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休職・復職・転職|悩んだときの判断基準と動き方を整理する

Photo by Katie Harp on Unsplash
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「休職したまま、もう戻れない気がしている」「復職と転職、どちらを選ぶべきかわからない」——そんな気持ちを抱えているのは、あなただけではありません。休職中は情報を集める余裕すらなく、一人で決断を迫られているように感じることもあるでしょう。

でも、焦る必要はありません。復職にも転職にも、それぞれ適したタイミングがあります。この記事では、休職中・復職後・退職後それぞれの選択肢を整理し、あなたの状況に合った「次の一歩」を見つけるための判断基準と具体的な動き方をお伝えします。

目次

そもそも「復職」と「転職」、何が違う?

休職中に最も多い相談のひとつが、「復職すべきか、それとも転職すべきか」という二択だといわれています。まずはこの二つの選択肢の特徴を整理しましょう。

復職とは、現在の会社に籍を置いたまま職場に戻ることです。給与や福利厚生が維持され、新しい環境に適応するストレスもありません。一方で、休職の原因が変わっていなければ過去の問題が繰り返されるリスクや、「戻りたくない」というモチベーション低下が仕事の質に影響するデメリットも存在します。

転職は、新しい環境でキャリアをリスタートする選択です。 特に長時間労働やパワハラ・セクハラなど職場環境が原因で休職した場合、復職を果たしても同じことが繰り返される可能性があります。 そのような場合には、転職という選択肢が有効になることもあります。

復職が向いているケース

次のような状況であれば、まずは復職を検討する価値があります。

  • 休職の原因が一時的な業務量の増大や特定のプロジェクトにあった
  • 職場の人間関係や環境そのものへの不満が強くない
  • 会社に復職支援制度(時短勤務・リワークプログラム等)が整っている
  • 医師やカウンセラーが「職場への復帰は可能」と判断している

復職を検討する際は、会社の復職支援制度が利用できるかを確認しましょう。時短勤務や段階的な業務復帰が可能か、復職面談や産業医のサポートが受けられるか、人間関係や業務負担の調整が期待できるかがポイントです。

転職が向いているケース

一方、次のような状況が当てはまる場合は、転職を軸に考えることも選択肢のひとつです。

  • 職場環境や人間関係が休職の主因であり、根本的な改善が見込みにくい
  • 復職を想像するだけで強い不安・ストレスを感じる
  • 以前から別の仕事・業界への興味があった
  • 体調は回復しており、新しい環境で働く気力が戻っている

転職先を選ぶ際は、自分の体調に合った働き方ができるかどうかをよく考え、無理のない職場を選ぶことが大切です。「うつ病だからこの仕事」と症状に合わせるのではなく、「どうすれば負担なく仕事ができるか」「どのように生きていきたいか」という視点を持って仕事を選べると良いでしょう。

休職中の転職活動|できる?法律的な問題は?

休職中に転職を考え始めると、「活動してもいいのか」という疑問がまず頭に浮かびます。結論からお伝えすると、休職中の転職活動に法的な問題はありません。日本国憲法では職業選択の自由を認めており、休職中の転職活動を禁止する法律もないからです。

ただし、企業によっては休職中の転職活動を禁止しているところもあります。休職中に転職活動を行っていることが発覚した場合、処分を受ける可能性もあるため、就業規則を確認したうえで慎重に行うことが重要です。 まずは手元の就業規則を確認することから始めましょう。

休職中に転職活動するメリットとデメリット

休職中に転職活動を行うことには、時間的な余裕がある半面、注意点も少なくありません。

メリットとしては、仕事をしていないため求人リサーチや書類作成に時間を十分に使えること、そして自分のキャリアをゆっくり見直す機会になることが挙げられます。

一方で、体調不良で休職している場合、転職活動に力を入れすぎてしまうと療養に支障をきたし、結局転職できなくなってしまうおそれがあります。また、なぜ復職ではなく転職を希望しているのか理由を明確に伝えられなければ、採用担当者に前向きなイメージを持ってもらいにくくなります。

休職中であることは応募先に伝えるべき?

