東急建設株式会社（以下、東急建設）は、東急グループの一員として建築・土木事業を展開する準大手ゼネコンです。特に鉄道関連工事や都市開発に強みを持ち、渋谷再開発プロジェクトなどの大規模案件に携わっています。この記事では、転職や就職を検討している方に向けて、東急建設の最新平均年収データから役職別・年代別の年収推移、充実した福利厚生制度、転職難易度まで詳しく解説します。建設業界での年収水準や同業他社との比較も含めて、東急建設への転職を成功させるために必要な情報をお届けします。
東急建設の会社概要
東急建設は1946年に創業した総合建設会社で、東急グループの重要な事業会社として位置づけられています。建築事業を主力としながら土木事業も展開し、特に鉄道関連工事では独自の技術力を保有しています。準大手ゼネコンとして国内外の大規模プロジェクトに参画し、渋谷ヒカリエや渋谷スカイなどの都市開発案件で高い実績を上げています。
東急建設の基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 会社名 | 東急建設株式会社 |
| 本社所在地 | 東京都渋谷区渋谷1-16-14 渋谷地下鉄ビル |
| 設立年 | 2003年4月10日（創立1959年11月11日） |
| 業種 | 総合建設業 |
| 事業内容 | 建築工事、土木工事、不動産事業、国際事業 |
| 上場市場 | 東京証券取引所 プライム市場 |
東急建設の事業内容は多岐にわたり、建築事業では商業施設、オフィスビル、マンション、医療・文教施設などの設計・施工を手がけています。土木事業では鉄道・道路・上下水道などの社会インフラ整備に携わり、特に鉄道関連では東急電鉄の地盤を活かした独自技術を有しています。また、不動産事業として賃貸不動産ブランド「TQ」を展開し、国際事業ではタイやインドネシアでの建設工事も展開しています。近年は環境配慮型建築やDX推進にも力を入れ、2030年の企業ビジョン「０へ挑み、０から挑み、環境と感動を未来へ建て続ける。」の実現に向けた取り組みを進めています。
東急建設の平均年収はどのぐらい？
東急建設の2025年3月期における平均年収は838万円となっています。これは準大手ゼネコンの中では中位の水準で、建設業界全体と比較すると高い年収水準にあります。平均年齢は43.9歳、平均勤続年数は18.7年となっており、安定した雇用環境を提供していることがうかがえます。
年度別の平均年収推移
| 年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
|---|---|---|---|---|
| 2020年3月期 | 945万円 | 45.6歳 | 19.2年 | 2,440名 |
| 2021年3月期 | 859万円 | 45.3歳 | 18.9年 | 2,478名 |
| 2022年3月期 | 732万円 | 45.1歳 | 18.5年 | 2,484名 |
| 2023年3月期 | 763万円 | 45.2歳 | 18.4年 | 2,488名 |
| 2024年3月期 | 838万円 | 44.1歳 | 18.7年 | 2,494名 |
| 2025年3月期 | 889万円 | 43.9歳 | 18.7年 | 2,845名 |
出典：東急建設株式会社 有価証券報告書（2025年3月期）
年度別の推移を見ると、2020年度の945万円をピークに一時的に下落したものの、2023年度以降は回復傾向にあります。2025年3月期には889万円まで回復し、前年比51万円の増加となりました。これは建設業界全体の好調な受注環境と同社の業績回復が反映された結果といえます。
他企業との比較データ
| 企業名 | 平均年収 | 分類 |
|---|---|---|
| 長谷工コーポレーション | 1,058万円 | 準大手ゼネコン |
| 前田建設工業 | 1,023万円 | 準大手ゼネコン |
| 安藤ハザマ | 1,005万円 | 準大手ゼネコン |
| 西松建設 | 975万円 | 準大手ゼネコン |
| フジタ | 943万円 | 準大手ゼネコン |
| 戸田建設 | 941万円 | 準大手ゼネコン |
| 五洋建設 | 925万円 | 準大手ゼネコン |
| 三井住友建設 | 893万円 | 準大手ゼネコン |
| 東急建設 | 889万円 | 準大手ゼネコン |
| 熊谷組 | 849万円 | 準大手ゼネコン |
準大手ゼネコン10社の中で東急建設は9位の年収水準となっています。準大手ゼネコンの平均年収は約950万円であり、東急建設はやや低めの水準ですが、それでも建設業界全体の平均年収544万円を大きく上回っています。同社は東急グループのネットワークを活かした安定した受注基盤があり、今後の業績向上により年収水準の改善も期待されます。
東急建設の役職別年収データ
東急建設の役職別年収について、公式データは非開示となっていますが、業界データや口コミサイトの情報を参考にした推定データをご紹介します。同社では年功序列の側面が強く、資格取得が昇格要件となっているのが特徴です。
| 役職 | 推定年収（万円） |
|---|---|
| 係長・主任クラス | 650～750 |
| 課長クラス | 800～950 |
| 部長クラス | 970～1,200 |
| 執行役員クラス | 1,300～1,500 |
東急建設では技術職と事務職で年収水準に大きな差はなく、現場勤務の場合は現場手当などが加算されることで年収が上積みされる傾向にあります。管理職になると基本給の大幅な上昇に加え、業績連動の賞与も増額されるため、年収の伸びが期待できます。ただし、40歳で住宅手当が打ち切られるため、役職に就いていない場合は実質的な収入減となる可能性があります。
東急建設の年齢別年収推移
