就活の面接で挫折経験について聞かれるケースはよくありますが、「挫折経験がない…」「何を話せばいいかわからない」と悩みを抱えている就活生は多いでしょう。
この記事では、挫折経験を企業側が聞く理由や思い出せない人の対処法、挫折経験がない時の答え方、挫折経験から学んだことを印象よく伝える例文を解説します。
挫折経験がなくても対処法を活用して思い出すか、ない時の答え方を理解しておくと面接で的確に答えられ、面接でアピールできるでしょう。
就活で挫折した経験を聞く4つの理由
就活の面接で企業が挫折経験を質問する理由は、主に次の4つです。
- 挫折した原因が自己認識できているか確認するため
- 挫折した時の対応能力を知るため
- 挫折から学んだことや活かす姿勢を知るため
- ストレス耐性があるか知るため
挫折した経験を聞きたいだけでなく、挫折を通して就活生の人間性を見ているので、採用担当者の意図を考えながら答えられるようにしましょう。
挫折した原因が自己認識できているか確認するため
企業が就活で挫折経験を聞く理由の一つは、就活生が自分の身の回りで起きた失敗をどのように認識しているか確認するためです。
挫折した時に「なぜこのようなことになってしまったのか」と自己認識できる人は、自分の弱点と改善点を認識できると判断され、成長できる人間と評価されます。
企業は入社後に活躍できる就活生に内定を出したいため、自分自身を客観的に見ることのできる人を求めています。
挫折した時の対応能力を知るため
企業が重視しているポイントは、挫折を経験した時に「どのような対処行動をとったのか」という点です。
入社後にさまざまな業務につくと、予期せぬ問題に直面する場面はいくつもあるでしょう。仕事で挫折しそうな状況になった時にも、仕事を逃げ出さずに対応できる力を持ち合わせているかを確認しています。
困難な状況に対して冷静に対処できる能力があるのか、問題解決に向けて努力を惜しまない性格であるかを知ることで、入社後の仕事への対応力を見極める材料となります。
挫折から学んだことや活かす姿勢を知るため
挫折から学ぶ力や、挫折を今後にどう活かしていけるのかを知るために、面接では挫折経験の話を聞かれます。
仕事で失敗や困難に直面しても挫折をマイナスの経験として受け止めるのではなく、学びと次に活かすための考えを導いていくことが重要です。失敗から弱点を見つけ改善したり、課題を乗り越えるための方法を考えたりする人は成長する力があり、企業にとって貴重な人材と評価されます。
挫折した時のエピソードを話す時は挫折して落ち込んだ話で終わらせず、改善点を分析して自己解決した内容を盛り込みましょう。
ストレス耐性があるか知るため
企業が就活生に挫折経験を質問する目的は、ストレス耐性があるかどうかを評価するためです。
仕事ではプレッシャーやストレスのかかる場面が少なくないため、こうした状況でも冷静に対応できるかは、採用において重要ポイントです。ストレス耐性の低い就活生を採用してしまうと早期離職の可能性が高まり、採用にかけた時間とお金を無駄にしてしまいます。
人によってストレスと感じる程度は異なるため、就活生自身がストレス耐性をどの程度認識しているか、職場環境に適応できるかを見極めています。
「挫折経験がない」と思う人の特徴とは?
