東亜建設工業株式会社(以下、東亜建設工業)は、創業100年以上の歴史を持つ海洋土木のリーディングカンパニーです。レインボーブリッジや関西国際空港の建設など、日本の主要インフラ整備を担ってきた中堅ゼネコンとして高い技術力を誇ります。本記事では、転職や就職を検討されている方に向けて、東亜建設工業の最新年収データを役職別・年齢別に詳しく解説し、福利厚生や転職難易度についても包括的にご紹介します。
東亜建設工業の会社概要
東亜建設工業は1908年に創業され、海洋土木工事を主力事業とする総合建設会社です。港湾・空港・橋梁などの海洋インフラ整備で国内トップクラスの実績を持ち、特に海上土木技術では業界随一の技術力を誇ります。近年は建築事業にも事業領域を拡大し、物流施設や公共建築物の建設も手がけています。東証プライム市場に上場し、従業員数約1,800名の中堅ゼネコンとして安定した経営基盤を築いています。
東亜建設工業の基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 東亜建設工業株式会社 |
本社所在地 | 東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワー31階 |
設立年 | 1920年1月23日 |
創業 | 1908年(明治41年) |
業種 | 建設業 |
事業内容 | 海洋土木、陸上土木、建築工事、浚渫・埋立 |
上場市場 | 東証プライム、札証 |
従業員数 | 1,772名(単体)、1,810名(連結) |
資本金 | 189億7,665万円 |
東亜建設工業は海洋土木事業を中核とし、港湾施設の建設・維持管理、空港の埋立工事、浚渫工事などを主力としています。代表的な施工実績には、レインボーブリッジ、関西国際空港、中部国際空港、新潟みなとトンネルなどがあり、日本の海洋インフラ整備において重要な役割を担っています。建築事業では物流センター、冷蔵倉庫、公共建築物などの建設も手がけ、事業領域の多角化を進めています。また、海外事業にも積極的に取り組み、東南アジアを中心とした港湾工事でも実績を積んでいます。
東亜建設工業の平均年収はどのぐらい
東亜建設工業の2024年3月期における平均年収は913万円となっており、前年度から4.1%上昇しています。この水準は建設業界全体の平均年収544万円を大幅に上回り、中堅ゼネコンの中でも高水準に位置しています。平均年齢は46.4歳、平均勤続年数は19.9年となっており、安定した雇用環境と長期的なキャリア形成が可能な企業であることがわかります。
年度別の平均年収推移
年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
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2024年3月期 | 913万円 | 46.4歳 | 19.9年 | 1,525名 |
2023年3月期 | 900万円 | 45.0歳 | 18.8年 | 1,486名 |
2022年3月期 | 893万円 | 44.7歳 | 18.5年 | 1,463名 |
2021年3月期 | 881万円 | 44.2歳 | 18.2年 | 1,441名 |
2020年3月期 | 875万円 | 43.8歳 | 17.9年 | 1,428名 |
2019年3月期 | 868万円 | 43.5歳 | 17.6年 | 1,415名 |
出典:東亜建設工業株式会社 有価証券報告書(各年3月期)
過去6年間の推移を見ると、東亜建設工業の平均年収は一貫して上昇傾向にあります。2019年から2024年にかけて45万円(約5.2%)の増加となっており、建設業界の好調さと同社の安定した業績が反映されています。従業員数も着実に増加しており、事業拡大に伴う人員増強が進んでいることがわかります。
他企業との比較データ
企業名 | 分類 | 平均年収 | 特徴 |
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東亜建設工業 | 中堅ゼネコン | 913万円 | 海洋土木特化 |
五洋建設 | 準大手ゼネコン | 932万円 | 海洋土木大手 |
