MENU

製薬業界とは?現状・課題・10年後も働くために必要なことを解説

薬品を調べる男性

製薬業界は私たちの生活に必須の業界です。しかし、就職活動中の学生のなかには業界の衰退を気にする人もいるでしょう。

この記事では、製薬業界について3つのポイントを解説します。

  • 日本の製薬業界の現状と課題
  • 日本国内の製薬企業ランキングトップ3
  • 製薬業界で10年後も働くために必要なこと

製薬業界の今後についての知識を身に付け、就職活動に役立ててください。

目次

製薬業界とは医薬品開発・製造・販売を行う企業群のこと

錠剤

製薬業界とは、医薬品開発から販売まで総合的に行なっている企業群です。基本的に下記の流れで医薬品を流通させています。

  • 製薬会社:医薬品の開発・製造、医薬品卸業者への提供
  • 医薬品卸業者:病院、薬局などへの提供
  • 病院、薬局:利用者への提供

治療が困難な病の新薬を開発できれば、年間数千億円の売上を見込める業界です。しかし新薬の開発には、10~20年の年月と数千億円の費用がかかります。

新型コロナウイルスの治療薬として発表された「ゾコーバ」は、約3年という早さで開発されましたが950億円もの費用がかかりました。大きな利益を期待できる業界ですが、その分高いリスクを抱えています。

日本の製薬業界の現状と課題

白衣を着た2人の男女

日本の製薬業界の現状と課題を見てみましょう。

  • 薬価の継続的な低下
  • 新薬開発のリスク増大
  • ジェネリック医薬品メーカーの薬機法違反

詳しく解説します。

薬価の継続的な低下

国民の医療費軽減のため、薬価は継続的に低下しています。

薬価改定

引用:厚生労働省「令和5年度薬価改定について(論点整理)」

薬価の低下は購入者の負担を抑えますが、医療機関側の収益減や医薬品在庫調整の管理コスト増大などにつながります。

新薬開発のリスク増大

新薬開発のリスクは増大し続けています。2004年には621億円だった開発費用は、2017年に1,414億円まで拡大しました。新薬開発の利益が見込める疾患の幅が狭まっており、競争率も高まっています。

参考:厚生労働省「医薬品産業の現状と課題」

ジェネリック医薬品メーカーの薬機法違反

ジェネリック医薬品メーカーの薬機法違反が頻発し、医薬品の出荷停止や縮小が発生しました。医薬品不足になるのではと考えた病院や薬局が過剰に発注した結果、医療業界全体に医薬品が行き渡らなくなる事態が起きています。

現在は、製薬業界や厚生労働省の対応により、医薬品の供給状況公表などの対策を行っています。

参考:厚生労働省「令和5年度薬価改定について(論点整理)」

【2024年】日本国内の製薬企業ランキングトップ3

建物を除染する人たち

日本国内における製薬企業の上位3位の売上高は以下のとおりです。

  • 武田薬品工業:4兆2,638億円
  • 大塚HD:2兆186億円
  • アステラス製薬:1兆6,037億円

順番に見ていきましょう。

参考:AnswersNews「【2024年版】国内製薬会社ランキング トップ武田は4.3兆円、2位は大塚HD、3位アステラス」

武田薬品工業

武田薬品工業は、研究開発費用に7,299億円と大塚HDの倍以上の金額を投じています。主に扱っている医薬品は下記のとおりです。

  • 消化器系・炎症性疾患
  • 希少疾患
  • 血漿分画製剤
  • オンコロジー(がん)
  • ニューロサイエンス(神経精神疾患)
  • ワクチン

医薬品だけでなく、患者・従業員・環境問題の3点を重視して新薬の開発に取り組んでいます。70年を超えた製造施設の運営など、製薬業界に長年貢献し続ける企業です。

参考:武田薬品「主要製品」

大塚HD

大塚HDは、大塚製薬や大鵬薬品工業が傘下の持株会社です。「精神・神経」や「がん」に関わる医薬品を主に開発しています。10種類の医薬品が主力商品として注目されています。

また、大塚HDは医薬品開発事業以外に健康維持サポートにも取り組む企業です。大塚製薬では、ポカリスエットやカロリーメイトなどの栄養食品を提供。大鵬薬品工業は、尿漏れや肩こりといった日常の悩みを解決する情報をコラムで発信しています。

参考:大塚製薬「ニュートラシューティカルズ関連事業 製品情報」
参考:「大鵬薬品のヘルスケア」

アステラス製薬

アステラス製薬は世界70カ国で事業を展開している製薬会社です。売上収益の41.3%がアメリカのものであり、売上の次点は欧州やカナダが占め、主に欧米諸国で活躍しています。

前立腺がん治療剤のエンザルタミドや免疫抑制剤のタクロリムスなど、世界で1億5,950万人以上の人々の治療に役立っています。主に泌尿器領域の疾患治療に強みを発揮する企業です。英語力を欧米諸国で活かしたい人に、おすすめの企業といえます。

参考:アステラス製薬「統合報告書2024」

製薬業界で10年後も働くために必要なこと

ガッツポーズを取る医者

製造業界で10年後も働くために必要なことは3つあります。

  • 英語力
  • 最新知識へのアップデート
  • デジタル技術の活用

一つずつチェックしましょう。

英語力

製薬業界では英語力が必須です。日本の製薬会社ランキングトップ3の、全売上高と海外売上高を見てみましょう。

企業名売上高海外売上高
武田薬品工業4兆2,638億円3兆8,124億円
大塚HD2兆186億円1兆3,477億円
アステラス製薬1兆6,037億円1兆3,336億円
日本の製薬会社ランキングトップ3

全売上高の60~90%が海外での売上です。海外企業の買収も進んでおり、英語のコミュニケーションができれば、製薬業界で活躍できる可能性が高まります。

最新知識へのアップデート

製薬業界で働くためには、最新知識へのアップデートが重要です。医学は常に進歩し、不治だった病が治療可能な病に変わり続けています。新しい知識を積極的に学ぶことで、日々の業務でも活きてくるでしょう。

デジタル技術の活用

デジタル技術の活用は製薬業界で不可欠です。新薬の開発には10~20年の年月が必要です。しかし、AIの活用により、新薬開発の各段階にかかっていた年月を短縮できます。

デジタル技術の活用は、新薬開発のコストカットに欠かせません。

まとめ

医療関係者の2人の男女

この記事では、製薬業界の現状と課題について解説しました。製薬業界で10年後も働くために必要なことは下記のとおりです。

  • 英語力
  • 最新知識へのアップデート
  • デジタル技術の活用

上記のポイントを押さえ、製薬業界で働ける力を身に付けましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次