「今の仕事、なんとなく続けているけど、このままでいいのかな」「やりたいことが別にあるけど、未経験でも転職できるんだろうか」と、そんな気持ちを抱えながら毎日を過ごしていませんか。
未経験からの転職に踏み出せない理由の多くは、「自分は大丈夫なのか」という不安です。でも実際には、20代は他のどの年代よりも未経験転職に有利な時期とされています。
この記事では、20代が未経験から転職を成功させるために知っておくべき市場の実態、前半・後半で異なる戦略の違い、狙い目の職種・業界、そして失敗しないための具体的な動き方まで、順を追って解説します。
20代の転職市場はいま、どうなっているのか
まずは現在の転職市場の全体像を押さえておきましょう。
マイナビが発表した「転職動向調査2025年版」によると、2024年における20代の転職率は12.4%(前年比−0.8pt)で、全年代の中で転職者の出現率がもっとも多い年代となっています。 直近2年はやや減少傾向にあるものの、依然として高い水準を維持しています。
同調査では、2024年の正社員転職率は全体で7.2%と高水準を維持しており、転職によって年収は平均22.0万円増加したという結果も示されています。 転職が年収アップの手段として機能しているという事実は、20代にとって大きな後押しになるはずです。
未経験OKの求人は拡大傾向にあり、企業による若手・未経験者の採用意欲は依然として高い水準にあります。 「未経験だと求人が少ない」というイメージは、現状の市場とは乖離しています。
入社後の研修や資格支援制度を整える企業も増えており、未経験入社後のキャリア形成のしやすさも向上しています。
なぜ20代の未経験転職は有利なのか
20代が未経験でも転職しやすい理由は、企業側の採用方針にあります。
20代前半はポテンシャル採用が基本
20代前半の求職者には今後の成長を見込んでの「ポテンシャル採用」が期待されることが挙げられます。実務経験が少なくとも、入社意欲の高さや伸びしろに期待し採用する企業が多いのです。
20代前半を「第二新卒」として扱い採用枠を用意する企業が多い点も有利に働きます。このような転職では、基本的なビジネスマナーが身に付いているか、将来性を感じさせるかが重視されます。
20代後半はスキルと成長意欲の両立が鍵
20代後半は前半より社会人経験が長い分、実績やスキルが重視されます。ある程度の経験やスキルがある前提で即戦力を求める企業が多くなり、経験のない職種への転職は難しくなりがちです。 ただし、可能性が閉じているわけではありません。
20代後半の人は、ある程度の社会人経験がある人材とみなされ、組織の即戦力として期待される傾向にあります。未経験の業界で即戦力となることは厳しいかもしれませんが、挑戦心や学ぶ意欲があることが採用担当者にしっかりと伝われば内定に繋がる可能性が高いです。
つまり、前半・後半どちらであっても「なぜ未経験でこの職種に挑戦するのか」を自分の言葉で語れることが、選考を突破するうえでの共通の鍵になります。
20代の未経験転職で狙い目の職種と業界
未経験からでも採用されやすい職種・業界には、いくつかの共通した特徴があります。 需要がなくならない、人材不足に陥りやすいという条件が揃う業界・職種であれば、未経験からでも十分に転職を狙いやすいです。
ITエンジニア・Web系職種
デジタル化が社会全体で進む中、ITエンジニアやWebディレクターなどの職種は慢性的な人材不足の状態にあります。 特に20代の転職にぜひおすすめしたい職種の一つがITエンジニアです。 未経験者向けのプログラミング研修や入社前スキルアップ制度を設ける企業も増えており、ゼロから始めやすい環境が整いつつあります。
人手不足の業界や職種は中途採用を含めて積極的に採用をしていることから、未経験者の転職でも採用されやすい傾向にあります。また、人手不足になる業界は需要が高いことが多く、将来性が期待できるのもポイントです。
営業職
営業職はどの業界でも募集しているため、未経験の業界でもチャレンジしやすい職種の一つです。資格の有無や学歴が問われないケースがほとんどで、結果を出せば給与に反映されるため自分に対する評価もわかりやすいでしょう。
