松井建設株式会社(以下、松井建設)は、天正14年(1586年)創業の歴史ある総合建設会社です。「社寺の松井」として知られ、社寺建築で高い技術力を誇る一方、一般建築や土木工事でも豊富な実績を持つ企業です。転職を検討している方にとって、松井建設の年収水準や福利厚生の詳細は重要な判断材料になります。この記事では、松井建設の最新年収データから役職別・年齢別の推移、福利厚生、転職難易度まで詳しく解説します。
松井建設の会社概要
松井建設は、創業天正14年(1586年)という日本国内の上場企業では最も歴史のある企業です。加賀藩第2代藩主前田利長の命を受けた松井角右衛門が越中守山城の普請に従事したのが始まりで、現在まで430年以上の歴史を誇ります。社寺建築に特化した技術力で「社寺の松井」と称され、伝統的な文化を新しいかたちで後世に伝える使命を担っています。1923年の関東大震災を機に東京進出を決意し、社寺建築から一般建築へと業容を拡大しました。
松井建設の基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 松井建設株式会社 |
本社所在地 | 東京都中央区新川一丁目17番22号 |
設立年 | 昭和14年1月20日 |
業種 | 建設業 |
事業内容 | 土木・建築の設計・監理及び請負 |
上場市場 | 東京証券取引所スタンダード市場 |
松井建設の事業内容は、土木・建築の設計・監理及び請負を中心に、製材及び木工加工、土木・建築資材の製造並びに加工販売、不動産の売買・賃貸・仲介、スポーツ・観光・レジャー施設の経営及び管理、発電事業及び電気の売買など多岐にわたります。特に社寺建築では、伝統技術と現代技術を融合させた高度な施工技術を有し、全国各地の重要文化財の保存修理や新築工事を手がけています。一般建築においても、公共施設や民間施設の建設で豊富な実績を積み重ねており、顧客のニーズに応じた多様な建築物を提供しています。
松井建設の平均年収はどのぐらい?
松井建設の平均年収について、最新の有価証券報告書データをもとに詳しく見ていきましょう。建設業界でのポジションや他企業との比較も含めて分析します。
年度別の平均年収推移
松井建設の年度別平均年収の推移は以下の通りです。直近5年間のデータを見ると、安定した年収水準を維持していることがわかります。
年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2024年3月期 | 728万円 | 43.8歳 | 18.8年 | 745人 |
2023年3月期 | 727万円 | 44.0歳 | 17.7年 | 747人 |
2022年3月期 | 721万円 | 44.7歳 | 18.8年 | 745人 |
2021年3月期 | 735万円 | 43.2歳 | 17.5年 | 742人 |
2020年3月期 | 761万円 | 42.8歳 | 16.8年 | 748人 |
出典:松井建設株式会社 有価証券報告書(2024年3月期)
過去5年間の平均年収は734万円となっており、建設業界において安定した高水準を維持しています。平均年齢は43歳前後で推移し、平均勤続年数は17年以上と従業員の定着率の高さがうかがえます。
他企業との比較データ
松井建設の平均年収を建設業界の他企業と比較してみましょう。
企業名 | 平均年収 | 分類 |
---|---|---|
鹿島建設 | 1,177万円 | スーパーゼネコン |
大林組 | 1,066万円 | スーパーゼネコン |
戸田建設 | 891万円 | 準大手ゼネコン |
松井建設 | 728万円 | 中堅ゼネコン |
建設業界平均 | 567万円 | – |
全産業平均 | 460万円 | – |
松井建設の平均年収728万円は、建設業界平均567万円を161万円上回り、全産業平均460万円と比較すると268万円高い水準です。スーパーゼネコンには及ばないものの、中堅ゼネコンとしては競争力のある年収水準を維持しています。
松井建設の役職別年収データ
松井建設の役職別年収については、公式データとしては非開示となっています。有価証券報告書や企業公式ホームページでは、役職別の詳細な年収情報は公表されていません。
役職 | 推定年収(万円) |
---|---|
係長・主任クラス | 非開示 |
課長クラス | 非開示 |
部長クラス | 非開示 |
