | |
2020年3月 | 717万円 | 37.5歳 | 1,632名 | |
2019年3月 | 672万円 | 37.2歳 | 1,617名 |
出典: 株式会社日新 有価証券報告書(2024年3月期)
過去6年間の推移を見ると、日新の平均年収は650万円から717万円の範囲で推移しており、安定した給与水準を維持していることが確認できます。2024年3月期は前年度と比較して12万円減少していますが、これは業界全体の市況や業績変動を反映したものと考えられます。
他企業との比較データ
企業名 | 平均年収 | 業界内ランキング |
---|---|---|
ヤマトホールディングス | 1,018万円 | 3位 |
日立物流(ロジスティード) | 818万円 | 5位 |
日本郵政 | 798万円 | 8位 |
株式会社日新 | 705万円 | 15位程度 |
SGホールディングス | 690万円 | 16位程度 |
物流業界大手20社の平均年収は757万円となっており、日新の705万円は業界平均をやや下回る水準です。しかし、持株会社ではない事業会社としては競争力のある水準を維持しており、特に安定性の面では高く評価できます。
日新の役職別年収データ
日新の役職別年収については、公式データとして詳細な開示はされていません。ただし、物流業界の一般的な傾向と同社の平均年収水準から推定される役職別年収は以下の通りです。
役職 | 推定年収範囲(万円) |
---|---|
係長・主任クラス | 公式データとしては非開示 |
課長クラス | 公式データとしては非開示 |
部長クラス | 公式データとしては非開示 |
日新では役職別の年収データを公式に開示していないため、具体的な数値については言及できません。ただし、同社の平均年収705万円や平均年齢39.7歳を考慮すると、管理職クラスでは800万円以上の年収が期待できると推測されます。
日新の年齢別年収推移
日新の年齢別年収についても、公式な詳細データは開示されていません。しかし、同社の平均年収705万円、平均年齢39.7歳という情報から、一般的な年功序列型の給与体系を採用していると推測されます。
年代 | 推定年収範囲(万円) |
---|---|
20代 | 公式データとしては非開示 |
30代 | 公式データとしては非開示 |
40代 | 公式データとしては非開示 |
50代以上 | 公式データとしては非開示 |
物流業界の一般的な傾向として、20代では400万円台から500万円台、30代で600万円台から700万円台、40代以降で800万円以上という年収推移が見られることが多いですが、日新の具体的な年齢別データについては公式発表がないため、転職を検討される際は面接時に詳細を確認されることをお勧めします。
日新の福利厚生
日新では、従業員の生活安定と働きやすい環境づくりのため、充実した福利厚生制度を整備しています。公式サイトで公表されている主要な福利厚生制度は以下の通りです。
制度・手当 | 内容 |
---|---|
社会保険 | 各種社会保険完備 |
企業年金制度 | 退職後の生活安定のための企業年金制度 |
財形貯蓄制度 | 計画的な資産形成をサポート |
休日休暇 | 完全週休二日制、祝祭日、年末年始、年次有給休暇、夏季・冬季厚生休暇 |
昇給・賞与 | 昇給年1回、賞与年2回 |
日新の福利厚生は、基本的な社会保険制度から将来の生活設計まで幅広くカバーしており、長期的に安心して働ける環境が整備されています。特に企業年金制度の導入により、退職後の生活安定にも配慮している点は評価できます。ただし、住宅手当や交通費などの詳細な手当制度については公式発表がないため、具体的な条件は採用面接時に確認することが重要です。
日新の転職難易度は?
日新の転職難易度は中程度から高めと考えられます。東証プライム上場企業で安定した業績を維持している同社への転職には、一定の専門性と経験が求められます。
求められる人材像
日新の中途採用では、主に以下のような人材を求めています。
項目 | 内容 |
---|---|
職務内容 | 輸出入営業業務(航空・海上等)、輸出入手続業務、営業事務、倉庫管理業務、通関関連業務 |
必要な経験・資格 | 貿易実務経験(必須)、英語力・通関士資格があれば尚可 |
中途採用比率 | 2022年度: 23%、2023年度: 30%、2024年度: 26% |
中途採用比率が20%以上と比較的高い水準にあることから、経験者の採用に積極的であることがわかります。特に貿易実務経験は必須要件となっており、物流業界での実務経験がない場合、転職難易度は高くなると予想されます。
転職成功のポイント
日新への転職を成功させるためには、以下のポイントが重要です。まず、貿易実務の実務経験は必須条件となっているため、関連業界での経験を積むことが最優先となります。英語力については必須ではありませんが、国際物流企業という性質上、ビジネスレベルの英語力があれば大きなアドバンテージとなるでしょう。
また、通関士資格の取得も転職成功の可能性を高める要因となります。選考プロセスについては、履歴書と職務経歴書による書類選考の後、面接選考が実施される一般的な流れとなっています。同社が求める「グローバルな視点」と「物流業界への深い理解」をアピールできるよう、これまでの経験を整理し、具体的な成果や貢献度を明確に伝えられる準備が重要です。
まとめ
株式会社日新は、平均年収705万円という競争力のある給与水準を維持する総合物流企業です。物流業界の中では中堅クラスの年収水準ですが、安定した業績と充実した福利厚生制度により、長期的なキャリア形成には適した環境が整っています。
転職を検討される方は、貿易実務の経験が必須条件となっている点に注意が必要です。一方で、中途採用比率が26%と高い水準にあることから、適切な経験とスキルを持つ人材には門戸が開かれていると言えるでしょう。国際物流業界でのキャリアアップを目指す方にとって、日新は魅力的な選択肢の一つとなり得ます。