経験よりも人柄やパーソナルな部分が重視される営業職は、20代におすすめの職種です。営業職に向いているのは、コミュニケーション力やヒアリング力、論理的な分析力を持ち合わせている人です。 前職がどの業種であれ、営業への転職ルートは開かれています。
介護・医療関連
働きながらスキルを磨ける、未経験者も歓迎される業界という点で介護職は20代の転職におすすめです。 少子高齢化が進む日本において、介護・福祉系の需要は今後も縮小しにくい分野とされています。資格取得支援を設けている事業者も多く、入職後にスキルアップしやすい環境が整っています。
建設・施工管理
建設業界では若手層の人材不足が深刻化しており、未経験からチャレンジしやすい業界となっています。建設業界では職人をはじめとする技術から、現場監督などの施工管理、CADオペレーターなども含まれる設計など、業界内で職種が多いのも特徴です。
運輸・交通・物流・倉庫やサービス・レジャーといった業界でも未経験歓迎の求人が多く、20代でも職歴よりポテンシャルを評価する採用が主流です。
未経験転職を成功させる6つのポイント
「未経験でも採用されやすい職種を選んだ」だけでは転職は完結しません。準備と進め方で結果は大きく変わります。
自己分析で「転職の軸」を言語化する
20代で未経験の業種へ転職するのは可能ですが、成功するためには、説得力のある転職理由を考えること、今までの実績を言語化すること、転職した後のイメージを具体化することが主なポイントです。
自己分析は「今の仕事の何が合わないのか」だけを掘り下げるのではなく、「なぜその職種・業界を選ぶのか」というポジティブな理由とセットで整理することが大切です。「逃げの転職」ではなく「向かっていく転職」の文脈で語れるかどうかが、面接官の印象を左右します。
前職の経験を「ポータブルスキル」として捉え直す
採用担当者は、ポータブルスキル(自己管理力・コミュニケーション力・吸収力など)を見ています。また、過去の成功体験・失敗体験を通じて具体的に振り返り、失敗を通じて次は何をすべきかを自分の言葉で語れるかも見ています。
前職で培ったスキルや経験を活かせる業種や職種を選択すると採用される確率が高くなります。たとえば、販売職で培ったコミュニケーション能力を活かして営業職に転職するのであれば、まったくの未経験者に比べると即戦力として活躍できることが期待されるため、成功しやすくなるでしょう。
転職理由をポジティブに言い換える
「人間関係が嫌だった」「給料が低かった」という不満は転職のリアルな動機ですが、そのまま伝えるのは避けましょう。 「将来像やスキルを棚卸しする」「転職理由をポジティブに言い換える」などのコツを押さえることが重要です。
「より成長できる環境に移りたい」「この業界で専門性を磨きたい」という前向きな表現に変換するだけで、面接での受け取られ方が大きく変わります。
働きながら転職活動を進める
転職活動期間は1〜3ヶ月がボリュームゾーンとされているため、「次が決まってから辞める」計画的な転職活動が主流と言えそうです。 在職中に活動を進めることで、収入の途切れを防ぎつつ、焦りから来る「とりあえずここでいいか」という判断ミスも避けられます。
転職回数と在籍期間を意識する
20代前半であっても、転職回数が多いと企業から労働環境への適応力が弱い、安定性が低いとネガティブな印象をもたれやすいので注意が必要です。また、1年以上同じ企業での勤務経験がない場合、信頼性が低いと見られることがあります。
「とにかく今すぐ辞めたい」という衝動で動く前に、現職での在籍期間や転職の順序を整理しておくことが、長い目で見たキャリアの信頼性につながります。
転職エージェントを活用する
転職エージェントに登録することで、自分で得られない情報を手にでき、キャリアアドバイザーからは職務経歴書の添削や面接対策を実施してもらえます。内定獲得に向けての手厚いサポートが無料で受けられることから、未経験の業界や職種への転職に不安を感じている20代には心強い存在になると言えるでしょう。
転職エージェントを使う際は、いくつかのサイトに登録して自分にマッチするサービスを利用しましょう。サービスごとで得意な支援分野やエージェントとの相性が異なるため、焦って特定のサービスにこだわりすぎないことが大切です。
20代前半と後半、それぞれの転職戦略の違い
