三協立山株式会社（以下、三協立山）は、富山県高岡市に本社を置く総合建材メーカーで、住宅用サッシやアルミ建材において国内トップクラスのシェアを誇る企業です。2003年に三協アルミニウム工業と立山アルミニウム工業が統合して誕生し、建材事業、マテリアル事業、商業施設事業を幅広く展開しています。転職を検討されている方や就職活動中の大学生にとって、三協立山の年収水準は重要な判断材料となるでしょう。本記事では、三協立山の最新年収データから役職別・年齢別推移、福利厚生、転職難易度まで詳しく解説いたします。

三協立山の会社概要

三協立山は2003年12月に三協アルミニウム工業と立山アルミニウム工業の統合により誕生した歴史ある建材メーカーです。アルミ製住宅建材やビル用建材を中心に事業を展開し、特に住宅用サッシにおいては国内トップクラスのシェアを持っています。2012年12月には三協・立山ホールディングスを合併し、現在の事業体制を確立しました。同社の強みは、自社で数多くの生産拠点を持ち、富山県に生産機能を集約することで効率的な事業運営を実現している点です。

三協立山の基本情報

項目	詳細
会社名	三協立山株式会社
本社所在地	富山県高岡市早川70番地
設立年	2003年12月（2012年12月に持株会社を合併）
業種	金属製品
事業内容	建材事業、マテリアル事業、商業施設事業
上場市場	東京証券取引所プライム市場

三協立山の事業は3つのカンパニーで構成されています。建材事業では住宅用サッシ、玄関ドア、エクステリア製品からビル用建材まで幅広い製品を展開し、マテリアル事業ではアルミ形材の押出から各種加工製品を手がけています。商業施設事業では店舗什器や公共施設向けの設備を提供しています。従業員数は単体で約4,800名、連結で約10,300名の規模を持ち、金属製品業界では業界第4位の規模を誇る大手企業です。また、サッシ関連技術において特許総合力で業界第3位（YKK AP、LIXILに次ぐ）の技術力を有しており、断熱性や防犯性能に優れた製品開発に注力しています。

三協立山の平均年収はどのぐらい？

年度別の平均年収推移

年度	平均年収	平均年齢	従業員数
2024年5月	540万円	46.1歳	4,822人
2023年5月	529万円	45.9歳	5,138人
2022年5月	553万円	45.6歳	5,203人
2021年5月	527万円	45.3歳	5,208人
2020年5月	542万円	45.0歳	5,270人
2019年5月	565万円	44.7歳	5,312人

出典：三協立山株式会社 有価証券報告書（2024年5月期）

三協立山の2024年5月期における平均年収は540万円となっており、前年度の529万円から11万円の増加を示しています。過去5年間の推移を見ると、530万円～565万円の範囲で推移しており、比較的安定した水準を維持しています。平均年齢は46.1歳と業界内では高めで、平均勤続年数は22.5年と長期安定雇用の特徴を持つ企業です。従業員数は約4,800人規模で、業界内では大手に位置づけられる企業規模となっています。

他企業との比較データ

企業名	平均年収	平均年齢	業界内順位
LIXIL	725万円	44.8歳	上位
YKK AP	682万円	42.1歳	上位
三協立山	540万円	46.1歳	中位
文化シヤッター	580万円	43.2歳
東洋シヤッター	525万円	42.5歳

建材・住宅設備業界における三協立山の平均年収540万円は、業界内では中位の水準に位置しています。業界トップのLIXILの725万円、第2位のYKK APの682万円と比較すると150万円程度の差がありますが、全国平均年収458万円を大きく上回る水準を維持しています。東証プライム上場企業の建設・資材業界平均786万円と比較すると246万円低く、業界内では123位（全128社中）となっています。ただし、平均年齢が46.1歳と高いことを考慮すると、長期安定雇用による着実な昇給システムが機能していることがわかります。

三協立山の役職別年収データ

役職	推定年収範囲（万円）
係長・主任クラス	620～700
課長クラス	750～850
部長クラス	900～1,050

三協立山では年功序列制度が基本となっており、長期勤続により段階的に昇進する仕組みが採用されています。総合職の平均年収は626万円、管理職級の平均年収は832万円前後となっています。係長・主任クラスでは620万円～700万円、課長クラスに昇進すると750万円～850万円、部長クラスでは900万円～1,050万円の年収が期待できます。賞与は年2回、基本給の2.5ヶ月程度が支給され、昇給は毎年実施されています。各種手当として定額残業手当、資格手当、家族手当、通勤手当（上限5万円）なども充実しており、安定した待遇が提供されています。

