東洋証券株式会社（以下、東洋証券）は、1916年創業の歴史ある中堅証券会社として、特に中国株取引に強みを持ち、個人投資家から法人まで幅広い顧客層にサービスを提供しています。本記事では、転職や就職を検討している方に向けて、東洋証券の平均年収、役職別・年齢別年収推移、福利厚生、転職難易度について詳しく解説します。有価証券報告書をもとにした正確なデータと、実際の社員の声を参考に、東洋証券で働く際の年収水準を明らかにしていきます。

東洋証券の会社概要

東洋証券は、1916年に広島県呉市で創業された歴史ある証券会社です。1967年に高井証券と合併して東京に進出し、現在では東京証券取引所プライム市場に上場する中堅証券会社として位置づけられています。「中国株の東洋証券」と呼ばれるほど中国市場に強い力を持ち、個人向けの中国株取引において高い評価を得ています。本社は東京都中央区八丁堀に置き、全国32店舗を展開しています。

東洋証券の基本情報

項目	詳細
会社名	東洋証券株式会社
本社所在地	東京都中央区八丁堀4-7-1
設立年	1934年4月（創業1916年12月）
業種	証券・商品先物取引業
事業内容	金融商品取引業、投資信託・債券販売
上場市場	東京証券取引所プライム市場

東洋証券の主要事業は、国内・外国証券の売買、債券、投資信託などの金融商品取引業です。特に個人投資家向けの中国株取引に強みを持ち、中国市場の専門的な知識と豊富な情報提供により、「中国株の東洋証券」として業界内で高い評価を受けています。また、投資信託の販売や債券業務にも力を入れており、個人から法人まで幅広い顧客のニーズに対応しています。資本金は134億9,468万7,500円、従業員数は635名（2022年9月30日現在）と、中堅証券会社としては安定した規模を誇っています。

東洋証券の平均年収はどのぐらい？

年度別の平均年収推移

東洋証券の平均年収について、有価証券報告書に基づく最新データをご紹介します。

年度	平均年収	平均年齢	平均勤続年数	従業員数
2023年	604万円	41.3歳	16.2年	714人
2022年	635万円	42.0歳	16.8年	720人
2021年	620万円	41.8歳	16.5年	728人
2020年	639万円	42.2歳	17.1年	735人
2019年	645万円	42.5歳	17.3年	742人
2018年	631万円	42.1歳	16.9年	748人

出典：東洋証券株式会社 有価証券報告書（2023年3月期）

東洋証券の平均年収は、直近の2023年度で604万円となっています。過去5年間の推移を見ると、600万円台前半から600万円台後半の範囲で推移しており、比較的安定した水準を維持しています。ただし、直近2年間は若干の減少傾向が見られ、これは証券業界全体の市況変動や業績への影響が反映されていると考えられます。平均年齢は41.3歳、平均勤続年数は16.2年と、中堅証券会社として安定した雇用環境を提供していることがうかがえます。

他企業との比較データ

東洋証券の年収水準を同業他社と比較してみましょう。

企業名	平均年収	分類
野村ホールディングス	1,414万円	大手証券
大和証券グループ本社	1,229万円	大手証券
松井証券	918万円	ネット証券
東洋証券	604万円	中堅証券
いちよし証券	588万円	中堅証券

大手証券会社の野村證券や大和証券と比較すると、東洋証券の平均年収は半分程度の水準となっています。これは企業規模や事業領域の違いによるものです。一方、同じ中堅証券グループで比較すると、東洋証券は中位程度の水準に位置しており、証券業界全体の中では標準的な年収水準を維持していると言えるでしょう。また、日本の平均年収（約458万円）と比較すると、140万円以上高い水準となっており、金融業界としての優位性を示しています。

東洋証券の役職別年収データ

東洋証券の役職別年収について、公式データおよび社員の口コミ情報をもとに推定データをご紹介します。

役職	推定年収（万円）
係長・主任クラス	500-600
課長クラス	700-900
部長クラス	900-1,200

東洋証券では、公式データとしての役職別年収は非開示となっています。しかし、社員の口コミ情報や業界水準を参考にすると、係長・主任クラスで500-600万円、課長クラスで700-900万円、部長クラスで900-1,200万円程度と推定されます。営業成績によるインセンティブ制度もあるため、個人の成果によって上記の範囲を上回るケースも見られます。特に営業職では、成果に応じた歩合給や特別賞与が支給されることがあり、実力次第でより高い年収を得ることが可能です。

