携帯電話販売代理店業界で国内最大手の地位を築く株式会社ティーガイア(以下、ティーガイア)について、最新の年収データを詳しく解説します。住友商事グループの中核企業として、約2,000店舗の携帯電話ショップを運営し、決済サービス事業や法人向けソリューション事業も手がける同社の給与水準や福利厚生、転職難易度について、有価証券報告書をもとにした公式データを中心にお伝えします。転職を検討されている方の参考になれば幸いです。
ティーガイアの会社概要
ティーガイアは2008年に三井物産子会社のテレパークと、住友商事・三菱商事の合弁会社であるエム・エス・コミュニケーションズが対等合併して誕生した、携帯電話販売代理店業界の最大手企業です。社名は英語の「Tomorrow」とガイア理論から名付けられ、新たな未来を切り拓く企業姿勢を表しています。現在は住友商事グループの一員として、国内約1,700店舗の販売チャネルを通じて携帯電話やタブレット端末の販売を手がけ、市場シェアNo.1の地位を確立しています。
ティーガイアの基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 株式会社ティーガイア |
本社所在地 | 東京都渋谷区恵比寿4-1-18恵比寿ネオナート |
設立年 | 2008年(合併による発足、前身企業は1992年設立) |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | 携帯電話等販売代理店業務、決済サービス事業、法人向けソリューション事業 |
上場市場 | 2025年3月3日に上場廃止(旧東京証券取引所プライム市場) |
ティーガイアの事業は大きく3つの分野に分かれています。主力事業である携帯電話等販売事業では、NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクなど主要通信事業者のパートナーとして、全国に展開する直営ショップや二次代理店、家電量販店などを通じてスマートフォンやタブレット端末を販売しています。決済サービス事業では、子会社のクオカードが手がける「QUOカード」をはじめとするプリペイドカード関連事業を展開し、全国のコンビニエンスストアなど約58,900店舗での販売網を構築しています。さらに法人事業では、企業のデジタル化やテレワーク対応を支援するため、スマートデバイスの調達から運用管理まで一貫したLCM(Life Cycle Management)サービスを提供し、ICT化推進を総合的にサポートしています。
ティーガイアの平均年収はどのぐらい?
年度別の平均年収推移
ティーガイアの平均年収は、有価証券報告書によると2024年3月期で509万円となっています。同社の年収水準は過去数年間で安定して推移しており、直近では上昇傾向にあります。
年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2024年3月期 | 509万円 | 39.3歳 | 11.7年 | 4,178人 |
2023年3月期 | 497万円 | 39.1歳 | 11.3年 | 4,296人 |
2022年3月期 | 500万円 | 38.8歳 | 10.8年 | 4,525人 |
2021年3月期 | 478万円 | 38.5歳 | 10.3年 | 4,512人 |
2020年3月期 | 478万円 | 38.2歳 | 9.9年 | 4,379人 |
2019年3月期 | 470万円 | 37.9歳 | 9.5年 | 4,290人 |
出典:株式会社ティーガイア 有価証券報告書(2024年6月期、2023年6月期、2022年6月期、2021年6月期、2020年6月期、2019年6月期)
2024年3月期の平均年収509万円は、前年度比で12万円の増加となり、2019年からの5年間で約39万円上昇しています。平均年齢は39.3歳、平均勤続年数は11.7年と、業界の中では比較的安定した雇用環境を維持していることがうかがえます。
他企業との比較データ
ティーガイアの平均年収を同業他社および関連業界と比較すると、以下のような位置づけとなります。
企業名・指標 | 平均年収 | 業界・分類 |
---|---|---|
ティーガイア | 509万円 | 携帯電話販売代理店(最大手) |
コネクシオ | 約480万円 | 携帯電話販売代理店(2位) |
東証プライム平均 | 742万円 | 全上場企業平均 |
情報通信・サービス業界平均 | 719万円 | 業界平均 |
全国平均年収 | 460万円 | 民間給与実態統計調査(国税庁) |
ティーガイアの平均年収509万円は、全国平均年収460万円を約50万円上回っており、一般的な給与水準を上回っています。しかし、東証プライム上場企業の平均年収742万円と比較すると約230万円低く、情報通信・サービス業界平均719万円からも約210万円下回っています。これは携帯電話販売代理店業界の特性として、店舗での販売職が多くを占めることが影響していると考えられます。同業他社のコネクシオと比較すると、業界最大手としての地位を反映して約30万円程度高い水準を維持しています。
ティーガイアの役職別年収データ
ティーガイアの役職別年収については、企業の公式データとしては詳細が非開示となっています。しかし、有価証券報告書や業界標準データをもとに推定される役職別年収の概要をお伝えします。
役職 | 推定年収(万円) |
---|---|
係長・主任クラス | 公式データとしては非開示 |
課長クラス | 公式データとしては非開示 |
部長クラス | 公式データとしては非開示 |
一般的な情報通信業界の傾向として、係長・主任クラスでは年収500万円~650万円程度、課長クラスでは650万円~850万円程度、部長クラスでは800万円~1,000万円程度の水準になることが多いとされています。ただし、ティーガイアの場合は携帯電話販売代理店業界の特性上、これらの一般的な水準よりもやや控えめな水準となる可能性があります。また、同社では職群と呼ばれる給与テーブルにより基本給が決定される制度が採用されており、役職や資格取得によって段階的に昇給する仕組みが整備されています。
