「未経験でも転職できるんだろうか」「今の仕事を続けていいのか、でも何も経験がないし……」そんな不安を抱えたまま、一歩が踏み出せずにいませんか。実は20代は、未経験転職がもっとも実現しやすい年代のひとつです。ポテンシャルを評価する企業が多く、市場環境も追い風になっています。この記事では、20代が未経験で転職を成功させるために知っておきたい転職市場の実態から、狙いやすい職種の選び方、面接で刺さるアピール方法、転職エージェントの使い方まで、具体的に解説します。「動き出すための情報」をすべてここで手に入れていただけると幸いです。
20代の未経験転職は、なぜ今がチャンスなのか
「未経験で転職するなんて無謀では?」と感じる方は多いですが、データを見ると状況は想像以上に前向きです。
2024年における20代の転職率は12.4%で、全年代のなかで転職者の出現率がもっとも多い水準とされています。転職そのものはすでに珍しい選択肢ではありません。
厚生労働省が2026年3月3日に発表した2026年1月の有効求人倍率(季節調整値)は1.18倍で、求人数が求職者数を上回る「売り手市場」の状態が続いています。 企業が採用難を乗り切るために「未経験歓迎」の求人を出すケースが増えると予想されます。
さらに、職種別では営業の職業、商品販売の職業、介護サービスの職業、建築・土木・測量技術者で有効求人倍率が高い傾向にあります。 こうした職種は未経験者でも挑戦しやすいポジションが多く開かれています。
転職者の年収はどう変わるか
「未経験で転職すると年収が下がる」というイメージをお持ちの方もいるかもしれません。ただし、必ずしもそうとは言い切れません。
2024年に転職した人では、転職によって年収は平均22.0万円増加したとマイナビの調査は示しています。全年代の平均ではありますが、転職が収入アップの手段になりうることは確かです。
また、2025年1〜3月に掲載された未経験求人の初年度平均年収は441.6万円と報告されています。前年同期より約20万円上昇し、基本給引き上げや早期昇給制度を導入する企業が増えています。 20代での未経験転職でも年収を改善しやすい環境が整いつつあります。
20代の未経験転職が有利な理由|ポテンシャル採用の仕組み
なぜ20代は未経験でも転職しやすいのでしょうか。それは「ポテンシャル採用」という採用方針と深く結びついています。
20代前半の求職者には今後の成長を見込んでの「ポテンシャル採用」が期待されます。実務経験が少なくとも、入社意欲の高さや伸びしろに期待し、採用する企業が多いのが実態です。
20代はポテンシャルが評価されるため、明確な実績を上げられていなくても転職しやすい点が挙げられます。 年齢が上がるほど即戦力としての実績が問われるようになるため、20代のうちに動けることは大きなアドバンテージです。
厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査」によると、在学していない20〜24歳の79.9%、25〜29歳の75.7%が正社員として働いています。 未経験であっても正社員転職が一般的に実現できている状況が数字にも表れています。
前半(20〜24歳)と後半(25〜29歳)で異なる強みを活かす
20代といっても、前半と後半では企業から見られ方がやや異なります。
20代中盤から後半の場合、社会人としての基礎スキルが身に付いていることが転職しやすい理由です。ある程度の現場経験を積んでいることから、採用企業側は管理職候補として専門スキルやマネジメント力の向上を期待している面もあります。
20代前半はひたむきな姿勢と成長意欲を全面に出すこと、25歳以降は前職で身につけた汎用スキルを丁寧に言語化することが、それぞれの強みになります。
未経験でも挑戦しやすい職種を知っておこう
未経験転職といっても、どの職種でも等しく簡単なわけではありません。求人数が多く、採用の間口が広い職種を狙うことが成功への近道です。以下に代表的な職種を紹介します。
営業職
未経験転職で最も間口が広い職種のひとつが営業職です。
営業職は求人数も多く、さまざまな企業が営業職の人材を求めていることから、20代の未経験でも転職しやすい傾向があります。業界によっては成績や評価によって年収がアップするインセンティブ制度などもあるため、未経験でも高収入を狙える可能性があります。
営業職には、資格の有無や学歴が問われないケースがほとんどです。結果を出せば給与に反映されるため、自分に対する評価もわかりやすいのも特徴です。前職で培ったコミュニケーション力を活かせるのも魅力のひとつです。
ITエンジニア・IT関連職
