「介護業界ってハードなイメージがあるけど、どんな魅力があるの？」
「介護業界では具体的にどんな仕事をしていて、どんな人が向いているのか知りたい！」

このように考える就活生も多いでしょう。

介護業界は日本の高齢化社会において欠かせない業界です。安定した職業であることや感謝される機会の多さ、キャリアアップの可能性など、介護業界には他の職種にはない魅力がたくさんあります。

今回は、介護業界の具体的な魅力やどんな人が向いているのかなどを詳しく紹介していきます。

介護業界の魅力とは？

介護業界は「大変な仕事」というイメージを持たれがちですが、以下のような魅力たっぷりの業界です。

• 求人が豊富で仕事が安定する
• 感謝される機会が多い
• キャリアアップが目指せる
• 家族の介護にも役立つ

介護業界の魅力を知ることで、より就職先としての興味が高まるでしょう。

求人が豊富で仕事が安定する

介護業界は高齢化が進む日本において需要が高く、求人が豊富です。

厚生労働省によると、介護職員の必要数は2019年から比較して2025年度には約32万人増の約243万人、2040年度には約69万人増の約280万人となっています。

（参考：第８期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について）

2025年には「団塊の世代」が75歳以上となり、介護を必要とする人が増加するため、今後も介護業界の需要は高いことが期待できるでしょう。

感謝される機会が多い

介護業界は、介護を必要とする利用者やその家族の方々から感謝される機会が多い仕事です。

高齢者の身体的ケアはもちろん、家族に対してさまざまなサポートを行うため、助けを必要としている人々の生活を支える役割を果たしています。「◯◯さん、助けてくれてありがとう」「話を聞いてくれると家族として助かってる」と感謝されると嬉しいものです。

東京都社会福祉協議会が行った「職員のやり甲斐アンケート」では96％が「介護職をしてよかった」と答え、そのうち37.4％が「利用者などからの感謝や笑顔」を挙げています。

キャリアアップが目指せる

介護業界は、キャリアアップの機会が豊富にある業界のひとつといえます。

介護業界ではさまざまな資格取得が可能で、専門的な知識や技術を身につけると、キャリアアップとともに昇進や給与アップを目指すことが可能です。段階的な資格取得制度が整っているので、キャリアップの道筋も立てやすいでしょう。

また、資格取得のサポートをしてくれる企業も多いので、仕事にやりがいを感じると同時にキャリアを積むことができます。

家族の介護にも役立つ

介護業界で習得した知識やスキルは、家族に万が一のことがあった時に役立ちます。

家族の中で介護が必要となったときに転倒防止の環境整備や、認知症になった時の対応方法など実践可能です。また、専門的なスキルを活かして適切なケアを行ったり適切な介護サービスを導入できたりするため、家庭内での安心感も高まります。

介護業界の職種はさまざま

介護業界と一言で言っても職種はさまざまで、職種によって業務内容や役割が異なります。

• 介護士
• 訪問介護員（ホームヘルパー）
• ケアマネジャー
• 生活相談員・支援相談員

介護業界での代表的な職種について、具体的な仕事内容について紹介します。

介護士

「介護士」は特定の資格が存在するわけではなく、介護業界で働く人の総称を指します。

主な業務は老人ホームなどの高齢者施設において、食事介助や入浴介助などの生活の援助を行うことです。直接的に体に触れてケアするためには「介護職員初任者研修」を受ける必要がありますが、介護業界での経験がなくても数ヶ月で取得可能です。

他にも「介護福祉実務者研修」を取得することで、より多くのケア介入ができるので、キャリアアップにつながります。介護士としての業務内容に幅が広がるだけでなく、将来的には介護福祉士やサービス責任者などの将来性も見出せるでしょう。

訪問介護員（ホームヘルパー）

一般的にホームヘルパーと言われている訪問介護員は、在宅で過ごしている高齢者の身体介助や生活支援、病院への通院介助をしています。

入浴・排泄介助などの身体介助は「介護職員初任者研修」を受ける必要がありますが、生活支援や通院介助は無資格でも可能です。「介護職員初任者研修」の研修カリキュラムは130時間で、平均では1ヶ月〜4ヶ月程度です。

自宅での療養生活を行う人にとってホームヘルパーの存在は家族のように大切であり、感謝される機会も多いので、やりがいを感じられる職種といえるでしょう。

ケアマネジャー

ケアマネジャーは、要介護認定を受けた人が必要な介護サービスを受けられるようにプランを組んだり、各事業所と連携を行う職業です。

利用者やその家族への定期的な面会で、生活への不安やプランの変更の必要がないかモニタリングし、プラン内容を見直します。ケアマネジャーになるためには5年以上の実務経験を行ったあとに、介護支援専門員実務研修受講試験に合格する必要があります。

