東プレ株式会社(以下、東プレ)は、自動車プレス部品で国内トップクラスのシェアを誇る大手メーカーです。冷凍車の空調機では国内最大手となり、高品質キーボード「REALFORCE」でも有名な企業として知られています。転職を検討している方にとって、東プレの年収水準は気になるポイントの一つでしょう。
本記事では、東プレの平均年収や年度別推移、同業他社との比較データを詳しく解説します。また、役職別・年齢別の年収データや福利厚生、転職難易度についても具体的に紹介するので、転職活動の参考にしてください。
東プレの会社概要
東プレは1935年に東京プレス工業株式会社として設立され、90年近い歴史を持つ老舗メーカーです。自動車プレス部品の製造からスタートし、現在は自動車関連製品、定温物流関連製品、空調機器、電子機器という4つの事業セグメントを展開しています。特に冷凍車の空調機では国内最大手の地位を確立しており、業界での競争力の高さを示しています。
東プレの基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 東プレ株式会社 |
本社所在地 | 東京都中央区日本橋3-12-2(朝日ビル) |
設立年 | 昭和10年4月30日(1935年) |
業種 | 金属製品・自動車部品製造業 |
事業内容 | プレス関連製品、定温物流関連製品、空調機器、電子機器の製造・販売 |
上場市場 | 東京証券取引所プライム市場 |
東プレの事業は多角化が進んでおり、主力の自動車プレス部品では高い技術力を活かした製品を国内外の自動車メーカーに供給しています。定温物流関連製品では冷凍車・保冷車の空調機で圧倒的なシェアを持ち、物流業界の効率化に貢献しています。電子機器分野では、独自の静電容量無接点方式を採用した高級キーボード「REALFORCE」が個人ユーザーからプロフェッショナルまで幅広い支持を得ており、金融機関のATMやPOS端末など業務用機器にも多数採用されています。このように複数の事業領域で確固たる地位を築いており、安定した経営基盤を有する企業といえます。
東プレの平均年収はどのぐらい?
東プレの2024年3月期における平均年収は678万円でした。全国平均の460万円と比較すると218万円高く、給与水準の高い企業といえます。また、直近では5.6%の上昇トレンドにあり、平均年収が継続的に上昇している企業です。
年度別の平均年収推移
東プレの過去5年間の平均年収推移は以下の通りです。2022年に一時的に572万円まで下がったものの、その後は回復基調にあり、2024年には678万円まで上昇しています。
年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2024年3月期 | 678万円 | 39.5歳 | 15.6年 | 1,544名 |
2023年3月期 | 621万円 | 39.1歳 | 15.4年 | 1,507名 |
2022年3月期 | 572万円 | 38.5歳 | 15.0年 | 1,563名 |
2021年3月期 | 592万円 | 38.8歳 | 15.2年 | 1,548名 |
2020年3月期 | 641万円 | 38.2歳 | 14.8年 | 1,484名 |
出典:東プレ株式会社 有価証券報告書(各年度3月期)
他企業との比較データ
東プレの平均年収を同業他社と比較すると、以下のような位置づけになります。自動車部品メーカーの中では中位に位置していますが、金属製品業界全体では上位に位置しています。
企業名 | 平均年収 | 業界分類 |
---|---|---|
デンソー | 834万円 | 自動車部品 |
住友電気工業 | 788万円 | 自動車部品 |
豊田自動織機 | 779万円 | 自動車部品 |
東プレ | 678万円 | 金属製品・自動車部品 |
東京製綱 | 604万円 | 金属製品 |
田中精密工業 | 516万円 | 自動車部品 |
東証プライム上場企業の平均年収742万円と比較すると、64万円低い水準となっています。また、東証プライムの建設・資材業界の平均年収786万円と比較すると108万円低く、業界内では95位(全128社中)の順位となっています。一方で、金属製品業界内では13位(94社中)と上位に位置しており、業界の中では競争力のある年収水準を維持しています。
東プレの役職別年収データ
東プレの役職別年収については、公式データとしては非開示となっています。ただし、従業員の口コミ情報等から推定すると、同社では階級制度を採用しており、新卒から順調に昇格した場合、2年に1つの階級を昇格するシステムとなっています。
役職 | 推定年収(万円) |
---|---|
係長・主任クラス | 非開示 |
課長クラス | 非開示 |
部長クラス | 非開示 |