IT業界は、未経験転職の選択肢として近年とくに注目されています。
IT業界は人材が足りていないため、求人が非常に多くあります。昨今では未経験の20代を採用し、エンジニアとして育てている企業も多くなっているため、未経験でも挑戦しやすい職種となっています。
経済産業省の調査によると、2030年には最低でも41万人ものIT人材不足に見舞われると予想されているほどで、中長期的な成長性も見込める分野です。入社後のスキルアップが収入増に直結しやすい点も、20代の転職先として人気を集めている理由です。
介護・医療・福祉系職種
人材需要が構造的に高い分野として、介護・医療・福祉も外せません。
介護職は資格を持たなくても採用してもらえるため、20代が未経験で正社員を目指しやすい職種のひとつです。日本の総人口が減少する一方で65歳以上の数は年々増加しており、介護職のニーズは年々高まっています。
20代で介護職の経験を積めば、3年以上の実務経験者で受験できる介護福祉士の資格も早期に取得できます。介護福祉士は国家資格であるため取得しておくと待遇アップも見込めます。 手に職をつけながら社会貢献できる職種として、選ぶ価値は大きいといえます。
20代の未経験転職を成功させる進め方
いざ転職活動を始めようとしても、何から手をつければよいか迷う方も多いはずです。ここでは、実際に動き出すための手順を整理します。
ステップ1|自分のポータブルスキルを棚卸しする
未経験転職で最初に取り組むべきことは、前職の経験を「どこでも使えるスキル」として言語化することです。
採用担当者は基本的にポータブルスキル(自己管理力・コミュニケーション力・吸収力など)を見ています。また、過去の成功体験・失敗体験を通じて具体的に振り返り、失敗を通じて次は何をすべきかを自分の言葉で語れるかも見ています。
「販売職で培ったコミュニケーション力」「業務改善した経験」など、一般的に目標を達成した経験や業務改善した経験などはどの職種においても活かしやすいため、積極的にアピールすると良いとされています。「経験がない」と諦める前に、自分の強みを言葉にすることから始めましょう。
ステップ2|転職理由と志望動機を一本の軸にまとめる
「なぜ今の仕事を辞めたいのか」と「なぜこの職種・業界を選ぶのか」の一貫性が、面接官に響くかどうかを左右します。
未経験から異業種転職をする際に大事になるのが「転職理由と志望動機の一貫性」です。 バラバラな動機ではなく、過去の経験から現在の転職理由が生まれ、それが志望先につながる「ストーリー」を作ることが重要です。
転職理由をポジティブに言い換えることが、転職活動を成功させるコツのひとつです。 「前の職場が嫌だった」ではなく「○○に挑戦したくなった」という前向きな表現に変えることで、面接官の印象が大きく変わります。
ステップ3|複数社への応募で面接慣れを意識する
転職活動では、1社だけに絞り込まず複数社に同時並行で応募することが成功率を高めます。
doda エージェント利用者の分析(2024年)では、転職成功者の平均応募社数は32.0社で、95%が2社以上、66.2%が11社以上に応募しています。複数応募は企業研究や面接慣れを促し、条件交渉も有利に働くため、一社入魂より併願戦略が成功率を高めるのが実態です。
1〜2社だけ受けて落ちると一気に自信を失いがちですが、複数社を受けることで面接の場数を踏め、徐々に自分のアピールが磨かれていきます。
ステップ4|計画的に転職活動を進める(転職期間の目安)
転職活動にかかる期間についても、あらかじめ把握しておくと焦りを防げます。
リクルートなど民間の調査では転職活動期間は1〜3ヶ月がボリュームゾーンとされているため、「次が決まってから辞める」計画的な転職活動が主流です。 在職中に活動を進め、内定が出てから退職交渉に入るのが安心です。
厚生労働省のデータを見ると、離職してから再就職までの期間は20〜24歳で1ヶ月未満が28.2%、25〜29歳で30.6%と高い数値が出ています(厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概要」より)。 20代は比較的早期に再就職先が見つかる傾向がありますが、焦らず計画的に進めることが大切です。
未経験転職で注意したい落とし穴
意欲があっても、いくつかの落とし穴にはまってしまうと転職活動が長引いたり、入社後にミスマッチを感じたりすることがあります。
在籍期間が短いと不利になりやすい
1年以上同じ企業での勤務経験がない場合、信頼性が低いと見られることがあります。20代前半で転職を検討している場合は、現職場でも1年以上在籍するようにしたほうがよいでしょう。
