株式会社ノーリツ（以下、ノーリツ）は、給湯器の国内シェア約40％を誇る住宅設備機器の大手メーカーです。ガス給湯器業界でリンナイと並ぶ二大メーカーの一角として高い技術力と製品の品質で知られています。この記事では、ノーリツの最新の平均年収データや役職別・年齢別の収入推移、福利厚生、転職難易度について詳しく解説いたします。転職や就職を検討している方の参考になれば幸いです。

ノーリツの会社概要

ノーリツは1951年に創業された住宅設備機器メーカーで、特に給湯器分野で高い市場シェアを持つ企業です。兵庫県神戸市中央区に本社を構え、「お風呂は人を幸せにする」という創業者の理念を受け継ぎながら、現在では「新しい幸せを、わかすこと」をミッションに掲げています。給湯器のほか、温水暖房機器、厨房機器など温水空調分野を中心とした住宅設備機器の製造・販売・サービス事業を展開しており、国内外で高い評価を得ています。

ノーリツの基本情報

項目	詳細
会社名	株式会社ノーリツ
本社所在地	兵庫県神戸市中央区江戸町93番（栄光ビル）
設立年	1951年（昭和26年）3月
業種	住宅設備機器製造業
事業内容	温水空調分野を中心とした住宅設備機器の製造、販売、サービス事業
上場市場	東京証券取引所プライム市場

ノーリツは温水空調分野、厨房分野、その他分野の3つの事業領域で事業を展開しています。温水空調分野では家庭用給湯器や業務用給湯器、石油給湯器、温水暖房システムなどを製造・販売しており、この分野が売上の大部分を占めています。厨房分野ではガスコンロやレンジフード、業務用厨房機器を手がけ、その他分野では太陽光発電システムや蓄電池システムなども展開しています。特に給湯器市場では国内シェア約40％を誇り、リンナイと共に業界を牽引する存在として位置づけられています。

ノーリツの平均年収はどのぐらい？

年度別の平均年収推移

年度	平均年収	平均年齢	平均勤続年数	従業員数
2024年12月期	656万円	43.8歳	18.2年	2,038名
2023年12月期	625万円	42.7歳	17.8年	2,083名
2022年12月期	621万円	42.4歳	16.8年	2,225名
2021年12月期	612万円	41.9歳	16.2年	2,298名
2020年12月期	595万円	41.3歳	15.8年	2,334名
2019年12月期	588万円	40.8歳	15.4年	2,401名

ノーリツの平均年収は2024年12月期において656万円となっており、過去6年間で約68万円の増加を示しています。直近では前年比で31万円の大幅な増加となっており、これは業績の好調さや人材への投資強化を反映していると考えられます。また、平均年齢は43.8歳、平均勤続年数は18.2年と、従業員の定着率の高さが特徴的です。

出典：株式会社ノーリツ 有価証券報告書（2024年12月期）

他企業との比較データ

企業名	平均年収	業界内順位
リンナイ	678万円	1位
ノーリツ	656万円	2位
パロマ	非開示	–
パーパス	非開示	–
全国平均	458万円	–

給湯器業界における主要競合企業との比較では、最大のライバルであるリンナイが678万円と業界トップの水準を維持している一方、ノーリツは656万円と僅差で続いています。両社ともに全国平均の458万円を大きく上回る水準にあり、住宅設備機器業界の中でも高い年収水準を誇っています。パロマやパーパスなど他の競合企業は年収データを非開示としているため詳細な比較は困難ですが、業界大手2社の年収水準は安定して高い傾向にあります。

ノーリツの役職別年収データ

役職	推定年収（万円）
一般社員	400-550万円
係長・主任クラス	550-700万円
課長クラス	700-900万円
部長クラス	900-1,200万円
役員クラス	1,200万円以上

ノーリツの役職別年収は、一般社員クラスで400-550万円からスタートし、係長・主任クラスで550-700万円、課長クラスで700-900万円、部長クラスで900-1,200万円程度となっています。管理職への昇進により年収は大幅に上昇し、部長クラスでは1,000万円を超える水準に達します。なお、これらの数値は公式データとしては非開示となっており、有価証券報告書の平均年収データと従業員の口コミ情報等を基に推定した範囲となります。実際の年収は個人の評価や業績、職種によって変動する可能性があります。

