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ノー残業デーがあればホワイト企業?転職前の確認ポイント

Photo by Elimende Inagella on Unsplash
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求人票や会社説明会で「ノー残業デー導入」という言葉を見ると、それだけで働きやすい会社だと感じてしまうことはないでしょうか。ところが、ノー残業デーは会社が掲げる方針であって、毎日の帰宅時間を約束するものではありません。

当編集部では、制度の有無よりも、数字と運用の中身で会社を見る立場をとっています。月の平均残業時間、36協定の上限、固定残業代の条件の3点は、求人票と面接で確かめられます。入社後に「聞いていた話と違う」と感じる場面は、この確認で減らせます。

目次

ノー残業デーだけでホワイト企業と判断するのは早い

結論から言うと、ノー残業デーの有無は参考情報の一つにすぎず、それだけでホワイト企業かどうかを判断するのは危険です。理由はシンプルで、ノー残業デーは会社が掲げる方針であって、現場の運用を保証するものではないからです。

残業を減らす取り組みには、ノー残業デーのほかに、定時後のPCログイン制限や残業の事前申請制などがあります。どれも会社の姿勢を示す材料にはなります。ただ、社員が実際に定時で帰れているかどうかは、制度の一覧からは読み取れません。

導入企業が増えている背景とその限界

働き方改革の流れで、ノー残業デーを導入する企業は業種を問わず増えています。制度として始めるだけなら、導入のハードルはそれほど高くありません。社内通達を一本出せば「制度あり」と言える状態になるからです。

問題は運用です。たとえば、ノー残業デーの日だけ定時で一斉消灯し、その分の仕事が翌日の残業に回る形では、週や月の総労働時間は減りません。制度の有無ではなく、総労働時間がどう変わったかを見る必要があります。

求人票でノー残業デーを見かけたら確認する3つの数字

求人票にノー残業デーの記載があったら、まず月の平均残業時間を具体的な数字で確認してください。「相談可」「部署による」といった曖昧な表現しかない場合は注意が必要です。

求人票で最初に見たいのは、残業時間と休日数がどこまで具体的に書かれているかです。「月平均20時間」のように数字で書かれていれば、面接でその根拠を聞き返せます。反対に、残業の有無がぼかされている求人は、選考の早い段階で実態を確かめておく対象になります。

確認したい数字は次の3つです。

  • 月の平均残業時間(部署別の差がないか、1年目にも同じ水準が当てはまるか)
  • 36協定で定められている上限時間(法律上の原則は月45時間・年360時間です。特別条項を結んだ場合も、年720時間以内、休日労働を含めて複数月平均80時間以内、月100時間未満という上限があります)
  • 有給休暇の取得率(残業が少なくても休みが取りにくい会社もあるため)

上限の数値は、厚生労働省の働き方改革特設サイト「時間外労働の上限規制」に基づいています。36協定の内容は、労働基準法第106条で、事業所内への掲示などによる労働者への周知が義務づけられている情報です。面接や説明会で「御社の36協定の特別条項はどの程度まで設定されていますか」と聞いてみると、採用担当者がどこまで実態を把握しているかが分かります。

固定残業代の有無もあわせてチェックする

残業時間の表記とあわせて見てほしいのが、給与欄の固定残業代の記載です。「固定残業代30時間分を含む」と書かれている場合、その時間までは残業しても追加の残業代が発生しない仕組みになっています。

固定残業代という仕組みそのものに問題があるわけではありません。ただ、時間設定が長い場合は、会社がその程度の残業を毎月見込んでいる可能性があります。時間設定が長く、超過分の支払い条件もはっきりしない求人は、ノー残業デーを掲げていても注意して読む価値があります。

面接で聞くべき質問|ノー残業デーが実際に機能しているか

ノー残業デーが形だけのものか、実際に機能しているものかは、面接での質問の仕方次第である程度見えてきます。制度があるかどうかを聞くよりも、運用の中身を具体的に聞くほうが、会社ごとの答えの差がはっきり出ます。

聞きたいのは、配属予定部署の1年目社員の平均残業時間、ノー残業デーの日に実際にオフィスが閉まる時間、持ち帰り仕事の有無の3つです。持ち帰り仕事が常態化していると、勤怠記録上は定時退社でも実際の総労働時間は減っていません。