「挫折経験がない」と思う人には、いくつか共通した特徴があります。
まず、ポジティブな思考を持っている人が多いです。困難や失敗に直面しても挫折と捉えず、乗り越えるための機会と考えるため、大きな挫折感を抱きません。
また、問題解決に向けて行動する力が高い人も挫折を感じにくい傾向があります。困難にぶつかっても冷静に対処し、何らかの方法で目標に近づけるよう工夫するため、結果として挫折と感じないのです。
さらに、柔軟性があり適応力のある人も挫折を感じにくいです。環境の変化や課題に対して前向きに対応し、自分を適応させることで、大きな壁と感じることが少なくなります。
「挫折経験がない」と思う人は困難や障害に直面しても、持ち前の性格と工夫や努力で乗り越えられる特徴があります。
挫折経験を思い出せない時の対処法
いくら時間をかけても挫折経験を思い出せない時の対処法は、以下の3つのパターンがあります。
- 過去挑戦したエピソードを振り返る
- 自分自身で質問して問いかける
- 友人や両親に意見を聞く
就活の面接練習をして思い出せない時には、対処法を活用して面接対策をしていきましょう。
過去挑戦したエピソードを振り返る
挫折経験が思い出せない時は、過去に挑戦したエピソードを振り返ってみましょう。
部活動での大会やアルバイトでのリーダー経験、学業でのプロジェクトなど、何かしら頑張った場面を思い出してみてください。期待通りに進まず苦労した場面があれば、そこが挫折の瞬間かもしれません。
特に思い通りにいかなかった結果を乗り越えた時の話や再挑戦した経験があれば、立派な挫折エピソードです。過去の挑戦を丁寧に振り返ることで、挫折経験を見つけられます。
自分自身で質問して問いかける
挫折経験が思い出せない時は、自分自身に質問を投げかけてみる方法が効果的です。
大きな失敗だけでなく小さなつまずきや挑戦で乗り越えた困難も、挫折経験として捉えることができます。「これまで困難だと感じた状況はあったか?」や「失敗して悔しかった経験は?」と自分に問いかけてみましょう。
また、その時の感情や対処法などを掘り下げて考えていくと、当時の気持ちや行動を鮮明に思い出すことができます。さらに、学生時代やアルバイト、部活動など、異なる環境での出来事に視点を広げると、思いがけない挫折エピソードが見つかるかもしれません。
自分自身で問いかけていくと、自分の弱さや成長のきっかけとなった瞬間を再発見でき、エピソードをより具体的に振り返られるでしょう。
友人や両親に意見を聞く
挫折経験が思い出せない時には、自分のことをよく知る友人や両親など、第三者の意見を聞くのも効果的です。
挫折経験をしていても自分の中では辛い記憶として忘れてしまっていることがあるはずです。一緒に部活を頑張った友人や、学業や進学で思うように成績が伸びない時に支えてくれた両親なら、細かな挫折エピソードを記憶している可能性があります。
客観的な目線で自分を見てくれる友人や両親なら、自分自身では気づけなかった挫折エピソードを日常の中から発見できるかもしれません。
人生の中で挫折経験がない時の答え方
人生の中で挫折経験がない時の答え方には、4つのパターンがあります。
- 挫折経験がないことを正直に答える
- なぜ挫折経験がないと考えているか説明する
- 努力や困難を乗り越えた経験をまとめる
- 経験から学んだことを伝える
たとえ挫折経験がなくても、答え方を適切にしておくだけで、マイナスな印象を持たれずにすむでしょう。
挫折経験がないことを正直に答える
就活の面接で「挫折経験」を聞かれた時に、正直に挫折経験がないと伝えることも一つの方法です。
しかし「挫折したことがありません」と答えて終わらせてはいけません。挫折経験の代わりに日常で挑戦した経験や、困難に直面したエピソードを交えることで、前向きな姿勢をアピールすることが大切です。
大切なのは挫折の経験があるかどうかよりも、自分なりに経験や挑戦をして、学びや成長している姿勢を伝えることです。
なぜ挫折経験がないと考えているか説明する
面接で「挫折経験」を聞かれた時に、なぜ挫折経験がないと考えているのかを説明することが大切です。
