日本光電工業株式会社（以下、日本光電工業）は、医用電子機器分野のリーディングカンパニーとして、AEDや生体情報モニターなど数多くの医療機器で国内トップシェアを誇る企業です。同社への転職を検討されている方にとって、最も気になるのは「年収水準」ではないでしょうか。

本記事では、日本光電工業の最新平均年収データをはじめ、役職別・年齢別の年収推移、福利厚生、転職難易度まで詳しく解説いたします。転職活動の参考情報として、ぜひお役立てください。

日本光電工業の会社概要

日本光電工業は1951年創業の医用電子機器専業メーカーで、「エレクトロニクスで病魔に挑戦」をモットーに70年以上にわたって医療現場に貢献してきました。AEDの国内生産を行う唯一の企業であり、国内市場シェア44%でNo.1の地位を確立しています。また、パルスオキシメータの原理を世界で初めて発明した企業としても知られ、現在では国内の病院の約9割で同社製品が導入されています。

日本光電工業の基本情報

項目	詳細
会社名	日本光電工業株式会社
本社所在地	東京都新宿区西落合一丁目31番4号
設立年	1951年
業種	医用電子機器製造業
事業内容	医用電子機器の開発・製造・販売
上場市場	東京証券取引所プライム市場

同社の事業領域は、脳波計や心電計などの生体計測機器、生体情報モニター、除細動器、血球計数器など幅広い医療機器を網羅しています。特にセンサ技術に強みを持ち、医療現場のニーズに応える高品質な製品を120カ国以上に輸出するグローバル企業として成長を続けています。連結従業員数は5,751名（2023年3月時点）と、医療機器業界でも有数の規模を誇ります。

日本光電工業の平均年収はどのぐらい？

日本光電工業の2024年3月期における平均年収は903万円となっており、前年度から36,880円の増加となっています。これは全国平均年収460万円を大きく上回る水準であり、上場企業の中でも高い年収水準を維持しています。

年度別の平均年収推移

過去6年間の日本光電工業の年収推移を見ると、着実な成長トレンドを示しています。

年度	平均年収	平均年齢	平均勤続年数	従業員数
2024年3月期	903万円	42.1歳	15.3年	3,623名
2023年3月期	899万円	42.0歳	15.2年	3,539名
2022年3月期	891万円	41.9歳	15.1年	3,482名
2021年3月期	847万円	41.5歳	14.6年	3,456名
2020年3月期	855万円	41.1歳	14.8年	3,398名
2019年3月期	848万円	40.8歳	14.5年	3,345名

出典：日本光電工業株式会社 有価証券報告書（2024年3月期）

直近においても日本光電工業の平均年収は5.59%の上昇トレンドにあり、平均年収が日々上昇している企業です。この安定した年収上昇は、医療機器業界における同社の競争力の高さと事業の安定性を物語っています。

他企業との比較データ

医療機器業界における同業他社との年収比較を行うと、日本光電工業の年収水準の高さが際立ちます。

企業名	平均年収	業界内順位
オリンパス	922万円	1位
日本光電工業	903万円	2位
オムロン	850万円	3位
フクダ電子	815万円	4位
テルモ	737万円	5位
ニプロ	658万円	6位

出典：各社有価証券報告書（最新年度）

この6社の中で日本光電工業は2番目に位置し、同業界においても高い年収水準を維持しています。また、東証プライム上場企業の平均年収742万円や、電機・精密業界の平均年収753万円と比較しても、明らかに高い給与水準であることがわかります。

日本光電工業の役職別年収データ

日本光電工業の役職別年収について、公式に詳細なデータは開示されていませんが、同社の給与体系と業界水準から推定される年収データをご紹介します。

役職	推定年収範囲
一般社員	500万円～700万円
係長・主任クラス	700万円～850万円
課長クラス	900万円～1,100万円
部長クラス	1,200万円～1,500万円
役員クラス	2,000万円以上

※上記は有価証券報告書データと口コミ情報を基にした推定値です。

日本光電は年功序列制度を採用しており、またインセンティブがほぼない特徴ある給与体系を採っています。そのため年功序列により、入社年数に応じた額が支給される仕組みと考えてよいでしょう。おおよその給与額の目安は、30歳手前で700万円前後、40歳手前で900万円前後、そして45歳以降で1000万円を超えるイメージです。

職種別平均年収で最も高いのはサービス職で826万円でした。続いて、開発職の803万円、営業職の720万円、技術職の716万円、エンジニア・SE職の715万円、事務職の697万円となっており、職種による年収差は比較的小さく抑えられています。

日本光電工業の年齢別年収推移

年齢別の年収推移については、同社の年功序列的な給与体系が反映された傾向を示しています。

年代	推定年収範囲	月収目安
20代	480万円～650万円	30万円～42万円
30代	650万円～900万円	42万円～58万円
40代	850万円～1,100万円	55万円～71万円
50代以上	950万円～1,300万円	61万円～84万円

