「外資系」という言葉は聞いたことがあるけれど、「実際に何をしている会社かわからない」と思っている人も多いかもしれません。

外資系とは、一般的に海外の企業や投資家が一定以上の資本出資をしている「外国資本で成り立っている日本の企業」のことを指します。仕事内容としては、日系企業と同じく営業職・バックヤード業務・企画マーケティング職などがありますが、雇用形態や給与体制などさまざまな点に置いて日系企業との違いが見られます。

この記事では、「外資系とは？」と思っている就活生向けに以下の内容をわかりやすく解説していきます。

• 外資系とは？
• 外資系と日系企業の違い
• 外資系の特徴
• 外資系に向いている人

外資系企業への理解を深めた上で、自身が希望する働き方や価値観に適しているか確認しましょう。

外資系とは？

外資系とは、海外の企業や投資家が一定以上の資本出資をしている「外国資本で成り立っている日本企業」です。しかし資本の割合などに明確な定めはないため、会社の軸となる経営方針などを海外企業が決めている会社のことを、一般的に外資系企業と指すことが多いです。

外資系企業は成り立ちによって以下の3種類に分けられます。

海外企業が日本で設立した会社（日本法人・日本支社）	Google、ルイ・ヴィトン、アマゾンジャパンなど
海外企業と日系企業が共同出資で設立した会社	日本マクドナルド、富士フイルムビジネスイノベーションなど
海外企業が買収した日系企業	シャープなど

会社の決定権は通常出資額が多いほうが持ちます。海外企業に会社の決定権がある場合は、企業風土や文化も日系企業とは大きく異なる可能性があるでしょう。外資系では、英語や外国語を使ったコミュニケーションが必要となる場合も考えられます。

外資系と日系企業の違い

外資系企業と日系企業の違いには以下のようなものがあります。

外資系	項目	日系
ジョブ型雇用	雇用	新卒採用（総合職）
個人で働く	働き方	チームで働く
年俸制（基本給＋インセンティブ）	給与体系	月給制
成果主義	昇給・昇格基準	年功序列傾向
少ない	福利厚生	充実している

外資系企業では日系企業のような総合職での採用ではなく、職務に特化したスペシャリストを採用する「ジョブ型雇用」が一般的です。職務に特化したジョブ型雇用のため、自分自身のやるべき仕事が明確で、個人で仕事を進めて行くことが多いです。

外資系では、基本給と目標達成率に応じたインセンティブが支払われる「年俸制」の給与体系が多くの企業で採用されています。仕事で成果をあげることで収入が多くなり、昇給・昇格のチャンスも年齢に関係なく訪れるでしょう。

日系企業ではよくある家族手当・住宅手当などの福利厚生は、外資系企業ではほとんど支給されません。外資系企業において福利厚生分の費用は、もともとの給与に含まれている場合が一般的です。

外資系の特徴

外資系企業のには大きく4つの特徴があります。

• 年収・給与水準が高い
• 若くても成果・実力で評価される
• 雇用の安定性が低い
• 福利厚生が少ない

自分が希望する働き方や価値観に合うか確認しましょう。それぞれ解説していきます。

年収・給与水準が高い

外資系の特徴1つ目は、年収・給与水準が高いところです。なぜなら外資系では実力主義な企業が多く、成果に応じて報酬が得られるからです。自分の目標を達成した場合に支払われるインセンティブ給があることにより、年齢や勤続年数が同じであっても給与が大きく異なる場合があります。

年齢に縛られることなく、成果を出すことにより高い給与が得られることは、外資系の特徴と言えるでしょう。

若くても成果・実力で評価される

外資系の特徴2つ目は、若くても成果・実力で評価されるところです。日系企業では年功序列で昇給・昇格する企業が多く見られますが、外資系では成果を出した人が評価されます。若くても実力があれば、年齢に関係なく昇給・昇格のチャンスが期待できる点も外資系企業の特徴です。

雇用の安定性が低い

外資系の特徴3つ目は、雇用の安定性が低いところです。外資系は実力主義の企業が多く、優秀な人は評価されますが、なかなか結果が出せない人は評価されず働きにくさを感じることもあるでしょう。また、成果が出せないままだと最悪の場合、企業から解雇されてしまう可能性もあります。

仕事の過程よりも、結果を出すことを意識して働くことが常に求められる環境と言えるでしょう。

福利厚生が少ない

外資系の特徴4つ目は、福利厚生が少ないところです。外資系ではもともと、福利厚生分の費用を含めた給与になっている場合が多く、退職金制度や住宅手当・家族手当などはほとんどありません。

しかし近年では、一部の外資系で「スナックやドリンクの食べ飲み放題」「ランチ無料提供」などのユニークな福利厚生が用意されている企業もあります。福利厚生は企業によって異なるため、入社前に確認しておきましょう。

外資系に向いている人

外資系に向いている人の特徴は以下のとおりです。

• 自分の意見を主張できる人
• 自己管理能力が高い人
• 語学力を活かしたい人

それぞれの特徴を紹介していくので、自分の特徴が外資系に向いているのか確認しましょう。

自分の意見を主張できる人

外資系では自分の意見を主張できることが重要です。遠慮して自分の意見を何も言わない人は、何を考えているか分からず「意欲がない人」と思われてしまう可能性があります。

また自分の成果を積極的にアピールすることも大切です。せっかく成果を出しても上司や人事の人に伝えることができなければ、良い評価を得ることができません。自分の能力や成果についても積極的に主張できるようにしましょう。

自己管理能力が高い人

外資系企業では、個人個人にやるべき仕事や目標があり、上司からの指示を待つのではなく自ら考えて働く必要があります。成果を出すには自ら目標を設定し、業務を遂行していくための自己管理能力が求められます。

外資系では、時間の使い方に関して個人の裁量に任される場合が多いです。しかし結果が出せなければ評価が大きく下がってしまう可能性があるので気をつけましょう。

語学力を活かしたい人

外資系企業では、さまざまな国籍の社員や取引先の人とコミュニケーションをとりながら仕事を進めていくことがあります。さまざまな国籍の人との仕事は、語学力を活かしたい人にはぴったりな仕事と言えるでしょう。

外資系でも拠点が国内にあり、社員のほとんどが日本人という場合、高度な語学力を求められないこともあります。しかし、キャリアアップを目指す場合は、語学力をあげるための努力は欠かせないでしょう。なぜなら会社での地位が高くなると、本社の社員とのコミュニケーション機会が増えたり、外国人の部下が配属されることもあるからです。業務を円滑に進めるために語学力を身につけておきましょう。

まとめ

この記事では就活生に向けて、外資系とは何かをわかりやすく解説しました。内容をまとめると以下のとおりです。

外資系企業と日系企業の違いを理解し、外資系企業が自分に適した働き方かどうかを確認した上で就職活動を進めましょう。