東洋建設 | 中堅ゼネコン | 820万円 | マリコン大手 |
鉄建建設 | 中堅ゼネコン | 834万円 | 鉄道特化 |
奥村組 | 中堅ゼネコン | 980万円 | 関西大手 |
東亜建設工業の平均年収913万円は、東証プライム上場企業の平均年収742万円、建設・資材業界の平均年収786万円をいずれも大幅に上回っています。同じ海洋土木を得意とする五洋建設(932万円)とは約19万円の差がありますが、中堅ゼネコンの中では高水準を維持しています。建設・資材業界内でのランキングは23位(全128社中)と上位に位置しており、業界内での競争力の高さがうかがえます。
東亜建設工業の役職別年収データ
東亜建設工業の役職別年収について、口コミサイトや業界データを基に推定年収をご紹介します。同社では技術職を中心とした人事制度が構築されており、専門性と管理能力の両面で評価される仕組みとなっています。
役職 | 推定年収範囲 | 年齢目安 |
---|---|---|
主任・係長クラス | 650万円~800万円 | 28歳~35歳 |
課長クラス | 900万円~1,100万円 | 35歳~45歳 |
部長クラス | 1,100万円~1,400万円 | 45歳~55歳 |
執行役員クラス | 1,400万円~2,000万円 | 50歳~ |
東亜建設工業では、総合職の平均年収は1,044万円、管理職級の平均年収は1,388万円前後となっています。課長クラスになると年収1,000万円の大台に乗ることが多く、部長クラスでは1,100万円以上が期待できます。昇進は実力主義の側面もありますが、年功序列的な要素も残っており、長期勤続によるキャリアアップが基本的なパスとなっています。建設業界の特性上、現場経験と管理能力の両方が重視され、施工管理技士などの資格取得も昇進の重要な要素となります。
東亜建設工業の年齢別年収推移
東亜建設工業の年齢別年収推移について、有価証券報告書のデータと業界統計を基に分析します。建設業界の特徴として、経験と専門性が重視されるため、年齢とともに年収が上昇する傾向が顕著です。
年代 | 推定年収範囲 | 月収目安 | 賞与目安 |
---|---|---|---|
20代 | 450万円~650万円 | 30万円~43万円 | 90万円~130万円 |
30代 | 650万円~900万円 | 43万円~60万円 | 130万円~180万円 |
40代 | 850万円~1,200万円 | 57万円~80万円 | 170万円~240万円 |
50代以上 | 1,000万円~1,500万円 | 67万円~100万円 | 200万円~300万円 |
東亜建設工業では、20代では月々の平均手取りが36万円前後、最高年収となる50代では59万円前後となります。新卒入社の場合、入社3年目頃から年収600万円台に到達し、30歳前後で主任昇進とともに700万円台、40歳前後の課長昇進で900万円台後半から1,000万円を超えるケースが一般的です。東証プライム上場企業の中では、東亜建設工業が属する建設・資材業界の平均年収は786万円であり、同社の年収水準はこれを大幅に上回っています。
東亜建設工業の福利厚生
東亜建設工業は従業員の働きやすさを重視し、充実した福利厚生制度を整備しています。特に住宅関連の支援制度が手厚く、長期的なキャリア形成をサポートする環境が整っています。
住宅・生活支援
制度・手当 | 内容 |
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住宅手当 | 月額最大28,000円支給 |
社宅・寮制度 | 独身寮:自己負担最大11,000円(水道光熱費込み) 家族社宅:水道光熱費自己負担 |
交通費 | 全額支給 |
家族手当 | 配偶者・子供1人につき月額支給 |
休暇・勤務制度
制度・手当 | 内容 |
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年間休日 | 123日(完全週休2日制) |
有給休暇 | 初年度15日、最大20日 |
特別休暇 | 夏期休暇、年末年始休暇、リフレッシュ休暇 |
勤務時間 | フルフレックスタイム制導入 |
在宅勤務 | 週2日のリモートワーク可能 |
その他の制度
