株式会社しまむら（以下、しまむら）は「ファッションセンターしまむら」で知られる日本最大級の衣料品小売企業です。アパレル業界第2位の売上規模を誇り、全国2,000店舗以上を展開する同社への転職を検討されている方も多いのではないでしょうか。本記事では、しまむらの最新の平均年収データをもとに、役職別・年齢別の年収推移、福利厚生、転職難易度まで詳しく解説します。転職を成功させるための具体的な情報をお届けしますので、ぜひ参考にしてください。

しまむらの会社概要

しまむらは1953年に創業した衣料品小売業界のリーディング企業です。「ファッションセンターしまむら」を主力ブランドとして、全国に2,200店舗以上を展開し、売上高は6,600億円超を記録する業界第2位の規模を誇ります。無借金経営を続ける財務体質の安定性と、独自のドミナント戦略による効率的な店舗展開が強みです。

しまむらの基本情報

項目	詳細
会社名	株式会社しまむら
本社所在地	埼玉県さいたま市大宮区北袋町1-602-1
設立年	1953年
業種	小売業（衣料品）
事業内容	総合衣料品の販売
上場市場	東京証券取引所プライム市場

しまむらの事業は、「ファッションセンターしまむら」を中核として、若年層向けの「アベイル」、ベビー・子供用品専門の「バースデイ」、雑貨専門の「シャンブル」、婦人服の「ディバロ」、台湾での「思夢樂」の6ブランドで構成されています。特に主力の「しまむら」は全国1,400店舗超を展開し、郊外の住宅地を中心とした立地戦略で高い市場シェアを獲得しています。独自の「4つの悪」（返品、赤黒伝票、追加値引、未引取り）の追放によるサプライヤーとの良好な関係構築や、全国10か所の自社商品センターによる効率的な物流システムが、低価格かつ高品質な商品提供を可能にしています。

しまむらの平均年収はどのぐらい？

しまむらの最新の平均年収は677万円です。これは小売業界全体の平均年収433万円を大幅に上回る高水準で、アパレル業界内でもトップクラスの給与水準となっています。同社は無借金経営による安定した財務基盤のもと、従業員への積極的な還元を行っており、業界内での競争力の高さを示しています。

年度別の平均年収推移

年度	平均年収	平均年齢	従業員数
2025年2月期	677万円	43.2歳	3,253名
2024年2月期	673万円	43.1歳	3,157名
2023年2月期	664万円	42.8歳	3,098名
2022年2月期	628万円	42.3歳	3,086名
2021年2月期	590万円	41.8歳	3,113名

出典：株式会社しまむら 有価証券報告書（2025年2月期）

過去5年間の推移を見ると、しまむらの平均年収は着実に上昇傾向にあり、2021年から2025年にかけて87万円（14.7%）の増加を記録しています。これは同社の業績好調と、人材投資への積極的な取り組みを反映したものです。平均年齢も43.2歳と安定しており、長期勤続を前提とした人事制度の効果が表れています。

他企業との比較データ

企業名	平均年収	業界内順位
ファーストリテイリング（ユニクロ）	1,179万円	1位
しまむら	677万円	2位
アダストリア	約550万円	–
ワールド	約500万円	–
小売業界平均	433万円	–

アパレル・小売業界内でのしまむらの年収水準は、業界最大手のファーストリテイリングに次ぐ第2位の地位を占めています。業界平均を244万円上回る水準は、同社の収益性の高さと従業員への還元姿勢を物語っています。特に小売業界全体と比較すると56%も高い水準にあり、転職先としての魅力度は非常に高いといえるでしょう。

しまむらの役職別年収データ

しまむらの役職別年収については、有価証券報告書では詳細なデータが公開されていません。ただし、口コミサイトの情報や業界標準を踏まえると、以下のような年収レンジが推定されます。年功序列的な要素が強く、勤続年数に応じて着実に昇給していく制度が特徴です。

役職	推定年収（万円）
係長・主任クラス	550-650
課長クラス	700-800
部長クラス	850-1000
執行役員クラス	1200-1500

しまむらの昇進システムは実力主義と年功序列のバランスを重視しており、店舗での実績を積み重ねることで着実にキャリアアップが可能です。特に店長職への昇進については、パート社員から正社員登用されるM社員制度があり、現在の店長の約7割がこの制度出身者となっています。管理職になると賞与の評価部分が大きくなり、年収に大きな差が生まれる仕組みとなっています。

しまむらの年齢別年収推移

しまむらの年齢別年収データについても、公式な詳細データは非開示となっています。しかし、有価証券報告書の平均年収と平均年齢のデータ、および一般的な給与カーブを基に推定すると、以下のような年収推移が想定されます。