東洋証券の年齢別年収推移

東洋証券の年齢別年収推移について、統計データをもとに推定した数値をご紹介します。

年代	推定年収範囲（万円）
20代	350-500
30代	500-700
40代	600-900
50代以上	700-1,000

公式データとしては非開示となっていますが、業界統計と社員の口コミ情報をもとに推定すると、20代で350-500万円、30代で500-700万円、40代で600-900万円、50代以上で700-1,000万円程度の年収水準となっています。東洋証券では年功序列の要素と成果主義の要素を併せ持った給与体系を採用しており、勤続年数の積み重ねとともに着実な年収アップが期待できます。また、営業職においては成果による変動が大きく、優秀な営業成績を上げた社員は年代に関係なく高い年収を得ることが可能です。

東洋証券の福利厚生

東洋証券は上場企業として充実した福利厚生制度を整備しており、社員からの評価も高くなっています。

制度・手当	内容
住宅手当	借上社宅制度により最大月額5-7万円支給
交通費	全額支給（通勤定期代含む）
退職金制度	勤続3年以上で支給対象
賞与	年2回（6月・12月）業績連動
有給取得率	年5日連続取得制度あり
保険制度	健康・厚生年金・雇用・労災完備

東洋証券の福利厚生で特に評価が高いのが住宅手当制度です。借上社宅制度により、総合職の場合は月額2万円程度の自己負担で質の良いマンション等に居住することが可能です。地域によって補助額は異なりますが、家賃の7割程度を会社が負担するケースが多く、社員の生活費負担軽減に大きく貢献しています。また、交通費は全額支給されるほか、年に一度5日間連続で取得できるリフレッシュ休暇制度もあり、ワークライフバランスの向上にも配慮されています。退職金制度は勤続3年以上で支給対象となり、長期勤続者への配慮も手厚くなっています。

東洋証券の転職難易度は？

求められる人材像

東洋証券が求める人材像は、「信頼、付加価値、得意分野」という経営理念に共感し、顧客第一の姿勢を持った人材です。特に営業職においては、個人・法人顧客との信頼関係構築能力や、金融商品に関する専門知識の習得意欲が重視されます。中国株に強みを持つ企業特性から、中国市場や海外投資に関する知識や関心を持つ人材は特に歓迎されます。また、証券業界未経験者でも、コミュニケーション能力や学習意欲が高い人材であれば積極的に採用する方針を取っています。

転職成功のポイント

東洋証券への転職を成功させるためには、まず証券業界への理解を深めることが重要です。特に東洋証券の強みである中国株市場に関する基礎知識を身につけておくことで、面接での評価向上につながります。営業職を希望する場合は、前職での営業経験や顧客対応経験をアピールすることが効果的です。また、証券外務員資格の取得は必須ではありませんが、事前に取得しておくことで意欲をアピールできます。面接では、なぜ東洋証券を選んだのか、同社でどのような貢献ができるのかを具体的に説明できるよう準備しておくことが大切です。

まとめ

東洋証券の平均年収は604万円（2023年度）で、中堅証券会社としては標準的な水準を維持しています。大手証券会社と比較すると年収水準は劣るものの、日本の平均年収を大きく上回る水準であり、福利厚生制度も充実していることから、証券業界でのキャリアを積みたい方にとって魅力的な選択肢の一つと言えるでしょう。特に中国株取引に強みを持つ企業特性を活かし、専門性を磨きながら成長できる環境が整っています。

転職を検討される方は、東洋証券の企業理念や事業特性を十分に理解し、自身のキャリアプランと照らし合わせて判断することをおすすめします。特に住宅手当制度が充実しているため、生活費を抑えながら金融業界での経験を積むことができる環境として、第二新卒や若手ビジネスマンの方には特に魅力的な選択肢となるでしょう。証券業界への転職を検討している方は、ぜひ東洋証券も選択肢の一つとして検討してみてください。