若築建設株式会社(以下、若築建設)は、1890年創業の総合建設会社で、海洋土木に強みを持つマリコン(海洋土木専門会社)のパイオニアとして知られています。関西国際空港や中部国際空港といった大型プロジェクトの施工実績を誇り、業界内でも確固たる地位を築いています。本記事では、若築建設の平均年収や役職別・年齢別の詳細な年収推移、同業他社との比較、福利厚生、転職難易度まで、転職を検討されている方に必要な情報を詳しく解説いたします。
若築建設の会社概要
若築建設は、海洋土木分野で130年以上の歴史を持つ総合建設会社です。福岡県北九州市の若松港整備を目的として創立され、現在では海洋土木、陸上土木、建築の3事業を柱として事業を展開しています。東京証券取引所プライム市場に上場し、連結従業員数873名、単体従業員数786名を擁する中堅ゼネコンとして、安定した事業基盤を有しています。
若築建設の基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 若築建設株式会社(WAKACHIKU CONSTRUCTION CO.,LTD.) |
本社所在地 | 東京都目黒区下目黒二丁目23番18号 |
設立年 | 1890年(明治23年)5月23日 |
業種 | 建設業 |
事業内容 | 海洋土木、陸上土木、建築工事 |
上場市場 | 東京証券取引所プライム市場 |
同社の事業は大きく3つの分野に分かれています。海洋土木事業では、港湾工事、海上空港建設、浚渫工事などを手がけ、羽田空港、関西国際空港、中部国際空港などの大型プロジェクトに参画してきました。陸上土木事業では、道路、鉄道、トンネル、橋梁建設を行い、建築事業では学校、病院、工場、商業施設、マンションなどの施工を担当しています。特に海洋土木分野では業界屈指の技術力を誇り、マリコンのパイオニアとして多くの実績を積み重ねています。
若築建設の平均年収はどのぐらい?
年度別の平均年収推移
年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2024年3月期 | 881万円 | 44.7歳 | 18.4年 | 786名 |
2023年3月期 | 873万円 | 44.0歳 | 18.2年 | 793名 |
2022年3月期 | 844万円 | 43.8歳 | 17.9年 | 774名 |
2021年3月期 | 843万円 | 45.1歳 | 19.0年 | 681名 |
2020年3月期 | 821万円 | 44.5歳 | 18.5年 | 690名 |
2019年3月期 | 843万円 | 45.1歳 | 19.0年 | 681名 |
若築建設の2024年3月期における平均年収は881万円となっており、前年度の873万円から8万円増加しています。過去5年間の推移を見ると、最低821万円、最高881万円の範囲で推移しており、全体的に上昇傾向にあります。平均年齢は44.7歳、平均勤続年数は18.4年と、建設業界の中でも安定した雇用環境を提供していることがうかがえます。
出典:若築建設株式会社 有価証券報告書(2024年3月期)
他企業との比較データ
企業名 | 平均年収 | 平均年齢 | 分類 |
---|---|---|---|
東亜建設工業 | 955万円 | 44.2歳 | 中堅ゼネコン |
若築建設 | 881万円 | 44.7歳 | 中堅ゼネコン |
東洋建設 | 824万円 | 43.3歳 | 中堅ゼネコン |
五洋建設 | 932万円 | 41.6歳 | 準大手ゼネコン |
建設業界平均 | 544万円 | – | – |
若築建設の平均年収881万円は、同じ海洋土木に強みを持つ中堅ゼネコンの中では東亜建設工業に次ぐ水準となっています。東洋建設との比較では約57万円上回っており、準大手ゼネコンの五洋建設とは約51万円の差があります。建設業界全体の平均年収544万円と比較すると337万円高く、業界内では高水準の給与体系を有していることが分かります。
若築建設の役職別年収データ
役職 | 推定年収(万円) |
---|---|
新入社員 | 400~450 |
主任・係長クラス | 650~750 |
課長クラス | 900~1,050 |
部長クラス | 1,100~1,300 |
執行役員クラス | 1,400~1,800 |
若築建設における役職別年収は、新入社員から段階的に上昇する仕組みとなっています。新入社員では400万円台からスタートし、主任・係長クラスで650万円から750万円程度、課長クラスになると900万円を超える水準となります。部長クラスでは1,100万円から1,300万円、執行役員クラスでは1,400万円以上の年収が期待できます。なお、これらの数値は業界水準や同社の給与体系を基にした推定値であり、公式データとしては非開示となっています。
若築建設の年齢別年収推移
年代 | 推定年収範囲(万円) |
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20代前半 | 400~550 |
20代後半 | 550~680 |
30代前半 | 680~820 |