「20代」とひとくちに言っても、前半(20〜24歳前後)と後半(25〜29歳前後)では企業から求められるものが異なります。同じ「未経験転職」でも、打ち出し方を変える必要があります。
20代前半の戦略
20代前半は転職のハードルが低く、高いスキルを求められることが少ないので、未経験の職種にも果敢に挑戦できるでしょう。社員の平均年齢が若い企業は、これまでの実績よりフレッシュでこれから先の成長に投資します。そのため、今後の活躍や伸びしろを期待させるような面接の対応をすることで採用につながります。
アピールすべきは「入社意欲の高さ」「学ぶ姿勢」「吸収力」です。実績がなくても、「なぜこの会社・この職種でなければならないのか」を具体的に語れる準備をしておきましょう。
20代後半の戦略
20代後半で未経験業界に転職する場合は、これまでに培った経験やスキルをアピールすることがポイントです。未経験であっても、他業種や学生時代の経験で身につけたスキルを強みにすることは可能です。
「前職での〇〇の経験が、この職種でどう活きるか」という具体的なストーリーを用意できるかどうかが、20代後半の選考を左右します。抽象的な「成長したい」では通らない分、準備の深さが問われます。
特に25〜29歳の転職意欲は高く、企業側も研修や教育を前提とした中長期的な人材確保を重視する傾向が見られます。 採用側もこの年代の転職を想定した受け入れ体制を整えているため、過度に不安になる必要はありません。
よくある疑問
20代の未経験転職を検討している方からよく寄せられる疑問に答えます。
未経験転職すると年収は下がる?
「20代の未経験転職だから下がる」とは限りません。 厚生労働省の「令和6年雇用動向調査」によると、2024年における転職入職者全体のうち約4割が給与の増加を経験しています。 職種や業界によって差はありますが、年収が維持・増加するケースも十分にあります。
ただし、未経験スタートでは最初の給与が低めに設定されることも少なくありません。入社後の昇給ペースや研修制度を事前に確認しておくことが、入社後のミスマッチを防ぐポイントです。
「3年は同じ会社にいるべき」は本当?
「3年頑張るべき」「すぐに辞めたら不利になる」という考えにとらわれすぎる必要はありません。 ただし、転職回数が多いことや在籍期間が極端に短いことは、採用担当者にネガティブな印象を与えるリスクもあります。
大切なのは「いつ辞めたか」よりも「なぜ転職を決意したのか」「次に何を実現しようとしているのか」という明確な理由です。自分の文脈を整理できていれば、1年未満での転職でも十分に選考を通過できます。
転職活動にどのくらいの期間がかかる?
民間各社の調査では転職活動期間は1〜3ヶ月がボリュームゾーンとされています。 ただし、職種によっては求人のタイミングに左右されることもあります。転職を思い立ったら、まずは情報収集や自己分析を早めに始めておくことで、いいタイミングに求人が出たとき即座に動けます。
次の一歩を踏み出すために
未経験転職への不安は、情報が足りないことから生まれていることがほとんどです。どんな求人があるか、自分のスキルがどう評価されるか、選考で何を聞かれるか——これらはすべて、転職エージェントに登録して相談するだけで多くが解消されます。
20代向けの転職エージェントを選ぶ際は、若手・未経験者の支援に強いサービスを選ぶことが大切です。担当者との相性もあるため、複数社に登録して比較しながら進めるのが、最も効率的なアプローチです。

まとめ|20代の未経験転職は準備と戦略次第
20代の未経験転職は、他のどの年代よりも可能性が開かれている挑戦です。「スキルがない」「経験がない」という不安は、正しい準備と情報でほぼ解消できます。この記事で取り上げたポイントを振り返っておきましょう。
- 20代の転職率は全年代で最多。未経験求人数も拡大傾向にあり、市場環境は追い風
- 20代前半はポテンシャル・成長意欲、20代後半は前職経験の言語化が選考のカギ
- IT・営業・介護・建設など、未経験歓迎の職種・業界は幅広く存在する
- 「なぜこの職種なのか」をポジティブな言葉で語れる準備が成否を分ける
- 転職エージェントを複数活用することで、情報収集から面接対策まで効率よく進められる

