株式会社山陰合同銀行（以下、山陰合同銀行）は島根県松江市に本店を置く地方銀行として、山陰地方を代表する金融機関の一つです。地域密着型の経営で島根県・鳥取県を中心に幅広い金融サービスを展開し、地域経済の発展に貢献しています。転職を検討している方にとって、年収水準は重要な判断材料となるでしょう。この記事では、山陰合同銀行の最新の平均年収データをもとに、年度別推移、同業他社との比較、役職別・年齢別の詳細な年収情報を詳しく解説します。

山陰合同銀行の会社概要

山陰合同銀行は1941年に設立された地方銀行で、島根県と鳥取県を基盤として両県の指定金融機関を務めています。山陰地区では53%の貸出金シェアを占める地域のリーディングバンクとして、地域経済の中核的役割を担っています。近年は山陰地区の人口減少や高齢化に対応するため、兵庫県や大阪府、岡山県、広島県など県外エリアへの事業展開も積極的に進めており、広域な店舗ネットワークを構築しています。

山陰合同銀行の基本情報

項目	詳細
会社名	株式会社山陰合同銀行
本社所在地	島根県松江市魚町10番地
設立年	1941年7月1日
業種	銀行業
事業内容	預金業務、貸出業務、有価証券投資業務、内外為替業務等
上場市場	東証プライム

山陰合同銀行は銀行業を中核事業として、預金業務、貸出業務、有価証券投資業務、内外為替業務を展開しています。子会社・関連会社として、ごうぎん証券、山陰総合リース、ごうぎん保証などを擁し、総合金融サービスグループとしての機能を強化しています。資本金は207億円、従業員数は1,771名（2025年3月現在）を擁する地方銀行として、東証プライム市場に上場しており、格付投資情報センターからA+、日本格付研究所からAA-の格付けを取得しています。

山陰合同銀行の平均年収はどのぐらい？

山陰合同銀行の2024年3月期における平均年収は699万円です。この数値は有価証券報告書に基づく公式データで、全国の給与所得者の平均年収460万円（国税庁調べ）と比較すると、大幅に上回る水準となっています。地方銀行としては標準的な年収水準といえ、地域内では高い給与水準を維持している企業として評価されています。

年度別の平均年収推移

年度	平均年収	平均年齢	従業員数
2024年3月期	699万円	40.5歳	1,858人
2023年3月期	670万円	40.1歳	1,854人
2022年3月期	647万円	39.8歳	1,872人
2021年3月期	641万円	39.5歳	1,889人
2020年3月期	655万円	39.2歳	1,901人
2019年3月期	663万円	38.9歳	1,915人

出典：株式会社山陰合同銀行 有価証券報告書（各年3月期）

過去6年間の推移を見ると、山陰合同銀行の平均年収は641万円から699万円の範囲で推移しており、2024年3月期には過去最高水準の699万円を記録しました。2021年3月期の641万円を底として上昇傾向が続いており、直近では前年比29万円の大幅な増加となっています。この背景には基本給の改定や賞与水準の改善などの人事制度改革があると考えられます。

他企業との比較データ

企業名	平均年収	業界内順位
山陰合同銀行	699万円	36位/68社
地方銀行業界平均	772万円	–
東証プライム平均	742万円	–
島根県内上場企業平均	521万円	1位/4社

同業他社との比較では、山陰合同銀行の平均年収699万円は地方銀行業界の平均772万円を73万円下回る水準となっています。地方銀行68社中36位という順位は業界内では中位に位置しています。一方で、本社所在地である島根県内の上場企業では4社中1位の高い年収水準を維持しており、地域内での競争力の高さが伺えます。東証プライム市場全体の平均742万円と比較すると43万円低い水準ですが、地域の経済規模を考慮すると妥当な水準といえるでしょう。

山陰合同銀行の役職別年収データ

山陰合同銀行では明確な役職別年収データは公式には開示されていませんが、業界標準や口コミ情報をもとに推定値をご紹介いたします。

役職	推定年収（万円）
係長・主任クラス	550～650
課長クラス	700～900
部長クラス	900～1,200

山陰合同銀行の昇進体系は基本的に年功序列制度を採用しており、一定の年次で昇格していく仕組みとなっています。係長・主任クラスには入行7～10年目頃に昇格し、年収550万円～650万円程度が見込まれます。課長クラスには15年目前後で昇格し、年収700万円～900万円程度となります。部長クラスでは年収900万円～1,200万円程度が期待できますが、昇格には相応の業績と経験が求められます。なお、これらの数値は推定値であり、実際の年収は個人の評価や勤務地、担当業務によって変動することにご注意ください。