制度・手当 | 内容 |
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退職金制度 | 確定給付企業年金制度 |
賞与 | 年2回(夏季・冬季)、6.4か月分実績 |
資格取得支援 | 技術士、施工管理技士等の資格取得支援・手当 |
健康保険 | 関東ITソフトウェア健康保険組合 |
財形貯蓄 | 一般財形、住宅財形、年金財形 |
東亜建設工業の福利厚生について、口コミでは「独身であれば自己負担最大11,000円で住むことができ、水道光熱費も込み。家族がいる場合でも社宅等に住めて手厚い」との評価があります。また、賞与については6.4か月分の実績があり、基本給以外の収入も充実しています。働き方改革にも積極的で、フルフレックス制度の導入や週2日のリモートワークなど、現代的な働き方にも対応しています。
東亜建設工業の転職難易度は
東亜建設工業への転職は、建設業界の中でも比較的門戸が開かれており、特に技術職については経験者の中途採用を積極的に行っています。ただし、専門性の高い海洋土木分野での経験が重視されるため、関連分野での実務経験や資格が重要になります。
求められる人材像
東亜建設工業が求める人材の特徴について、採用情報や企業理念から以下の要素が重要とされています。
技術職(土木・建築)
・土木工学、建築学系の学位または関連する実務経験
・施工管理技士(1級・2級)、技術士などの資格保有者を優遇
・海洋土木、港湾工事、浚渫工事の経験があると有利
・現場管理経験3年以上が望ましい
・全国転勤への対応可能性
事務系職種
・大卒以上の学歴
・建設業界での営業、経理、人事等の経験
・PCスキル(Excel、Word、PowerPoint)の習熟
・コミュニケーション能力と協調性
・英語力があると海外事業での活躍機会あり
転職成功のポイント
項目 | 内容 |
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中途採用実績 | 年間50名程度(全職種合計) |
応募条件 | 大卒以上、関連業務経験3年以上推奨 |
選考プロセス | 書類選考→一次面接→二次面接→最終面接(3~4段階) |
面接回数 | 3~4回(職種により異なる) |
内定率 | 公式データとしては非開示 |
転職成功のためには、以下のポイントが重要です。第一に、建設業界特有の専門用語や業界事情への理解を深めることが必要です。東亜建設工業の場合、特に海洋土木分野での知識や経験が評価されるため、港湾工事、浚渫工事、海上工事などの経験があることが有利になります。第二に、同社の企業理念である「高い技術と人財という礎によって、社会を支え、人々と世界をつなぐ社会基盤の整備に貢献し、未来を創造する」という価値観への共感を示すことが重要です。第三に、全国転勤への対応可能性や、現場第一の企業文化への適応力をアピールすることが効果的です。東亜建設工業は幅広い大学から採用を行っており、特に中途の場合は経歴が大きく関与してくるため、学歴よりも実務経験と専門性が重視されます。
まとめ
東亜建設工業の平均年収913万円は、建設業界内でも高水準に位置し、中堅ゼネコンの中では特に魅力的な水準です。海洋土木分野でのトップクラスの技術力と安定した経営基盤により、長期的なキャリア形成が可能な環境が整っています。
年収面のメリットとして、20代で600万円台、30代で800万円台、管理職で1,000万円超という明確なキャリアパスがあり、賞与も6.4か月分の実績があります。福利厚生面では、住宅支援制度が特に充実しており、独身寮では自己負担11,000円で利用可能、フルフレックス制度やリモートワークも導入され、現代的な働き方にも対応しています。
転職を検討される方へのアドバイスとして、同社は建設業界経験者、特に海洋土木や港湾工事の経験者を積極的に採用しています。施工管理技士や技術士などの資格があれば更に有利になります。全国転勤への対応可能性と、現場重視の企業文化への適応力が重要な選考ポイントとなります。
創業100年超の歴史と海洋土木分野でのリーディングポジション、そして安定した高年収を実現できる東亜建設工業は、建設業界でのキャリア形成を考える方にとって非常に魅力的な選択肢の一つといえるでしょう。