学生生活の中で失敗や困難があったとしても、挫折と感じずに乗り越えてきたために、挫折経験がないと感じている就活生も少なくありません。目標に向かって努力を続けることは、失敗を成長の一部として乗り越えたため、挫折したことがないと考えているというのも効果的です。
挫折経験がないこと自体をポジティブに捉え、自分なりの問題解決能力や挑戦に対する姿勢を企業に伝えましょう。
努力や困難を乗り越えた経験をまとめる
挫折経験がなくても、目的のために努力や困難を乗り越えたエピソードがあれば伝えましょう。
例えば、部活動やアルバイトなどで挑戦したことを例に出し、どのような困難を感じて取り組んだのかを詳しく話しましょう。困難を挫折と感じていなくても、解決して物事に取り組んだ過程を伝えることが効果的です。
努力や困難を乗り越えたエピソードを丁寧にまとめると、挫折経験がなくても、仕事で立ち向かえる前向きな姿勢をアピールできます。
経験から学んだことを伝える
挫折経験がない場合でも、経験から学んだことを面接で伝えるのも効果的です。
挫折を感じた経験がないなら「大きな挫折はありませんが、学生生活での経験から多くを学んできました」と率直に伝えましょう。学生生活で挑戦する中での学びや自身の成長を具体的に説明します。
自分の経験から学んだことを伝えると、挫折経験がなくても企業に自分自身の成長意欲をアピールできるでしょう。
挫折経験から学んだことを好印象に伝える例文
挫折経験から学んだことを好印象に伝える例文として、「大学受験」「人間関係」のシチュエーションでの経験例文を紹介します。
自身のエピソードに当てはめて、面接でアピールできる文章を作成してみてください。
大学受験
まずは、大学受験での挫折体験の例文を紹介します。
私は大学受験で第一志望校に挑戦しましたが、残念ながら不合格となりました。
不合格の結果を目の当たりにした時は非常に悔しく、当時は自分の努力が足りなかったのではと感じました。しかし、落ち込んでいる時間がもったいないと奮起し「なぜ不合格だったのか」を振り返り、弱点を徹底的に分析しました。
このプロセスを通じて、がむしゃらに努力するだけでなく、効率的に取り組むことの重要性を学びました。自分を信じて振り返った内容を思い出した結果、次の試験では無事合格し、挑戦し続ける大切さを実感しました。
何か困難に直面した時には挫折に落ち込むのではなく、原因分析をして、次につながる行動を取れる人間でありたいと思っています。
採用担当者も経験している可能性の高い大学受験ですが、自分が不合格という挫折から立ち上がって成長したエピソードを具体的に伝えるといいでしょう。
人間関係
人間関係での挫折から学んだことを伝える例文は、こちらです。
私は大学のゼミでのグループセッションで、人間関係の難しさを痛感しました。
いつも仲のいい友人と意見の衝突があり、なかなかうまく協力できず、ゼミの授業が苦痛となっていったのです。当時の私はメンバーの意見を十分に理解しようとせず、自分の意見を押し通そうとして、チームの成果に悪影響を及ぼしていました。
孤立した状態から抜け出したい気持ちとグループで成果をあげたいという強い思いから、自分自身のコミュニケーションを振り返り、何が自分にできるのか思い直します。
振り返ってみて、自分のコミュニケーションで相手を思いやり意見を交わすことや、相手の立場を尊重する大切さを学びました。
この経験から、思いやりのあるコミュニケーションの1つで、目の前にある課題を乗り越えられると確信しています。業務では仲間とプロジェクトを成功させるために、相手を思いやりながら意見を交わしていきたいと思っています。
社会人としても人間関係は重要なので、業務でも挫折から学んだことを活かしたいと結びつけると好印象となるでしょう。
まとめ
今回は、挫折経験が思い出せない時や、挫折経験がない場合の答え方などを紹介しました。
就活生に挫折した経験を聞く理由は、入社後の困難に立ち向かえる人材であるかどうかを確認するためです。
挫折経験が思い出せない場合は自分自身や第三者と振り返り、ない場合は理由や困難を乗り越えた経験を伝えると、面接で好印象を与えられます。
挫折経験について事前に答え方を整理し、落ち着いて面接に臨めるように準備しておくことが大切です。