「休職中と知られたら選考に不利では」と感じる方は多いですが、隠すことのリスクの方が長期的に大きいという観点は押さえておきたいところです。

休職した事実や期間を伝えていなかったことが採用後に判明した場合、「経歴詐称」と捉えられ、会社からの信頼を損ねてトラブルになることも考えられます。

また、源泉徴収票の提出を求められる場面では、面接などで申告していた前職の給与額と差があり、休職していたのではないかと思われる可能性があります。 バレるリスクがある以上、最初から正直に伝え、回復した状態と前向きな姿勢を示す方が誠実さのアピールにもなります。

復職後に転職するルート|最もオーソドックスな選択肢

多くのキャリアアドバイザーが「まずは一度復職してから転職を検討する」ことを推奨しています。理由は複数あります。

復職後に転職活動を開始するメリットとして、問題なく働ける状態の方が企業に好まれること、休職を隠したり説明したりするストレスがなくなること、少しでも復帰することで休職理由が解決している証明になり応募先企業側の懸念を払拭できることが挙げられます。

復職後の転職活動は仕事と並行するため時間の確保に苦労する場面もありますが、精神的な余裕という点では有利なスタートが切れます。「復職してみて、やはり転職を決意した」という流れは、採用担当者にも理解されやすいのが実情です。

復職後の転職活動で気をつけること

復職後に転職活動を進める場合、体調管理が最優先です。 特に休職の理由が体調不良やメンタル不調だった場合、完全に回復していないうちに働き始めることで再発や長期離職につながるリスクもあります。転職活動を進める前に、まずは働ける状況にあるかどうかを冷静に見つめ直しましょう。

また、転職活動の情報収集は復職前の休職期間中から始めることができます。 休職中は将来に向けて考える期間として活用し、時間をたっぷりと使って自己成長や目標に向けた取り組みを行っておけば、後の転職活動でのアピールポイントにもなります。

転職面接で「休職歴」をどう伝えるか

休職歴がある場合に面接で最も重要なのは、「今は働ける状態か」「再発・再休職のリスクはないか」という採用担当者の懸念を払拭することです。

企業が最も重視するのは「なぜ休職していたのか」ではなく、「今は働ける状態かどうか」「将来的なビジョンはあるのか」といった、今後の見通しや本人の姿勢です。 過去の経緯よりも、現在の状態と未来の意欲を伝えることに軸を置きましょう。

伝え方の基本的な構成

面接での説明は、次の流れで組み立てると伝わりやすくなります。

  • 休職した事実と期間を簡潔に述べる
  • 休職に至った背景を客観的かつ端的に説明する(感情的・他責的にならない)
  • 現在は回復していること、業務に支障がないことを明確に伝える
  • 休職期間中に得た気づきや再発防止のための行動変容を話す
  • なぜこの会社・仕事を選んだのかを前向きな言葉で締める

「当時は業務負荷や環境が重なって体調を崩したが、今は十分に回復し、再発防止のための行動も取っている」といった具合に、過去よりも現在の状態と未来への姿勢に焦点を当てて伝えましょう。

また、感情を込めすぎると前職への不平不満になってしまいかねません。企業は転職の動機が前向きであることを求めているため、「現職の〇〇が不満だから」という動機であると感じると、自社でも同じように不満を抱いてすぐ退社してしまうのではないかという懸念を持ちます。 事実を淡々と整理したうえで、学びと成長の観点から語ることが効果的です。

企業側の見方は変わりつつある

厚生労働省「令和5年労働安全衛生調査(実態調査)」によると、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は約63.8%にのぼります。復職支援制度や職場への配慮体制を整える企業が増えており、採用側の意識も変化しています。休職期間があるという理由だけで採用を見送る企業は以前より少なくなっており、働き方やキャリア観の多様化が進んでいる今、メンタル不調による休職に対しても一定の理解を示す採用担当者が増えているのが実情です。

休職歴に過度に萎縮するのではなく、「その経験を通じて何を学んだか」「どんな働き方をしたいか」を言葉にできることが、採用担当者に好印象を与えるポイントになります。

転職活動を始める前に確認しておきたいこと

休職中・復職後を問わず、転職活動をスタートする前に確認しておきたい事項があります。焦って動き出すよりも、土台を整えた方が結果的に早く・良い転職につながります。

体調と生活リズムの確認

転職活動は想像以上に体力と精神力を使います。 毎朝同じ時間に起きる、日中は外に出る、夜は決まった時間に寝るという生活リズムが整っていることが最優先です。生活リズムが崩れた状態で面接を受けても、良いパフォーマンスは出せません。