ノーリツの年齢別年収推移

年代	推定年収範囲（万円）
20代	350-500万円
30代	500-700万円
40代	650-900万円
50代以上	800-1,200万円

年齢別の年収推移を見ると、20代では350-500万円程度でスタートし、30代で500-700万円、40代で650-900万円、50代以上で800-1,200万円程度となっています。新卒入社時の初任給は学歴により異なり、大学卒で約23万円、修士了で約24万円となっています。年功序列的な側面もありますが、昇進や評価によって年収の上昇幅は変動します。なお、これらの年齢別年収データは公式データとしては非開示となっており、有価証券報告書の平均年収や年齢データ、従業員の口コミ等を基に推定した範囲となります。

ノーリツの福利厚生

制度・手当	内容
住宅手当	家賃の約8割負担（転勤者は特に手厚い）
交通費	全額支給
退職金制度	企業退職金制度・確定拠出年金制度
年間休日	125日
有給取得率	積極的な取得推進
住宅取得支援	15年間の住宅手当支給

ノーリツの福利厚生は業界内でも特に充実しており、優良福利厚生法人「ハタラクエール2021」の上位5社として認定されています。住宅関連では、転勤者への住宅手当が非常に手厚く、家賃の約8割を会社が負担する制度があります。また、入社後5年を経過した社員がマイホームを取得した際には、15年間にわたって住宅手当を支給する制度も設けられています。

働き方の面では、フレックスタイム制度（コアタイムなし）や在宅勤務制度を導入しており、ワークライフバランスの実現を支援しています。その他、健康保険組合、厚生年金基金、企業退職金制度、確定拠出年金制度、財形貯蓄、従業員持株会、団体保険、ベネフィットステーション（各種会員割引サービス）などの制度が整備されています。年間休日は125日に設定されており、年末年始・GW・夏季休暇のほか、リフレッシュ休暇（勤続10年、20年、30年）、結婚休暇、産前産後休暇、育児休暇、介護休暇なども充実しています。

ノーリツの転職難易度は？

求められる人材像

ノーリツが求める人材は「未来をきりひらく人（想像と創造）」というコンセプトの下、次の3つの力を持つ人材です。第一に「考える力・構想する力がある人」として、課題を発見し解決策を構想できる人材を求めています。第二に「失敗を恐れずチャレンジできる力がある人」として、新しいことに積極的に挑戦する姿勢を重視しています。第三に「自立と相互支援ができる人」として、自分の責任を果たしながらも周囲と協力できる人材を歓迎しています。

技術系職種では理系学部・全学科（機械・電気電子・情報・化学・材料など）の出身者を、事務系職種では学部学科不問で採用を行っています。高専卒、院卒、専門学校卒も対象としており、多様なバックグラウンドを持つ人材を積極的に採用しています。特に給湯器などの住宅設備機器に対する技術的な興味や、人々の生活を豊かにしたいという思いを持つ人材が評価される傾向にあります。

転職成功のポイント

ノーリツへの転職を成功させるためには、まず同社のミッション「新しい幸せを、わかすこと」に共感し、それを具体的にどう実現していきたいかを明確にすることが重要です。面接では、これまでの経験をどのようにノーリツの事業に活かせるかを具体的に説明できるよう準備しましょう。

技術系職種では、商品設計開発、要素研究、回路設計開発、組み込みソフトウェア開発、生産技術、社内SE、セールスエンジニア、品質管理などの分野で専門性を活かせる機会が豊富にあります。事務系職種では、営業、国際事業、人事、財務、広報などの職種で活躍できます。中途採用では即戦力として期待されるため、関連業界での経験や専門知識を積極的にアピールすることが大切です。

また、ノーリツは海外展開にも力を入れているため、語学力や国際的な視野を持つ人材も歓迎されます。転職活動では、住宅設備機器業界の動向や同社の競合他社との違いについても理解を深めておくと良いでしょう。

まとめ

ノーリツの平均年収は656万円と、全国平均を大幅に上回る水準にあり、給湯器業界では第2位の年収水準を誇っています。過去6年間で68万円の増加を示しており、安定した成長を続けています。福利厚生も非常に充実しており、特に住宅手当の手厚さは業界内でも際立った特徴となっています。

転職を検討されている方にとって、ノーリツは安定した事業基盤と成長性、充実した待遇を提供する魅力的な企業です。「新しい幸せを、わかすこと」というミッションに共感し、人々の生活を豊かにする製品作りに情熱を持って取り組める方には、非常に良い環境が整っています。給湯器業界のリーディングカンパニーとして、今後も安定した成長が期待される企業であり、長期的なキャリア形成を考える上でも有力な選択肢の一つと言えるでしょう。