物流業界と聞くとトラック運転手を想像する人が多いかもしれません。しかし実際には、トラック運転手が行う輸送以外にも様々な仕事があり、最終的には世界にも繋がっているグローバルな業界です。
物流業界がなければスーパーやコンビニにも商品が届かなくなってしまい、私たちの生活や仕事が滞ってしまいます。物流業界は社会を支えるインフラと言えるでしょう。
この記事では、大学生向けに物流業界で働く魅力とやりがいがある仕事内容を分かりやすく解説します。どこの業界にしようか悩んでいる人や、物流業界についてまだ知識がない人も、ぜひこの記事を参考にしてください！
物流業界とは？
ここでは物流業界について以下の2点を解説します。
- 商品をお客様に届けるビジネス
- 市場規模が拡大しているビジネス
それぞれ詳しく見ていきましょう。
商品をお客様に届けるビジネス
物流業界とは商品をお客様に届けるビジネスです。ビジネスモデルとしては消費者や企業のもとへ商品を届け、仲介手数料や配送料などで収益を生み出します。
物流業界には5つのビジネス領域があります。
| 陸運 | トラックやトレーラーなどの車両を利用した輸送 |
| 海運 | 旅客線やコンテナ船など船舶を利用した輸送 |
| 空運 | 飛行機を利用した輸送 |
| 鉄道 | 貨物列車を利用した輸送 |
| 倉庫 | 商品を保管・管理する業務 |
企業によっては5つのビジネス領域を幅広く手がける企業もあれば、一つの領域に特化する企業もあります。
物流業界はトラックによる配送だけでなく、場合によっては「海外から日本」「日本から海外」など国を跨いだ物流を手がけるグローバルな仕事です。
市場規模が拡大しているビジネス
物流業界は近年ECサイトやオンライン取引の増加により、市場規模が拡大しているビジネスです。
出典：国土交通省「物流を取り巻く現状と課題」
国土交通省の資料によると、宅配便取引実績は年々増加し、2022年度には約50億個となりました。宅配便取引実績の数字は5年間で23.1%も増加しています。国土交通省の資料からも分かるとおり、物流業界の需要は今後も増加していくでしょう。
市場規模が拡大している一方で、物流業界は人手不足の問題が深刻です。各企業ではトラックによる輸送を鉄道や船に切り替えたり、AI技術を活用した業務効率化や物流ロボットの導入をしたりするなどの対策が進められているようです。人手不足が解消されれば、業界としてもさらなる市場拡大が見込めるでしょう。
物流業界の魅力4選
ここでは物流業界の魅力4選を解説します。
- 需要が多く安定して働ける仕事
- 地方でも働ける仕事
- 社会を支える仕事
- 世界と繋がっている仕事
物流業界は日本の産業を支えるやりがいある仕事です。それぞれの魅力を詳しく見ていきます。
需要が多く安定して働ける仕事
物流業界の魅力一つ目は、需要が多く安定して働ける仕事であることです。なぜなら現代社会において商品を運ぶ人がいないと仕事や生活が成り立たず、人やモノが存在する限り、物流の需要がなくなることはありえないからです。
近年はEC市場も拡大しており、今後も仕事に困ることはないでしょう。
地方でも働ける仕事
物流業界の魅力二つ目は、地方でも働ける仕事であることです。物流業界は、日本の様々な場所へ荷物を届けるため、全国各地に事業所や営業所があります。そのため物流業界の求人は地方にも多くあり、「都会じゃないから働けない」ということはありません。物流業界は、地方や地元で働きたいと考える人にとっても魅力的な業界と言えるでしょう。
社会を支える仕事
物流業界の魅力三つ目は、社会を支える仕事であることです。なぜなら物流の仕事がなくなると消費者の生活だけではなく、企業の仕事も成立しなくなってしまう恐れがあるほど社会に必要不可欠な仕事だからです。
物流業界で働くことは、社会に対して自分が直接貢献していることを実感できます。縁の下の力持ちとして社会を支える仕事がしたい人にとって、物流業界は魅力的な業界と言えるでしょう。
世界と繋がっている仕事
物流業界の魅力四つ目は、世界と繋がっている仕事であることです。なぜなら物流業界は、海運や空運など世界を相手とした国際的なビジネスを行っているからです。物流倉庫や配送センターは世界各国にもあり、総合職で入社した場合は語学力を活かして海外で働くこともできるでしょう。世界で活躍したいという人にもおすすめの業界です。
物流業界の仕事内容
ここでは物流業界の仕事内容を解説します。物流業界の仕事は大きく分けると5つの仕事があります。
- 商品を届ける「輸送」
- 商品の入出庫を管理する「荷役」
- 商品を管理する「保管」
- 商品を出荷できる状態にする「流通加工・包装」
- 業務効率化を図る「情報管理」