医師からの診断を受けている場合は、転職活動を始めるタイミングについても相談してみることをおすすめします。

就業規則と傷病手当金の確認

休職中の転職活動については、就業規則で禁止されているケースがあることは前述のとおりです。加えて、傷病手当金との兼ね合いも把握しておく必要があります。

傷病手当金は病気やケガで働けなくなった休職期間中に、従業員とその家族の生活を保障するために支給される給付金です。2022年(令和4年)1月1日の法改正により、同一の病気やケガによる傷病手当金の支給期間は、支給開始日から通算して1年6カ月となっています(途中で復職し給与が支払われた期間はカウントされません)。 受給状況と転職活動のスケジュールを照らし合わせて計画を立てることが大切です。

自己分析と転職の軸の整理

休職期間は、自分を見つめ直す貴重な時間でもあります。焦って求人を探し始める前に、なぜ休職に至ったのか、次はどんな環境で・どんな働き方をしたいのかを言語化しておきましょう。

再就職にあたって、これまでやってきたこと・興味・関心のあること・得意なことや苦手なこと・成功体験・失敗体験などについて考え、自分自身を見つめ直してこれまでの人生やキャリアを振り返ることが推奨されています。 この作業が、面接での説明をより自然にします。

「休職・復職・転職」3つのルート|状況別の選び方まとめ

休職後の選択肢は大きく3つあります。それぞれの状況に合ったルートを選ぶことが、その後のキャリアを安定させるポイントです。

編集部では、「休職中」「復職後」「退職後」という3つのフェーズを整理し、それぞれで取れる行動を以下のようにまとめました。これは一般的な傾向に基づく参考情報であり、個人の状況によって最適な選択肢は異なります。

  • 「休職中」のフェーズでは、体調回復を最優先にしつつ、情報収集・自己分析・就業規則の確認を進める。体調が整っていれば転職活動も可能だが、療養の妨げにならない範囲に限る。
  • 「復職後」のフェーズでは、在職のまま転職活動を進める。空白なく動けること、働ける状態の証明になることが強みになる。
  • 「退職後」のフェーズでは、傷病手当金・失業給付の受給条件を確認したうえで動く。 メンタルヘルス不調のある方が安心して再就職したいなら、退職してから転職活動を始めることも一つの選択肢です。 経済的な見通しを立てることで、焦らずに活動できます。

いずれのルートも絶対の正解はありません。編集部で多くの転職経験者の声を整理したなかで感じるのは、「どのタイミングで動き始めたか」よりも「自分の状態と軸を把握したうえで動いたか」が、その後のキャリアの安定を左右しているという点です。焦って動き出すより、自分の体調と判断軸が整った状態でスタートした人の方が、転職後の定着率も高い傾向にあります。

転職エージェントをうまく活用する

休職・復職を経て転職を検討する場合、転職エージェントへの相談は早めに行うほど役立ちます。「今すぐ転職するつもりはないけれど、方向性を聞いてみたい」という段階での相談も、多くのエージェントが受け付けています。

少しでも不安がある場合はカウンセリングを受けたり、医師やキャリアアドバイザーに相談してみるのもひとつの方法です。 キャリアアドバイザーに相談することで、求人情報だけでなく「自分の状況に合ったタイミング」についてもアドバイスをもらうことができます。

また、転職エージェントは面接の練習や書類添削も行ってくれるため、「休職歴をどう説明すればよいか」という具体的な準備も一緒にできます。一人で悩まず、専門家の力を借りることが転職成功への近道です。

どのエージェントを選べばよいか迷っている方は、下の比較記事も参考にしてみてください。

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まとめ|休職後のキャリアは「その後の動き方」で決まる

休職は、キャリアの終わりではありません。むしろ、休職という経験が「自分にとって何が必要か」を整理するきっかけになったと語る転職者も少なくありません。復職・転職のどちらを選ぶにしても、「なぜそれを選んだのか」を自分の言葉で説明できる状態になることが、面接でも日常でも力になります。

  • 休職中の転職活動は法律上可能だが、就業規則の確認と体調管理が前提条件になる
  • 復職と転職のどちらが向いているかは、休職の原因が職場環境にあるかどうかが判断のひとつの軸になる
  • 転職面接では「過去の休職」よりも「現在の状態と将来のビジョン」を前向きに伝えることが評価につながる
  • 転職活動は生活リズムと体調が安定してから始めるのが望ましく、焦らず段階的に進めることが大切
  • 転職エージェントは「今すぐ転職しなくても」相談できる。早めに話を聞いてもらうことで選択肢が広がる
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