山陰合同銀行の年齢別年収推移

年齢別の年収推移についても、公式データとしては非開示となっているため、有価証券報告書のデータと賃金構造基本統計調査をもとにした推定値をご紹介いたします。

年代	推定年収範囲（万円）
20代	350～500
30代	500～700
40代	650～850
50代以上	750～950

山陰合同銀行では新卒入社時の初任給が270万円（4大卒・転居を伴う転勤ありの場合）からスタートし、20代前半では350万円～400万円程度の年収となります。30代に入ると昇進に伴い年収が大幅に上昇し、30代後半では600万円～700万円程度に達します。40代では管理職への昇進により年収がさらに向上し、650万円～850万円程度が見込まれます。50代以上では経験と責任に応じて750万円～950万円程度の年収が期待できます。ただし、これらは推定値であり、個人の能力や担当業務、勤務地による差があることをご理解ください。

山陴合同銀行の福利厚生

山陰合同銀行は地方銀行として充実した福利厚生制度を整備しており、従業員の働きやすい環境づくりに注力しています。特に住宅関連の支援や休暇制度の充実度が高く評価されています。

住宅関連制度

転居を伴う転勤がある総合職に対しては社宅・寮制度が完備されており、家賃の8割補助制度があります。独身者向けと家族向けの寮が整備されており、地域によって新築から老朽化した建物まで差はありますが、市場価格より大幅に安い負担で利用できます。また、赴任手当として月額1万円～7.5万円が支給され、勤務地や赴任形態に応じて金額が設定されています。

休暇・労働時間制度

有給休暇の取得率が高く、年1回の連続5日間休暇の取得が義務付けられています。土日祝日完全週休2日制で、カレンダー通りの休みが確保されています。育児休業・産前産後休暇制度も整備されており、女性の働きやすい環境づくりに配慮されています。平均残業時間は月8.7時間と非常に少なく、ワークライフバランスの実現に向けた取り組みが評価されています。

その他の制度

財形貯蓄制度、確定拠出年金制度、社員持株会制度が整備されています。資格取得支援制度では、銀行業務に必要な資格の取得費用補助や合格祝い金制度があります。福利厚生倶楽部への加入により、全国の宿泊施設やレジャー施設を優待価格で利用できます。退職金制度も完備されており、長期勤続者への配慮がなされています。通勤手当は全額支給され、交通費負担の心配がありません。

山陰合同銀行の転職難易度は？

山陰合同銀行は地方銀行として安定した経営基盤を持つ企業であり、転職市場においても一定の人気があります。中途採用については経験者採用と未経験者採用の両方を実施していますが、採用条件や求められるスキルレベルによって難易度が異なります。

求められる人材像

山陰合同銀行では「地域の夢、お客様の夢をかなえる」という経営理念のもと、地域に密着したサービスを提供できる人材を求めています。金融業界での経験がある場合は即戦力として期待され、特に法人営業、個人営業、融資業務の経験者は歓迎されます。未経験者の場合は原則29歳までという年齢制限があり、ポテンシャル重視の採用となります。コミュニケーション能力、行動力、主体性が重視される傾向にあります。

転職成功のポイント

転職成功のためには、まず山陰合同銀行の地域密着型経営への理解を深めることが重要です。地域経済への貢献意欲や長期的なキャリア形成への意識を明確に示すことが求められます。金融業界経験者は具体的な業務実績や顧客との関係構築経験をアピールしましょう。未経験者の場合は、なぜ銀行業界を志望するのか、どのように地域に貢献したいかを具体的に説明することが大切です。転居を伴う転勤への対応可能性も重要な選考要素となるため、事前に家族との相談を済ませておくことをお勧めします。

まとめ

山陰合同銀行の平均年収699万円は、地方銀行として適正な水準であり、特に地域内では高い競争力を持つ年収水準といえます。年功序列を基本とした安定した昇進体系により、長期的なキャリア形成が可能な環境が整っています。充実した福利厚生制度、特に住宅補助制度や休暇制度は働きやすさの向上に大きく貢献しています。

転職を検討される方にとって、山陰合同銀行は地域経済に貢献しながら安定したキャリアを築ける魅力的な選択肢の一つです。ただし、地方銀行特有の転勤の可能性や、地域密着型の営業スタイルへの適応が求められることも理解しておく必要があります。金融業界での経験を活かしたい方、地域に根ざした仕事に従事したい方にとっては、充実した職業人生を送れる環境が用意されているといえるでしょう。