リョービ株式会社（以下、リョービ）は、世界トップクラスのダイカストメーカーとして知られており、自動車業界を中心に高い技術力で製品を提供しています。転職を検討されている方にとって、リョービの年収や労働環境は重要な判断材料の一つでしょう。この記事では、リョービの平均年収、役職別・年齢別の年収推移、福利厚生、転職難易度について詳しく解説します。公式データに基づいた信頼できる情報をお届けしますので、転職活動の参考にしてください。

リョービの会社概要

リョービは1943年12月に創業されたダイカスト製品の専門メーカーで、現在では世界トップクラスの技術力を誇る企業として成長しています。自動車産業向けのダイカスト製品を中心として、建築用品や印刷機器まで幅広い事業を展開し、グローバルに事業を拡大している点が特徴的です。広島県府中市に本社を構え、従業員数は1,747人（2022年度）の規模を持つ上場企業として、安定した経営基盤を築いています。

リョービの基本情報

項目	詳細
会社名	リョービ株式会社
本社所在地	広島県府中市目崎町762
設立年	1943年（昭和18年）
業種	非鉄金属
事業内容	ダイカスト製品、建築用品、印刷機器の製造・販売
上場市場	東京証券取引所プライム市場

リョービの事業は大きく3つのセグメントに分かれており、主力のダイカスト事業では自動車向けのエンジンシリンダーブロックやトランスミッションケースなどの重要部品を製造しています。建築用品事業では、ドアクローザやヒンジなどの建築金物を展開し、印刷機器事業ではオフセット印刷機や印刷周辺機器を手がけています。海外展開も積極的で、アメリカ、イギリス、中国、タイ、メキシコに拠点を持ち、グローバルなサプライチェーンを構築している点が企業の強みとなっています。

リョービの平均年収はどのぐらい？

リョービの2022年度における平均年収は585万円です。全国平均の年収614万円と比較すると、やや下回る水準となっていますが、業界や地域の特性を考慮すると一定の水準を保っています。リョービは安定した経営基盤を持つ老舗企業として、着実な給与体系を構築していることが特徴です。

年度別の平均年収推移

リョービの過去数年間の平均年収推移を見ると、直近8年間で4.7%減少する傾向にあります。以下は年度別の詳細データです。

年度	平均年収	平均年齢	勤続年数	従業員数
2022年度	585万円	43.1歳	19.0年	1,747人
2021年度	591万円	43.0歳	18.8年	1,720人
2020年度	687万円	42.6歳	18.1年	1,751人
2019年度	687万円	42.6歳	18.1年
2018年度	664万円	42.5歳	17.9年
2017年度	614万円	42.3歳	17.8年

出典：リョービ株式会社 有価証券報告書（2023年3月期、2022年3月期、2021年3月期）

データからは、2020年度に687万円でピークに達した後、近年は下降傾向にあることが分かります。これは自動車業界の変化や新型コロナウイルス感染症の影響なども関係していると考えられます。ただし、平均勤続年数が19.0年と長く、従業員の定着率が高いことは企業の安定性を示しています。

他企業との比較データ

リョービの年収水準を同業他社と比較すると、以下のような位置づけになります。

企業名	平均年収	業界順位
リョービ	585万円	20位
非鉄金属業界平均	637万円	–
広島県上場企業平均	519万円	–
全国平均	614万円	–

リョービの年収は業界平均の637万円より52万円低く、業界内順位は20位となっています。一方で、広島県の上場企業平均519万円と比較すると66万円高く、県内13位の水準にあります。地域における給与水準としては比較的良好な位置にあると言えるでしょう。

リョービの役職別年収データ

リョービの役職別年収については、有価証券報告書では詳細な役職別データは非開示となっているため、業界標準と企業規模から推定したデータをご紹介します。

役職	推定年収（万円）
係長・主任クラス	725
課長クラス	948
部長クラス	1,143

係長の平均年収は725万円、課長の平均年収は948万円、部長の平均年収は1,143万円と推定されます。これらの数値は同業界の平均と比較して低い水準にあることが指摘されています。ただし、リョービは安定した経営を重視する企業風土があり、急激な昇進よりも着実なキャリア形成を重視する傾向があります。

昇進に関しては、技術力と実績を重視した評価制度が採用されており、特にダイカスト技術や製造プロセスの改善に貢献した社員が評価される傾向にあります。管理職への昇進は一般的に入社から15年程度が目安とされており、技術系と事務系の両方でキャリアパスが用意されています。

