株式会社名古屋銀行(以下、名古屋銀行)は、1949年に設立された愛知県名古屋市に本社を置く第二地方銀行です。愛知県を中心とした地域密着型の銀行として、「絆をつくる、明日へつなぐ。」を企業スローガンに掲げ、個人向けから法人向けまで幅広い金融サービスを提供しています。この記事では、名古屋銀行への転職を検討している方向けに、同社の最新の平均年収データや役職別・年齢別の年収推移、福利厚生、転職難易度まで詳しく解説します。転職の判断材料として、ぜひ参考にしてください。
名古屋銀行の会社概要
名古屋銀行は1949年に設立された愛知県名古屋市中区に本社を置く第二地方銀行として、第二地方銀行の枠組みの中でも北洋銀行と京葉銀行、あいち銀行に次ぐ第4位の規模を誇ります。東京証券取引所プライム市場に上場し、愛知県内では旧東海銀行(現・三菱UFJ銀行)に次ぐシェアを持つ地域有力行として確固たる地位を築いています。愛知県内を中心に岐阜県、静岡県、東京都、大阪市に店舗を展開し、海外では中華人民共和国に南通支店と上海駐在員事務所を設置しています。
名古屋銀行の基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 株式会社名古屋銀行 |
本社所在地 | 愛知県名古屋市中区錦三丁目19番17号 |
設立年 | 1949年2月 |
業種 | 銀行業 |
事業内容 | 普通預金、定期預金、外貨預金、投資信託、各種ローン等の銀行業務 |
上場市場 | 東京証券取引所プライム市場(証券コード:8522) |
名古屋銀行の事業は、個人向けから法人向けまで幅広い金融サービスの提供が中心となっています。普通預金を始めとした預金業務、住宅ローンや事業性融資などの貸出業務、投資信託や外貨預金などの資産運用商品の販売、各種決済サービスなど包括的な金融サービスを展開しています。地域密着型の営業展開を強みとし、愛知県内の企業や個人顧客との長期的な信頼関係を構築してきました。十六銀行・百五銀行と業務提携を結び、地域金融機関同士の連携を深めながら、お客様の経営課題解決と地域経済の発展に貢献する姿勢を明確にしています。
名古屋銀行の平均年収はどのぐらい
名古屋銀行の2024年3月期における平均年収は630万円となっており、国内の給与所得者全体と比較すると上位35.5%前後の年収帯に位置しています。東証プライム上場企業の平均年収763万円と比較するとやや下回りますが、銀行業界内でも一定の競争力を持つ水準を維持しています。
年度別の平均年収推移
年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2019年3月 | 643万円 | 40.6歳 | 17.3年 | 1,790人 |
2020年3月 | 641万円 | 40.7歳 | 17.4年 | 1,790人 |
2021年3月 | 636万円 | 40.8歳 | 17.4年 | 1,790人 |
2022年3月 | 628万円 | 41.0歳 | 17.8年 | 1,771人 |
2023年3月 | 624万円 | 41.2歳 | 17.6年 | 1,790人 |
2024年3月 | 630万円 | 41.0歳 | 17.8年 | 1,790人 |
出典:株式会社名古屋銀行 有価証券報告書(2024年3月期)
過去6年間の推移を見ると、名古屋銀行の平均年収は643万円から630万円の範囲で推移しており、2022年3月期を底として2024年3月期にはやや回復傾向を示しています。平均勤続年数は17.8年と、国税庁が発表している民間企業の平均勤続年数12.7年を5.1年上回っており、従業員の定着率の高さを示しています。従業員数は1,790人前後で安定しており、業務規模に応じた適正な人員配置が行われていることが分かります。
他企業との比較データ
企業名 | 平均年収 | 業界内順位 |
---|---|---|
三井住友トラストグループ | 1,304万円 | 1位 |
三井住友フィナンシャルグループ | 1,095万円 | 2位 |
みずほフィナンシャルグループ | 1,073万円 | 3位 |
三菱UFJフィナンシャル・グループ | 1,048万円 | 4位 |
あいちフィナンシャルグループ | 977万円 | 5位 |
名古屋銀行 | 630万円 | 55位 |
銀行業界内での比較では、名古屋銀行は55番目の年収水準となっており、業界平均772万円を142万円下回る結果となっています。ただし、メガバンクや信託銀行などの持株会社との比較であることや、地方銀行としての事業規模を考慮すると、適正な水準を維持していると評価できます。東証プライム上場企業全体の平均年収763万円と比較しても大きな乖離はなく、地域金融機関として安定した待遇を提供しています。
名古屋銀行の役職別年収データ
役職 | 推定年収(万円) |
---|---|
係長・主任クラス | 非開示 |
課長クラス | 非開示 |
部長クラス | 非開示 |
執行役員 | 非開示 |
名古屋銀行の役職別年収については、公式データとしては詳細な開示はされていません。転職口コミサイトの情報によると、基本的には年功序列の給与体系が採用されており、営業成果が常に上位であれば昇進・昇格が早まる可能性があるとされています。同社は地方銀行として安定した給与体系を維持しており、定期的な昇給制度があるものの、昇格のタイミングで大幅な昇給が期待できる仕組みとなっています。