日常生活の困り事や体調の変化など、親身になって話を聞き、関係機関との調整を行う介護のコーディネーターです。

生活相談員・支援相談員

生活相談員・支援相談員は、介護施設の利用者や家族の相談やアドバイスをして、快適な生活を送るためのサポートを行います。

施設入所や利用を希望する利用者の手続きやサービス利用の相談に乗るだけでなく、ケアプランの作成や各所連携により、適切な介護サービスを受けられるように調整します。

生活相談員は特別養護老人ホームやデイサービス、支援相談員は介護老人保健施設と職場エリアは異なりますが、施設を利用するための橋渡しの役割という点は同じです。

生活相談員または支援相談員になるには、一般的に社会福祉士・精神保健福祉士・社会福祉主事任用資格のいずれかの資格が必要です。

介護業界に向いている人は？

ここでは、介護業界に向いている人の特徴を紹介します。

• 人と接するのが好きで思いやりがある人
• 責任感と忍耐力がある人
• 学ぶことを楽しみ、協調性がある人

自分が介護業界に向いているかどうかチェックしてみましょう。

東京都社会福祉協議会が行った「職員のやりがいアンケート」では、86.4％の人が介護業界で仕事を始めてから人として成長したと実感しています。今は向いているかわからなかったとしても、介護業界の魅力を知るために、ぜひ参考にしてください。

人と接するのが好きで思いやりがある人

介護業界に向いている人の特徴として、人と接するのが好きで思いやりがあることが挙げられます。

介護業界は利用者の日常生活をサポートする仕事で、常に人と密接な関わりを持ちます。そのため、人とのコミュニケーションが好きで思いやりを持って人と接することができる人は、介護職に向いています。

また介護業界では利用者の困っていることを支援するだけでなく、心に寄り添う気持ちが大切です。思いやりの心を持って接することで、利用者の信頼が得られ、より心地よいケアが提供できます。

人と接するのが好きで、思いやりを持って行動できる人は、介護業界で活躍の場をつくることができるでしょう。

責任感と忍耐力がある人

介護職は利用者の生活の安全と質の向上を目的としているので、責任感と忍耐力は重要です。

介護業界では、利用者の日常生活をサポートするための「安心・安全」は欠かせません。家族でない人に生活援助をしてもらう利用者にとっては、自分の生活や健康をゆだねている状態です。

介護業務中に困った状態になった場合には、関係各所に報告・連絡・相談をする責任感や、うまくいかない時に粘り強く対応する忍耐力が求められます。

また、日々変化していく体調などに対して、冷静かつ柔軟に対応する力も求められます。責任感と忍耐力があることで利用者の変化に適切に対応が可能となり、安心安全なケアが継続的に提供でき、利用者との信頼関係が築けるでしょう。

学ぶことを楽しめる人

高齢化が進む日本では介護業界は日々変化しているため、常に学ぶことを楽しむ姿勢が求められます。

介護業界では介護保険の改正や、介護サービスの方法や技術の導入など、覚えることがたくさんあります。自分自身で積極的に知識を吸収したり、資格やスキルアップのために研修を受けたりすることが必要です。

学ぶことを楽しむ気持ちは成長意欲を高めて、長期的なキャリアアップも目指せるでしょう。

協調性がある人

介護業界では、さまざまな職種が1人の利用者をサポートするため、協調性があることが重要です。

利用者一人ひとりに対して必要なケアが異なり、快適な生活を送ってもらうためには、多職種が協力してケアを提供しています。スタッフコミュニケーションにより情報交換を行い、協力してケアを提供していく必要があるため、協調性が求められます。

良好なチームワークを築くことで、利用者へのケアがより充実したものとなり、自分自身もやりがいを感じながら働くことができるでしょう。

まとめ

この記事では、介護業界の魅力やそれぞれの職種の仕事内容、介護業界に向いている人について紹介しました。

高齢化社会となる日本において、介護業界の人材はますます必要とされ、やりがいのある職業として活躍できる職業となっています。

介護業界の魅力は、以下が挙げられます。

• 求人が豊富で安定した仕事
• 感謝される機会が多い
• キャリアアップが目指せる
• 家族の介護にも役立つ

介護業界は社会に貢献でき、やりがいのある魅力的な職業なので、充実したキャリアと成長のチャンスをもたらしてくれるでしょう。