多角的事業展開で知られるオリックス株式会社(以下、オリックス)は、充実した福利厚生制度で社員の働きやすさを支援している企業として高く評価されています。連続休暇取得時の奨励金制度や手厚い住宅関連支援など、従業員のワークライフバランスを重視した制度が整備されており、転職市場でも注目を集めています。本記事では、オリックスの福利厚生制度について、住宅手当から休暇制度、退職金制度まで、転職検討者に必要な情報を詳しく解説します。
オリックスの会社概要
オリックス株式会社は、1964年に設立されたリース会社を起源とする総合金融サービス企業です。現在では、法人営業・メンテナンスリース、不動産、事業投資・コンセッション、環境エネルギー、保険、銀行・クレジット、輸送機器など多岐にわたる事業を展開しており、日本を代表する多角化企業として成長を続けています。2024年3月期の営業収益は2兆8,143億円、平均年収は920万円と、金融業界でもトップクラスの業績と待遇を誇ります。
オリックスの基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | オリックス株式会社 |
本社所在地 | 東京都港区浜松町2丁目4番1号 世界貿易センタービル南館 |
設立年 | 1964年4月17日 |
業種 | 金融・リース業 |
事業内容 | 金融サービス、不動産、環境エネルギー、コンセッション等 |
上場市場 | 東京証券取引所プライム市場、ニューヨーク証券取引所 |
従業員数 | 2,929名(単体)、33,807名(連結) |
営業収益 | 2兆8,143億円(2024年3月期連結) |
平均年収 | 920万円(2024年3月期) |
オリックスの事業は、リース事業を基盤として多様化を図り、現在では10の事業セグメントで構成されています。法人営業・メンテナンスリースセグメントでは、各種機器のリースやレンタル、自動車リースなどを手がけ、不動産セグメントでは不動産開発・賃貸・管理業務を展開しています。また、環境エネルギーセグメントでは再生可能エネルギー事業や廃棄物処理事業、輸送機器セグメントでは航空機リースや船舶関連投融資などを行っており、保険・銀行・クレジット事業も手がける総合金融グループとして、多角的なサービスを提供しています。海外事業においても、米州、欧州、アジア・豪州の各地域で積極的に事業を展開しており、グローバル企業としての地位を確立しています。
オリックスの福利厚生制度の特徴
オリックスの福利厚生制度は、社員の多様な働き方を支援し、ワークライフバランスの実現を重視した包括的な制度として設計されています。連続休暇を取ると5万円がもらえる制度や、手厚い家賃補助のため、福利厚生は非常に良いという評価が示すように、従業員のプライベートと仕事の両立を積極的にサポートする姿勢が特徴的です。また、男性社員の育児休業等取得率は96.2%に達しており、性別を問わず働きやすい環境づくりが進んでいます。
住宅関連制度
オリックスでは、社員の住宅環境をサポートする充実した制度を提供しています。住宅手当については、手厚い家賃補助が用意されており、特に転勤者に対する支援が手厚いことが特徴です。2025年度に新設された、該当する職種かつ独身の転勤者に対し帰省等に係る交通費の支援として年間20万円を支給する制度が導入されており、転勤に伴う負担軽減を図っています。また、社宅や借り上げ住宅制度も整備されており、全国・海外への転勤時にも安心して勤務できる住環境が提供されています。住宅取得支援制度についても、低金利での住宅ローン支援や住宅購入時の諸費用補助など、長期的な住まいづくりをサポートする制度が用意されています。
健康・医療関連制度
オリックスでは、社員とその家族の健康維持・増進を重視した包括的な健康・医療制度を整備しています。健康保険組合による基本的な医療保険に加え、定期健康診断の充実、人間ドック受診費用の補助、メンタルヘルスケア体制の整備などが行われています。2024年3月、特に優良な健康経営を実践している企業として、経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」の認定を受けました。また、社員に対して年間一定金額の福利厚生ポイントが付与され、資格取得や語学学習などの自己研鑽、スポーツジム利用などの健康増進に活用できるカフェテリアプラン制度も導入されており、社員が自身のニーズに合わせて健康増進活動を選択できる柔軟性を提供しています。さらに、産業医による健康相談、ストレスチェック制度、健康セミナーの開催など、予防医学の観点からも充実したサポートが提供されています。
