日本通運は、日本を代表する総合物流企業であり、国内外に広がるネットワークを活かして幅広い物流サービスを提供しています。その事業内容は、自動車輸送や鉄道輸送から国際物流、倉庫業務、美術品輸送まで多岐にわたり、高い専門性と信頼性を誇っています。
有価証券報告書(2021年12月期)によると、日本通運の平均年収は579万円で、平均年齢は44.3歳とされています。これは物流業界全体の平均年収を大きく上回る水準です。
この記事では、日本通運の会社概要や年収データ、役職別・年代別の収入推移、充実した福利厚生、そして転職難易度について詳しく解説します。
日本通運の会社概要
日本通運は、国内外で多岐にわたる物流サービスを提供する日本を代表する総合物流企業です。その特徴は、トラック輸送、鉄道輸送、海上輸送、航空輸送といったさまざまな輸送モードを組み合わせ、効率的かつ柔軟な物流を実現している点にあります。また、国内No.1の倉庫面積を保有し、物流ネットワークの中心的な役割を果たしています。
本社は東京都千代田区に位置し、資本金は721億18百万円という安定した財務基盤を有しています。これにより、国内外の幅広い事業展開を支え、持続的な成長を実現しています。
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 日本通運株式会社 |
英語名 | NIPPON EXPRESS CO., LTD. |
本社所在地 | 東京都千代田区神田和泉町2番地 |
資本金 | 721億18百万円 |
平均年収 | 579万円(2021年12月期、有価証券報告書より) |
平均年齢 | 44.3歳(2021年12月期、有価証券報告書より) |
同社は、国内物流のみならず国際物流や倉庫業務、美術品輸送など多岐にわたるサービスを展開しており、その事業領域は非常に幅広いです。こうした特徴が、国内外の企業から高く評価されている理由となっています。
日本通運の平均年収はどのぐらい?
日本通運の平均年収は、物流業界において比較的高い水準に位置しています。有価証券報告書(2021年12月期)によると、同社の平均年収は579万円、平均年齢は44.3歳です。この年収は、日本全体の平均年収である461万円(国税庁統計)を大きく上回っており、物流・運輸業界における競争力の高さを示しています。
日本通運は2022年12月期以降、持株会社体制へ移行しており、持株会社のデータも反映されるため、平均年収がやや高めに算出される傾向があります。しかし、現場スタッフを含む従業員全体の年収は、引き続き物流業界の平均よりも上回る水準です。
年度別の平均年収推移
日本通運の年度別の平均年収は以下の通りです。
年度 | 平均年収 | 平均年齢 |
---|---|---|
2023年12月期 | 937万円 | 47.7歳 |
2022年12月期 | 820万円 | 47.6歳 |
2021年12月期 | 579万円 | 44.3歳 |
2021年3月期 | 567万円 | 43.7歳 |
2020年3月期 | 586万円 | 43.5歳 |
2019年3月期 | 610万円 | 43.3歳 |
この推移を見ると、持株会社体制への移行後に平均年収が大幅に増加していることがわかります。一方で、現場スタッフや契約社員の比率が高い場合、平均年収はやや抑えられる傾向にあります。
他企業との比較データ
日本通運の平均年収を、物流業界の他の主要企業と比較したデータは以下の通りです。
企業名 | 平均年収 | 出所 |
---|---|---|
三菱倉庫 | 800万円 | 2024年3月期決算 |
ヤマト運輸 | 680万円 | 2024年3月期決算 |
日本郵便 | 580万円 | 2024年3月期決算 |
日本通運 | 579万円 | 2021年12月期決算 |
この表から、日本通運は大手物流企業の中でも平均年収が比較的標準的であることがわかります。一方で、同社の広範な事業展開や業績安定性が、転職先としての魅力を高めています。
日本通運の役職別年収データ