公式データでは、総合職の平均年収が787万円、管理職級の平均年収が1,045万円前後になるとの情報があります。また、2024年度の役員報酬は、役員全体で平均2,833万円でした。ただし、これらは推定値や一部のデータに基づくものであり、個人の経験や能力、配属部署によって実際の年収は大きく異なる可能性があります。
東プレの年齢別年収推移
東プレの年齢別年収についても、公式データとしては非開示となっています。ただし、有価証券報告書のデータと厚生労働省の賃金構造基本統計調査を元にした推定値では、以下のような年収推移となっています。
年代 | 推定年収範囲(万円) |
---|---|
20代 | 408万円~470万円 |
30代 | 470万円~536万円 |
40代 | 572万円~612万円 |
50代以上 | 661万円前後 |
月々の平均手取りについては、20代では28万円前後、最高年収となる50代では45万円前後となると推定されます。ただし、これらの数値は推定値であり、実際の年収は個人の能力、勤務地、配属部署、役職等によって大きく変動する可能性があります。同社の平均年齢は39.5歳、平均勤続年数は15.6年となっており、比較的安定した雇用環境であることがうかがえます。
東プレの福利厚生
東プレは上場企業として充実した福利厚生制度を整備しています。特に住宅関連の手当が手厚く、従業員の生活基盤をしっかりとサポートする体制が整っています。
住宅関連制度
東プレでは独身寮を完備しており、月額5,000円という格安料金で利用することができます。独身寮は会社から徒歩5分の立地にあり、通勤の利便性も高くなっています。また、既婚者向けには家賃補助制度があり、住宅費用の負担軽減を図っています。
各種手当・制度
- 通勤手当(実費支給)
- 営業手当
- 家族手当
- 奨学金返済支援制度
- 退職金制度(確定拠出年金を含む)
- 財形貯蓄制度
- 持株会制度
休暇制度
年間休日数は121日となっており、完全週休2日制を採用しています。有給休暇は初年度14日付与され、最大23日まで取得可能です。その他にも年末年始休暇、夏季休暇、ゴールデンウィークに加え、リフレッシュ休暇や特別休暇(結婚・忌引など)も設けられています。
特典・レクリエーション
年に1度、有名テーマパークのチケットを社員と扶養家族に支給する制度があります。また、リゾートトラストとの提携により、保養施設を割安料金で利用することが可能です。これらの福利厚生制度により、従業員の仕事とプライベートの両立をサポートしています。
東プレの転職難易度は?
東プレは業界内で確固たる地位を築いている大手メーカーであり、転職市場でも一定の人気があります。2023年度の従業員変動幅は全従業員数の約-0.3%にあたる-4名となっており、採用にはやや慎重な姿勢を見せています。これは転職難易度がそれなりに高いことを示唆しています。
求められる人材像
東プレでは以下のような人材を求めています。技術系職種では、プレス加工技術、金型技術、電子機器開発などの専門知識を持つ人材が重要視されます。また、自動車業界や製造業での実務経験があると有利になります。
営業系職種では、自動車メーカーや部品メーカーとの取引経験、技術営業の経験がある人材が求められます。管理系職種では、上場企業での経験や専門資格(税務、財務、人事など)を持つ人材が歓迎されます。
転職成功のポイント
東プレへの転職を成功させるためには、以下のポイントが重要です。まず、同社の事業領域である自動車部品、定温物流、空調機器、電子機器分野に関する知識や経験をアピールすることが大切です。特に、高い技術力を求められる職場環境であるため、技術的な専門性や問題解決能力を具体的な事例とともに示すことが効果的です。
また、同社は独立系部品メーカーとして大手自動車メーカーと直接取引を行っているため、顧客折衝能力やプロジェクト管理能力も重視されます。転職エージェントを活用し、非公開求人情報の収集や面接対策を行うことで、転職成功の確率を高めることができるでしょう。
まとめ
東プレの平均年収は678万円で、全国平均を大きく上回る水準となっています。同社は自動車プレス部品で高いシェアを持つ老舗メーカーであり、冷凍車空調機や高級キーボード「REALFORCE」でも業界をリードする企業です。近年は年収が上昇傾向にあり、安定した経営基盤を背景とした給与水準の高さが魅力といえます。
福利厚生面では住宅手当や各種制度が充実しており、特に独身寮の格安利用や奨学金返済支援制度など、従業員の生活をサポートする体制が整っています。転職を検討される方は、技術的な専門性や業界経験をアピールしつつ、同社の多角的な事業展開についても理解を深めることが重要です。
東プレは技術力の高さと安定した事業基盤を持つ企業として、長期的なキャリア形成を考える転職者にとって魅力的な選択肢の一つといえるでしょう。転職活動の際は、転職エージェントを活用して最新の求人情報や面接対策について相談することをおすすめします。