東急建設の年齢別年収について、詳細な公式データは非開示となっていますが、有価証券報告書のデータと業界傾向を基にした推定データをお示しします。
| 年代 | 推定年収範囲（万円） |
|---|---|
| 20代 | 400～600 |
| 30代 | 600～800 |
| 40代 | 800～1,000 |
| 50代以上 | 950～1,200 |
東急建設では新卒入社後、最初の5年程度は同期間でほぼ同水準の年収推移となります。30歳頃から個人の実力や資格取得状況によって差が生まれ始め、40代で管理職に昇進できるかどうかが年収の大きな分岐点となります。建設業界特有の現場手当や資格手当なども年収に大きく影響するため、積極的な資格取得が年収アップの鍵となります。口コミでは30歳で490万円～770万円、50代でピーク時1,039万円程度という情報もありますが、個人の職務内容や役職によって大きく変動します。
東急建設の福利厚生
東急建設では社員一人ひとりが安心してイキイキと働ける職場環境の実現を目指し、充実した福利厚生制度を整備しています。多様な価値観を持った社員それぞれが、日々の業務はもちろん毎日の暮らしも健康で快適に過ごせるよう、様々なサポート制度を提供しています。
| 制度・手当 | 内容 |
|---|---|
| 住宅手当 | 40歳未満：独身者1.5万円、配偶者有1.5～4.5万円（地域により変動） |
| 単身赴任手当 | 家族と離れて暮らす場合の生活負担軽減 |
| 帰省交通費 | 単身赴任者の帰宅交通費月2回まで実費支給 |
| 有給取得率 | 86.8％（年間休日123日） |
| カフェテリアプラン | 年間10万円分のポイント（資格取得・ジム・子ども用品等に利用可能） |
| フレックスタイム制度 | 業務や環境に応じた柔軟な働き方をサポート |
| テレワーク制度 | 在宅勤務による多様な働き方を推進 |
| 退職金制度 | 確定拠出年金制度 |
特筆すべきは「カフェテリアプラン」という選択型福利厚生制度で、一般社員には年間10万円分のポイントが付与され、資格取得費用、スポーツジム利用料、子ども用品購入費、ビジネス書籍代など幅広い用途に活用できます。また、東急グループの共済会制度により結婚祝い金や出産祝い金なども支給されます。休暇制度も充実しており、有給休暇の他に傷病・介護・看護・不妊治療・性同一性障害治療等に対応した特別休暇制度や、永年勤続表彰休暇（10日間）、作業所勤務時の特別休暇（夏・冬各5日間）なども設けられています。
東急建設の転職難易度は？
東急建設は準大手ゼネコンとして高い技術力と安定した経営基盤を持つため、転職市場では非常に人気の高い企業です。建設業界での経験者はもちろん、異業種からの転職者も積極的に受け入れており、特に若手人材の育成に力を入れています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 中途採用実績 | 年間を通じて積極的な中途採用を実施 |
| 求める人材像 | チャレンジ精神、協調性、専門性向上への意欲 |
| 応募条件 | 大卒以上、建設業界経験者優遇（未経験者も応募可能） |
| 有利な資格 | 一級建築施工管理技士、一級土木施工管理技士、技術士等 |
| 選考プロセス | 書類選考→面接2～3回→内定 |
求められる人材像
東急建設では「チャレンジ精神を持ち、新しい技術や手法に積極的に取り組める人材」「チームワークを重視し、多様な関係者と協働できるコミュニケーション能力」「専門性の向上に意欲的で、継続的な学習を続けられる人材」を求めています。建設業界の経験があることは有利ですが、未経験者でも入社後の研修制度が充実しているため、やる気と学習意欲があれば十分にチャンスがあります。特に、DXやICT技術に関する知識や経験がある人材は、同社のデジタル化推進の観点から高く評価される傾向にあります。
転職成功のポイント
東急建設への転職を成功させるためには、まず同社の企業理念「環境と感動を未来へ建て続ける」に共感し、その実現に向けた具体的な貢献方法を明確に示すことが重要です。建設業界経験者の場合は、これまでの実績と東急建設での活かし方を具体的にアピールし、未経験者の場合は他業種での経験がどのように建設業界で活用できるかを論理的に説明することが求められます。また、資格取得への意欲や継続的な学習姿勢をアピールすることで、長期的な成長ポテンシャルを示すことができます。面接では、東急グループの一員として地域社会への貢献やインフラ整備への使命感を表現することも効果的です。建設業界専門の転職エージェントを活用することで、非公開求人情報や面接対策など、より詳細なサポートを受けることも転職成功の鍵となります。
まとめ
東急建設の平均年収は889万円（2025年3月期）で、準大手ゼネコンの中では中位の水準にありますが、建設業界全体と比較すると高い年収水準を維持しています。同社は東急グループのネットワークを活かした安定した受注基盤と、鉄道関連工事での独自技術力を強みとし、渋谷再開発などの大規模プロジェクトで確かな実績を築いています。
福利厚生制度も充実しており、カフェテリアプランによる年間10万円の福利厚生ポイント、住宅手当、フレックスタイム制度など、社員の働きやすさを重視した制度が整備されています。転職においては建設業界経験者が有利ですが、未経験者にも門戸が開かれており、研修制度の充実により着実にキャリアを積むことができます。
転職を検討される方は、同社の企業理念への共感と具体的な貢献方法を明確にし、資格取得への意欲や継続的な学習姿勢をアピールすることが重要です。準大手ゼネコンとして安定性と成長性を兼ね備えた東急建設は、建設業界でのキャリア形成を目指す方にとって魅力的な選択肢といえるでしょう。