ティーガイアの年齢別年収推移
ティーガイアの年齢別年収についても、企業からの公式な詳細データは非開示となっています。有価証券報告書に記載されている平均年収509万円、平均年齢39.3歳をもとに、一般的な年収カーブを参考にした推定をお伝えします。
年代 | 推定年収範囲(万円) |
---|---|
20代 | 公式データとしては非開示 |
30代 | 公式データとしては非開示 |
40代 | 公式データとしては非開示 |
50代以上 | 公式データとしては非開示 |
一般的な情報通信業界の年収カーブを参考にすると、20代では年収300万円~450万円程度からスタートし、30代で400万円~600万円程度、40代で500万円~700万円程度、50代で600万円~800万円程度の推移が想定されます。ただし、ティーガイアの場合は販売職が多くを占める業界特性から、この一般的な推移よりもやや控えめな水準となる可能性があります。社員の口コミ情報によると、基本給は比較的低めに設定されており、資格取得や残業代によって年収を増やす構造になっているとの声が多く見られます。新卒の初任給は大卒で20万6,400円(首都圏)となっており、業界平均と比較してもやや低めの水準からのスタートとなります。
ティーガイアの福利厚生
ティーガイアの福利厚生制度は、住友商事グループの一員として基本的な制度は整備されていますが、一部の制度については他の大手企業と比較して限定的な部分もあります。以下に主要な福利厚生制度をカテゴリ別にまとめました。
制度・手当 | 内容 |
---|---|
住宅手当 | 通常の住宅手当は支給されていない。転勤を伴う異動時のみ住宅補助あり |
交通費 | 全額支給 |
退職金制度 | 退職金制度なし。代わりに加給として毎月の給与に含まれる |
有給取得率 | 年5日間の有給消化は必須。リフレッシュ休暇制度(年1回5日間)あり |
その他福利厚生 | 社員旅行積立制度、フィットネスクラブ割引、ウェルボックス利用可能 |
ティーガイアの福利厚生の特徴として、一般的な住宅手当は支給されておらず、転勤を伴う異動の場合のみ住宅補助が支給される点が挙げられます。また、退職金制度は設けられておらず、その分を加給として毎月の給与に含める形を取っています。一方で、有給取得については年間5日間の取得が義務付けられており、リフレッシュ休暇制度として年1回5日間の連続休暇を取得することができます。その他、社員旅行のための積立制度やフィットネスクラブの割引利用、ウェルボックスによる各種施設の優待サービスなどが用意されています。フレックス勤務制度も導入されており、職種や配属先によっては柔軟な働き方が可能となっています。産休・育休制度も充実しており、女性社員の職場復帰をサポートする体制が整備されています。
ティーガイアの転職難易度は?
ティーガイアの転職難易度は標準的なレベルとされています。携帯電話販売代理店業界最大手という安定した地位にある一方で、学歴フィルターは比較的厳しくなく、中堅大学や地方大学出身者の採用実績も多数あります。
求められる人材像
ティーガイアが求める人材像は、企業理念である「感動・喜び・安心を提供する」ことを実践できる人材です。具体的には、お客様とのコミュニケーションを大切にし、相手の立場に立って考えることができる人材が重視されています。また、急速に変化するIT・通信業界において、新しい技術やサービスに対する好奇心や学習意欲を持つ人材も求められています。チームワークを重視する社風から、協調性やコミュニケーション能力も重要な要素となります。
項目 | 内容 |
---|---|
中途採用実績 | 積極的に中途採用を実施。多様な職種で募集 |
求める人材像 | コミュニケーション能力、学習意欲、協調性を重視 |
応募条件 | 職種により異なるが、学歴フィルターは比較的緩やか |
選考プロセス | 書類選考→複数回の面接→最終面接(職種により異なる) |
転職成功のポイント
ティーガイアへの転職を成功させるためには、まず同社の事業内容と企業理念をしっかりと理解することが重要です。携帯電話販売だけでなく、決済サービス事業や法人向けソリューション事業なども展開している総合的なIT・通信企業であることを認識し、応募する職種に関連する業界知識を身につけておくことが求められます。面接では、お客様へのサービス提供に対する意欲や、チームで働くことへの適性をアピールすることが効果的です。また、IT・通信業界の急速な変化に対応できる柔軟性や学習意欲を具体的なエピソードを交えて伝えることも重要なポイントとなります。職種によっては販売経験や接客経験が評価される場合もあるため、関連する経験がある場合は積極的にアピールしましょう。
まとめ
ティーガイアの平均年収は509万円で、全国平均を上回る水準ながら、業界平均と比較するとやや控えめな水準となっています。携帯電話販売代理店業界最大手としての安定した地位を築いており、住友商事グループの一員として堅実な経営基盤を持つ企業です。福利厚生については基本的な制度は整備されているものの、住宅手当や退職金制度については他の大手企業と異なる仕組みを採用しています。
転職を検討される方にとって、ティーガイアは比較的転職しやすい企業といえます。学歴フィルターが厳しくなく、多様な人材を受け入れる土壌があることから、しっかりとした準備と対策を行えば内定獲得の可能性は十分にあります。特に、お客様とのコミュニケーションを重視する同社の企業文化に共感し、IT・通信業界での成長意欲を持つ方には適した職場環境といえるでしょう。ただし、年収面では業界平均を下回る水準であることを理解し、資格取得や職務経験の積み重ねによるキャリアアップを通じて収入向上を図る必要があります。