退社後にシステムが使えなくなる仕組みがあるかも確認材料になる

ノー残業デーの実効性を測る一つの目安として、定時後にPCやシステムへのログインを制限する仕組みがあるかどうかも聞いてみてください。この仕組みがある会社は、号令だけでなく運用に投資している可能性が高いと考えられます。

逆に、制度としてはあるものの強制力を伴う仕組みがない場合、現場の空気次第で形骸化しやすい傾向があります。面接で「ノー残業デーの運用方法」まで具体的に説明できる担当者がいる会社は、少なくとも社内でこの制度への関心が高いといえます。

当編集部の見立て|ノー残業デーが形骸化しやすいパターン

当編集部では、ノー残業デーが形骸化しやすい会社に、次のような共通パターンがあると見ています。制度の設計や求人票の書き方から読み取れる傾向の整理であり、特定の企業を指すものではありません。

一つ目は、ノー残業デーの対象が特定の部署や階層に限定されているケースです。管理職や特定の繁忙部署が対象外になっていると、組織全体としての労働時間削減にはつながりにくくなります。二つ目は、月末や繁忙期の前後にノー残業デーが設定されず、実質的に平常月だけの制度になっているケースです。三つ目は、ノー残業デーの日に社内で定時退社を促す一方、翌日の業務量がそのまま据え置かれているケースで、この場合は総労働時間の削減よりも「その日だけ帰る」ことが目的化してしまっています。

もう一つ見落としやすいのが収入面です。残業が減れば、その分の残業代も減ります。今の年収に残業代が大きく含まれている人は、転職先の基本給と賞与だけで生活が回るかを、あわせて試算しておく必要があります。

入社後に後悔しないための自己診断リスト

ここまでの内容を踏まえて、求人を見る段階で自分なりにチェックしておきたい項目を整理します。よくある誤解として「ノー残業デーがある会社なら定時で帰れるはず」という思い込みがありますが、実際には部署や時期によって運用に差があることも珍しくありません。

  1. 月の平均残業時間が部署ごとに開示されているか
  2. 36協定の特別条項の有無と、その上限時間が説明できる担当者がいるか
  3. 固定残業代の時間設定と超過分の支払い条件が明記されているか
  4. 有給休暇の取得率が具体的な数字で示されているか
  5. 配属予定部署の1年目社員の残業実態を面接で確認できたか

36協定の特別条項の有無を確認する

特別条項付き36協定を結んでいる会社自体が悪いわけではありません。繁忙期が年に数回ある業種では珍しくない仕組みです。ただし、特別条項で月45時間を超えられるのは年6か月までです。この枠を毎年使い切るような運用になっていないかは、確認しておく価値があります。

面接で聞きづらい場合は、入社前の労働条件通知書や雇用契約書に記載された内容を確認するという方法もあります。条件面談の段階で遠慮せず質問することは、転職活動において不自然なことではありません。

転職活動を一人で進めていると、こうした労働条件の確認ポイントを聞きそびれたまま選考が進んでしまうこともあります。求人票だけでは分からない残業の実態や36協定の運用状況について、転職エージェントを通じて企業側に確認してもらうという方法も選択肢の一つです。

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まとめ|ノー残業デーの有無だけで判断せず複数の指標を組み合わせる

ノー残業デーという言葉だけで企業を判断せず、月の残業時間、36協定の内容、有給取得率といった複数の指標を組み合わせて確認することが、入社後のミスマッチを防ぐ近道です。当編集部が判断の軸に置くのは、制度の有無ではなく、その制度が現場でどう使われているかです。

  • ノー残業デーは参考情報の一つであり、それだけでホワイト企業と判断しない
  • 求人票では月の平均残業時間と36協定の上限を具体的な数字で確認する
  • 面接では配属予定部署の1年目社員の残業実態と持ち帰り仕事の有無を聞く
  • 固定残業代の時間設定と超過分の支払い条件もあわせて確認する
  • 条件面談や転職エージェント経由で聞きづらい質問を補うという方法もある
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