※上記は有価証券報告書データと各種統計を基にした推定値です。

新卒直後の20代では年収568万円からスタートし、働き盛りの30代では年収824万円、管理職割合が増えだす40代では年収918万円、最高年収に到達する50代では、年収967万円に到達します。このように、同社では年齢とともに着実に年収が上昇する構造となっています。

基本給は入社してから毎年10000円弱上がっていきますという社員の証言もあり、安定した昇給制度が確立されていることがわかります。

日本光電工業の福利厚生

日本光電工業は「社員の豊かな生活を創造する」という理念のもと、充実した福利厚生制度を整備しています。

手当・給与関連制度

制度・手当	内容
住宅手当	地域により3万円～4.5万円（新卒は手厚い補助）
家族手当	配偶者・子供等に対する扶養手当
通勤手当	全額支給
外勤手当	営業職等への日当支給
役職手当	管理職に対する職責手当
残業手当	法定通りの時間外労働手当
在宅負担補助	リモートワーク環境整備補助

出典：日本光電工業公式採用サイト（2024年度実績）

休暇・働き方制度

制度	内容
年間休日	126日
有給休暇	最高21日（入社初年度16日）、1時間単位取得可
特別休暇	慶弔休暇、結婚休暇等
育児・介護制度	育児休業、時短勤務、介護休業
フレックスタイム制	コアタイムありの柔軟な勤務時間
在宅勤務制度	部署により在宅ワーク可能

年間休暇数は126日です。また、有給は最高で21日（入社初年度は16日）取得でき、1時間単位での取得も可能となっており、ワークライフバランスを重視した制度設計がなされています。

その他の福利厚生

制度	内容
退職金制度	企業年金制度（詳細は非開示）
借上げ社宅	新入社員向け社宅制度
従業員持株会	10%上乗せの優遇制度
保養所・レジャー	提携施設での割引利用
スポーツクラブ	通常より安い価格での利用
社員食堂	本社に食堂完備

住宅手当は地域によって差があるが基本的には3万円、都内だと4.5万円。扶養家族がいない場合は金額は少し下がる。社宅は新人は借り上げ社宅制度あり。持ち株会は10%の上乗せがされるため多くの人が利用しているという状況で、特に住宅関連の福利厚生が充実しています。

日本光電工業の転職難易度は？

日本光電工業への転職難易度は中程度からやや高めと考えられます。医療機器業界のリーディングカンパニーとして高い知名度と安定性を誇り、優秀な人材が集まりやすい環境にあります。

求められる人材像

項目	求められる要素
人物像	誠実性・協調性・継続力を重視
専門性	医療業界未経験でも可、学習意欲重視
コミュニケーション	医療従事者との信頼関係構築能力
成長意欲	製品知識・医学知識の継続的学習
価値観	社会貢献意識・医療への貢献意欲

医療業界未経験歓迎！必要な知識は全て入社後でOKですとしており、業界経験よりも人物重視の採用方針を取っています。製品や医学の基礎知識を学び続けることに加え、ドクターをはじめとする医療スタッフと信頼関係を構築することが大切とされています。

転職成功のポイント

ポイント	詳細
志望動機の明確化	なぜ医療機器業界か、なぜ日本光電工業かを具体的に
社会貢献意識	医療を通じた社会貢献への強い意欲をアピール
学習意欲の表現	専門知識習得への前向きな姿勢
営業経験の活用	他業界での営業経験を医療現場での応用に結び付ける
長期的視点	安定した勤務継続の意志を示す

人柄をしっかり見てくれる会社だと思います。入社してからのビジョンをしっかり持って面接したら良いかと思いますという転職経験者の声もあり、技術的なスキルよりも人間性や将来への展望が重視される傾向があります。

選考プロセスは一般的に書類選考、一次面接（人事+配属予定部門マネジャー）、最終面接（人事部長+営業部長等）の3段階で構成されており、基本的にこれまでの業務経験の深堀が続き、なぜこの職種なのか、成功事例について等が問われます。

まとめ

底辺ライン：日本光電工業は平均年収903万円と医療機器業界でもトップクラスの高年収を実現している企業です。年功序列的な安定した昇給制度により、長期的なキャリア形成が可能な環境が整っています。

同社の魅力は単に年収の高さだけでなく、126日の年間休日や充実した福利厚生制度、そして何より医療を通じた社会貢献というやりがいのある事業内容にあります。AEDや生体情報モニターなど、人の命に直結する製品を扱う責任とやりがいは、他の業界では味わえない特別な経験となるでしょう。

転職を検討される方は、技術的なスキルよりも「なぜ医療機器業界なのか」「なぜ日本光電工業なのか」という志望動機を明確にし、医療への貢献意欲と継続的な学習意欲をアピールすることが成功の鍵となります。安定した経営基盤と高い年収水準を兼ね備えた同社は、長期的なキャリア形成を目指す方にとって魅力的な転職先といえるでしょう。