転職を考え始めたとしても、在籍が極端に短い段階では動き出すよりも、もう少し実績を積んでから活動を始めるほうが評価されやすいケースがあります。
目的が曖昧なまま応募するのは逆効果
未経験であるにもかかわらず、なぜその仕事をしたいのかが曖昧だと採用担当者に見抜かれてしまいます。
「事務職として働いてみたいから」「手に職をつけたいから」といった曖昧な気持ちで応募すると、その姿勢が企業側へ伝わってしまうでしょう。 なぜその職種なのか、自分なりの言葉で説明できるレベルまで深めてから応募しましょう。
事務職は競争率が高め
「未経験でもできそう」という印象から人気の高い事務職ですが、競争が激しいことを理解しておく必要があります。
事務職は未経験から正社員を目指せる求人が多い一方で非常に人気のある職種でもあり、厚生労働省が発表した一般職業紹介状況によると事務職の有効求人倍率は0.45倍と非常に高い競争率になっています。
事務職を希望する場合は、PCスキルの取得や業種を絞り込んで関連性をアピールするなど、差別化の工夫が大切です。
転職エージェントを使うとどう変わるか
未経験転職においては、転職エージェントの活用が成功の大きな鍵を握ります。一人で情報収集しながら応募・面接・条件交渉までこなすのは、とくに初めての転職では負担が大きいためです。
転職エージェントではエントリーシート作成や面接指導を行ってくれるため、プロの視点でアドバイスをもらうことができ、転職の成功確率を上げることができます。自分の希望やスキル、経験をエージェントに伝えておけばマッチする企業を代わりに探してくれるため、転職活動の手間も減らせます。
エージェントは複数登録することで、より多くの求人と比較できるのが大きなメリットです。サービスごとで得意な支援分野やエージェントとの相性が異なるため、焦って特定のサービスにこだわりすぎないことが大切です。
特に第二新卒・20代向けに特化したエージェントは、未経験転職のサポートに慣れているため、はじめての転職でも相談しやすいのが特徴です。以下の比較記事を参考に、自分に合ったサービスを探してみてください。

よくある疑問に答えます
未経験転職を検討するなかで、多くの方が同じような疑問を持ちます。よくある質問に対して、ポイントを整理してお答えします。
「3年は同じ会社で働くべき」は本当か
「石の上にも3年」という考えは今でも根強くありますが、必ずしも絶対のルールではありません。
「3年頑張るべき」「すぐに辞めたら不利になる」という考えにとらわれすぎる必要はありません。 ただし、在籍1年未満での転職は不利になりやすい場面もあるため、少なくとも1〜2年程度の経験を積んだうえで動くと、評価を得やすくなります。
転職すると年収が下がってしまうか
未経験転職では年収が下がるケースもゼロではありませんが、業種や職種の選び方次第で十分に改善が見込めます。
2025年1〜3月に掲載された未経験求人の初年度平均年収は441.6万円と報告されており、前年同期より約20万円上昇しています。 また、2024年に転職した20代の転職理由でもっとも多かったのは「給与が低かった」でした。 給与改善を目的に転職する人が多い事実からも、適切に動けば年収アップを実現している人が多数いることがわかります。
どんな資格を取れば転職に有利になるか
「まずは資格を取ってから転職しよう」と考える方もいますが、資格取得が必須かどうかは職種によって大きく異なります。
営業職や接客・販売職は資格不要で挑戦しやすく、ITエンジニアを目指す場合は基本情報技術者試験やプログラミングスクールの受講が評価される場合があります。資格よりも「なぜその仕事をしたいか」の志望動機の整理を先に行うのが現実的なアプローチです。
まとめ|20代の未経験転職は「今」が動き出す絶好のタイミング
未経験転職は確かに挑戦ですが、20代という年齢は何より大きな武器になります。ポテンシャルを買ってもらえる市場環境は、年齢を重ねるほど縮小していきます。「いつかやろう」と先送りせず、まず情報収集と自己分析から一歩踏み出してみましょう。
- 20代の転職率は全年代で最も高く、売り手市場の環境が続いており未経験転職のチャンスが広がっている
- 営業職・ITエンジニア・介護職など求人数が多い職種を狙うと未経験でも挑戦しやすい
- ポータブルスキルの棚卸しと転職理由の一貫性が、面接突破の鍵になる
- 複数社への同時並行応募と、転職エージェントの活用で成功率を高められる
- 在職中に計画的に活動を進め、1〜3ヶ月を目安に転職活動を完結させるイメージを持つ