名古屋銀行の年齢別年収推移
年代 | 推定年収範囲(万円) |
---|---|
20代 | 非開示 |
30代 | 非開示 |
40代 | 非開示 |
50代以上 | 非開示 |
名古屋銀行の年齢別年収推移については、公式データとしては非開示となっています。転職口コミサイトの情報によると、入行6年目までは極端に給料が低く、7年目以降に昇格による大幅な昇給があるとの情報があります。また、近年では若手の給与見直しが行われ、手取りで1~2万円程度の増額が実施されているとされています。同社は年功序列の要素が強い給与体系を採用しており、長期勤続による安定したキャリア形成が期待できる環境が整っています。
名古屋銀行の福利厚生
名古屋銀行では、地方銀行として一般的な水準の福利厚生制度を提供しています。基本的な社会保険制度に加え、退職金制度や財形貯蓄制度など、従業員の生活安定を支える制度が整備されています。
制度・手当 | 内容 |
---|---|
住宅手当 | 家賃補助制度あり(詳細な金額は非開示) |
交通費 | 全額支給 |
退職金制度 | 退職金制度あり(前払い制度選択可能) |
有給取得率 | 5日連続休暇・4日連続休暇の取得が必須 |
その他手当 | 確定拠出年金制度、財形貯蓄制度 |
名古屋銀行の福利厚生の特徴として、年に5日間の連続休暇と4日間の個別休暇の取得が必須となっており、ワークライフバランスの改善に取り組んでいます。退職金制度については、従来の制度に加えて前払い制度も選択できるようになっており、転職市場の変化に対応した柔軟な制度設計となっています。また、育児休業制度についても積極的な取得を推進しており、3回利用した事例もあるなど、女性の働きやすさに配慮した環境整備が進んでいます。時短勤務制度も導入されており、育児と仕事の両立を支援する体制が整っています。
名古屋銀行の転職難易度は
名古屋銀行の転職難易度は「中程度」レベルに位置付けられます。愛知県内での知名度と信頼性を誇る地方銀行として安定した経営基盤を持ちながらも、メガバンクほどの競争倍率ではないため、適切な準備により転職成功の可能性は十分にあります。
項目 | 内容 |
---|---|
中途採用実績 | 定期的な中途採用を実施 |
求める人材像 | 地域への貢献意識、銀行業務への適性、人物重視の評価 |
応募条件 | 職種により異なるが、金融業界での経験が優遇される場合がある |
選考プロセス | 適性検査、面接(3回)を実施、人物重視の評価 |
求められる人材像
名古屋銀行が求める人材像として、まず地域社会への貢献意識と愛知県内での事業展開に対する理解が重要です。同社は地域密着型の銀行として、地元企業や個人顧客との長期的な信頼関係構築を重視しており、そうした価値観に共感できる人材を求めています。また、銀行業務の専門性に対する理解と学習意欲も重要な要素となります。金融商品の知識や法令遵守への意識、お客様対応におけるコミュニケーション能力などが評価されます。面接では語学力や公的資格よりも人物面を重視するとしており、誠実さや責任感、チームワークを大切にする姿勢が求められています。
転職成功のポイント
名古屋銀行への転職を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。まず、地域金融機関としての同社の役割と使命を理解し、地域社会への貢献意識を明確に示すことが重要です。愛知県の経済情勢や地域特性について基本的な知識を持ち、同社がどのような課題解決に取り組んでいるかを研究しておきましょう。銀行業界や金融業界での経験がある場合は、それを積極的にアピールしながら、地方銀行ならではの業務への適応力を示すことが効果的です。面接では人物重視の評価が行われるため、誠実な人柄や責任感、お客様第一の姿勢を具体的なエピソードを交えて伝えることが重要です。また、長期的なキャリア形成への意欲や、同社での成長ビジョンを明確に描けていることも評価されるポイントとなります。
まとめ
名古屋銀行は平均年収630万円という地方銀行として適正な水準を維持し、愛知県内での確固たる地位を築く安定した転職先です。銀行業界全体と比較すると平均的な年収水準でありながら、東証プライム上場企業として信頼性の高い経営基盤を持っています。
同社の強みは、愛知県内での高い知名度とシェア、そして130年を超える歴史に裏打ちされた地域密着型の営業展開にあります。退職金制度の柔軟な選択肢や育児支援制度の充実により、従業員のライフステージに応じた働き方が可能な環境が整っています。年功序列を基本としながらも実力に応じた評価制度があり、長期的なキャリア形成に適した環境といえます。
転職を検討される際は、地域社会への貢献意識と銀行業務への理解、誠実な人柄を重視した人物評価が行われることを理解し、適切な準備を行うことが重要です。競争倍率はメガバンクほど高くないものの、地方銀行としての安定性と成長性を兼ね備えた企業として、金融業界でのキャリアを志す方にとって検討価値の高い転職先の一つといえるでしょう。