年代	推定年収範囲（万円）
20代	400-550
30代前半	500-650
30代後半	600-750
40代	650-850
50代以上	700-950

しまむらの年収カーブは比較的緩やかな上昇を描いており、30代で年収600万円台、40代で700万円台後半を目指すことが可能です。同社では年1回の定期昇給制度があり、勤続年数に応じて基本給が着実に上昇していきます。また、年2回の賞与に加えて業績次第で決算賞与も支給されるため、会社の好業績が個人の年収にも反映される仕組みとなっています。新卒の初任給は総合職で月30万円、販売職で約24万円からスタートし、業界水準と比較して高めの設定となっています。

しまむらの福利厚生

しまむらは従業員の働きやすさを重視し、充実した福利厚生制度を整備しています。特に子育て世代への支援が手厚く、ワークライフバランスを重視した制度設計が特徴です。以下、主要な福利厚生をカテゴリ別にご紹介します。

制度・手当	内容
住宅関連	アパート支給制度（遠隔地赴任者）、住宅手当
交通費	通勤手当（全額支給）
退職金制度	確定給付型退職金制度
財産形成	財形貯蓄制度、社員持株制度
健康管理	健康保険、厚生年金、労災保険、雇用保険
子育て支援	産前産後休暇、育児休業、育児短時間勤務、子の看護休暇
介護支援	介護休業、介護短時間勤務、介護休暇
特別制度	社員買物優待制度、特別休暇

特に注目すべきは、しまむら独自のM社員制度による働き方の多様性です。パート社員でもフルタイム並みの責任ある仕事を任され、能力次第で店長にまで昇進できる制度は、ライフステージに応じた柔軟な働き方を可能にしています。また、妊娠中の体調不良時の勤務時間短縮や、6歳以下の子どもがいる社員の1日2時間までの勤務時間短縮制度など、子育て世代への配慮が充実しています。企業主導型保育園のマッチングサービスも提供され、仕事と育児の両立をサポートする体制が整っています。

しまむらの転職難易度は？

しまむらの転職難易度は中程度から高めといえます。現在、同社では新卒採用とパート・アルバイト採用を中心としており、中途採用の募集は限定的です。ただし、業界経験者や店舗運営に関する専門知識を持つ人材については、積極的に採用を検討する傾向があります。

項目	内容
中途採用実績	限定的（主に新卒・パート採用中心）
求める人材像	小売業経験者、店舗運営経験者、地域密着志向
応募条件	普通自動車免許、転勤対応可能
選考プロセス	書類選考→面接（複数回）

求められる人材像

しまむらが求める人材像は、地域のお客様に寄り添った接客ができる人材です。同社のビジネスモデルは郊外の住宅地での店舗展開が基本となるため、地域密着型の営業スタイルに適応できることが重要です。また、多品種少量の商品構成による「宝探し」の楽しさを演出できる商品陳列センスや、幅広い年齢層のお客様とのコミュニケーション能力も求められます。店舗運営においては、効率的なオペレーションと売上管理能力、そして部下の育成・指導力が重要な要素となります。

転職成功のポイント

しまむらへの転職を成功させるためには、まず小売業界、特に衣料品販売での実務経験をアピールすることが重要です。店舗運営経験や売上管理の実績、チームマネジメント経験があれば大きなアドバンテージとなります。また、同社の「良質低価」というコンセプトへの理解と共感を示すことも重要です。面接では、お客様第一の姿勢と地域貢献への意欲を具体的なエピソードを交えて伝えることが効果的です。転勤への対応可能性も重要な要素となるため、全国転勤に柔軟に対応できる旨を明確にアピールしましょう。普通自動車免許は必須要件となるため、未取得の場合は早めに取得を進めることをお勧めします。

まとめ

しまむらは平均年収677万円と小売業界トップクラスの給与水準を誇る優良企業です。過去5年間で87万円の年収増加を実現しており、従業員への還元姿勢が評価できます。無借金経営による安定した財務基盤のもと、充実した福利厚生制度と働きやすい環境を提供しています。

転職を検討される方には、小売業界での経験を活かしながら、安定した企業で長期的なキャリアを築きたい方に特におすすめです。現在の中途採用は限定的ですが、業界経験と地域密着への意欲をアピールできれば、転職成功の可能性は十分にあります。しまむらでのキャリアを通じて、日本最大級の衣料品小売企業での経験を積みながら、安定した収入と充実した福利厚生を享受することができるでしょう。