段ボール・板紙業界でトップシェアを誇るレンゴー株式会社(以下、レンゴー)は、1909年の創業以来、日本で初めて段ボールを事業化したパイオニア企業として業界をリードしています。レンゴーは包装資材の製造・販売を通じて物流・流通を支える重要な役割を担っており、転職市場でも注目度の高い企業です。本記事では、レンゴーの最新平均年収、年度別推移、役職別・年齢別の年収データ、福利厚生、転職のポイントまで詳しく解説します。転職や就職を検討されている方はぜひ参考にしてください。
レンゴーの会社概要
レンゴーは1909年に創業者の井上貞治郎が「三盛舎」として事業を開始したのが始まりです。日本で初めて段ボールを事業化し、「段ボール」という名称も井上氏が命名しました。現在では段ボール・板紙の分野で国内最大手として君臨し、包装資材の総合メーカーとして事業を展開しています。連結売上高は約9,932億円(2025年3月期)、従業員数は約25,000人のグループ企業として成長を続けています。
レンゴーの基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | レンゴー株式会社 |
本社所在地 | 大阪府大阪市北区中之島2丁目2-7(中之島セントラルタワー) |
設立年 | 1920年5月2日 |
業種 | 製紙・包装資材製造業 |
事業内容 | 段ボール・板紙、紙器、軟包装製品等の製造・販売 |
上場市場 | 東京証券取引所プライム市場 |
レンゴーの事業は多岐にわたり、主力の段ボール・板紙事業では売上高の約50%を占めています。食品パッケージから産業資材まで幅広い用途の段ボールを製造し、美粧印刷が施された高品質な段ボールから通信販売向けの機能性段ボールまで、顧客のニーズに応じたオーダーメイド製品を提供しています。また、紙器事業では医薬品や化粧品の個装箱、軟包装事業では食品保護フィルムやペットボトルラベルなども手がけており、パッケージングの総合メーカーとしての地位を確立しています。グローバル展開も積極的に進めており、中国、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナム、米国に54工場8拠点を展開し、世界規模でのサービス提供を実現しています。
レンゴーの平均年収はどのぐらい?
レンゴーの最新平均年収は779万円となっています。これは全国平均年収432万円と比較すると大幅に高い水準で、製紙・パルプ業界でも上位に位置する年収レベルです。レンゴーの年収が高い理由として、賞与の支給月数が平均5.5ヶ月程度と安定して高水準であることが挙げられます。また、住宅手当や扶養家族手当などの各種手当が充実しており、実質的な収入はさらに高くなる傾向があります。
年度別の平均年収推移
年度 | 平均年収 | 平均年齢 | 従業員数 |
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2025年3月期 | 779万円 | 41.9歳 | 4,372人 |
2024年3月期 | 751万円 | 41.7歳 | 4,345人 |
2023年3月期 | 728万円 | 41.5歳 | 4,132人 |
2022年3月期 | 717万円 | 41.3歳 | 4,098人 |
2021年3月期 | 692万円 | 40.8歳 | 4,087人 |
2020年3月期 | 688万円 | 40.5歳 | 4,021人 |
出典:レンゴー株式会社 有価証券報告書(各年3月期)
レンゴーの平均年収は過去6年間で着実な上昇傾向を示しています。2020年3月期の688万円から2025年3月期の779万円まで、約91万円の増加となっており、継続的な処遇改善が行われていることがわかります。この背景には、主力事業である段ボール需要の拡大や、製品価格の改定効果、業務効率化による収益性向上などがあります。
他企業との比較データ
企業名 | 平均年収 | 業界順位 |
---|---|---|
王子ホールディングス | 859万円 | 1位 |
レンゴー | 779万円 | 2位 |
日本製紙 | 665万円 | 3位 |
大王製紙 | 632万円 | 4位 |
製紙・パルプ業界大手4社の比較では、レンゴーは王子ホールディングスに次ぐ2位の年収水準となっています。業界最大手の王子ホールディングスとの差は約80万円ですが、業界平均を大きく上回る高水準を維持しています。特に段ボール分野での圧倒的な市場シェアと収益力の高さが、競合他社との年収差を支えていると考えられます。
レンゴーの役職別年収データ
役職 | 推定年収(万円) |
---|---|
部長クラス | 950~1,200 |
課長クラス | 800~950 |
係長・主任クラス | 650~800 |
一般社員 | 400~650 |