物流業界の仕事内容について理解を深めましょう。
商品を届ける「輸送」
物流業界の仕事内容一つ目は、商品をお客様に届ける輸送です。輸送は物流業界を代表する仕事であり、トラックを中心に船舶や飛行機、貨物列車などを使って荷物をお客様に届けます。
輸送の仕事についた場合は、様々な場所に移動することになるでしょう。毎日違う景色の中で仕事ができるので、色々なところに足を運ぶのが好きな人にはおすすめの仕事です。
商品の入出庫を管理する「荷役」
物流業界の仕事内容二つ目は、商品の入出庫を管理する荷役です。荷役の具体的な仕事内容は、荷物の積み込みや積み降ろし、保管するための入出庫などを行います。国際物流を行う場合には、輸出入時の通関手続きを行うこともあります。
商品の入出庫を行う際には、フォークリフトなどの大きな機械を操作する場合があります。フォークリフト免許は18歳以上であれば取得可能なため、事前に取得しておいても損はないでしょう。
商品を管理する「保管」
物流業界の仕事内容三つ目は、預かった商品を倉庫で管理する保管です。物流業界ではお客様から預かった商品を目的地に出荷するまでの間、倉庫で保管します。倉庫で商品を保管している間、商品は預かった時と同じ品質を保たなければなりません。そのため保管方法は「常温」「冷暗所」「冷蔵」「冷凍」など多岐に渡ります。
商品を出荷できる状態にする「流通加工・包装」
物流業界の仕事内容四つ目は、商品を出荷できる状態にする流通加工と包装です。流通加工とは商品を出荷する前に行う業務全般のことで、包装も流通加工の一つになります。
流通加工は商品の検品を行ったり、商品の組み立てをしたりする仕事で、生鮮食品や繊維品の場合は二次加工を施したりすることもあります。また包装は、商品が破損しないように梱包材などによる保護を行う仕事です。
業務効率化を図る「情報管理」
物流業界の仕事内容五つ目は、物流に関する情報をデータ化し、業務効率化を図る情報管理です。物流業界では保管時の品質管理から、配送ルートの手配や取引先とのスケジュールなど、業務に関するあらゆる情報がデータで管理されます。
データ化された情報をもとに業務効率化を図る情報管理の仕事は、責任ある重要な仕事と言えるでしょう。
物流業界に向いている人
ここでは物流業界に向いている人の特徴を4つ紹介します。
- 責任感が強い人
- 体力がある人
- 臨機応変な対応ができる人
- 丁寧な仕事ができる人
仕事は人によって向き不向きがあります。事前に業界に向いている人の特徴を確認することで、物流業界が自分に向いている業界なのか判断する参考にしてください。
責任感が強い人
物流業界に向いている人の特徴一つ目は、責任感が強い人です。なぜなら物流業界の仕事は、お客様からの大切な荷物を取り扱うからです。特にドライバーの場合は、輸送中自分一人だけでお客様の荷物を管理する場面もあるでしょう。
一人一人が責任感を持って仕事に取り組むことが、物流業界ではとても重要だと言えます。
体力がある人
物流業界に向いている人の特徴二つ目は、体力がある人です。なぜなら物流業界の仕事では、重たい荷物を持ち上げたり、倉庫の中で立ちっぱなしで作業したりする場面が多いからです。一日中動き回る体力がないと、仕事を続けていくことが難しいかもしれません。
もちろん仕事をこなしていくうちに体力はつきますが、体力に自信がない人で物流業界を志望している人は、今から体力づくりをしておくことをおすすめします。
臨機応変な対応ができる人
物流業界に向いている人の特徴三つ目は、臨機応変な対応ができる人です。物流業界では交通状況や天候・災害などの状況によっては、予定通りの仕事が行えない場合が多々あります。突然のトラブルに対して臨機応変な対応ができることが物流業界では重要になります。
臨機応変な対応は経験を積むことで身につくものです。入社当初は自信がなくても、どんなトラブルにも臆せず対応していくと良いでしょう。
丁寧な仕事ができる人
物流業界に向いている人の特徴四つ目は、丁寧な仕事ができる人です。物流業界ではお客様から大切な商品を預かっており、商品を雑に扱って破損や紛失などをしてしまえば、お客様からの信頼を失います。どんな作業においても丁寧な仕事ができる人は、物流業界で求められる人材と言えるでしょう。
まとめ
この記事では大学生向けに物流業界で働く魅力とやりがいがある仕事内容を分かりやすく解説しました。
人手不足の現状がありますが、物流業界は日本の産業を支える社会的に必要な業界です。今後、AI技術を活用した業務効率化や物流ロボットの導入などの対策により人手不足が解消されれば、業界としてもさらなる市場拡大が見込めるでしょう。
人々の社会を支えていく仕事に興味がある人は、ぜひ物流業界を目指してみましょう！