休暇・働き方制度
オリックスの休暇制度は、社員のワークライフバランス実現を強力にサポートする制度として高く評価されています。有給休暇取得率は81.9%と高水準を維持しており、年次有給休暇の取得促進に積極的に取り組んでいます。特に注目すべきは、リフレッシュを目的とした年次有給休暇を5営業日連続で取得した場合に、一定額(5万円)の奨励金を支給する制度で、まとまった休暇の取得を経済的にもサポートしています。働き方の柔軟性については、リモート・フレックスといった基本的な制度は一通りそろっている状況で、コアタイムのないスーパーフレックスタイム制度や在宅勤務制度が導入されています。1時間単位で有給休暇が取得できる制度も整備されており、年間5日分の年次有給休暇を1時間単位に分割して取得することが可能です。また、社員がボランティアや社会貢献活動を行う際に取得可能な休暇・休職制度も設けられており、社会貢献活動への参加も支援しています。
教育・研修制度
オリックスでは、社員の成長とキャリア開発を支援する充実した教育・研修制度を提供しています。社員一人当たりの平均研修時間は37.6時間/年、研修費用は112,826円/年と、人材育成に対する投資額の大きさが示されています。新卒社員に対しては、入社時研修から始まり、OJT(On-the-Job Training)、フォローアップ研修まで、段階的なスキル習得をサポートする体系的なプログラムが用意されています。資格取得支援制度では、業務に関連する資格取得費用の補助や、合格時の奨励金支給などが行われており、社員に対して年間一定金額の福利厚生ポイントが付与され、資格取得や語学学習などの自己研鑽に活用できる制度も整備されています。キャリア開発支援として、「社内インターンシップ制度」や「キャリアチャレンジ制度」なども設けられており、社員が自律的にキャリアを形成できる環境が整備されています。管理職向けには、マネジメント研修やリーダーシップ研修なども充実しており、組織の将来を担う人材の育成にも力を入れています。
出典:オリックス株式会社 有価証券報告書(2024年3月期)、オリックス株式会社 採用サイト
オリックスの各種手当・補助制度
オリックスでは、社員の様々なライフステージやニーズに対応した充実した手当・補助制度を提供しています。特に注目すべきは、社員の自己投資と健康増進をサポートするカフェテリアプラン制度で、年間一定額のポイントが付与され、個人のニーズに合わせて柔軟に活用できる点が特徴的です。
制度・手当名 | 内容 | 対象者 |
---|---|---|
住宅手当 | 家賃補助制度、転勤者向け年間20万円の帰省交通費支援 | 全社員(条件による) |
交通費 | 通勤に要する交通費全額支給 | 全社員 |
家族手当 | 配偶者および子女に対する扶養手当 | 扶養家族を有する社員 |
リフレッシュ休暇奨励金 | 5営業日連続有給取得時に5万円支給 | 制度利用者 |
カフェテリアプラン | 年間一定額のポイントで資格取得・健康増進・育児支援サービス利用可能 | 全社員 |
資格取得支援 | 業務関連資格の取得費用補助・合格奨励金 | 全社員 |
健康診断補助 | 定期健康診断・人間ドック受診費用補助 | 全社員およびその家族 |
語学学習支援 | 語学研修費用補助・TOEIC受験料補助 | 全社員 |
これらの手当・補助制度の中でも、カフェテリアプラン制度は特に評価が高く、育児・介護関連サービスの利用による家庭と仕事の両立支援などを一人一人が自由に選ぶことができます。社員は自身のライフステージや価値観に応じて、最適なサービスを選択できるため、福利厚生制度の満足度向上に大きく貢献しています。また、転勤者に対する支援制度の充実は、全国・海外展開を行うオリックスならではの特徴的な制度となっています。
オリックスの退職金・年金制度
