東建コーポレーション株式会社(以下、東建コーポレーション)は、土地活用を軸とした総合不動産企業として成長を続けています。「ホームメイト」ブランドで全国展開する賃貸仲介事業を中心に、建設事業から不動産賃貸事業まで幅広く手がける東証プライム上場企業です。転職市場でも注目度の高い同社の年収水準について、有価証券報告書などの公式データをもとに詳しく解説していきます。この記事では東建コーポレーションの平均年収の推移から、役職別・年齢別の年収データ、福利厚生、転職難易度まで、転職検討者に役立つ情報を包括的にお伝えします。
東建コーポレーションの会社概要
東建コーポレーションは、愛知県名古屋市に本社を置く総合不動産企業です。1974年の創業以来、土地活用のパイオニアとして賃貸マンション・アパートの建設から仲介、管理、経営代行まで一貫したサービスを提供しています。東証プライム・名証プレミアに上場する優良企業として、全国展開を進める「ホームメイト」ブランドで広く知られています。2024年4月期の連結売上高は3,408億円、従業員数は約5,000名を超える規模を誇り、建設・不動産業界でも存在感を示しています。
東建コーポレーションの基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 東建コーポレーション株式会社 |
本社所在地 | 愛知県名古屋市中区丸の内2丁目1番33号 東建本社丸の内ビル |
設立年 | 1976年7月17日 |
業種 | 建設業・不動産業 |
事業内容 | 土地活用・建設事業・不動産賃貸事業・仲介事業 |
上場市場 | 東証プライム・名証プレミア(証券コード:1766) |
東建コーポレーションの主力事業は、土地所有者向けの一般リース建築事業(ブリッジシステム)と、企業向けリース建築事業(キャッチシステム)です。土地の有効活用を通じて賃貸マンション・アパートの企画・設計・施工から管理・経営代行まで一貫して手がけることで、オーナー様の安定した不動産経営をサポートしています。また、全国約1,000店舗を展開する「ホームメイト」ブランドによる仲介事業では、賃貸物件から売買物件まで幅広く取り扱い、入居者様のニーズに応えています。さらに近年は、高品質自由設計住宅事業やワンイヤーマンション事業、ネット広告事業など多角化を進め、グループ全体での事業展開を強化しています。
東建コーポレーションの平均年収はどのぐらい?
東建コーポレーションの平均年収について、有価証券報告書に基づく公式データを詳しく見ていきましょう。2024年度の平均年収は623万円となっており、建設・不動産業界の中では標準的な水準に位置しています。全国の平均年収443万円(令和3年分民間給与実態統計調査)と比較すると、約180万円高い水準となっており、一般的な企業よりも高い給与水準を維持していることが分かります。
年度別の平均年収推移
年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2024年4月期 | 623万円 | 41.2歳 | 8.6年 | 4,909名 |
2023年4月期 | 590万円 | 41.3歳 | 8.7年 | 4,688名 |
2022年4月期 | 608万円 | 40.8歳 | 8.4年 | 4,512名 |
2021年4月期 | 595万円 | 40.2歳 | 8.1年 | |
2020年4月期 | 582万円 | 39.8歳 | 7.9年 | |
2019年4月期 | 576万円 | 39.5歳 | 7.7年 |
出典:東建コーポレーション株式会社 有価証券報告書(2020年4月期〜2024年4月期)
過去5年間の推移を見ると、東建コーポレーションの平均年収は576万円から623万円の範囲で推移しており、緩やかな上昇傾向を示しています。特に2024年4月期は前年比33万円アップと大幅な増加を記録しており、業績回復と価格転嫁の進展が給与水準の向上に寄与していることが伺えます。平均年齢は40歳前後で安定しており、平均勤続年数も8年台を維持していることから、働きやすい環境が整備されていると考えられます。
他企業との比較データ
企業名 | 平均年収 | 業種 |
---|---|---|
東建コーポレーション | 623万円 | 建設・不動産 |
大東建託 | 598万円 | 建設・不動産 |
レオパレス21 | 480万円 | 建設・不動産 |
穴吹興産 | 605万円 | 建設・不動産 |
業界平均 | 786万円 | 建設・資材業界 |
東証プライム上場企業の建設・資材業界平均年収786万円と比較すると、東建コーポレーションの623万円は業界平均を163万円下回る水準となっています。しかし、同業他社との比較では大東建託の598万円や穴吹興産の605万円を上回っており、賃貸住宅関連企業の中では競争力のある給与水準を維持しています。業界内での順位は128社中111位となっていますが、これは大手ゼネコンやデベロッパーが平均を押し上げている影響もあり、事業規模や安定性を考慮すると適正な水準と言えるでしょう。
東建コーポレーションの役職別年収データ
東建コーポレーションの役職別年収について、公式データは非開示となっていますが、業界水準や企業規模から推定される年収レンジをご紹介します。同社は年功序列と成果主義を組み合わせた評価制度を採用しており、特に営業職においては業績に応じたインセンティブが支給される仕組みとなっています。
役職 | 推定年収(万円) |
---|---|
係長・主任クラス | 公式データとしては非開示 |
課長クラス | 公式データとしては非開示 |
部長クラス | 公式データとしては非開示 |
総合職平均 | 723万円(推定値) |
管理職級平均 | 960万円前後(推定値) |
東建コーポレーションでは、営業職を中心とした総合職の平均年収が723万円程度と推定されており、これは全社平均の623万円を100万円上回る水準です。管理職級では960万円前後の年収が期待でき、大手企業としては標準的な昇進・昇格による年収アップが見込めます。同社の特徴として、基本給は比較的抑制される一方、賞与や各種手当によって年収調整が行われる給与体系となっており、成果を上げる社員ほど高い処遇を受けられる仕組みが整っています。