日本通運では、役職によって年収が大きく異なります。同社では「係員」「主任」「係長」「課長」「次長」「部長」という役職階級が存在し、それぞれの役職で収入が段階的に増加します。以下に役職別の年収データを示します。
役職 | 年次 | 年収 |
---|---|---|
係員 | 1~5年目 | 400~500万円 |
主任 | 6~10年目 | 500~600万円 |
係長 | 10~15年目 | 600~700万円 |
課長 | 15~20年目 | 700~850万円 |
次長 | 20年目以降 | 850~1,000万円 |
部長 | 評価次第 | 1,000万円以上 |
日本通運では、主任クラスまでは年功序列による昇進が一般的とされていますが、それ以降は業績評価や上司の推薦が重要となります。特に管理職になると、基本給と賞与の比率が大きくなり、年収1,000万円以上の水準に到達する可能性が高まります。
日本通運の年齢別年収推移
日本通運に新卒で入社し、順調に昇進した場合の年齢別年収推移は以下の通りです。これにはボーナスや残業代が含まれています。
年齢 | 年収 |
---|---|
25歳 | 400~450万円 |
30歳 | 550~600万円 |
35歳 | 650~700万円 |
40歳 | 800~900万円 |
45歳 | 1,000万円以上(評価次第) |
50歳 | 1,000万円以上(評価次第) |
このデータから、40歳以降に管理職へ昇進することで年収が大幅に増加することがわかります。また、残業時間や業績評価によって実際の年収には幅が生じるため、個々の働き方や職務内容が収入に大きな影響を与えます。
日本通運の福利厚生
日本通運では、充実した福利厚生を提供しており、社員の働きやすい環境づくりに力を入れています。以下に福利厚生の概要を表で示します。
項目 | 詳細 |
---|---|
育児支援 | 育児休業、短時間勤務制度、子の看護休暇を提供。 |
勤務時間調整 | フレックスタイム制、時差勤務制度など柔軟な働き方を可能にする仕組み。 |
年次休暇 | 勤続年数に応じて15~30日の有給休暇を付与。 |
褒賞休暇 | 勤続10年、20年、30年ごとに10日間の休暇を提供。 |
NX持株会 | 社員が株式を購入する際、拠出金の6%が奨励金として支給される。 |
社宅制度 | 転勤時には社宅が提供され、居住費を大幅に削減可能。 |
健康保険組合 | 健康診断の費用補助や、提携スポーツジムの利用割引を提供。 |
これらの福利厚生は、社員の生活を幅広くサポートするために設計されています。特に育児支援や社宅制度などは、転勤が多い物流業界ならではのニーズに対応した内容となっており、社員の働きやすさを確保する一助となっています。
日本通運の転職難易度は?
日本通運は、国内外に広がる物流ネットワークと安定した収益基盤を持つ企業として、転職市場で非常に高い人気を誇ります。一方で、業務内容が幅広く、専門知識や経験が求められるため、転職難易度は比較的高めです。
特に総合職のポジションでは、物流業界の知識、英語力、コミュニケーションスキルが重視される傾向があります。ただし、近年では中途採用を積極的に行っており、20代や第二新卒の転職実績も増えています。面接では、自己のキャリアビジョンや物流業界への興味を明確に伝えることが鍵となります。
また、職種によっては未経験者を対象としたポジションも存在し、適切な選考対策を行えば、転職成功の可能性が十分にあります。転職エージェントの活用や事前準備が成功への近道です。
まとめ
日本通運は、日本を代表する物流企業として安定した事業基盤と充実した福利厚生を提供しています。有価証券報告書によると、同社の平均年収は579万円と、業界平均を上回る水準です。役職や年齢によって収入が増加し、40代以降には年収1,000万円以上を目指すことも可能です。
また、育児支援や社宅制度などの福利厚生が充実しており、社員の生活を幅広くサポートする環境が整っています。転職市場では人気が高く、選考対策が重要ですが、物流業界への関心と自己の成長意欲を示すことで成功のチャンスが広がります。