松井建設では役職別の年収データを公式には開示していませんが、平均年収728万円という水準から推測すると、管理職クラスではより高い年収が期待できると考えられます。昇進や昇格による年収アップの詳細については、転職活動時に企業の採用担当者に直接確認することをお勧めします。
松井建設の年齢別年収推移
松井建設の年齢別年収についても、公式データとしては非開示となっています。有価証券報告書では平均年齢43.8歳、平均年収728万円という全体データのみが公表されています。
年代 | 推定年収範囲(万円) |
---|---|
20代 | 非開示 |
30代 | 非開示 |
40代 | 非開示 |
50代以上 | 非開示 |
一般的な建設業界の年収推移を参考にすると、20代から30代にかけて大幅な年収上昇があり、40代で最も高い年収水準に達する傾向があります。松井建設においても、経験と技術の蓄積に応じて年収が上昇していくものと推測されますが、具体的な数値については企業への直接確認が必要です。
松井建設の福利厚生
松井建設では、社員の働きやすい環境づくりのため、充実した福利厚生制度を整備しています。長期的に安心して働けるよう、多様な制度を提供しています。
制度・手当 | 内容 |
---|---|
資格取得支援 | 国家資格等の取得費用を会社が一部負担 |
資格奨励金 | 国家資格取得時に奨励金を支給 |
研修制度 | 階層別・職能別の充実した研修プログラム |
退職金制度 | 退職金制度あり |
労働組合 | 松井建設労働組合 |
社員持ち株制度 | 社員持ち株制度あり |
財形貯蓄 | 財形貯蓄制度あり |
松井建設の福利厚生制度で特に注目すべきは、資格取得支援制度です。一級建築士は選抜制、一級建築施工管理技士は受講料を全額負担するなど、建設業で重要な国家資格の取得を積極的に支援しています。また、資格を取得した際には各資格に対して奨励金が支払われるため、スキルアップが直接的に経済的メリットにつながります。研修制度も充実しており、新入社員研修から管理職研修まで、キャリアステージに応じた教育プログラムが用意されています。
松井建設の転職難易度は?
松井建設への転職難易度について、採用状況や求められる人材像を分析します。430年以上の歴史を持つ企業だけに、独特の企業文化や求められる資質があります。
項目 | 内容 |
---|---|
中途採用実績 | 実施中(人数非公開) |
採用時の資格要件 | 特別な資格は不要 |
応募条件 | 人物重視の選考 |
選考プロセス | 面接試験重視(3次試験まで) |
求められる人材像
松井建設では、採用時に特別な能力やスキルは求めていません。入社後に業務に必要な資格を取得してもらうという方針を取っており、人物本位の選考を実施しています。求められるのは、ものづくりに対する熱い想いや成長意欲、個性を活かして貢献したいという姿勢です。430年以上の歴史の中で培われた企業文化を理解し、伝統技術の継承と新しい技術の習得に意欲的に取り組める人材を求めています。
転職成功のポイント
松井建設への転職成功のポイントは、まず企業の歴史と文化を理解することです。「社寺の松井」としての伝統技術への敬意と、一般建築分野での成長への意欲をアピールすることが重要です。面接では飾られた言葉よりも、自分がどう成長していきたいか、その想いを松井建設で実現できるかという点を明確に伝えることが求められます。建設業界での経験がある場合は、これまでの実績と松井建設でのキャリアビジョンを具体的に描くことが効果的です。未経験者の場合は、なぜ建設業界、なぜ松井建設を選んだのかという動機を明確にし、学習意欲や成長への意欲を強調することが重要です。
まとめ
松井建設は、平均年収728万円と建設業界では高い水準を維持する歴史ある企業です。創業1586年という長い歴史の中で培った技術力と、充実した研修制度・福利厚生により、社員の長期的な成長をサポートしています。転職を検討する際は、平均年収だけでなく、資格取得支援制度や研修制度などの充実した成長環境も大きな魅力といえるでしょう。人物重視の採用方針により、特別な資格がなくても挑戦できる一方で、企業文化への理解と成長意欲が重要な評価ポイントとなります。建設業界でのキャリアアップを目指す方や、伝統技術と現代技術の融合に興味がある方にとって、松井建設は魅力的な転職先の一つといえるでしょう。