東建コーポレーションの年齢別年収推移
東建コーポレーションの年齢別年収について、詳細な公式データは開示されていませんが、業界標準と企業規模から推定される年収推移をご紹介します。同社は中途採用を積極的に行っており、年齢に応じた給与体系を採用していることが特徴です。
年代 | 推定年収範囲(万円) |
---|---|
20代 | 公式データとしては非開示 |
30代 | 公式データとしては非開示 |
40代 | 公式データとしては非開示 |
50代以上 | 公式データとしては非開示 |
年齢別の詳細データは非公開となっていますが、採用情報や社員の口コミ情報によると、20代では400万円台から、30代で500万円台前半、40代で600万円台といった年収推移が一般的とされています。同社では中途採用者の割合が高く、年齢に応じた固定給制度を採用しているため、転職時の年齢が給与水準に大きく影響する傾向があります。また、営業職においては基本給に加えてインセンティブが支給されるため、個人の業績によって年収に大きな差が生まれる可能性があります。特に営業成績優秀者は年収1,000万円を超えるケースもあり、実力主義の側面も併せ持っています。
東建コーポレーションの福利厚生
東建コーポレーションの福利厚生は、東証プライム上場企業として標準的な内容を提供していますが、一部制度については特徴的な取り組みも見られます。従業員の働きやすさとワークライフバランスの実現を目指した各種制度が整備されています。
制度・手当 | 内容 |
---|---|
住宅手当 | 転勤・単身赴任時のみ支給(最大25,000円) |
交通費 | 公共交通機関利用時は全額支給、社用車貸与あり |
退職金制度 | 勤続3年以上で支給(基本給ベースのため金額は抑制) |
有給取得率 | 年間休日126日、有給取得推奨 |
保養施設 | 国内外リゾート施設、ゴルフ場等の割引利用 |
慶弔見舞金 | 慶弔時の祝金・香典・見舞金支給 |
住宅関連の福利厚生については、2024年から家賃補助が最大25,000円に増額されましたが、基本的には転勤や単身赴任時にのみ適用される制度となっています。一般的な住宅手当は支給されないため、地元勤務者にとっては物足りない面があります。一方で、社用車の貸与制度があり、営業職の多くは1人1台の社用車が提供されるため、通勤費や営業活動に関する交通費の負担は軽減されています。退職金制度については基本給ベースでの算出となるため、同規模の企業と比較してやや少額になる傾向があります。保養施設については東急ハーベストやダイワロイヤルなどの提携施設を割安で利用できるほか、自社運営のゴルフ場やホテル施設の優待利用も可能です。
東建コーポレーションの転職難易度は?
東建コーポレーションの転職難易度は、職種や経験レベルによって大きく異なります。同社は積極的な中途採用を行っており、特に営業職については未経験者でも応募可能な求人を多数掲載しています。東証プライム上場企業でありながら、比較的門戸が広い採用方針を取っているため、適切な準備をすれば転職成功の可能性は十分にあります。
項目 | 内容 |
---|---|
中途採用実績 | 年間100名程度の積極採用 |
求める人材像 | 意欲重視、人物本位の採用 |
応募条件 | 高卒以上、業界未経験歓迎 |
選考プロセス | 書類選考→面接(複数回) |
求められる人材像
東建コーポレーションでは、学歴や業界経験よりも人物重視の採用を行っています。特に営業職においては、コミュニケーション能力や顧客との信頼関係構築能力、そして成果に向けた継続的な努力ができる人材を求めています。不動産・建設業界の知識は入社後の研修で身につけることができるため、異業種からの転職者も多数活躍しています。また、全国転勤が可能で、地域に根ざした営業活動に従事できる人材が特に歓迎されます。資格については、FP(ファイナンシャルプランナー)や建築士、宅地建物取引士などを持っていると優遇されますが、必須ではありません。
転職成功のポイント
東建コーポレーションへの転職を成功させるためには、同社の事業理念である「土地と建物と人の調和」を理解し、土地活用を通じて社会貢献したいという意欲を明確に伝えることが重要です。面接では、顧客の資産形成や相続対策に貢献したいという志向性や、長期的な信頼関係を築く営業スタイルをアピールすることが効果的です。また、成果主義の環境で挑戦したい気持ちと、チームワークを重視する姿勢の両方を示すことが求められます。転職エージェントを活用することで、非公開求人への応募や面接対策のサポートを受けることができるため、内定獲得率の向上が期待できます。特に不動産業界に特化した転職エージェントの利用がおすすめです。
まとめ
東建コーポレーションの平均年収は623万円で、建設・不動産業界では標準的な水準にあります。同社は土地活用のパイオニアとして安定した事業基盤を持ち、特に営業職においては実力次第で高収入を目指すことが可能です。営業部員の平均年収は819万円と高水準で、業績連動成果給により年収1,000万円以上を実現している社員も多数存在します。
福利厚生については東証プライム上場企業として標準的な内容が整備されており、年間休日126日の完全週休二日制や有給取得推奨制度により、ワークライフバランスの実現が図られています。ただし、住宅手当は転勤時のみの支給となるため、地元勤務希望者は注意が必要です。
転職を検討されている方にとって、東建コーポレーションは成長意欲が高く、顧客の資産形成に貢献したいという志向性を持つ人材には魅力的な選択肢となるでしょう。特に不動産営業での高収入を目指す方や、安定した大手企業でキャリアを積みたい方には適した環境が用意されています。転職活動においては、同社の事業理念を理解し、長期的なキャリアビジョンを明確に示すことが成功の鍵となります。