レンゴーの昇進制度は基本的に年功序列の要素が強く、大卒総合職であれば課長代理まではほぼ横並びで昇進していく傾向があります。明らかに不適格と判断されない限り管理職になることができますが、部長以上の昇格は競争が激化し、限られた人材のみが到達できる狭き門となっています。評価制度として目標管理制度が導入されており5段階評価が行われますが、評価結果が給与に与える影響は限定的で、昇格のタイミングが年収アップの主要な要因となっています。
レンゴーの年齢別年収推移
年代 | 推定年収範囲(万円) |
---|---|
20代 | 400~550 |
30代 | 550~750 |
40代 | 750~950 |
50代以上 | 850~1,200 |
レンゴーの年収は年功序列的な要素が強く、年齢と共に着実に上昇していく傾向があります。新卒入社の場合、初任給は大卒で約20万円からスタートし、20代後半で500万円台、30代前半で600万円台、30代後半で700万円台に到達するのが一般的です。40代になると管理職への昇進により年収が大幅に上昇し、800万円から900万円台となり、50代では管理職としての経験と責任に応じて1,000万円を超える年収も期待できます。ただし、これらの金額は部署や職種、個人の評価によって変動することにご注意ください。
レンゴーの福利厚生
レンゴーでは従業員が安心して働き、生活を豊かにできるよう、充実した福利厚生制度を設けています。特に住宅関連の支援が手厚く、転勤者には独身寮または借上げ社宅が月数千円で利用できるほか、持ち家購入時には金利優遇や融資制度も提供されています。
制度・手当 | 内容 |
---|---|
住宅手当 | 転勤者向け独身寮・借上げ社宅(月数千円)、持ち家支援制度 |
交通費 | 公共交通機関全額支給、車通勤は距離に応じて支給 |
家族手当 | 配偶者月1万円、子供1人につき月1万円 |
賞与 | 年2回(6月・12月)、平均5.5ヶ月分で安定支給 |
退職金制度 | 確定給付企業年金、推定2,000~3,000万円 |
出産祝い金 | 第1子2万円、第2子5万円、第3子以降100万円 |
リフレッシュ休暇 | 勤続10年目以降5年毎に連続5日休暇+5~25万円ギフトカード |
その他 | 財形貯蓄、社員持株会、福利厚生代行サービス、社員食堂 |
特に注目すべきは第3子以降の出産時に100万円が支給される出産祝い金制度で、従業員を大切にする企業姿勢の表れといえます。また、時間外勤務手当は月25時間分が固定残業手当として支給され、超過分は別途追加支給されるため、残業代の未払いリスクが低く安心して働ける環境が整っています。
レンゴーの転職難易度は?
レンゴーは段ボール業界のリーディングカンパニーとして知名度が高く、安定した経営基盤と充実した福利厚生により転職市場でも人気の高い企業です。キャリア採用においては、製造技術職、生産管理職、営業職、商品開発職、品質保証職、および本社部門の総務、人事、経理、物流管理などの職種で積極的な採用を実施しています。
求められる人材像
レンゴーが求める人材像は以下の4つの要素で構成されています。
向上心:失敗や困難な状況でもポジティブにとらえ自己成長につなげられる人材、何事にも興味と関心をもち主体的に学習し行動することができる人材を求めています。
挑戦心:目標達成に向けて努力を惜しまずにひたむきに取り組める人材、どんなことにも果敢にチャレンジできる人材が評価されます。
協調性:チームの一員として自分の責任を果たすことができ、周囲の人を気遣うことができる人材が重視されます。
コミュニケーション:意欲的に人間関係を築くことができ、他者の考えや価値観を理解しその多様性を受け入れられる人材を求めています。
転職成功のポイント
レンゴーへの転職を成功させるためには、包装業界や製造業での経験があることが有利ですが、未経験者でも関連する業界知識や技術的なバックグラウンドがあれば評価される可能性があります。営業職であれば顧客との関係構築能力や提案力、技術職であれば問題解決能力や改善提案の経験が重視されます。
面接では同社の企業理念である「人にも環境にも優しい」という価値観への共感を示すことが重要です。また、グローバル展開を進めている企業であるため、語学力や海外展開への意欲があれば大きなアドバンテージとなります。同社の主力製品である段ボールや包装資材に対する基本的な理解と、物流・流通業界でのトレンドについても把握しておくことをお勧めします。
まとめ
レンゴーは平均年収779万円と製紙・パルプ業界で上位の年収水準を誇り、安定した昇給と充実した福利厚生により働きやすい環境が整った企業です。段ボール・板紙業界でのトップシェアという強固な事業基盤に支えられ、継続的な成長が期待できます。
転職を検討されている方は、同社が求める「向上心」「挑戦心」「協調性」「コミュニケーション」の4つの要素を意識し、包装業界への理解を深めることで転職成功の確率を高めることができるでしょう。特に第三子以降に100万円の出産祝い金が支給されるなど、従業員のライフステージを支援する制度が充実しており、長期的なキャリア形成を考える上でも魅力的な企業といえます。