リンテック株式会社(以下、リンテック)は、粘着製品分野におけるリーディングカンパニーとして、幅広い産業分野に製品を提供している東証プライム市場上場企業です。本記事では、リンテックの年収水準について、最新の有価証券報告書をもとに詳しく解説いたします。平均年収や年収推移、同業他社との比較、役職別年収データなど、転職や就職活動の参考となる情報を包括的にお伝えします。
リンテックの会社概要
リンテックは、粘着素材や特殊紙、剥離フィルムなどの開発・製造・販売を手がける総合粘着製品メーカーです。1934年の設立以来、粘着応用技術、表面改質技術、特殊紙・剥離材製造技術、システム化技術という4つの基盤技術を活かし、シール・ラベル用素材から半導体関連テープまで多岐にわたる製品を提供しています。同社の製品は、食品・日用品から最先端の電子部品まで、私たちの身の回りの様々な場面で活用されており、産業界全体を支える重要な役割を担っています。
リンテック株式会社の基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | リンテック株式会社(LINTEC Corporation) |
本社所在地 | 東京都板橋区本町23-23 |
設立年 | 1934年(昭和9年) |
業種 | その他製品(製紙業) |
事業内容 | 粘着素材、粘着関連機器、特殊紙、剥離紙・剥離フィルムなどの開発・製造・販売 |
上場市場 | 東京証券取引所プライム市場 |
リンテックの事業は大きく6つの部門に分かれています。印刷材・産業工材関連事業では、シール・ラベル用粘着紙・フィルムや屋外サイン用粘着シートを製造。電子・光学関連事業では、半導体関連テープや液晶ディスプレイ用フィルムを手がけています。洋紙・加工材関連事業では、剥離紙・剥離フィルムや特殊機能紙を製造し、幅広い産業分野のニーズに応えています。これらの多角的な事業展開により、景気変動の影響を受けにくい安定した経営基盤を築いています。
リンテックの平均年収はどのぐらい?
リンテックの最新の平均年収は661万円です(2024年3月期有価証券報告書)。国内の上場企業の平均年収は614万円なので、リンテックの平均年収は平均的な数値であることがわかります。また、その他製品でみた場合の平均年収は573万円なので、業界全体の平均年収に比べると高い数値です。
年度別の平均年収推移
リンテックの過去6年間の平均年収推移をみると、安定した水準を維持していることがわかります。以下の表は、有価証券報告書に基づく正確なデータです。
年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 従業員数 |
---|---|---|---|
2024年3月期 | 661万円 | 42.1歳 | 2,629人 |
2023年3月期 | 664万円 | 41.7歳 | 2,578人 |
2022年3月期 | 659万円 | 41.4歳 | 2,516人 |
2021年3月期 | 643万円 | 41.3歳 | 2,478人 |
2020年3月期 | 647万円 | 41.1歳 | 2,434人 |
2019年3月期 | 653万円 | 40.9歳 | 2,390人 |
出典:リンテック株式会社 有価証券報告書(各年度3月期)
リンテックの平均年収は直近7年間で、+3.6%増加と上昇トレンドとなり、平均年収が増加していることが分かります。平均年齢も40代前半で安定しており、勤続年数の長い安定した企業であることを示しています。
他企業との比較データ
製紙・パルプ業界におけるリンテックの年収水準を、同業他社と比較してみましょう。
企業名 | 平均年収 | 平均年齢 |
---|---|---|
王子ホールディングス | 858万円 | 43.2歳 |
日本製紙 | 666万円 | 42.8歳 |
リンテック | 661万円 | 42.1歳 |
レンゴー | 654万円 | 41.9歳 |
大王製紙 | 622万円 | 41.5歳 |
業界内での位置づけとしては、王子ホールディングスが858万円でトップ、日本製紙が666万円で2位、リンテックは661万円で3位と、業界内では中上位の水準となっています。リンテックは特殊な粘着製品分野に特化しており、技術力の高さが年収水準にも反映されていることがわかります。
リンテックの役職別年収データ
リンテックの役職別年収については、公式データとしては非開示となっています。しかし、口コミ情報によると、管理職(課長代理/調査役)以上になるまでは年功序列的な昇給となり、係長の手前までは年功序列でスムーズに上がっていくという特徴があります。
役職 | 推定年収(万円) |
---|---|
主任・係長クラス | 非開示 |
課長クラス | 非開示 |
部長クラス | 非開示 |