リョービの年齢別年収推移

リョービの年齢別年収推移について、厚生労働省の統計データと企業の平均年収をもとに算出した推定データをご紹介します。

年代	推定年収範囲（万円）
20代	390～449
30代	449～512
40代	547～585
50代以上	632～631

25～29歳の平均年収は390万円で、30～34歳になると449万円と平均年収が59万円プラスとなります。さらに35～39歳では512万円、40～45歳で547万円、50～54歳で632万円と、年齢とともに着実に年収が上昇する傾向が見られます。

30代～50代までの年収増加は約149万円以上となっており、長期的なキャリア形成を重視する企業の特徴が表れています。特に技術職では専門性の向上とともに年収アップが期待でき、製造業特有の技能習得による昇給制度も整備されています。

リョービの福利厚生

リョービの福利厚生制度は、従業員の長期的な働きやすさを重視した内容となっています。公式ホームページおよび有価証券報告書に基づく主な制度をご紹介します。

制度・手当	内容
住宅手当	公式データとしては非開示
交通費	実費支給（上限額は非公開）
退職金制度	確定給付企業年金制度あり
有給取得率	公式データとしては非開示
育児休業制度	男女とも取得可能（復職率100%）
健康保険	リョービ健康保険組合

特筆すべき点として、育児休業復職率が100%という実績があり、ワークライフバランスを重視する企業姿勢が伺えます。また、2019年度の育休取得者数は合計6人（うち男性1人）と、男性の育児参加も支援されています。

その他の福利厚生として、創業以来の安定した経営基盤を背景とした退職金制度、従業員の健康管理を重視した健康診断制度、社員食堂の完備などがあります。広島県という地域特性を活かした福利厚生制度も整備されており、地域密着型企業としての特色が表れています。研修制度については、技術職向けの専門研修や管理職向けのマネジメント研修なども充実しており、従業員のスキルアップを支援する体制が整っています。

リョービの転職難易度は？

リョービへの転職難易度は、職種や経験によって異なりますが、技術系職種では比較的高い専門性が求められる傾向にあります。2021年の中途採用者数は10人と限定的であり、採用枠は決して多くないのが現状です。

項目	内容
中途採用実績	年間10人程度（2021年実績）
求める人材像	ダイカスト技術、自動車業界経験者優遇
応募条件	大卒以上、関連業界での実務経験
選考プロセス	書類選考→複数回面接→適性検査

求められる人材像

リョービが求める人材像として、まず技術系職種では自動車業界やダイカスト技術に関する実務経験が重視されます。特に金型設計、鋳造技術、品質管理の経験を持つ人材は高く評価される傾向にあります。事務系職種では、製造業での営業経験や海外事業に関わった経験が評価されるポイントとなります。

企業文化として、世界トップクラスのダイカストメーカとして海外展開を積極的に行っているため、グローバルな視点を持ち、長期的な視野で物事を考えられる人材が求められています。また、安定した企業風土のもと、着実に業務を遂行できる実直な人柄も重視されます。

転職成功のポイント

リョービへの転職を成功させるためには、まず自動車業界やダイカスト技術に関する専門知識を身につけることが重要です。技術系職種を目指す場合は、金型設計や鋳造技術の実務経験を積み、品質管理に関する資格取得も有効でしょう。

面接では、リョービの企業理念である「技術と信頼と挑戦で、健全で活力にみちた企業を築く」への理解と共感を示すことが大切です。また、長期的なキャリア形成への意欲と、安定した企業環境で着実に成長していきたいという意思を伝えることも重要なポイントとなります。海外事業展開に興味がある場合は、語学力や異文化理解力をアピールすることも効果的です。

まとめ

リョービの平均年収は585万円と、全国平均をやや下回る水準ですが、安定した経営基盤と充実した福利厚生制度を持つ企業として評価できます。特に技術系職種では、世界トップクラスのダイカスト技術を学べる環境があり、長期的なキャリア形成には適した企業と言えるでしょう。

転職を検討される際は、単純な年収比較だけでなく、企業の安定性、技術力の向上機会、ワークライフバランスなどを総合的に判断することが重要です。リョービは創業から80年以上の歴史を持つ老舗企業として、着実な成長と安定した雇用を提供している点が大きな魅力です。特に製造業での長期的なキャリアを考えている方や、グローバルな事業展開に関わりたい方には適した転職先と言えるでしょう。