オリックスの退職金・年金制度については、企業年金制度と退職一時金制度を組み合わせた制度設計となっています。ただし、退職金制度の詳細な支給額や計算方法については、公式データとしては非開示となっています。一般的に、オリックスのような大手金融グループでは、確定給付企業年金制度や確定拠出年金制度を併用し、長期勤続者に対して十分な退職後の生活保障を提供する制度が整備されていると考えられます。
企業年金制度については、在職中からの年金資産の積み立てと運用が行われ、退職後の安定した収入源として機能します。また、確定拠出年金制度が導入されている場合、社員自身が運用商品を選択し、将来の年金受給額を自己責任で管理することになります。退職時期や退職事由による支給条件の違い、中途退職時の取り扱いなどについては、入社時の労働条件説明や社内規程で詳細が定められています。転職を検討する際は、現在の勤務先との退職金制度の比較や、転職時期による受給額への影響などを慎重に検討することが重要です。
オリックスの福利厚生の評判・口コミ
オリックスの福利厚生制度に対する社員や就職活動生からの評判は概ね良好で、特にワークライフバランスを重視した制度設計が高く評価されています。連続休暇を取ると5万円がもらえる制度や、手厚い家賃補助のため、福利厚生は非常に良いと考えるという声が代表的で、金銭的なサポートの充実が評価されています。
働き方の柔軟性についても、リモート・フレックスといった基本的な制度は一通りそろっているとの評価があり、現代の働き方のニーズに対応した制度が整備されていることが分かります。また、配偶者の転勤に伴い、エリアを変更できたり、最大5年間の休職ができるため、福利厚生はとても手厚いという口コミからは、ライフイベントに対する柔軟な対応が評価されています。
自己投資支援についても、自己研鑽に使えるポイント制度や、社員が使える施設がありしっかりしていると感じた、全国型の場合は、国内外への転勤の可能性もありますが、生活スタイルに応じて地域型に変更することもできます。また、福利厚生の1つとして、自分磨きに投資できる制度など、キャリア開発支援の充実が評価されています。
休暇制度については、リフレッシュ休暇があり、5日連続習得で50000円がもらえるという具体的な制度内容への評価が見られ、福利厚生や休みの取得しやすさは全く問題ないと思いますとの声もあります。カフェテリアプラン制度についても、フレックスやカフェテリアプランなど、福利厚生はとても充実していると評価されており、制度の多様性と利便性が認められています。
他社との福利厚生比較
オリックスの福利厚生制度を金融業界の他社と比較すると、特にワークライフバランス支援制度や自己投資支援制度において優位性を持っていることが分かります。以下の比較表では、主要金融機関との制度比較を示します。
制度 | オリックス株式会社 | 三井住友ファイナンシャルグループ | 三菱UFJフィナンシャル・グループ |
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住宅手当 | 家賃補助+転勤者年間20万円交通費支援 | 独身寮・社宅制度あり | 住宅手当・社宅制度あり |
有給取得率 | 81.9% | 約70%台 | 約75%台 |
連続休暇奨励金 | 5日連続で5万円支給 | なし | なし |
男性育休取得率 | 96.2% | 約80%台 | 約85%台 |
カフェテリアプラン | 年間ポイント制で自由選択 | 一部導入 | 一部導入 |
フレックス制度 | スーパーフレックス(コアタイムなし) | コアタイムあり | コアタイムあり |
在宅勤務制度 | 週複数日可能 | 月数日程度 | 月数日程度 |
この比較からも分かるように、オリックスは連続休暇奨励金制度やスーパーフレックス制度など、他社にはない独自の制度を導入している点が特徴的です。特に、有給取得率や男性育休取得率において業界でも高水準を維持しており、実際に制度が活用されている環境が整っていることが示されています。カフェテリアプラン制度についても、他社では部分的な導入にとどまっている中、オリックスでは包括的な制度として運用されており、社員の満足度向上に寄与しています。
オリックスへの転職で注目すべき福利厚生ポイント