給与制度については、管理職になると基本給は上がるものの、管理職までは給与は低めという特徴があります。また、賞与は年に2回あり、半期ごとの業務成績によって決まり、年齢や役職に相応の金額が予め設定されているという制度となっています。
リンテックの年齢別年収推移
リンテックの年齢別年収推移についても、公式データとしては詳細な開示はされていません。ただし、業界平均や口コミ情報から推測される年収レンジをお示しします。
年代 | 推定年収範囲(万円) |
---|---|
20代 | 350~500万円 |
30代 | 500~650万円 |
40代 | 600~750万円 |
50代以上 | 700~850万円 |
リンテックに勤める20代の平均年収は470万円で、全国の平均年収と比べると94万円プラスとなります。30代になると579万円で、20代の時よりも109万円プラスとなり、着実な昇給が期待できます。新卒入社10年目、31歳、役職なしで年収500万〜550万という口コミもあり、安定した昇給制度があることがうかがえます。
リンテックの福利厚生
リンテックの福利厚生制度は、大手製造業として充実した内容となっています。以下に主要な福利厚生をカテゴリ別にご紹介します。
制度・手当 | 内容 |
---|---|
住宅手当 | 独身寮・社宅制度あり(格安利用可能) |
交通費 | 通勤手当支給 |
退職金制度 | 退職金制度・企業年金制度あり |
各種保険 | 健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険 |
その他 | 財形貯蓄・持株会・がん保険(管理職以上) |
住宅関連
独身寮は格安(~1万円/月)も、立地は埼玉(大宮付近)となる為、都内勤務の人間には不便という面もありますが、寮は家賃が安く手当も手厚いので良いという評価も得ています。
休暇制度
年間休日は125日と多めで、フレックスタイム制を一部導入しており、ワークライフバランスを保ちやすい環境が整備されています。フレックス、退職金、持株会、育児休暇、出産休暇などのさまざまな休暇制度も充実しています。
その他の福利厚生
通常の財形貯蓄や401K個人年金や退職金はあります。最近、がん保険なども追加されています。管理職以上には、株式購入もあり、配当の制度もできましたなど、将来の安定を支える制度が整っています。
リンテック株式会社の転職難易度は?
リンテックへの転職難易度について、採用状況や求められる人材像の観点から解説します。
項目 | 内容 |
---|---|
中途採用実績 | 公式データとしては非開示 |
求める人材像 | 誠実・チームワーク・プロ意識・前向き |
応募条件 | 職種により異なる |
選考プロセス | 書類選考・面接(複数回) |
求められる人材像
リンテックが求める人物像として、「誠実であれ!」「人の和、チームワークを大切にする人であれ!」「モノづくりをする『プロフェッショナルの意識』をもつ職業人であれ!」「前向きに物事をとらえ考えられる人であれ!」という4つの要素を掲げています。技術系職種では、研究開発や設備技術、装置開発などの専門性が求められますが、私たちが重視する点は、皆さんそれぞれの「個性」「人間性」です。習得した知識・技術・語学力だけが選考基準ではありませんとしており、人間性を重視した採用方針であることがわかります。
転職成功のポイント
リンテックへの転職を成功させるためのポイントとして、以下の要素が重要です。
技術的専門性の習得
粘着技術や表面改質技術、特殊紙製造技術など、リンテックの4つのコア技術に関連する知識や経験があると有利です。化学系、材料系、機械系の技術者としての実務経験が評価されます。
顧客志向とチームワーク
BtoB企業として、顧客ニーズに応える姿勢と、チーム一丸となって課題解決に取り組む協調性が求められます。
グローバル視点
海外展開を積極的に進めているため、語学力や海外経験があると評価されやすいでしょう。
継続的な学習意欲
技術革新の激しい業界のため、新しい技術やトレンドを学び続ける姿勢が重要です。
まとめ
リンテック株式会社の平均年収は661万円と、業界内では中上位の水準を誇ります。年功序列的な昇給制度により安定した収入が期待でき、充実した福利厚生制度も魅力的です。技術力の高さと安定した事業基盤により、長期的なキャリア形成を図りたい方には適した企業といえるでしょう。
転職を検討される際は、リンテックの4つのコア技術や事業領域について理解を深め、自身の専門性がどのように活かせるかを具体的にアピールすることが重要です。また、同社が重視する人間性や協調性についても、これまでの経験を通じて示すことで、採用の可能性を高めることができるでしょう。
粘着製品分野のリーディングカンパニーとして、今後も成長が期待されるリンテック。技術系人材にとって魅力的なキャリアパスを提供する企業として、転職市場でも注目される存在です。