三協立山の年齢別年収推移

年代	推定年収範囲（万円）
20代	350～450
30代	480～580
40代	550～650
50代以上	600～750

三協立山の年齢別年収推移は、20代で350万円～450万円からスタートし、30代で480万円～580万円、40代で550万円～650万円、50代以上で600万円～750万円となっています。初任給は学歴と勤務地により20万円～21万円程度に設定されています。同社の特徴として55歳時年収553万円が最高となる傾向があり、多くの企業と同様に50代前半で年収のピークを迎えます。平均勤続年数22.5年という長期安定雇用により、着実に年収が上昇していく仕組みが整っており、生涯年収は約1.7億円と推定されています。

三協立山の福利厚生

制度・手当	内容
住宅手当	家賃手当あり（地域により異なる）
交通費	通勤手当（上限5万円）
家族手当	配偶者・子女に対する扶養手当
退職金制度	企業年金制度あり
有給取得	年平均10.7日（業界平均11.7日）
残業時間	月平均13.0時間（業界平均16.7時間）

三協立山の福利厚生は上場企業として標準的な内容が整備されています。住宅関連では家賃手当がしっかりと支給され、特に福利厚生面では上場企業のため割と手厚いという評価があります。勤務環境については、平均残業時間が月13.0時間と業界平均の16.7時間を下回っており、比較的残業時間が短い職場環境となっています。ただし、有給休暇の平均取得日数は年10.7日と業界平均の11.7日をやや下回っており、有給取得についてはやや取りにくい環境にあることがうかがえます。資格手当や定額残業手当なども整備されており、安定した労働環境が提供されています。

三協立山の転職難易度は？

項目	内容
中途採用実績	年間約45名程度
求める人材像	技術系：機械・電気・材料系、事務系：営業・企画・管理業務
応募条件	大卒以上、関連業務経験3年以上（職種により異なる）
選考プロセス	書類選考→面接（複数回）

求められる人材像

三協立山が求める人材は、同社の企業理念である「商品・サービスをはじめ、様々な企業活動を通じて、人々が暮らす快適な空間と満足される生活づくりに貢献していく」ことに共感し、実現に向けて取り組める人材です。技術系では機械、電気、材料系の専門知識を持ち、アルミ建材の開発・製造に携わることができる人材を重視しています。事務系では営業、企画、管理業務の経験があり、建材業界での販売戦略や事業企画に貢献できる人材が求められます。同社は3つのカンパニー制を採用しているため、一つの分野がこけても他でカバーできる安定性を理解し、多角的な事業展開に対応できる柔軟性も重要な要素となります。

転職成功のポイント

三協立山への転職を成功させるためには、まず建材業界、特にアルミサッシや住宅建材分野への深い理解が重要です。同社は住宅用サッシで国内トップクラスのシェアを持つため、住宅業界の動向や建材に関する技術的知識があることが評価されます。面接では、建設業界での経験や建材メーカーでの営業・技術経験をアピールすることが効果的です。また、同社は富山県に生産拠点を集約しているため、地方での勤務に対する柔軟性や適応力も重要な要素となります。技術系志望者はアルミニウム合金や表面処理の研究経験、CAD/CAMシステムの操作経験などがあると有利です。営業職志望者は建材の代理店営業や住宅メーカーとの取引経験があると評価が高くなります。

まとめ

三協立山の平均年収540万円は、建材業界では中位の水準にあり、全国平均を上回る安定した年収といえます。住宅用サッシで国内トップクラスのシェアを持つ老舗建材メーカーとして、長期安定雇用と着実な昇給システムが特徴的です。年功序列制度により22.5年という長期勤続が可能で、福利厚生も上場企業として標準的な内容が整備されています。転職を検討される方は、建材業界の知識と同社の3つのカンパニー制による事業の多角化を理解し、自身の経験がどのように貢献できるかを明確にすることが成功の鍵となります。安定性と堅実な成長を重視する方にとって、三協立山は魅力的な転職先といえるでしょう。