オリックスへの転職を検討する際は、同社の福利厚生制度の特徴を十分に理解し、自身のライフスタイルやキャリアプランとの適合性を評価することが重要です。特に、多角化企業ならではの幅広い事業展開に伴う転勤の可能性や、充実した自己投資支援制度を活用したキャリア開発の機会について、事前に確認しておくことが転職成功の鍵となります。
転職時の福利厚生チェックポイント
オリックスへの転職検討時に確認すべき福利厚生のポイントは以下の通りです。まず、住宅関連制度については、転勤の可能性がある職種の場合、転勤者向けの年間20万円の交通費支援制度の適用条件を確認することが重要です。また、現在の住居費負担と比較して、オリックスの住宅手当制度がどの程度の経済的メリットをもたらすかを試算しておくことをおすすめします。休暇制度については、現職での有給取得状況と比較し、81.9%という高い取得率の環境で実際にワークライフバランスが改善するかを検討してください。
カフェテリアプラン制度については、年間ポイントの付与額と利用可能なサービス内容を詳しく確認し、自身の興味やニーズとの適合性を評価することが大切です。特に、資格取得支援や健康増進、育児・介護支援サービスなど、将来的に活用する可能性のある分野について、具体的な利用方法と補助額を把握しておきましょう。また、退職金・年金制度については詳細が非開示のため、面接時や内定後の条件説明で必ず確認し、現職との比較検討を行うことが必要です。
入社後の手続きと利用方法
オリックス入社後の福利厚生制度利用については、入社手続きと同時に各種制度の申請手続きを行う必要があります。住宅手当については、入社時の住所届出と併せて申請を行い、転勤者の場合は交通費支援制度の対象となるかの確認も必要です。カフェテリアプラン制度については、入社後にシステムへの登録を行い、年間ポイントの付与を受けて利用開始となります。制度の詳細や利用方法については、入社時のオリエンテーションで説明が行われるほか、人事部門への問い合わせも可能です。
休暇制度の利用については、入社初年度から年次有給休暇の付与があり、連続休暇奨励金制度も同様に利用可能です。ただし、制度の詳細な利用条件や申請方法については、所属部署の上司や人事担当者と相談の上で計画的に利用することが推奨されます。フレックスタイム制度や在宅勤務制度についても、部署の業務特性に応じて利用範囲が決まるため、入社後に具体的な運用方法を確認することが重要です。
教育・研修制度については、入社時の新人研修から始まり、キャリアチャレンジ制度や社内インターンシップ制度などの利用は、一定の勤務期間を経た後に申請可能となります。資格取得支援制度の利用については、業務関連性の確認と事前申請が必要で、カフェテリアプランのポイントを活用した自己研鑽も併せて検討できます。育児・介護関連制度については、該当する状況になった際に人事部門への相談を通じて、個別の状況に応じたサポートプランが提案されます。
まとめ
オリックス株式会社の福利厚生制度は、多角化企業としての事業特性を活かした包括的で柔軟な制度設計が特徴です。連続休暇取得時の5万円奨励金制度や年間20万円の転勤者交通費支援など、他社にはない独自の制度が充実しており、社員のワークライフバランス実現を強力にサポートしています。有給取得率81.9%、男性育休取得率96.2%という高い実績は、制度が実際に活用される環境が整っていることを示しています。
カフェテリアプラン制度による自己投資支援、スーパーフレックス制度による働き方の柔軟性、充実した住宅関連制度など、現代の働き方ニーズに対応した制度が幅広く整備されています。平均年収920万円という高水準の報酬に加え、これらの充実した福利厚生制度により、総合的な待遇面での魅力は非常に高いと評価できます。
転職を検討される方は、オリックスの多様な事業展開に伴う転勤の可能性や、グローバル企業としてのキャリア機会を十分に理解した上で、自身のライフプランとの適合性を慎重に検討することをおすすめします。特に、長期的なキャリア形成を重視し、充実した福利厚生制度のもとで安定した働き方を求める方にとって、オリックスは非常に魅力的な転職先となるでしょう。入社後は、豊富な制度を積極的に活用し、自己成長とワークライフバランスの両立を実現していくことが期待できます。