30代後半 | 820~950 |
40代前半 | 950~1,100 |
40代後半 | 1,000~1,200 |
50代以上 | 1,100~1,400 |
若築建設の年齢別年収推移では、20代前半で400万円台からスタートし、経験とスキルの蓄積とともに着実に上昇していく傾向が見られます。30代前半で年収800万円台に達し、40代以降は1,000万円を超える水準となります。特に建設業界特有の技術職の専門性や、プロジェクト管理能力の向上に伴い、年収の伸びが期待できる職場環境となっています。ただし、これらの数値は業界データを基にした推定値であり、個人の能力や担当業務により実際の年収は変動します。
若築建設の福利厚生
若築建設では、社員が安心して長期間働けるよう、充実した福利厚生制度を整備しています。特に住宅関連の支援が手厚く、独身者向けの寮制度や家族持ち社員への借上社宅制度を提供しています。
制度・手当 | 内容 |
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寮制度(独身者) | 家具・家電付物件、寮費月額1万円、初期費用・光熱費会社負担 |
借上社宅(家族持ち) | 敷金・礼金・仲介手数料全額会社負担、家賃補助30,000円~77,000円 |
居住手当 | 扶養家族のある自宅居住者に最大35,000円/月支給 |
育児短時間勤務 | 子供が小学校に上がるまで時短勤務可能(法定は3歳まで) |
子の看護休暇 | 子供が中学に上がるまで取得可能(法定より長期間) |
長期休暇 | 夏期休暇最大10日の大型連休(有給一斉取得含む) |
従業員持株会 | 購入額の20%奨励金支給 |
帰省旅費支給 | 入社5年目まで年1~2回、単身赴任者は月1回年12回 |
若築建設は厚生労働大臣から「くるみん認定」を受けた子育てサポート企業として、ワークライフバランスの充実に力を入れています。住宅関連では、独身者向けに月額1万円の寮を提供し、家族持ち社員には借上社宅制度により住居費負担を大幅に軽減しています。また、育児支援制度も法定を上回る内容となっており、育児短時間勤務は子供が小学校に上がるまで、子の看護休暇は中学に上がるまで取得可能です。その他、従業員持株会での20%奨励金支給、若手社員への帰省旅費支給など、社員の生活を多方面からサポートする制度が整備されています。
若築建設の転職難易度は?
項目 | 内容 |
---|---|
中途採用実績 | 年間若干名(職種により変動) |
求める人材像 | 自己研鑽に励み、常に前向きで協調性のある人材 |
応募条件 | 大学卒業以上、関連業務経験者優遇 |
選考プロセス | 書類選考→適性検査→一次面接→最終面接 |
重視される要素 | 人物重視、熱意、オリジナリティ、創造力 |
求められる人材像
若築建設では「人物重視の採用」を掲げており、技術力や経験以上に人間性を重視する採用方針を取っています。具体的には、自己研鑽に励み、常に前向きで協調性のある人材を求めており、「人と人との関わりを大切にできる人」「物事を前向きにとらえられる人」「プレッシャーに打ち勝つ強い意志を持つ人」を理想とする人物像として掲げています。建設業界は現場での連携が重要であるため、チームワークを大切にし、困難な状況でも前向きに取り組める人材が評価される傾向にあります。
転職成功のポイント
若築建設への転職を成功させるためには、まず同社の事業特性である海洋土木分野への理解と関心を示すことが重要です。関西国際空港や中部国際空港などの大型プロジェクトへの参画実績を踏まえ、技術力の高さや社会貢献性をアピールできる経験があれば有利になります。また、人物重視の採用方針から、面接では技術的なスキルだけでなく、チームワークを重視する姿勢や、困難な状況での対応力、継続的な学習意欲などを具体的なエピソードとともに伝えることが重要です。特に「若築で働きたい」という熱意を明確に示し、同社の価値観である「好奇心」や「挑戦」への共感を表現できれば、選考通過の可能性が高まります。建設業界での実務経験があれば当然有利ですが、未経験者でも人物面での評価が高ければ採用される可能性があります。
まとめ
若築建設は平均年収881万円と、建設業界の中では高水準の給与を提供する中堅ゼネコンです。海洋土木分野のパイオニアとして130年以上の歴史を持ち、関西国際空港や中部国際空港などの大型プロジェクトでの実績により、安定した事業基盤を築いています。役職別では新入社員400万円台から部長クラス1,300万円まで、着実な昇進とともに年収アップが期待できる環境が整っています。
福利厚生面では、住宅関連支援の充実度が特筆すべき点で、独身者向け寮制度や借上社宅制度により住居費負担を大幅に軽減できます。また、くるみん認定企業として子育て支援制度も法定を上回る内容となっており、長期的なキャリア形成を支援する環境が整備されています。転職を検討される方は、技術力と同時に人物面での評価を重視する同社の採用方針を理解し、海洋土木分野への関心と熱意を明確に示すことが成功の鍵となります。安定した財務基盤と高い技術力を背景に、建設業界でのキャリアアップを目指す方にとって魅力的な転職先といえるでしょう。